寒かったお彼岸も通り過ぎ本当の春が近寄って参りました。先週に続き今週は我が家の貧弱な雪柳をご紹介しましょう。と言ってもうちのは地植えでなくプランターですから驚かれましたよね。3-4年程前に遊んでいた孫のボールが当時空き家だったお向かいの庭に入ったため取りに行ったら、花の終わった雪柳の周囲の地面に無数の子株が誕生していたため一つ失敬してきてプランターに挿しておいて忘れていたら昨年から咲き始めました。この儘では根っ子が可哀想なので梅雨前に露地に下ろそうと思っています。{%uttori%}

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先日お得意先の方から面白い話を聞きました。持っていた不動産が売れたので銀行に行って窓口で1億円定期預金をしたら、手続き終了時に窓口嬢が奥に居る男に何か囁いたら、その男が預金課長らしく出てきて投資信託の勧誘を始めたそうです。即座に断ったら、ティッシュ1箱でお仕舞い“♪はいそれまーでーよ♪”だったそうです。{%komaru%}
一昔前なら1億円が1千万円でも支店長室へ通されてケーキに紅茶とちやほやされ持ちきれないお土産(タオルヤラップなどつまらないものばかりですが)と共に送り出されたものでしたが、時代の流れは銀行を取り巻く環境を大きく変貌させ、今や1億円の定期預金の客など銀行にとって煩わしいばかりで、預金は競合他行と預金残高の競り合いでランクを上げる程度のメリットしかなく、貸金へのお金が必要なら利息が定期より低い短期のコールマネーで充分ことが足り、何れ近い将来預金者は銀行に手数料を支払ってお金を預かって頂くようになるのではないかと思います。{%saiaku%}
先週月次決算書類を持ってお伺いしたお得意先のY商店はH銀行の大口取引先ですが、これまでこの会社へご用聞きを兼ねた行員さんがしょっちゅう来て小切手の入金や給与の現金化などされていましたが、此の4月から規則で来られなくなったと銀行から申し渡されたとか…数十年来の慣行でありましたから社長も困って居られました。社長から相談されて即座に私が申し上げた答は“H銀行にとって社長の会社は貸金も少ないし金利のレートも低いので5キロの距離は行員の実働時間を考慮して余り好ましくない得意先と思われ、打ち切っても良いと判断されたのでしょうね”でありました。{%gakkari%}
お金持ちの皆様も銀行は来てくれるものではなく当方から行く処だと認識を新たにして下さい。但し投資信託か外貨建ての預金だと言うと駆けつけて呉れますヨ{%warai_a%}銀行で外貨預金を預けると銀行は出し入れ往復で2%も手数料が稼げるので喜んで来てくれるのです。1000万円(8万ドル)預けて往復手数料20万円は暴利ですよね!オマケに円高で元本がマイナスだったりして…(T_T)
郵政公社の民営化準備会社“日本郵政”が今秋の分社化で誕生する日本郵政グループ5社の制服が発表されました。男女モデルが8人揃って制服発表会に臨み新聞に掲載されましたが、職員41万人に対し147億円の費用だとか、一人当たり38000円の豪華版でありました、写真を見た処一見斬新そうで実はダサイものであり、JR擬(もど)きのものでありましたが、ジャスコなら9800円で充分買えそうなものがどうして38000円もするのでしょうか、夏服間服冬服各着替え1着宛なら分からぬではありませんが、きっと年度末予算余りで税金の無駄遣いだと思いました。写真のモデル達の正面に笑顔で立つ(笑うと損をすると思っているのかこの人の笑顔を見たのは初めて)西川善文日本郵政社長(前三井住友頭取)が独り背広姿なのには違和感に誘われました。“儂は偉いんじゃ!”と言いたげに映りましたが、JR西日本役員の脱線遺族達へのお詫びの席でもついぞ制服を着ていたことがありませんから、きっとお役所では部長を超えると私服となり高額な栄養費が支給されているのでしょう。{%komaru%}
制服は下っ端の徴(しるし)か!
おふくろさん事件は森進一の完敗に終わりましたね。福田赳夫元総理の秘書まで務めた大物作詞家の注意に対して初日“おふくろさんと謂えば森進一ですよね”などと思い上がりも甚だしくメディアのマイクに向かって堂々と宣うた言葉が、川内氏の激怒に油を差す結果となりましたが、一度口から出た言葉は永遠に戻りませんから彼も愚かな男でしたよね。中卒の集団就職組ですから彼に何の教養もないのは仕方がありませんが、マネージャーなどの周囲がその辺をカバーしてやらねばならぬを怠った結果が今回の悲劇を招きました。
あの総研の内河社長をご覧なさい。国会での質疑に対し失言せぬようにどんな詰まらぬ質問にも背後霊のようにくっついた弁護士に一言一句確かめてから答えていたではありませんか。我々も不用意な言葉の一言に注意せねばならぬことを知らされた今回のおふくろさん事件でありました。
著作権と謂えば先々月に『日本の歌100選』に触れたことがありましたが、その後毎日新聞が発行された“日本の歌100選”全文に登載された“春の小川”の出だしである♪春の小川はさらさらいくよ♪に対し“♪さらさら流る♪”ではないかとの投書が殺到したそうです。投書の主は我々以上の年配の方と思われますが、私は国民学校一年生ではっきりと♪春の小川はさらさら流る♪と歌いました(一年生の記憶は鮮明です)から甚だ訝しく思い調べた処、文部省が文語体は好ましくないから口語体にしようと勝手に“いくよ”に変えたそうです。
さすれば森進一事件ではありませんが文部省は著作権を侵害していることになりますから大変なことであり、作詞家である高野辰之記念館に電話して聞いた処、意外な事実が判明しました。高野辰之氏は東京帝国大学から文学博士を頂いた程著名な国文学者であり、文部省の要請で♪兎追いしかの山小鮒釣りしかの川♪で有名な“故郷”など幾つかの小学唱歌を作られましたが、文部省が頼んだものであるため著作権は國に属し、ために作詞家に無断で國が改変することができたそうであり、“いくよ”などとは漫才師じゃあるまいし、愚かな役人が考えつきそうな貧弱な発想でした。川が何処へ行くと言うのですか!口語体に変えるのであれば“さらさら流れ…”でなければおかしいですよね。他にも口語体に変えた歌詞が幾つかあるそうですが“春の小川”が余りに有名なことと変な口語文の違和感が我々戦前世代を刺戟したものでしょう。一方“故郷(ふるさと)”はと謂うと文語体丸出しの歌詞ですが、一字も変えられていませんから文部省役人のノータリンの単細胞なおつむではどだい変えることがムリだったものと思われます。{%akkanbe%}
現在では著作権は國を離れ高野氏の遺族の下に返されましたから、平成になって作られた記念館の石碑には氏の遺志を継いで堂々と“春の小川はさらさら流る…”と刻まれています。石碑からは戦後間もない22年に亡くなられた高野氏とその遺族の方々の無言の抵抗が感じられますね。
【高野辰之記念館】
長野地方にお出掛けの方は一度お立ち寄りになられたら如何でしょうか。
先週の答え
 【学びて思わざれば、則ち罔(くら)し】
教えを受けただけで、自分で思案しなければ、学んだことの本当の意味は理解できないということ。つまり教わったり学んだりしたことも只鵜呑みにすることなく自分自身の頭で良く咀嚼して学んだ本当の意味を理解しないことには、真に学んだことにはならないと謂うことです。
よく人の言葉を受け売りする人がいますが、“情けは人のため為らず”などと言って相手に情けを掛けることが必ずしも相手に対する思い遣りでないと憶えている方や“流れに棹(さおさ)す”が順調に進んでいて頓挫することだと思っている方が少なくありません。前者は人に情けを掛けることで巡り巡って自分に帰ってくる“人に親切をしておけば必ず良い報いがある”と謂う教えであり、後者は機に乗じて物事を順調に進めることを意味しますから、言葉の本当の意味を知ることは簡単なようで難しく、学ぶだけでは不充分であり、自身でよく思索することが肝要であることが教えられます。
前者の教えは孔子の説いた論語での出典であり、この後に“思いて学ばざれば、即ち殆(あやう)し”と続きます。
『学びて思わざれば、則ち罔(くら)し、思いて学ばざれば、即ち殆(あやう)し』
韻律の素晴らしい心地よい言葉ですね。{%warai_a%}
『智に働けば角が立つ、情に棹させば流される、意地を通せば窮屈だ、兎角人の世は住みにくい』 お馴染み夏目漱石“草枕”冒頭に登場する人口に膾炙する文章ですからきっと思い出されたと思います。何時読んでも漱石の文章はリズム感があっていいですよね。{%warai_a%}“棹させば”が舟を止めるのでなく動かそうとすることがお分かりでしょう。
今週の問題
『小人(かんきょ)して不善を為す』
(  )に漢字を入れて意味を答えて下さい。“かん”の字が正しく書ける人は漢検1級楽々合格でしょうね。{%warai_a%}
私事の都合により25日付けブログの更新が二日早くなりましたことをどうかお許し下さい。
m(_ _)m