私事ではありましたがいろいろあった永い3月が終わり今日から卯月に入りました。昨夜の雨もすっかり上がった久し振り清々しい日本晴れと言いたい処だったのですが春霞の日曜日で夕方には小糠雨となりましたが一雨毎に春が萌んでくるのでしょう。
孫が夢も又夢の志望中学に入れたことだし私も心を新たにして新年度を迎えたいと思います。卯月とは“うづき”と読むとばかり思っていたら先日漢検の問題集を解いていたら“ぼうげつ”が正解でした。{%gakkari%}
音読みが解答の約束でしたから当然“うずき”は誤りですが、“ぼうげつ”とは広辞苑にも記載がなく全く知りませんでした。卯月などまだマシな方で漢検準一級の熟語には60%以上が広辞苑に登載されていないもののため意味が掴めず対義語や類義語でお手上げになることが多く、意味も分からずに熟語を覚えることは私の年齢では到底至難の業となっておりますが、それでもしぶとくボケ防止のために漢字検定に挑戦を続けております。{%ureshii%}
卯とは干支で兎のことでしたよね。孫娘若葉が飼っている“ココ”の可愛い姿をご覧に入れましょう。文字通り部屋の中の兎小屋ばかりでは可哀想なので偶にうちの庭でお散歩の気分転換をさせています。猫など天敵が居ますから目が離されず、用心深い“ココ”も周囲の様子を窺うとき決まって立ち上がり耳を峙(そばだ)たせて居ます。可愛い仕草ですよね。{%uttori%}これで結構気は荒いのですヨ。{%tohoho_a%}
お馴染み何時ものEさんから素晴らしい尾道の枝垂れ桜を送って頂きましたが、ブログは一日写真一枚の約束事があり、残念ながら来週に回させて頂きます。
春は選抜からと謂いますが、高校野球も愈々佳境に入って参りました。M新聞では選抜特集号が開幕日の朝刊に挟まれて居り全国32チーム総勢576名全員のプロフィルが紹介されていましたが、各選手の“将来の夢”欄が結構面白く興味深く読ませて頂きました。野球選手ですから将来の夢がプロ野球選手なのが圧倒的に多かったのは当然として、意外だったのは“消防士”と答えた選手が20名を数えたことでした。警察官志望がたった一名なのも世相を反映しているせいでしょうか。{%ureshii%}中には“大金持ち”とか“社長”とか未だ人生が良く分かっていないものが多かった反面、“結婚コーディネーター”や“美容師“のように夢と言うより具体性を帯びたものも少なくなくて、税理士志望も二名居ましたヨ。{%ureshii%}
変わったところでよく似て非なるものに“父親のような人”と“父親を超えること”更に“親より有名になること”などがありましたが、一番は兎も角として二番三番は父親に対する反感や対抗意識が読み取れましたから、お父さんはこれを読まれてどんな気持ちだったでしょうね。
我々昔人間の判断としては、総体的に今の少年達の夢がコセコセと小さく現実性を帯びたものが多かったことへの失望でありましたが、“少年よ、大志を抱け!”は薄汚れてしまった今の日本では叶わぬ夢となったのかも知れませんね。{%tohoho_a%}
先日県内公立高校142校の合格発表がありました。定員26299名に対し26106名の合格とか、合格発表に沸く風景が新聞の片隅に載せられていましたが、毎年のことながら99%以上の合格率は尋常とは思えません。此で果たして試験と言えるのでしょうか。幾人かは試験当日重い病気で受験できずに欠席した者もいるかとは思いますが、193名も病気欠席とは考えられませんから、落とす者が予め決められていた試験か、さもなければ先生に睨まれて内申書を改竄された不運な生徒が居たとしか考えられませんね。
現在の公立高校の入学試験は内申書が110%モノを謂うものであって試験は単なるセレモニーに過ぎないことは誰もが周知する処です。
これは受験という緊迫した臨場感を通して子供達に竹で謂えば節を付けようとする試練の場を与えようとしたものでありましょうが、その試練の代償としてモルモットにされ犠牲となり人生の落伍者の烙印を押された1%に満たない子供達の心根を思い遣れば、全校同時入学試験など茶番劇であり、即刻複数校受験に改めるべきでありましょう。せめて合格率は2/3以下に留めるものでありたいと思います。不肖私が星陵高校を受験した昭和26年の合格率が偶々2/3でありましたがそれでも不運にも3人に1人に選ばれて合格できなかった友人の落胆と衝撃は物凄いものでありましたから、1%に満たぬ不合格者に選ばれた屈辱は如何ばかりでありましょうか。不合格を原因とした自殺者でも出れば文部科学省が慌てふためいて対策に乗り出すでしょうが、それまでは多くの傷つき屈折した若者が輩出されることでしょう。最近若者の間で些細なことからの殺傷事件が絶えませんが、或いは加害者は公立高校不合格者だったかも知れませんね。若しそうなら殺傷事件の真の加害者は文部科学省だと謂うことになりましょう。
文部科学省は極く極く一部の子供達を犠牲にする今の試験制度を直ちに廃止し、落ちても落ちた者が胸を張れる合格率である試験制度に改革せよ!
一昨年の全日本相撲選手権準決勝で敗れ幕下付け出しは逸しましたが、めげずに前相撲からスタートした高校横綱11冠の豪栄道こと沢井豪太郎が漸く大相撲10両準優勝を果たし、来場所は10両上位から幕内を窺うことになりました。突いて良し、組んで良しの速攻相撲は好敵手陰山(栃皇山)を凌駕します。早く幕内に入って遠からず朝青龍や白鵬をやっつける日が到来する日が待ち遠しいですね。{%ureshii%}
其れにしても先場所千秋楽の朝青龍は文字通り“因果応報”でありました。横綱の矜恃を捨ててまで左に飛んで千代大海を破り優勝決定戦に臨みましたが、変化しなくても順当に勝てる相手であり、その挙げ句が決定戦で白鵬に左に飛ばれて敗れ、苦笑いを浮かべるしかなかったのは千代大海戦での疚(やま)しさがあったからに違いありません。“明日は我が身”を思い知ったことでしょう。卑怯者には卑怯者を責める資格はありませんよね。
先週“クレージーキャッツ”の植木等が80歳で冥府に旅立ちました。先週のブログにて“♪はいそれまーでーよ♪”と彼の歌の一部を引用したばかりであり、40数年前を思い起こし感無量でした。思えば戦後女性上位の時代が到来し、男に縋って啜り泣く女を歌う演歌の多い中で、独り弱き男性の悲哀を歌詞とされたのは彼が最初で最後ではなかったでしょうか。世の男性に代わってご冥福をお祈りしたいと思います。合掌
先週の答え
『小人間居して不善を為す』
間居の間(閑とも書く)は本来門構えに月と書きます。現在では僅か漢字大辞典に“間”の旧字と記されているだけで漢検辞典にも登載されていませんから何れ忘れ去られる字になることでしょうが、夏目漱石の愛弟子安房列車シリーズで有名なユーモアの中に人生の深淵を覗かせた名随筆家“内田百間”の間の日が月でしたから或いは憶えていられる方もおありでしょう。
間居とは人目がなく独りで居ることを謂いますが、つまらない人間は人目がないと良くないことをするという例えです。一方“大学”の出典によれば“君子は必ず其の独りを慎む”とありますから、つまらない人間でなくても独りで居るときは不善の誘惑に駆られるのではないでしょうか。
私の敬愛する先生の子供さんが全寮制の某有名中学に行かれていますが、これまで8人部屋だったのが進級して独り部屋になったら急に成績が思った程上がらなくなったそうですから、周囲の人って意外に影響力が大きいことを思い知らされました。
私などこの歳まで愚かにも良き友人を悉く拒んできたために未だ小人に甘んじています。{%shiranai%}
今週の問題
『目から(うろこ)が落ちる』
( )内に漢字を入れてその意味を答えて下さい。