6月ともなると何処も彼処も初夏を通り越した真夏の佇まいとなりました。せめて5月の名残をとお馴染みのEさんから送られた森林植物園の杜若(かきつばた)をご覧に入れましょう。6月1日日曜日の映像ですが、森の緑の息吹が画面一杯に躍動していますね。5月を代表する杜若も何処(いずく)も最近は5月半ばで咲き終わり、6月にこの花が見られるのは季節が一月遅れる森林植物園ならではです。

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4-5年前のブログ(その当時は未だHPでした)で同じ囲碁部の学友であったF君が“芸は身を助ける”を絵に描いたように利用し、勿論そればかりではなく本人も努力したことと思いますが、役員達の信を得て出世し東証一部資本金100億円の会社の社長になったことに触れたことがありましたね。彼は社長退任後代表権のある会長となって居ましたが、日経新聞の役員人事の欄に依れば今年6月の株主総会で会長を退任するそうです。会社を辞めたら故郷の加古川に帰ってくるかと思いきや、今度は相談役になるとか…(;;)。新しい社長は副社長がなり、会長には現社長が就任する人事だそうです(;;)F君を悪く言うつもりはありませんが、考えてみれば代表取締役を退任して少なくない退職金を手にしながら、しぶとく会社に居座り再度相談役としての報酬を貰う悪しき弊習は、我々市井人には奇異な感に打たれます。然し経済界では何処の会社でも例外なく行われている日常茶飯事であり、巷間天上り天下りと官僚達への悪口ばかり喧(かまびす)しく聞かれますが、元官僚達は善悪は別にして古巣から金(かね)の生る木の情報を入手し、その代わりに多額の報酬や退職金を得ていますから、謂わばギブ&テークであり、受け入れた方もそれ以上の代償を得ているために強(あなが)ち押し込まれて迷惑している訳ではありません。迷惑しているのは天下り法人への補助金や随意契約で多額の税金の無駄遣いをされている我々国民です。そして官僚達にも言い分があり、自分達だけ責められることはなく民間会社だって70歳、どうかすると80歳迄会社に籍を置いて多額の給与を貪って居るじゃないか、努力を重ねて卑しくも国家試験である1種試験に合格しキャリア組に入ったのにこれ位の何処が悪い!と開き直って反論するでしょう。財界の鞍馬天狗と謂われた中山素平は80歳を超えても日本興業銀行の特別顧問であったことは衆知の事実でありますし、90歳を超えても十合の顧問であったことが十合破綻時に明るみに出て世間を驚かしましたよね。又会長や相談役になる社長だけでなく、社長になれなくて専務や常務で終わっても子会社の社長など退職後の居場所が予め儲けられているのが不文律として我が国の慣行でありますから、経済界がこのようなことでは役人に対して少しも大きなことは言えませんよね。
このように民間の大会社は極く一部稀に清廉潔白な方を除いては慣例の如く社長から会長そして相談役、更には顧問と幾々歳になっても地位と収入に恋々と会社にしがみついて老害を曝している者が多く財界全体の悪しき弊風となって前例を作っている処に官僚達が“それなら俺達も…”と便乗してきたものか、或いは官僚の天下りを見て財界が真似たのかその辺は詳らかではありませんが、我々庶民からすればどっちもどっちであり大きな役員室を占領して秘書に運転手付きの高級乗用車で10時出勤お食事とお昼寝の後3時退社、諸経費は報酬を入れて年間3000万円以上とあっては会社にとって害あって益なしですが、悪しき弊風と謂うものは蔓延(はびこ)るのは簡単でも、断ち切るためには余程の人物が出現せねばできぬ相談であり何時まで経っても我が身大切に前例を貴(たっと)び保身に徹する経営者や官僚が多いのにも困ったものです。(;;)この辺が強者と弱者を距てる富の偏在の一因となっているものと考えます。
F君を出汁(だし)にして話がとんだ処へ飛び火してしまいましたが、偉くなった連中は官庁でも財界でも幾歳になっても収入は減ることなく、蓄財は増えるばかりであり、片や勉強もできずに出世できぬ儘恵まれない人生を過ごし、僅かな国民年金から介護保険や後期高齢者保険まで差っ引かれて食べても行けずに首を括る他ない貧乏人が多いのは資本主義社会での世の倣いとは謂え、税金にしろ保険料にしろ実はその辺りをしっかりと地均しして富の偏在を避け貧乏人も最低限食って行けるような公平を保つように努力をせねばならぬ筈の施政者に到底目線を下げた弱者保護の姿勢がまるで見えませんから、自助努力を怠った貧乏人が悪いと端(はな)から極め付ける施政者自身に施政者としての適格性を最も欠いた人達がなっている現在の官僚のキャリア制度に重大な欠陥があるのではないでしょうか。
来月7月に経団連が消費税率の値上げに併せて75歳以上のお年寄りの高齢者の給与所得を非課税にするよう税制改革案を提示するそうです。此まで十二分に社会に貢献してきたからもう税金は要らないんじゃないかとの意見によるものだそうですが、流石に気が咎めてか富裕層の優遇に繋がるので株式や配当などには優遇の提言を行わないそうです。然し熟(つらつら)考えるに75歳を超えて尚税金の掛かる程の給与を貰って居るのは天上りの官僚達か、大会社の役員をされた後、今尚顧問か相談役として少なくない給与を頂戴されている経団連のお偉方の皆様ご自身のことではありませんか。貧乏人を出汁(だし)にして自分達の税金を減らそうなんて卑劣な魂胆による提言は我田引水もいいとこであり、経団連の為すべきことは税金の軽減などではなく高齢者の方々にも充分な就業機会を与え、且つ税金を納める位の給与を支給することではないのですか。現在75歳以上の働いていられる方で税金の掛かる方は年収160万円(奥さんを扶養)以上なければなりませんが、我々の周囲には160万円は疎か仕事を持って居られる方すら殆ど見掛けませんから、こんな提言はチャンチャラ可笑しくて聞いて居られませんよね。そんな我が身勝手なことを提言する暇があれば、もう十二分に社会に貢献されてきたのだから年所得200万円以下の方に限り後期高齢者保険料は無料にしたらいいんじゃないか位の提言に変えて頂きたいですね。
経団連のお偉方は全員非該当となりますから当然に全員一致で否決されることでしょう…(;;){%怒りwebry%}民の暮らしを竃の煙を見て憂いられた仁徳天皇の様な施政者の出現は現世では絵空事に成って居りとても悲しいですね。(;;)
昭和天皇がご存命なら今の政界財界の弊風をどんな風にご覧になられたでしょうか。
その天皇陛下に対して『そんなこと言うたかて、あんた…』と言った方が居られたと2日の日経新聞文化欄を読み仰天しました。それは宮内庁故入江侍従長の残された随筆集からの抜粋でありました。昭和初期の恐慌で多くの農民が人口過剰の煽りを受けてブラジルに移民されましたが現地で移民達が迫害を受けているのを知って経済使節団長として現地を訪れてブラジル産の綿花を大量に日本が買い上げることでブラジル経済を潤わせて移民達を救い、ブラジル移民の大恩人と謂われたのが、ご存じの方も多いと思いますが、東京海上や川崎造船の社長を務め甲南学園の創設者でもある平生(ひらお)釟三郎氏でありました。晩年貴族院議員や文部大臣まで勤められましたが、ある時平生氏がブラジル事情を陛下にご進講されたとき陛下の質問に対して答えられた『そんなこと言うたかてあんた、ブラジルのような広い国では…』はその狎れ狎れしい“天衣無縫の表現の美しさが陛下を含めたその一座を強く打った”と入江侍従長は記して居られたそうです。昭和天皇と謂えば人間天皇と謂われた戦後とは異なり、戦前では現人神(あらひとがみ)と崇め奉られて居ましたから、その現人神に対して“あんた”とは皇宮警察か特高が聞いていれば直ぐさま不敬罪に問われて打ち首獄門は遁れぬ処であったでしょうが、氏の人徳は“一座を強く打った”のですから余程の大人物だったのでしょう。(^^)終戦の年の瀬に79歳で亡くなられましたが、西郷南洲とか昔は立派な方が多く居られたのに、今は私利私欲に生きる政界人財界人ばかりになって日本もダメですね。(;;)
平生釟三郎氏は1893年に私の母校である(^^)兵庫県立神戸商業の校長を務められていたことがあるとか…(^^)1890年に高等商業学校(現一橋大学)を主席で卒業され3年後に来神されての校長就任ですから100年前でも既にキャリア制度の萌芽期が到来していたのでしょう。それにしても氏は1866年生まれですから27歳の校長先生は愕くほど若く、今なら1種のキャリアであり28歳で財務省から出向して1年で本省に戻るその辺の税務署長のようでしたね。(^^)
【平生釟三郎】
教育者であり乍ら財界人そして政治家その全てが超一流だなんて、スーパーマンである氏の面目躍如ですね。(^^)こんな人って昔は居たのだなあ、と唯々畏敬の念を禁じ得ませんでした。<(_ _)>
そこいらの似非教育家に似非財界人似非政治家達全員聞いているか!
本日の女子プロゴルフリゾートトラスト戦は滋賀県甲賀の里で行われましたが、初日3位と好スタートを切った橫峯さくら選手も本日のTV放映が池ポチャのダブルボギーのシーンからとあっては観る元気も失われ結局さくら選手2位に終わり本年初優勝を期待した小生を大きく裏切りました(;;)おまけに優勝したのは韓国のデブッチョブスでありましたから余計ストレスの溜まる悲しい週末になりました。(;;)