12月を待っていたかのように玄関前の石蕗(つわぶき)が綻び始めました(^^)。この花が咲くと冬が実感されます。この花の名は“艶のある葉の蕗”から転じたと謂われており、何故か沖縄では “ちぃぱっぱ”と謂うそうですよ(^^)。
今日は芦屋のNさんから送られてきた此も代表的な冬の花、山茶花をご紹介しましょう。山茶花は武士と比べられ、散り際の違いから椿に比べて花の格が落ちると謂われて居ますが、此の山茶花は珍しく白い花で厚みがあって品が良く椿より“侘び”が感じられますね。山茶花は寒椿と花期が同じでありよく間違えられますが、椿の花は山茶花に比し花蕊がずっと多く、又散るときには花ごとポトリと落ちますが、山茶花は花弁の一枚宛散って行く処で区別できます。
先々週公認会計士の話題でした。先週日経では早速コラムにてこの問題を取り上げ『公認会計士の就職難に考える』と題して国家試験に合格しながら不況のため監査法人の衰微で公認会計士になれない“就職難”が社会問題化し、毎年数百名の就職浪人が発生し今年だけで会計士浪人が合格者の半数近い1000人にも達すると書いて居ます。その理由の一つには弁護士や公認会計士が企業や官公庁で広く活躍している欧米に比して、我が国にはそのような雇用慣行がなく公認会計士が監査法人でしか“潰し”が利かない土壌のせいですが、その実、司法試験と公認会計士試験の間には大きな差別が横たわって居るのです。
それは司法試験に合格して弁護士や検事、判事になるための司法修習生が弁護士法人等での実務補習ではなく、準公務員として地方裁判所にて実務補習が行われ、更に給与も国家公務員一種試験合格者と同待遇で国費が支給されるため浪人になることが全くなく、生活も安定します。修習期間終了後司法修習生考試が行われることは会計士と変わりませんが、公認会計士の場合監査法人に就職することが会計士資格の土俵に上がるための絶対条件であると謂う制度上の欠陥がメチャ大きな差別です。そして誰かが司法修習生への特別待遇の矛盾を提起すると、必ず弁護士の多い政府閣僚から“金持ちしか法曹の世界を目指せなくなる!”と伝家の宝刀と謂うべきイチャモンが付き立ち消えになるとか…(;;)、弁護士には相手を言い包(くる)める“三百代言”なる蔑称がありますが、ホンに上手いこと言うものですね:-)。
公認会計士と謂えば、広州アジア大会のバスケットボール男子日本代表、岡田優介選手26歳が本年度の公認会計士の試験に合格しました(^^)。アスリート現役のトップ選手が合格とは異例のことであり、生活の大半を占めるハードな練習更には試合のハンディキャップを超えての合格は正(まさ)しく称賛に値し、16歳で合格の少年より遙かに凄いと思いました(^o^)。岡田選手バスケの現役を退いたら、是非特命担当大臣蓮舫率いる仕分けチームに参加して伏魔殿である陸連など公益法人の補助金の使途を追って頂きたいですね。“あれ?こんなお金僕貰ってないよ”なんてのが一杯出てきたりして…:-)。
紆余曲折がありましたが、先週遂に常用漢字が改正されその中に一級の配当漢字“彙”の字が選ばれることが決まりました。此の字の部首は“わかんむり”の上に居る三画の変な奴で“けいがしら”と言って、この部首には此の字と“彗星”の“彗”(部首は下半分)の二つしかなく、それも似て非なる部首字体なのに困りますね(;;)。昔は剥や緑の“ヨ”の部分の旧字体が“けいがしら”でしたが当用漢字に変わるどさくさに“ヨ”にされたもので“彙”も世が世なら上部が“ヨ”にされていたことでしょう(^^)。
こんな難しい異端児の字が準一級を通り越して何故選ばれたのか理解に苦しみますが、此の字が使われる熟語では“語彙”が知られている位で、訓読みの”彙(あつ)める“などパソコンでも検索できず、字画で謂えば29画と圧倒的に多い憂鬱の”鬱“の方が書き方は難しくても使用頻度が遙かに高くよく知られていますね。昨今日本語の英語化が進みカタカナ英単語を連発し、己が足りぬ教養を補って居る手合いが沢山居ますが、こんな奴に限って漢字の素養に乏しい連中が多く、これらに反発した国語学者が“語彙”の“彙”を常用漢字に入れたのではないかと推察します。ボキャブラリーなど日常よく使われる言葉であり、“語彙”と言っても相手に理解されぬことが多いせいですが、我々がよく使う“貧ボキャ”なんて言葉は今後“語彙”が大衆化されてもなくならぬと思います。
“けいがしら”に限らず漢字は難しいけど学んで居て興味深いものです。白川静先生は当用漢字が漢字をダメにしたと仰有いましたが、ド素人の私でも何処か分かるような気がします。例えば薔薇という字の薇には山の下に一本線がありますよね。微笑の微にも昔は一本線があったのを当用漢字に変わるとき省かれてしまったもので、その代わり薇の字の艸かんむりを除いた画数だけは“微”の13画と変わらないのが面白い処です。え?如何してなの…?きっと改正時に誰か一人抵抗分子が居て強硬に反対するので画数を等しくすることで懐柔したに違いありません(^^)。薇も微も山の下は三画なのがお分かりでしょうか、薇の几は二画で上の一を加えて三画、微の兀は三画ですよね。皆様の中には目からウロコの方も居られることでしょう(^^)。一だけでなく几と兀を書き間違っただけで漢検テストは×となります。因みに“兀”とは見慣れない字ですが、此の字は高く突き出たさまや、一心に努力するさまを意味し“兀兀(こつこつ)と努力する”などに使われますが、戦前の書物でないとお目に掛かれませんね(;;)。因みに几は“おしまずき”と読み脇息のことです。
今回新たに選ばれた常用漢字について文化審議会は“表の全ての字を手書きできる必要はないと”わざわざ断っていますが、語るに落ちる“とはこのことであり、“書く方はパソコンに任せておけば良い、読めれば入力できる”そんな発想がミエミエです。“薇と微”の微妙な違いはパソコン画面では識別し難く、手書きできてこそ漢字を味わえるのではないかと思うが、書けなくて良い字を常用漢字になどするな!
先週の問題の答
彼は何時も縦(ほしいまま)に行動する性格だ。
今週の表外読み問題
“赤児の(幼い)仕草” ヒント 送り仮名を入れて4文字です。 “おさない”は常用漢字の読みとなります。