繁多な年末調整も昨日までに漸く済ませ、今朝はジョン・デンバーの「カントリーロード」なんか聴きながら、何故か僕の故郷って何処だろう?など考えたりしたりし乍ら今年最後のブログを発信します。毎週決まった更新はホームページ時代からだから何年になるんだろう、平成10年にはその頃事務所だった朝霧駅前のことを書いた記憶があり15年以上にはなるのかな、その間入院したこともあり日曜日には外出届けを出して帰宅して原稿を仕上げたりと休みなくしぶとく頑張ったから感無量だ。
写真はお馴染みのEさんが先週奥様共々に一日掛かりでJR大阪駅から大和路経由一筆書き乗車160円に挑戦された帰路琵琶湖湖北の山々(花の百名山の一つ)です。神々しく荘厳な自然の佇まいは人間が如何にちっぽけな存在であるかを諭(さと)されて心が引き締まるね。
今月初旬に阪大の大学院生糸谷哲朗さんが強豪の永世名人森内俊之竜王を破って将棋の新竜王となった。此の人は名人間違いなしと謂われ乍ら29歳で夭逝した村山聖9段と同じ広島将棋センター出身で17歳のとき奨励会三段リーグにて14勝4敗とトップでプロ入りしその翌年現役で大阪大学に入学した異色の人だ、将棋も囲碁もプロになるのは東大医学部に入るより難しいと謂われるが彼は将棋プロテストの際、翌年阪大合格の余力を充分に蓄えて居たのだから将に怪物だな、そうなんだ、彼はプロ入り後のデビュー戦で橋本崇載に勝つた際、橋本が「強すぎる、怪物だ!」と叫んだことから、ニックネームは「怪物くん」になった^^。現在大学院にて西洋哲学を学ぶが、緻密な計算の将棋と感性の哲学の両立は到底人間業と思えない、物凄い人が現れた。羽生四冠や渡辺明二冠もウカウカして居られないね^^。
将棋と謂えば囲碁だが囲碁界には彼のような両刀遣いは居ず、過去のタイトルホルダーは全て小卒又は中卒で、今最多タイトル保持者の井山名人本因坊も中学卒だから糸谷哲朗が如何に天賦の才を有しているか分かるね。「天は二物を与えず」の格言があるが例外だってあるんだね^^。凄いな、世界の糸谷だね。
もう一つの将棋ビッグニュースは戦後の将棋史上最年長のプロ入りを目指していた朝日アマ名人今泉健司さん41歳が今月8日プロ編入試験五番勝負第4局で石井健太郎四段に勝ち、シリーズ通算3勝1敗で念願のプロ入りを決めた^^。この人は14歳でプロ入りを目指しながら年齢制限により26歳で奨励会(唯一の将棋のプロ登竜門)の退会を余儀なくされ、以後アマチュア棋戦で幾度も優勝し、その勝者に与えられるプロ棋戦対局のチャンスを掴んで今回遂に対プロ棋戦10勝以上で且勝率6割五分以上の条件をクリアしてプロ編入試験の受験資格を獲得したものだが26年の歳月は長かったと思う、執念だったね、糸谷さんも凄いが26年間気持ちが折れなかった今泉さんはある意味もっと凄いと思う。それにしても将棋連盟のバリケードは余りにも堅牢だ。彼等の作戦は対プロ10勝以上で勝率6割5分以上なんて絶対に起こり得ないし、万一突破されても5番勝負で若手のバリバリの4段が負け越すなんて絶対に想定できない鉄格子作戦だったに違いない。受験料50万円も余り知られて居ないがちょっと蘞(えぐ)いよな、谷川将棋連盟会長は「アマチュアの気持ちがよく分かっている人だからアマの指導に力を注いでもらいた」と白々しいコメントだが、トーナメントプロにはなれないと見越した差別発言だ、今泉さんは一度も自分がアマチュアだなんて思ったことがないと思うよ。ドンドン勝ってA級入りし谷川会長をアッと言わせたら?
小学校1年生の少年が数検2級に合格したと先日新聞が報じた、過去になかった最年少記録だそうだ、2級は高校三年生のレベル以上だから大検の数学受験が免除されるとか…。この坊やは更に一級を目指すそうだが、近年学生の数学力が低下して40年前小学校で習った計算を今では高校生ですらできない時代だなんて野暮を言うのは止めておこう。
処で数学の上位級を目指すのなら是非文学書をたっぷりと読んで欲しいね^^。「数学の力を伸ばすには国語力が絶対に必要だ」とはベストセラー「国家の品格」の著者お茶の水大学教授藤原正彦の持論だぞ。
先週太宰治の「パンドラの匣(はこ)」を60年振りに読んだ、太宰治には珍しい青春小説だ^^。「パンドラの匣」はギリシャ神話に出てくる誰もが知って居る開けてはならない箱のことだが、普通に読む「パンドラの箱」じゃなかったんだ。調べてみたら「匣」は蓋の付いた小さい手箱で宝石などを入れる箱を言い、我々が普段使っている「箱」は単に物を入れる器であって特定の形を意味せず荷物を入れるものを総称しているのだった、宝石箱と言っても宝石匣なんて聞いたこともないが太宰治は明治生まれで私の親父世代だから漢字に拘ったんだね、他にも丸い竹製の箱を「筥」と書き、四角い竹製の箱が「筺」で、食糧や衣類を入れるそうだ、同じものでも長方形になると「篋」だからややこしいね。函館の「函」は手紙を入れる箱だって…、「ノアの方舟」なんてあるよね、この「方(はこ)」は四角形を表す意味だから正確には箱ではないが漢字を数えると気が遠くなりそうだ、でも明治時代の人達は此等の字を自在に書き分けていたんだ、偉いね、そして日本語って面白い^^、日本人は持ち運びに軽い竹を好んで用いてたんだな、だから「はこ」は殆どが「竹かんむり」なんだ、boxとかcaseが日本語で箱と訳されるが、隙間の方が多いこんなソフトな竹製の「筥」や「筺」は英語ではどう言うんだろうな。
話の序でだが皆さんは「パンドラの匣」に何が入って居るかご存じでしょうね?開けてはならないこの匣を開けてしまうと「病苦」「悲哀」「嫉妬」「貪欲」「猜疑」「陰険」「飢餓」「憎悪」などあらゆる不幸の虫が這い出てきて飛び回り人間達は永遠に不幸に悶えねばならなくなるが、その匣の隅にけし粒ほどの小さい光る石が残っていて、その石に幽かに「希望」と言う字が書かれているそうな…^^、神様が人間に何を言いたいのか皆さんは分かって居ますよね?人間ってどんな悲しいことに遭っても、どんなに苦しく辛いことがあっても何処かで明日への希望に縋って居る、だから人は生きて居れるんだ。
政府は26日来年度の税制改正の大枠を固め発表した。増やす方は伏せておいて子や孫への住宅取得資金贈与の非課税枠を15年から1500万円16年から3000万円にするとドーンと大きく発表した。これぞ金持ち減税の最たるものだ、今後多くの親は子や孫から「家を建てるから金を寄越せ」と迫られるが、子等の期待に応えられる者は僅少だ、多くは子等から「甲斐性なしの親父や爺や」と悪態を吐かれることだろう(;;)。政府も親子の中を裂くような無神経な法律など作るな!
昨夜大学生の孫が東京から帰省し、うちに立寄った。孫を出迎えた妻は相好を崩し、得も言われぬ菩薩のような優しい笑顔で幸せ一杯、私が何時も見ている笑顔とは全く異質なものだった。この歳になっても焼餅なのかな^^。
先週の仮名付けの答え
勉強が疎(おろ)そかになる 彼を疎(うと)ましく思う 人通りが疎(まば)らだ
今週の仮名付けの問題
向こうに(灯)が見える マッチで火を(灯)す (灯影)が揺れている
1年間仮名付け問題に苦労されたことでしょう。来春から「書けなくても読みたい漢字」にリニューアルしてスタートしたいと思っています、乞ご期待^^。
皆様どうか良いお年を…m(_ _)m。