秋も愈々深まり夜更けの寒さは思いの外であり、庭の昆虫たちも残り少ない命を懸命に生きている。一昨日も何処かから「馬追」が飛んできてヒルガオの葉っぱに止まっているのを見付けた^^。ウマオイ(馬追)は、キリギリスの仲間でハヤシノウマオイ(林の馬追)、或いはハタケノウマオイ(畑の馬追)と2種類あるそうだがどちらか分からない。「スイッチョ」と鳴くから我々は子供の頃からスイッチョと呼んで馬追の名を知らなかったが小学校唱歌に「虫の声」と謂うのがあって此を聞いて馬追の名を憶えた。 ♬ あれ松虫が鳴いている…あとから馬追 追い付いてチョンチョンチョンチョンスイッチョン、秋の夜長を鳴き通す、ああ面白い虫の声 ♫ 皆様もご記憶だろう。此奴はバッタのように葉っぱを食べる害虫ではなく、虫を食べてくれる益虫だ、葉っぱなら白菜からレタスの葉まで食い荒らす三角バッタなどを特に好物として食べるから畑にウマオイが居ても殺さないで欲しい。名前の語源を調べると鳴き声が、昔馬子が馬を追う時の声に似ているから「馬追」と呼ばれるようになったとか…、「ドウドウ」なら兎も角「スイッチョ」なんて馬子が言ったのかなあ?とても信じられない。

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写真から「馬追」が天敵の鳥を恐れて懸命に葉っぱのフリをして生き存えて居る本能がお分かりだろうな。
先週明石へ仕事でJRに乗ったら舞子駅から大勢のチビッコが乗り込んできてピーチクパーチク喧しいことこの上なし^^、午後の下り普通電車とあって車内はガラガラ乗客は一車輌に数人だったが、先生に座ってはダメと言われているらしく全員立っているが、先生のように吊り革に手が届かないためあっちへよろよろ子供同士ぶつかり合って危なっかしい。先生も決められたマニュアルは差し置き、ガラガラ電車の場合は臨機応変に座らせた方が転倒事故など少なくて良いのではと思ったものだ:-)。私が座っている横の手摺りに掴まっている子供達に「君ら何年生?」と聞くと「2年生」と大声で返事が返ってくる。「ふーん、7歳か」と言うと「ううん8歳や」「僕7歳や」と口々に答えながら、私の読んでいるカードを見て「おっちゃん、それ何?」と聞くから、おじいちゃんと呼ばれなかったことにとても気をよくして「此は単語カードや、知ってるか?」と言うと全員頭を横に振る。「こっちに漢字が書いてあって裏に読み方が書いてあるんやで…」と見せて読んでやると、答を聞いて裏を見て「ほんまや」と感心している^^。漢検難読熟語のカードでもあり「此は難しい漢字やから普通の人には読めへんのや」と言うと一人の子が「先生なら読める!」と叫んだら、皆が「そやそや」と私の単語カードを取り上げて近くで吊革に掴まっていた三十路の女の先生に見せに行った、様子を窺っていたらしい先生は慌ててカードを懸命に凝視したが難しい熟語なので当然に読めない、子供が慌てて次のページを捲ったが矢張り先生の答は…だ(;;)。子供達がションボリしてカードを返しに来たので、気分を変えて「僕ら何処から来たん?」と聞くと「全員大声で「高津橋小学校」と言い「西区」と付け加えた。ハテ?高津橋なら明石駅から5キロもあるしバスにでも乗るのかな?それならバスの乗客も大変やろな…と考えて居る内に電車は明石に着いたので子供達と一緒に降りた。子供達はケロリと忘れたろうが、あの先生は忘れないで私を横目で睨んでいた。先生、プライド傷つけてゴメンね、こんなオジンに…と屈辱だったろうな^^。
先週の日経夕刊「こころの玉手箱」は現熊本県知事の蒲島郁夫氏だった。彼は白いご飯の食べられない貧乏百姓に生まれ9人兄弟の7番目として育ったそうだ。高校時代は勉強をしない落ちこぼれで卒業後自動車のセールスになったが3週間で辞め、地元の農協に勤めたが仕事に馴染めず派米農業研修生に応募して渡米したら、農家での研修は厳しくてまるで農奴のような扱いだったが研修の最後にネブラスカ大学での畜産学の学科研修が面白くてもっと勉強したいと思うようになり、24歳で再渡米してネブラスカ大学を受験したが不合格だったのだが、研修時の先生が推薦してくれて仮入学でき必死になって勉強すると成績も上がり特待生となり奨学金まで支給され、大学院に上がるとき勉強するなら一番良い学校で政治学を学びたいとハーバード大学を志望したら畜産学の指導教授の推薦で入れたそうだ。ハーバード大学では運良く最も厳しい教授に気に入られ奨学金を貰えて通常7-8年掛かる博士論文を4年足らずの短期間で仕上げることができたから凄い。日本の高校程度で落ちこぼれだった者がハーバード大学だなんて夢みたいな話だが知事にまでなった人が嘘を言ったら大変だから本当だろう。余程の天賦の才能の持主だったのだろうが、巷には自分の隠れた能力に気付かずを終わる人も結構沢山居るんだろうな、この方帰国後筑波大学や東京大学の教授まで務められたからまるで安藤忠雄だ。15年前彼が東大教授になったときは農協職員が東大教授になったと「アエラ」に発表されて世間の話題になったそうだ。人間の持つ能力は誰かが引き出してやらないと「金剛石も磨かずば…」となるが、抑(そもそも)己が金剛石かどうかも分からないのに、その秘めた能力に気付いてくれる人に巡り会えることは運命的としか言いようがない、此の知事は幸運に恵まれた方だ。熟々(つらつら)考えるに此の知事さんの潜在能力の多くは白い飯も食べられずに6人の兄姉を横目で見ながら両肘を精一杯張って9人兄弟の7番目として育ったときに培われたものに違いない。然らば8番目9番目の子供はどうなったのか興味深いが、ともあれ「蝶よ花よ」と乳母日傘で育った一人っ子などロクな人間にならないことは事実だろうな。
部品の製造が中止になったとかNTTから唐突に電話が掛かって、15年位無事平穏に使って来た事務所の電話セットを泣く泣く買い換えることになり、先週NTT西日本が取替工事に来た。NTTと謂っても来たのは多く下請けだったようだが、僅か30万円足らずの工事にバケット車2台にガードマン2名(不要だと思ったがバケット車1台にガードマン一人が決まりらしい)を含めお邪魔虫のような者も併せて11名も来たのには愕いた(゚ロ゚)。狭い事務所内を只所在なげに突っ立って我々の仕事の往還の邪魔をするばかり、お愛想に新しい電話機の使用方法など聞いても満足な答も得られず、内線の転送方法についても人によってまちまちな答が帰ってくるので仕方なく実際に電話を掛けて確かねばならぬ有様には参ってしまった:-)。真面目に仕事をしていたのは戸外で電柱に上って居た一人と室内二人だけだったから後の8人は何しに来たんやろ?
工事費を私に結構値切られた上にこんなに大勢動員してはNTTもとても儲かる訳がない。通信他社に追われ営業不振を原因とした極端な売上至上主義に走ったと見られるから採算などまるで度外視しているよう(;;)、それとも余程暇なのかな、そう言えば見積もりの時3人も来たが話をしたのは一人だけ、その内JALのように倒産するのではなかろうかと思ってしまう。民営化後30年近く経ったがNTTは未だに電電公社の体質を引き継いでいるようだ、そんなことでは最近下剋上著しい通信業界について行けずに取り残されるのではなかろうか?多分現在50万円以上含み損になって居ると思うが、昔から大切に持っているNTTの株も処分する時期が来たのかも知れないなあ(;;)。
先週の常用漢字の表外読みの答え
強大な権力を(伐った) (ほこった)でした
今週の常用漢字の表外読みの問題
彼のした行為を(聴す)