五月も半ばを過ぎれば何時とはなく夏の日差しとなり、一昔前と比べてひと月半くらい季節が早まったようです。毎年6月1日からと決められて居た学校の夏服も暑さの到来から今年は前倒しとなり松蔭女子学園では先週月曜日から白い制服になったと夕刊が彼女達の姿を報じました^^。その姿は旧套墨守で昭和の臭いをプンプンさせる 60数年前私の学生時代に憶えていたダサい服の儘であり、こんなとこにも昭和が残って居たんだと愕いたものです。庭ではカラーの花が満開です、カラーって水芭蕉の仲間だと思いますがファンタジックな花ですね^^。

先週私小説の元祖である嘉村磯多の書いた昭和初期の作品「秋立つまで」を読みました。この作品は岩波文庫で初版が昭和28年で平成13年に5版を迎えた長寿の復刻短編集ですが全編が原文に忠実で𦾔字体の儘印刷されて居り、常用漢字が一字も存在しない不思議な作品です。彼の本を読むことになった動機は彼の作品が梶井基次郎中島敦などと共に始終漢字検定の文章題に登場するためであり勉強のために買い求めたのでしたが、岩波文庫の字は何時も小さくて1行に43字もあって私の儚い目ではルーペが必要であり、133頁を読了するまで3日を要しました。最近の文庫は活字が大きくなって読み易く1行30字くらいの大きさなのまでありますから43字はとても辛くて困りました。でも旧字体と当て熟語に鏤められた作品は私にはとても目新しく漢和辞典を捲りながらの読書は楽しいものでした^^。印象に残ったのはこの時代の作品には口偏と足偏の字が多く使われていることです。最近の小説では口偏と足偏も随分少なくなって居ますね。当時の庶民の躰を使ったアナログ生活が偲ばれて興味深く感じたものです。参考までに彼の使用した旧字体当て字を幾つか列挙します。皆様読めますか?答は文末に載せて居ます。

欷歔、吩咐ける、嬌垂れる、微塵動、徒跣靠れる 羸弱い 国鄙語 蟀谷

三菱東京UFJ銀行が商号を三菱UFJ銀行に変更すると発表しました。思えば20年前、金融国際化に備えて我が国唯一の外為専門銀行である東京銀行のノウハウを獲得すべく巧言を用いて合併し東京三菱銀行となったものでしたが、三菱にとって質は格上でも資産総額の少ない「東京銀行」を冠に頂くことは20年間の屈辱だったようです。然しあの当時の三菱は三顧の礼を尽くして名家の令嬢を迎えたような状況でしたから三菱東京ではあまりにも世間体が悪かったのでしょう。然し今回悲願であった東京の名を漸く消し去ることが出来て三菱は目の上のたんこぶが取れた想いだと思います。然し東京銀行のOB達の無念を思い遣ると万感迫りますね。私が思うに三菱財閥の成すべきことは「東京」を葬り去ることではなく、早く出資金を返して三菱UFJモルガンスタンレー証券(この株屋は早くに東京の冠を消した)の「モルガンスタンレー」を消す去ることではありませんか!このカタカナが存在する限りこの株屋は何時までも国内の顧客にハゲタカのような下衆な株屋だと思われることでしょう(;;)。

天下の東芝が5400億円の債務超過を出して上場廃止の危機に瀕しています。30年前最高値1500円を付けた国内電機最大手でしたが、今や232円と株価が20分の1以下に下がり、代々家の財産として保有されている多くの株主が株価の暴落と迫り来る上場廃止にどんな思いをされているでしょうか(;;)。パナソニックやソニーを顧客に抱えるPwCあらた監査法人から今期3月期の決算について「意見差し控え」の引導を渡され、未だ決算が完了しない為体はどうしたことでしょう。東芝は業界最大手の新日本監査法人に毎年10億円もの監査報酬を支払っていました。そして不正会計を何年も続けていたのに何も言われなかったので、東芝は監査を馬鹿にしていました。平成27年春に東芝の不正会計が発覚し新日本監査法人は責任を取って辞任、新たな監査人としてPwCあらた監査法人が就任しました。いまや女性初の日本公認会計士協会会長を擁するPwCあらた監査法人が東芝に厳しく対応するのは、いつまで経っても東芝が旧態依然として監査法人を舐めていること、さらに怒らせた相手が女性であることもあります。日本の監査報酬が廉すぎるとの声も世界から発せられますが、監査法人が監査会社からお金を貰うから四大監査法人でさえ舐められるのです。監査報酬は株主に変わって国が徴収し監査人は国が公募すべきだと私は思います。

「貴(あて)やか」

三省堂国語辞典  なし あでやか 下品にならない程度に艶めかしい様子

新解さん なし 艶(あで)やか 人の注意を集めるほど綺麗な様子

明鏡国語辞典  なし あでやか 容姿仕草や花などが艶めかしく美しいさま

新潮国語辞典 上品で美しいさま あでやか 貴やかの転で華やかで艶めかしい意

岩波国語辞典 なし あでやか 華やかに美しくで艶めかしいさま

「貴やか」を記し「艶やか」に転じたことを記したのは新潮だけでした。「貴やか」は上品で「艶やか」は格下を意味していたのです。昔は誰もが「貴やか」と言って居たのが時代の変化と共に「艶やか」に移ろうて来たのでしょう。50年前三浦洸一が歌って大ヒットした「踊子」の歌詞にある「貴やか」は喜志邦三の渾身の作詞でありましたが、言葉が高尚過ぎて、世に知られずTVのテロップでは「あでやかに」と書かれることが決まりとなり、この美しい言葉がこの世から消えていったのは悲しいことでし(;;)。

先週の読めそうで読めない字 ♪絵のように貴(あて)やかな♬

今週の読めそうで読めない字 戸を(閉)てる

旧字体での当て字の答え すすりなき いいつける うなだれる みじろぎ

はだし もたれる ひよわい くになまり こめかみ