県境

日経金曜夕刊にはフォトジャーナリスト桜井寛さんの「にっぽん途中下車」なるコラムが週一で掲載される、私は毎回楽しみにしているが先日「都県境は小路だった」と東京都と神奈川県の県境が小路の真ん中であると記されて居た。面白い処もあるもんやね^^、写真の左が神奈川県で右が東京都らしい、県境となれば道路管理はどちらがするのか、道路に敷設した瓦斯や水道工事も分担がややこしいね、駐禁などどうなんだろう、向かいの人と学校はもとより国民健康保険の計算も異なり警察から郵便屋さんも管轄が違うから生活の謎が益々増えてくる。私の淡い記憶では県境は全て川か山だと思って居た、でも山だと海との境には道路がある筈だから道路を横断することで県境が定められているのだろうが縦断だなんて此処は不思議だ。恐らく昔は武蔵野の原野だったのが開発されてこんな風になってしまったんだろう。一度路の真ん中に仁王立ちして足を広げ「右足が東京都で左足は神奈川県だ!」なんて叫んで見たいよな^^。

今日の午後は漢字検定だ。受験しだしてから11年目に突入したが何故か仕事が忙しくて過去問なんて見る暇もなく四月前の記憶は殆ど消え去って居る(;;)。こんなことでは合格が叶わぬからなんとか頑張ろうと思うが、此のひと月仕事に押し潰されて勉強が全くできていないのでメチャ不安だ、付け焼刃だけど昨日と今朝だけ過去問を少し解いて見た。
「西施捧心」と謂う四字熟語が出て居る、幾ら考えても分からないので四字熟語辞典を引いたら「西施」は昔中国に居た女性の名前だった(;;)、そんなこと知るか!「堯風舜雨」の意味もどう考えても漢字辞典を繙(ひもと)いても分からなかった。答は太平の世を謂い、古代中国で堯と舜と謂う立派な王様の時代のことだった、そんなことも知るか!全ては高校のとき漢文を選択して居なかったことが致命的だったんだろう、漢文さえ学んでいれば私にも1級挑戦だって叶わぬ夢ではなかった(ウソ?)と思うからとても悔しい。この歳になって今更己の無学を悔いても詮ないけどな(;;)、
上の四字熟語は別にしても、漢書には含蓄があり我々が学ぶ処が多い。来世、再び人間に生まれ変わることができたら絶対に論語の素読から始め漢書を学ぼうと心に決めている。

先日みやざき中央新聞を読んでいたら興味深いことが書いてあった。元検察庁特捜検事だった田中森一氏が30年前世間を席捲した国立大学と文部省課長の「ワープロ贈収賄事件」についての秘密を話されたそうだ。逮捕された文部省の課長は罪は認めたもののお金の使い道については絶対に話さなかったが、追い詰められて遂に「全てを話して私は死にます」と言った。課長は若い男と同性愛で彼に貢ぐためにお金が要ったんだ 、妻子の居る身での同性愛なんて当時の風潮(今でもそうだが)は本人も家族も世間で生きていけない時代だった。罪そのものとは無関係のため 田中検事は調書を書き直して「男」を「女」にすり替えて供述書を裁判所に送った。両刀遣いの課長のことよりその家族を慮(おもんぱか)っての心配りだったろうが、堅苦しい検事さんも偶には粋なことをするね^^。因みこの検事さんはヤメ検の後弁護士として闇社会の守護神と謂われ、当局から睨まれてあの石橋産業事件で有罪となり上告せずに服役したとても珍しい人だ、長くみやざき中央新聞に手記を書かれて居たが昨年病没された。

被告の心情まで思って調書を書き換えてくれるこんなに素晴らしい検事さんが居るかと思えば、一方では20年前東住吉区で子供を焼き殺したと無期懲役に処せられ受刑執行中の親達二人に対して自然発火による無罪を主張する弁護団が再審請求での犯行火事場での実験に続いて検察庁まで此れを覆すべく同じ実験を行ったら、犯行を行った被告が火傷を負わなければ犯行をなし得ない結果が得られたため大阪高裁の米山裁判長は先週金曜日事実誤認による再審を指示し、二人は明日26日釈放されることになり事実上二人の無罪が確定した。弁護団の実験に対抗して、「全ては自白だ!」と安易に望んだ検察側の実験は自分達の主張を覆す結果となり「語るに落ちた」ものだった。自白以外に物証がないのに有罪とした当時の裁判官は当然に弾劾されるべきだが20年前だし秘匿して教えて貰えないよな。
処でこの硬骨な裁判長では例の競馬の馬券事件にて一時所得で30億円だとする国側の主張を退け負け馬券を必要経費の認めた裁判長だ、国に逆らったから最高裁裁判官にはなれないだろうけど偉い人だね^^。
処で受刑者だったこの親達は保険金目的で捕まったものだから当然に保険金は下りなかったものだが今回20年分の利息を付けて貰えるよね^^。その上国からも20年分の労役の対価に加えて拘束された期間に対する高額な賠償金が請求できるから、此の二人は一躍大金持ちとなる多額の報酬を期待するから弁護団も危ない火事の実験までして頑張れたんだよな^^。

火事と謂えば50年少し前に明石駅前の桜町にあった木造二階建ての明石税務署(昔は神戸税務署だって何処だって木造二階建てだった)が火事で焼けた。今と違って納税のデータが国税局にネットワークされているような時代でなく、何でも紙で書いたコピーもないアナログ時代だったから税務署では納税の滞納者が分からなくなり、当時は100円儲けると110円税金が掛かる酷税だったから、税務署を社会の敵と考えていた市民は誰も喜んだ。督促資料が焼失した滞納者が一番喜んだに相違ない。又、申告を調べるにも申告資料も焼失してなかったから税務署も手持ち無沙汰でなすすべがなく商店街の人たちも大喜びだった。
あの頃はあまりの酷税に税金を正直に払う奴が「あいつはアホや」と貶されて居たが、税金が払えるリーズナブルになった時代になった昨今税金を脱税した者が「悪い奴や」と社会的に糾弾されるようになったから、税金は納税者の納得の行くものにしないと逆に徴税に齟齬を来すことを施政者は過去の経験から 学んだのだ。
働きの悪い奴隷に罰として2倍働かすと余計生産性が落ちる理だね^^。

先週の書けないけど読みたい漢字
中学卒だからと慢(あなど)るな

今週の書けないけど読みたい漢字
見ていないからと仕事を(慢)るな