日本中で一番社説らしくない社説が日経に掲載されたご縁で一ヶ月間の無料購読期間を経て今月より僻地からの全国紙「みやざき中央新聞」を購読することになったが、此の新聞社から送られてきた口座振替を慫慂する購読申込書の入れてあった封書が実にユニークであり、その封書を再度投函に利用できるように上手く工夫されていたのにほとほと感心した^^。
つまり到着した封筒の左側に第二信受取人や送信者を書く欄があり、宛先などを書いて第一信受取人欄を×印で消して切手を貼ることで再利用できる仕組みだった。裏面の糊付け部分はセロテープが若干短かめに張ってあり、そっと剥がせるよう端に可愛いアニメのシールまで付いていたのだ^^。私はそそっかしいので何も見ずに左端(私は左ギッチョなのだ(;;))を切り落としてしまったので返信用に使えなくなり残念だったが、変わったアイデアだなととても愕いた。此の差出人は印刷されているようにみやざき中央新聞だが懐の深さを示す親切で大らかな新聞社だ。私だったらきっと第2信受取人の欄をみやざき中央新聞と印刷していただろう。自分はセコイ性分だから自分の出した封筒を他人宛に利用されたくないもんな^^。
7年前107名の尊い命を奪い600人近くの怪我人を出した福知山線脱線事故の裁判が歴代三社長について未だ延々と行われているが、先週の証人尋問では福知山線を走った経験のある元運転手が重大な証言をした。JR西日本は嘗て初代社長井手正敬の圧政に巷から「井手商店」と揶揄され同族会社のように扱われて居たのは周知の事実だ。「一将功なりて万骨枯る」と謂う言葉があり、一人の将軍の功名の陰に戦場に散った多くの命があることを意味するがJR西日本は将に此の言葉通りの会社であり、井手正敬ら官僚上がりのエリート達が目先の利益だけを目指して「JR東海」に追い付け追い越せを合言葉に苛酷な勤務体系を敷き、まるで余裕のない過密ダイヤの中で従業員達は翻弄されていたのだ。福知山線の快速電車が尼崎に停車する上り新快速の発車時間に是が非でも間に合わせようとしたのは、競合する阪急電車に大阪までの朝の通勤時間で優位に立つための至上命令だったのだが、机上の距離計算だけで列車ダイヤが組まれたため、駅での停車中の少しのロスタイムが事件の起こった魔のカーブを時速120kmで通過させねば新快速の発車時刻までに到着できない苛烈なものであり、「このスピードでは脱線する可能性があると思っていた」と元運転手が証言したのだった。利益優先を志す経営陣に未必の故意があったと思われても已むを得ないのではないだろうか。
昔は連絡支線の列車が遅延した場合は本線の列車は発車を送らせ、支線の列車の到着を待って出発するのを常としたものだ。此は当時列車が一日に数本しかなく、待ってやらないと乗り継ぎ客はどうかすると駅舎で一泊することになるため本線の運行を支線のダイヤに合わねばならぬ事情によるものであったが、現在のように15分に一本の新快速、更に快速に普通車と1時間に8本も走って居る時代なのだから、昔とは事情が全く異なっており、阪急を目の敵(かたき)にして無理なダイヤ遵守を強制した社長達上層部は乗客乗員の安全を無視した廉(かど)で厳しく罪に問われなければならないと思うが、証言したのが元運転手だから言えたことで現役の運転手なら後で上からの報復人事を恐れて「このスピードでは脱線する可能性があると思っていた」とは口が裂けても言わなかったろうな:-)。
学生時代のことだが広島から津山行きの芸備線に乗ったことがあったが、此の列車が津山の直ぐ手前の新見駅で岡山から来る伯備線の列車待ちをして1時間余り停車したことを思いだした。あの時は退屈の余り駅前のパチンコ屋で時間潰しをして100円の元手でピースを10個稼いだことまで思いだした^^。列車の乗り継ぎ時間待ちにパチンコができるなんて昔は長閑でよかったなあ^^。其れに比べて最近は何事も急からしくて堪らない、もう少しゆっくりと時間が過ぎて行って欲しいと思う。短い人生をそんなに急いで終えることもないと思うんだがなあ…:-)。
先日日経夕刊「明日への話題」で双日会長加瀬豊氏(前日商岩井業務執行役員)が浦和高校時代工芸の担任の増田三男先生のことを記して居られた。3年前に亡くなられた此の先生が20年前に人間国宝になって居られたことを彼は今春知り、「やさしくし生徒を指導していたあの先生が人間国宝になっていたとは…」と書かれていたが、苟(いやしく)も己が教えを請うた先生に対して「国宝になっていた」との表現は何気なく書かれたのであろうが、不用意であり己の品性を貶める恥ずかしい言葉であった:-)。双日会長が如何に偉い人かは知らぬが学校で指導を受けた生徒としては己が現在の地位は別にして「長幼の序」として常に先生に対しては「…になって居られた」と「敬語を用いるべきであったろう。こう謂う人も又「卑」と謂うのだろうな:-)。
漢字検定協会から昨年発足した漢検生涯ネットワーク会員通信 (年4回発行)が先日送られてきた。此のネットワークは準一級合格以上の者にのみ入会資格があるが、一級合格者でない準一級組の私としては甚だ肩身が狭く忸怩(じくじ)たる思いだ(;;)。漢検も本当は漢字エリートである一級合格者のみを会員にしたかったと思うが、対象となる人員が余りにも少ないのと、多くの受験者が大学推薦入試の対象に取り入れられる二級合格で満足して検定を終了するため、一級挑戦の可能性ある準一級合格者を取り込んだのだろう。数合せのその他大勢になど入りたくなかったが、ひょっとして将来一級に挑戦する可能性もないではないので屈辱感に苛まれ乍ら入会したものであったが、此の会報を読んでおっ魂消た。「一級成績優秀者に聞く」と題したアンケートがあり、一級の合格回数がナント!40回を超えている方が一人あり、30回以上も4名も居た(゚ロ゚)。又一級を満点(200点)で合格した人まで居たから受験してもせいぜい100点(50%)採れるのがやっとだと思われる私など死にたくなってしまった(;;)。漢検の発表では一級受験者は全体の0.2%(1000人に2人)しかなく、然もその合格率は10%程度であり、更にその合格者の大部分がリピーターだそうだ!将に漢字の神様が居るのかと見紛うばかりであり、私などと異次元の世界の住民だと思ったものだ。でも私など未熟者の会員に配慮したものか一人だけ対照的な努力コツコツ型合格者の手記が載せられて居り、この方は女性で一級受験挑戦後18年掛かって合格されたそうだ^^。合格したときには齢(よわい)50代になって居られたとか…、偉いなあ。一級に合格して一番嬉しかった方は200点満点の方より、きっとこの女性だったろうな^^。
因みに漢検受験要項に参考として記された一級の仮名付けの例題を列挙します。皆様はお分かりですか?
1. 贅肬 2.蓖麻 .3.訐く (答は末尾です)
先週の常用漢字表外読みの答え
平家の勢いも愈々(尽れて)きた。(すがれて)でした。
(すがれて)勢いが衰えること
今週の常用漢字表外読みの問題
彼奴は(敏捷い)奴だ
一級の問題の答 1.贅肬(ぜいゆう) 2.蓖麻(ひま) .3.訐く(あばく)
1. イボのこと 2.(蓖麻子油)の(ひま)です 3.秘密をあばく