11月半ばともなれば吹く風も肌寒く日暮れが早くなって、一雨ごとに暮れゆく秋の風情がそこはかとなく漂って行き、漸く私達衆生に諸行無常を感じさせ小さな秋がやって参りました^^。庭では短くなった秋を待ち焦がれていたピンクの酢漿草(かたばみ)が一斉に咲き始めて居ます^^。もう少し寒くなると白い酢漿草が開花しますからそれまでは独り天下です^^。

 

今月初に約1000名の選手が半年に亘り沢山の予選を勝ち上がっての合格率僅かに2%の女子プロゴルフ本年度最終テストの合格者はたった21人ポッチ!18歳高校生が堂々のトップ合格する中を25歳の高木優奈さんが6年目となる挑戦で合格したのはメチャ偉かった。もう一人子供を持つ21歳お母さんも合格しましたがこれも偉かった、まるで人生の縮図を見るよう^^。

 

尊厳殺人罪(3)

先週より続く記事です。
最近では子は親に従わなければならないという服従の道徳思想より、親も子も独立平等の人格者として相互に尊重と理解と信頼の上に真の親子関係を見ようとする民主主義道徳が生まれつつあります。
その見地からすれば刑法第200条のように一つの社会的身分を維持しようとすることは、憲法14条の精神に反すると訴えて漸く昭和44年5月第一審の判決を迎えました。裁判官に伝わったかどうか事件の真意の有無の難しい事件であり憲法違反にまで話を掘り下げました。争点は鮮明にできたのか?証言は適切に引き出せたか?各種の不安は抱いて居ましたが、公判進行中に裁判官の雰囲気にはある種の手応えがあり、法廷にて裁判官は意外な言葉を発しました。彼は「被告人に対し刑を免除する」と言いました❢。免除ということは殺人罪自体は成立しているが刑罰を赦すという意味です。裁判所は刑法第199条の通常殺人罪を適用した上で更に刑まで免除すると言いました。結果的に尊属殺人罪の規定に関しては憲法違反になります。「そりゃ、嬉しかった^0^/。尊属殺人では執行猶予が付けられないから…。無罪の主張をしてはいたけど通るかどうかは難しいせめて執行猶予だけでも…と思っていました。そのためには刑法第200条は憲法違反だと認めて貰わないと…。その主張が通ったのが嬉かった^^。第一審で通常殺人罪が適用され尊属殺人罪が適用されなかった理由を大貫氏はこう推測します。「裁判官に真実が伝わったと思います。娘が余りに可哀想だと…。本人の口から細かく事件の詳細を聞きその結果実刑を下すのは過酷だと思ったのでしょう」。
刑法第200条を違憲と判断した一審判決は弁護側にとっては大きな収穫となりました。然し当然検察側は親子間の倫理である孝は人倫の根幹として認められており、これに著しく違反する尊属殺人の刑を一般の殺人の刑より加重することは正義合目的性の要請に合致するとして即座に控訴しました。そして次の戦いが始まりました。「高裁に行ったら雰囲気が何か違うんです。もう最高裁しか見ていないような雰囲気になって…。これはマズいなと思いました」予感は的中し昭和46年5月の控訴審判決では一転刑法第200条は合憲であるとし、被告の過剰防衛も認められないとして原判決を破棄しました(;;)。その上で心神耗弱と酌量を認め懲役3年6ヵ月の実刑を言い渡しました🤬。
何を言っているんだと大貫氏は最高裁で徹底的に戦うことを誓い新たに決意を燃やしました。最高裁でこの事件は大法廷にと回されました。通常の上告事件では上告理由書の検討の後に「上告理由なし」として棄却の決定が行われ法廷が開かれることもありません。故に大貫氏は強かな手応えを感じたのです。尊属殺合憲説を見直されるのではないか?、そうでなければ大法廷に移るなんてことはあり得ないのです。ひょっとしたら?希望が心に芽生えてきました。以前の最高裁判例が破棄されるかも?。さあ世論からの注目も徐々に集まり初めました。昭和47年5月口頭弁論が始まり、これに先立って大貫氏は周囲からさまざまなアドバイスも受けました。「法律上の論点は決まっている訳だから弁論の際には回りくどい法律論を話すのではなく簡潔に…」と謂う助言まで頂きました。それと謂うのも15名の裁判官の方々は年寄りですから長い話をして居たら寝てしまいます。どうしたら裁判官の耳を傾けさせることができるかに集中するべきだと言われました。大貫氏の口頭弁論は刑法第200条に関する最終段落について引用し「刑法第200条の合憲論の基本的理由である「人倫の大本、人類普遍の道徳原理」に違反したのは一体誰か?本件に於いて被告人はその犠牲者であり、被害者こそこの道徳原理を踏み躙って居ることは一点の疑いもなく親子相姦という行為は人類が神の存在を信じ長い歴史的試練を経て確立した近代文明社会における道徳原理から見れば何人たりとも赦すことのできない背徳行為です。被害者の如き父親をも法律は尊属として保護しているのですか。かかる畜生にも等しい父親であってもその子は服従を要求されるのが人類普遍の道徳原理なのですか?本件被告人の犯行に対し刑法第200条が適用され且つ憲法第14条に違反しないものであるとすれば憲法は無力です。若しそうなら最早刑法第200条の合憲論の根拠は音を立てて崩れ去ると考えられるが如何ですか?」来週に続く…

 

先週の読めそうで読めない字     駄袋(だんぶくろ)

今週の読めそうで読めない字   犬を(手懐ける)