師走を迎えて一段と寒さが増して参りました。庭の石蕗も寒くなると元気に咲き出しています^^。

先週の続きです。今から40年前は私ももう40歳に差し掛かって居ましたが、小さい数字を相手の仕事柄老眼が進み、釣り場でハリスの仕掛け作りが少し宛難しくなってきたので10年続けて居た川釣りをきっぱりと諦め、歳も取ったことだし他に特に新しくしたいこともないので30歳で中断していた囲碁を復活させようかと考えました。仕事人間ばかりでは何か空しさが襲ってくるので何か趣味を継続したいと考えたのです。でも10年間碁石を持つことがなかったので棋力の低下が案じられて不安に駆られ、三宮駅前にある囲碁センターに恐る恐る行って見知らぬ人と対局してみるとナント!ナント!誰と打ってもボロボロに勝つではありませんか(^o^)、知らぬ人から「あなたはプロですか?」なんて言われて照れる有様です(^^;)、え?なんで?なんで?ボクって強くなっているの?と錯覚しましたが、いえいえ決して私が強くなった訳ではなく、日本棋院の営利目的による免状乱発によって段級位が何時の間にか実力を伴わぬものになって居り、一昔前には2段程度の棋力の人が「儂は5段や!」なんて威張って打っていたせいでした(^^;)。本当に強い人はこの頃にはもう囲碁センターなんかに行って碁を打ってなかったんです。なんだ!昔は容易に見付からなかった五段六段がゴロゴロ居る筈だと呆れましたが、結局免状インフレで段位が上がっていたことを知らなかっただけであり、数日間に十数局対局してみて私の棋力は上がっては居ないけど然程下がっても居ないことも分かりヤレヤレし、左脳の働きはスポーツなどと違って決して退化しないものだなと感心し嬉しく思ったものです^^。

高度成長下の頃までは他に大した娯楽など無く、住宅街や商店街の裏手には必ず碁会所があり、ゴミゴミした裸電球の下で年寄りが世話を焼いて居て、初心者から強い者まで犇めいて居り、畳は煙草の焼け焦げだらけの小さな碁会所が、社会全般の富裕化に伴い賢くない人でも努力を重ねること無く容易にできるゲームが沢山開発されて、何時の間にか急速に淘汰されてなくなり、あるのは大きな囲碁センターだけとなり、強い人ばかりか初心者にも行き難い中途半端な場所となったため新しい囲碁ファンが衰退して行ったようです。

私は友達が受験勉強で遊んでくれなくなった高二の折、ひよんななことから板宿駅前にあった仕舞た屋の碁会所で8級のお爺さんから井目(9子)置いて囲碁を教わる機会を得て、直ぐに囲碁の虜にされて毎日勉強少しで碁いっぱい…、高卒時には7級になり、大学1年の夏休みにはとことん頑張って初段(今の五段くらい)になりました(^o^)。あの碁会所のお爺さんと巡り会っていなければ私は今もこの素晴らしいゲームである囲碁を知ることが無かったかと思うと感慨無量です。

折角学校推薦の就職試験を飛ばされるまでして人生を変えて頑張った囲碁だからせめてもの恩返しに此れからは囲碁の普及に努めようとそのとき考え、思案を重ねた挙げ句、お得意先の経営する朝霧の駅前ビルの一室を借りて「朝霧囲碁道場」と名付けてオープンし私自身が図々しくも道場主を名乗り、元アマ名人西村修君を初め曾ての棋友に呼び掛けてを師範代になって貰い、私は土日と平日の夜に有段者の囲碁指導に当たることになりました。初心者の指導にはお得意先を定年退職した碁の好きなお爺さんになって頂きました。初心者の指導には棋力なんて不要なんです。ルールは「当たり」と「劫」が教えられたら其れで全てなんです。

朝霧も今では明舞団地がゴーストタウン化していますが当時はまだまだ活気があり土日など碁盤36面に空きがないくらい賑わったものです。

開業後は道場の評判を上げるためにスポニチの主催する近畿6府県対抗戦の兵庫県代表に加えて貰って幸運にも2勝1敗の成績を挙げることができ更に対局譜がスポニチ紙面を飾ることになり、道場の宣伝にもなり常連客も増えましたが、碁会所の常として料金が入場料200円とメチャ安かったため人件費を賄う利益が出る所まで行かず、私自身もバブル萌芽期でもあって本業がメチャ忙しくなって土日しか行けなくなったりして10数年存続しましたが、バブル崩壊前に遂に採算割れで廃業しました。その10数年間私は8段格として在位し、やってくる道場破りをバッタバッタとなぎ倒していましたが、なに、本当に強い連中は顔が知れているから私が打たなかっただけで、顔を知らない人は皆私より弱かったのです。

うちでは今も「週刊碁」と言う新聞を朝日新聞販売所から毎日曜日届けて貰っていますが、何時だったか販売店に垂水で何人くらい購読者が居るの?と聞いたら「5軒です」と言われ唖然としました。日本棋院からの直接購読者も居ると思うけど囲碁ファンが垂水で5軒とは寂しすぎるよな(--)AI人工知能など騒がれていても囲碁なんてメンタルスポーツは未だ未だニッチな世界にしか棲めないみたいだね。このブログの読者の中で囲碁を嗜む方って恐らく居ないんだろうな(--)。この後は来週に続きます。

 

三省堂国語辞典の「ぽっちゃり」

体つきや顔がまるくふくらんでかわいらしい。

新解さんの「ぽっちゃり」

若い女性が小太りで体全体にまるみがあり、かわいらしく見える様子。

新解さんは女性限定なんだ^^。

 

先週の読めそうで読めない漢字

あれこれと億(おしはか)る 

 

今週の読めそうで読めない漢字

彼は(一廉)の人物だ