4月も半ばを迎えて各地のサクラや八重桜が満開を迎えて居ます。それにしても週初めのポカポカ陽気が何処に行ったのかやっと仕舞ったストーブを再び出す寒い昨日今日でしたね、この花冷えには桜も戸惑っていると思います(::)。

 

最近どこかしこでイタリア映画「ひまわり」が放映され、大入り満員が続いています。ヘンリー・マンシーニの音楽がとても素晴らしい作品です。舞台が今全世界注目の渦中にあるウクライナであることが紹介され、リバイバルしたものですがあの広大なひまわり畑はちっぽけな島国に住む我々日本人を圧倒します。処で私はこの作品がジョバンナ役であるソフィアローレン主演であることを百も承知の上で、マーシャの可憐な美しさに惹かれたマルチェロ・マストロヤンニ演じるアントニオの選択肢を選びたいと思いました。マーシャ役の女優リュドミラ・サベーリエワはウクライナ人でバレリ-ナですが、ジョバンニが探して辿り着いたアントニオが暮らす小さなお家は温もりがあり幼い娘のカチューシャとの生活は心地良さげです。ジョバンニの話を聞いたマーシャが不安な面持ちながらも戦争で記憶を失ったアントニオを彼女に逢わせようと決意し、駅舎で列車から降りてきたアントニオの処へ走り寄って話して居るマーシャを見てジョバンナが突然逃げるように動きかけた汽車に飛び乗り、人目を構わず号泣する情景には思わず涙をそそられます。二人の強い絆を目の当たりにした女の鋭い直感で自らの敗北を一瞬にして悟ったに相違ありません。Time and tide wait for no man「歳月人を待たず」でありました。その後ダラダラした幾つかのシーンは全て蛇足であって、別れのあの場面を前奏曲とし、ジョバンナの号泣を以て映画の「FINE(the end)」にすべきだったと私は思ったのです。

 

先週講談社文庫の「同和と銀行」を読みました。1980年当時銀行大手6行の最下位にあった三和銀行がバブルのど真ん中に急成長を遂げるべく、当時被差別部落の出身であった部落解放同盟の小西邦彦との癒着が生んだノンフィクションでありましたが、読んで居て動くお金が桁外れに大きいので魂消ました(@@)。昭和44年に制定され33年も生き続け、悪法の最たる見本であった「同和対策事業特別措置法」により国の財政上の特別措置を設けられ全国展開されましたが、寝て居た子を起こすような此の法律は「穢多」を「新平民」と呼ぶ「穢多廃止令」が明治4年施行に制定されたことで、ひっそりと息を潜めて生きてきた人達が人前に曝され戸惑い逆に棲み難くなった約100年間を償うべく税金から限りなく同和関係者に利益を与え、それまでの身分差別の贖罪にしようと政府が目論んだ忌まわしい法律でありました。そんなこんなで特措法が成立し、特に同和部落の多い関西各府県各市町村では役所の公共事業をほぼ同和関係者が独占することになりましたから、それまでの業者は同和の下請けに成らざるを得ず美味しい上澄みはしっかり同和に取られる有様でした。国税局にもわざわざ同和担当部門が置かれ、所得税や法人税ばかりか更には相続税や贈与税までお目零しされて一般の住民が酷税に悩んでいる最中にも彼等が特別待遇だったことを私は職業柄この目で見て良く知っており、そのあからさまな不平等には歯軋りしたものです(::)。本文では同和関係者が土地を10億円で売ったら税務署が態々(わざわざ)やって来てくれて譲渡収入5千万円での申告書を作って済ませてくれたとはっきり書いてあります(;;)。

「同和と銀行」の舞台は大阪東淀川区にあった三和銀行淡路支店が主要な資金提供役を務めて進行しますが、群がった他の銀行も併せて不良債権の総額は80億円にも上り、バブルが弾けて焦げ付いた貸金が訴訟となって最終的に銀行が回収できたのは僅かに部落解放同盟会長小西邦彦の定期預金1億円のみでありました(::)。

エピソードとしては1980年当時のこの淡路支店にその後俳優になる「竹内力」が2年間ではありましたが大分の高校を卒業して入行し勤務しており、ヤクザ顔に整形する前の彼は半端なくハンサムであって、態々支店にやってくる女性達が多く、近くの柴島高校の女子高生が下校途中に彼の顔を見ようとして行列を作ったそうです(@@)。此の本には三和銀行の慰安旅行時の写真まで掲載されており、あのリーゼント姿は間違いなく「難波の帝王」竹内力その人でありました^^。

 

ウクライナの惨状は見るに堪えない状況だが、米、西欧共にロシアを非難するだけ、傍観して居ないで助けてやろうとウクライナに武器を持って入る国はどうして居ないの?

 

先週の読めそうで読めない字     彼の家を訪(おとな)う

今週の読めそうで読めない字      (注連)飾り