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tigerace について

税理士

合格率99%は試験と謂えるのか!


私事ではありましたがいろいろあった永い3月が終わり今日から卯月に入りました。昨夜の雨もすっかり上がった久し振り清々しい日本晴れと言いたい処だったのですが春霞の日曜日で夕方には小糠雨となりましたが一雨毎に春が萌んでくるのでしょう。
孫が夢も又夢の志望中学に入れたことだし私も心を新たにして新年度を迎えたいと思います。卯月とは“うづき”と読むとばかり思っていたら先日漢検の問題集を解いていたら“ぼうげつ”が正解でした。{%gakkari%}
音読みが解答の約束でしたから当然“うずき”は誤りですが、“ぼうげつ”とは広辞苑にも記載がなく全く知りませんでした。卯月などまだマシな方で漢検準一級の熟語には60%以上が広辞苑に登載されていないもののため意味が掴めず対義語や類義語でお手上げになることが多く、意味も分からずに熟語を覚えることは私の年齢では到底至難の業となっておりますが、それでもしぶとくボケ防止のために漢字検定に挑戦を続けております。{%ureshii%}
卯とは干支で兎のことでしたよね。孫娘若葉が飼っている“ココ”の可愛い姿をご覧に入れましょう。文字通り部屋の中の兎小屋ばかりでは可哀想なので偶にうちの庭でお散歩の気分転換をさせています。猫など天敵が居ますから目が離されず、用心深い“ココ”も周囲の様子を窺うとき決まって立ち上がり耳を峙(そばだ)たせて居ます。可愛い仕草ですよね。{%uttori%}これで結構気は荒いのですヨ。{%tohoho_a%}

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お馴染み何時ものEさんから素晴らしい尾道の枝垂れ桜を送って頂きましたが、ブログは一日写真一枚の約束事があり、残念ながら来週に回させて頂きます。
春は選抜からと謂いますが、高校野球も愈々佳境に入って参りました。M新聞では選抜特集号が開幕日の朝刊に挟まれて居り全国32チーム総勢576名全員のプロフィルが紹介されていましたが、各選手の“将来の夢”欄が結構面白く興味深く読ませて頂きました。野球選手ですから将来の夢がプロ野球選手なのが圧倒的に多かったのは当然として、意外だったのは“消防士”と答えた選手が20名を数えたことでした。警察官志望がたった一名なのも世相を反映しているせいでしょうか。{%ureshii%}中には“大金持ち”とか“社長”とか未だ人生が良く分かっていないものが多かった反面、“結婚コーディネーター”や“美容師“のように夢と言うより具体性を帯びたものも少なくなくて、税理士志望も二名居ましたヨ。{%ureshii%}
変わったところでよく似て非なるものに“父親のような人”と“父親を超えること”更に“親より有名になること”などがありましたが、一番は兎も角として二番三番は父親に対する反感や対抗意識が読み取れましたから、お父さんはこれを読まれてどんな気持ちだったでしょうね。
我々昔人間の判断としては、総体的に今の少年達の夢がコセコセと小さく現実性を帯びたものが多かったことへの失望でありましたが、“少年よ、大志を抱け!”は薄汚れてしまった今の日本では叶わぬ夢となったのかも知れませんね。{%tohoho_a%}
先日県内公立高校142校の合格発表がありました。定員26299名に対し26106名の合格とか、合格発表に沸く風景が新聞の片隅に載せられていましたが、毎年のことながら99%以上の合格率は尋常とは思えません。此で果たして試験と言えるのでしょうか。幾人かは試験当日重い病気で受験できずに欠席した者もいるかとは思いますが、193名も病気欠席とは考えられませんから、落とす者が予め決められていた試験か、さもなければ先生に睨まれて内申書を改竄された不運な生徒が居たとしか考えられませんね。
現在の公立高校の入学試験は内申書が110%モノを謂うものであって試験は単なるセレモニーに過ぎないことは誰もが周知する処です。
これは受験という緊迫した臨場感を通して子供達に竹で謂えば節を付けようとする試練の場を与えようとしたものでありましょうが、その試練の代償としてモルモットにされ犠牲となり人生の落伍者の烙印を押された1%に満たない子供達の心根を思い遣れば、全校同時入学試験など茶番劇であり、即刻複数校受験に改めるべきでありましょう。せめて合格率は2/3以下に留めるものでありたいと思います。不肖私が星陵高校を受験した昭和26年の合格率が偶々2/3でありましたがそれでも不運にも3人に1人に選ばれて合格できなかった友人の落胆と衝撃は物凄いものでありましたから、1%に満たぬ不合格者に選ばれた屈辱は如何ばかりでありましょうか。不合格を原因とした自殺者でも出れば文部科学省が慌てふためいて対策に乗り出すでしょうが、それまでは多くの傷つき屈折した若者が輩出されることでしょう。最近若者の間で些細なことからの殺傷事件が絶えませんが、或いは加害者は公立高校不合格者だったかも知れませんね。若しそうなら殺傷事件の真の加害者は文部科学省だと謂うことになりましょう。
文部科学省は極く極く一部の子供達を犠牲にする今の試験制度を直ちに廃止し、落ちても落ちた者が胸を張れる合格率である試験制度に改革せよ!
一昨年の全日本相撲選手権準決勝で敗れ幕下付け出しは逸しましたが、めげずに前相撲からスタートした高校横綱11冠の豪栄道こと沢井豪太郎が漸く大相撲10両準優勝を果たし、来場所は10両上位から幕内を窺うことになりました。突いて良し、組んで良しの速攻相撲は好敵手陰山(栃皇山)を凌駕します。早く幕内に入って遠からず朝青龍や白鵬をやっつける日が到来する日が待ち遠しいですね。{%ureshii%}
其れにしても先場所千秋楽の朝青龍は文字通り“因果応報”でありました。横綱の矜恃を捨ててまで左に飛んで千代大海を破り優勝決定戦に臨みましたが、変化しなくても順当に勝てる相手であり、その挙げ句が決定戦で白鵬に左に飛ばれて敗れ、苦笑いを浮かべるしかなかったのは千代大海戦での疚(やま)しさがあったからに違いありません。“明日は我が身”を思い知ったことでしょう。卑怯者には卑怯者を責める資格はありませんよね。
先週“クレージーキャッツ”の植木等が80歳で冥府に旅立ちました。先週のブログにて“♪はいそれまーでーよ♪”と彼の歌の一部を引用したばかりであり、40数年前を思い起こし感無量でした。思えば戦後女性上位の時代が到来し、男に縋って啜り泣く女を歌う演歌の多い中で、独り弱き男性の悲哀を歌詞とされたのは彼が最初で最後ではなかったでしょうか。世の男性に代わってご冥福をお祈りしたいと思います。合掌
先週の答え
『小人間居して不善を為す』
間居の間(閑とも書く)は本来門構えに月と書きます。現在では僅か漢字大辞典に“間”の旧字と記されているだけで漢検辞典にも登載されていませんから何れ忘れ去られる字になることでしょうが、夏目漱石の愛弟子安房列車シリーズで有名なユーモアの中に人生の深淵を覗かせた名随筆家“内田百間”の間の日が月でしたから或いは憶えていられる方もおありでしょう。
間居とは人目がなく独りで居ることを謂いますが、つまらない人間は人目がないと良くないことをするという例えです。一方“大学”の出典によれば“君子は必ず其の独りを慎む”とありますから、つまらない人間でなくても独りで居るときは不善の誘惑に駆られるのではないでしょうか。
私の敬愛する先生の子供さんが全寮制の某有名中学に行かれていますが、これまで8人部屋だったのが進級して独り部屋になったら急に成績が思った程上がらなくなったそうですから、周囲の人って意外に影響力が大きいことを思い知らされました。
私などこの歳まで愚かにも良き友人を悉く拒んできたために未だ小人に甘んじています。{%shiranai%}
今週の問題
『目から(うろこ)が落ちる』
(  )内に漢字を入れてその意味を答えて下さい。

春の小川はさらさら流る


寒かったお彼岸も通り過ぎ本当の春が近寄って参りました。先週に続き今週は我が家の貧弱な雪柳をご紹介しましょう。と言ってもうちのは地植えでなくプランターですから驚かれましたよね。3-4年程前に遊んでいた孫のボールが当時空き家だったお向かいの庭に入ったため取りに行ったら、花の終わった雪柳の周囲の地面に無数の子株が誕生していたため一つ失敬してきてプランターに挿しておいて忘れていたら昨年から咲き始めました。この儘では根っ子が可哀想なので梅雨前に露地に下ろそうと思っています。{%uttori%}

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先日お得意先の方から面白い話を聞きました。持っていた不動産が売れたので銀行に行って窓口で1億円定期預金をしたら、手続き終了時に窓口嬢が奥に居る男に何か囁いたら、その男が預金課長らしく出てきて投資信託の勧誘を始めたそうです。即座に断ったら、ティッシュ1箱でお仕舞い“♪はいそれまーでーよ♪”だったそうです。{%komaru%}
一昔前なら1億円が1千万円でも支店長室へ通されてケーキに紅茶とちやほやされ持ちきれないお土産(タオルヤラップなどつまらないものばかりですが)と共に送り出されたものでしたが、時代の流れは銀行を取り巻く環境を大きく変貌させ、今や1億円の定期預金の客など銀行にとって煩わしいばかりで、預金は競合他行と預金残高の競り合いでランクを上げる程度のメリットしかなく、貸金へのお金が必要なら利息が定期より低い短期のコールマネーで充分ことが足り、何れ近い将来預金者は銀行に手数料を支払ってお金を預かって頂くようになるのではないかと思います。{%saiaku%}
先週月次決算書類を持ってお伺いしたお得意先のY商店はH銀行の大口取引先ですが、これまでこの会社へご用聞きを兼ねた行員さんがしょっちゅう来て小切手の入金や給与の現金化などされていましたが、此の4月から規則で来られなくなったと銀行から申し渡されたとか…数十年来の慣行でありましたから社長も困って居られました。社長から相談されて即座に私が申し上げた答は“H銀行にとって社長の会社は貸金も少ないし金利のレートも低いので5キロの距離は行員の実働時間を考慮して余り好ましくない得意先と思われ、打ち切っても良いと判断されたのでしょうね”でありました。{%gakkari%}
お金持ちの皆様も銀行は来てくれるものではなく当方から行く処だと認識を新たにして下さい。但し投資信託か外貨建ての預金だと言うと駆けつけて呉れますヨ{%warai_a%}銀行で外貨預金を預けると銀行は出し入れ往復で2%も手数料が稼げるので喜んで来てくれるのです。1000万円(8万ドル)預けて往復手数料20万円は暴利ですよね!オマケに円高で元本がマイナスだったりして…(T_T)
郵政公社の民営化準備会社“日本郵政”が今秋の分社化で誕生する日本郵政グループ5社の制服が発表されました。男女モデルが8人揃って制服発表会に臨み新聞に掲載されましたが、職員41万人に対し147億円の費用だとか、一人当たり38000円の豪華版でありました、写真を見た処一見斬新そうで実はダサイものであり、JR擬(もど)きのものでありましたが、ジャスコなら9800円で充分買えそうなものがどうして38000円もするのでしょうか、夏服間服冬服各着替え1着宛なら分からぬではありませんが、きっと年度末予算余りで税金の無駄遣いだと思いました。写真のモデル達の正面に笑顔で立つ(笑うと損をすると思っているのかこの人の笑顔を見たのは初めて)西川善文日本郵政社長(前三井住友頭取)が独り背広姿なのには違和感に誘われました。“儂は偉いんじゃ!”と言いたげに映りましたが、JR西日本役員の脱線遺族達へのお詫びの席でもついぞ制服を着ていたことがありませんから、きっとお役所では部長を超えると私服となり高額な栄養費が支給されているのでしょう。{%komaru%}
制服は下っ端の徴(しるし)か!
おふくろさん事件は森進一の完敗に終わりましたね。福田赳夫元総理の秘書まで務めた大物作詞家の注意に対して初日“おふくろさんと謂えば森進一ですよね”などと思い上がりも甚だしくメディアのマイクに向かって堂々と宣うた言葉が、川内氏の激怒に油を差す結果となりましたが、一度口から出た言葉は永遠に戻りませんから彼も愚かな男でしたよね。中卒の集団就職組ですから彼に何の教養もないのは仕方がありませんが、マネージャーなどの周囲がその辺をカバーしてやらねばならぬを怠った結果が今回の悲劇を招きました。
あの総研の内河社長をご覧なさい。国会での質疑に対し失言せぬようにどんな詰まらぬ質問にも背後霊のようにくっついた弁護士に一言一句確かめてから答えていたではありませんか。我々も不用意な言葉の一言に注意せねばならぬことを知らされた今回のおふくろさん事件でありました。
著作権と謂えば先々月に『日本の歌100選』に触れたことがありましたが、その後毎日新聞が発行された“日本の歌100選”全文に登載された“春の小川”の出だしである♪春の小川はさらさらいくよ♪に対し“♪さらさら流る♪”ではないかとの投書が殺到したそうです。投書の主は我々以上の年配の方と思われますが、私は国民学校一年生ではっきりと♪春の小川はさらさら流る♪と歌いました(一年生の記憶は鮮明です)から甚だ訝しく思い調べた処、文部省が文語体は好ましくないから口語体にしようと勝手に“いくよ”に変えたそうです。
さすれば森進一事件ではありませんが文部省は著作権を侵害していることになりますから大変なことであり、作詞家である高野辰之記念館に電話して聞いた処、意外な事実が判明しました。高野辰之氏は東京帝国大学から文学博士を頂いた程著名な国文学者であり、文部省の要請で♪兎追いしかの山小鮒釣りしかの川♪で有名な“故郷”など幾つかの小学唱歌を作られましたが、文部省が頼んだものであるため著作権は國に属し、ために作詞家に無断で國が改変することができたそうであり、“いくよ”などとは漫才師じゃあるまいし、愚かな役人が考えつきそうな貧弱な発想でした。川が何処へ行くと言うのですか!口語体に変えるのであれば“さらさら流れ…”でなければおかしいですよね。他にも口語体に変えた歌詞が幾つかあるそうですが“春の小川”が余りに有名なことと変な口語文の違和感が我々戦前世代を刺戟したものでしょう。一方“故郷(ふるさと)”はと謂うと文語体丸出しの歌詞ですが、一字も変えられていませんから文部省役人のノータリンの単細胞なおつむではどだい変えることがムリだったものと思われます。{%akkanbe%}
現在では著作権は國を離れ高野氏の遺族の下に返されましたから、平成になって作られた記念館の石碑には氏の遺志を継いで堂々と“春の小川はさらさら流る…”と刻まれています。石碑からは戦後間もない22年に亡くなられた高野氏とその遺族の方々の無言の抵抗が感じられますね。
【高野辰之記念館】
長野地方にお出掛けの方は一度お立ち寄りになられたら如何でしょうか。
先週の答え
 【学びて思わざれば、則ち罔(くら)し】
教えを受けただけで、自分で思案しなければ、学んだことの本当の意味は理解できないということ。つまり教わったり学んだりしたことも只鵜呑みにすることなく自分自身の頭で良く咀嚼して学んだ本当の意味を理解しないことには、真に学んだことにはならないと謂うことです。
よく人の言葉を受け売りする人がいますが、“情けは人のため為らず”などと言って相手に情けを掛けることが必ずしも相手に対する思い遣りでないと憶えている方や“流れに棹(さおさ)す”が順調に進んでいて頓挫することだと思っている方が少なくありません。前者は人に情けを掛けることで巡り巡って自分に帰ってくる“人に親切をしておけば必ず良い報いがある”と謂う教えであり、後者は機に乗じて物事を順調に進めることを意味しますから、言葉の本当の意味を知ることは簡単なようで難しく、学ぶだけでは不充分であり、自身でよく思索することが肝要であることが教えられます。
前者の教えは孔子の説いた論語での出典であり、この後に“思いて学ばざれば、即ち殆(あやう)し”と続きます。
『学びて思わざれば、則ち罔(くら)し、思いて学ばざれば、即ち殆(あやう)し』
韻律の素晴らしい心地よい言葉ですね。{%warai_a%}
『智に働けば角が立つ、情に棹させば流される、意地を通せば窮屈だ、兎角人の世は住みにくい』 お馴染み夏目漱石“草枕”冒頭に登場する人口に膾炙する文章ですからきっと思い出されたと思います。何時読んでも漱石の文章はリズム感があっていいですよね。{%warai_a%}“棹させば”が舟を止めるのでなく動かそうとすることがお分かりでしょう。
今週の問題
『小人(かんきょ)して不善を為す』
(  )に漢字を入れて意味を答えて下さい。“かん”の字が正しく書ける人は漢検1級楽々合格でしょうね。{%warai_a%}
私事の都合により25日付けブログの更新が二日早くなりましたことをどうかお許し下さい。
m(_ _)m

親孝行がしたかった


長かった確定申告も漸く終了し、早や今日はお彼岸の入りとなりましたが、皮肉にも“暑さ寒さも彼岸まで”と謂われたその日が今年で一番冷え込んだ日となりました。小雪の舞う早朝事務所のストーブを付けたら9度なので驚きました。事務所はランのサーバーが24時間作動していますから室温が通常の家より3度程高く、さすれば寒さで目覚めた自宅の寝室は6度だったのでしょうか、ともあれ今年は三寒四温も感ずることなく春を迎えることになりそうです。{%tohoho_a%}
昨日庭の小池の傍で蛙の鳴き声が聞こえました。漸く冬眠から醒めたものと思われますが、この寒さではまだ虫も居ないので何を食べているのでしょうか。{%shiranai%}何か与えてやりたいと思いますが蛙は動いているにものしか興を示さないので困っています。コンポーサーに沢山棲んでいる縞蚯蚓でも千切って与えようかと思いますが、何か良い智慧がないでしょうか。
例年3月15日には開花すると謂われている“雪柳”が今年の天候異変にも関わらずちゃんと咲きました。この“雪柳”はご近所のお庭のものですが、入院中のご主人の帰宅を待ち兼ねて居るのでしょう、健気にも咲いています。

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日経朝刊のコラム“春秋”は含蓄に富んだものが多く毎日読むのを楽しみにしております。日経と謂えば株式欄を連想しますが、株にも商品取引にも興味のない私は政治欄、経済欄以外では“春秋”と夕刊の連載小説が本命であり、現在掲載中の内田康夫の“地の日天の海”など格調高い出色の歴史小説ですから、前回の渡辺淳一“愛の流刑地”などイヤらしくて読む気もしなかった分とても満足しています。{%uttori%}
この前のブログでは“春秋”の“読書(よみがき)学校”をご紹介しましたよね。先週の“春秋”は夫婦の関係について触れて居られたので興味深く、私なりに現代の夫婦についてあれこれと考えを巡らせてみました。
コラムは昨今の女性の下剋上に対し男子復権を目指そうとしたもので、♪会社帰りの携帯に女房からのメールが入った♪とオヤジ二人組が歌う唄が巷で話題となっているそうで、唄の続きは♪“牛乳、トイレットペーパー、海苔”なんと三つの単語だけだった♪ 単語以外のメッセージが何もない無味乾燥な夫婦の風景を中年デュオが切々と綴る唄への同情でありました。メールの語尾にせめて“よろしくネm(_ _)m”位の労(ねぎら)いの言葉も附いていないことは“お願い”ではなくて“命令”であり亭主の人格がまるで否定されているに等しく、こんな女房の言うが儘になって叩きだしもできないなど、今風の標準的夫婦の力関係と男の無力さを垣間見た思いです。コラムは更に追い打ちを掛け最近は夫婦の会話が余りに少なすぎて或る民間の調査に依れば夫婦二人で語り合うのは一日平均たった66分だと書かれていましたが、どうしてそんなに多いのでしょうか、私は6.6分の誤りではないかと思いました。私など余程卑近な事件でも起こらない限り結婚して以来一日に家内と10分と話したことなど凡そなく、新婚早々でもあるまいし、皆様66分も何を話して居られるのでしょう。以為(おもえらく)大半は亭主の収入の少ないことを詰(なじ)っての奥方からの一方的な愚痴話であり、甲斐性なし呼ばわりが延々66分も続いているとしたらご亭主にとって最早家庭は針の莚以外何物でもありません。それでも子供のため思って馬の耳に念仏とじっと我慢するのが男の性(さが)だとしたら余りにも悲し過ぎますよね。{%naku_a%}山本周五郎“日本婦道記”の女性達は一体何処に消え失せてしまったのでしょうか?{%komaru%}
私は常に夫婦とはお互いが空気のような存在であって話しなどしなくても意思の疎通に事欠かぬもので、極端な話“風呂”飯“寝る”の三言で全てことが足り、円満な家庭生活が築けるものと信じていましたが、世の移り変わりは三文字メールと様変わりしましたから実(げ)に恐ろしい世の中になりましたね。夜の更けたコンビニやスーパーで籠を下げて商品を探すネクタイ姿の疲れたご亭主を見るのは末(うら)悲しい限りです。{%naku_a%}
うちの愚妻は口五月蝿くて喧しく何事にも子供中心で私など何時も一方通行でボロカスに言われていますが、良いように受け取れば五月蝿いのは私を気遣って呉れている証拠であり、私は決して妻から無視されている訳ではないようで、私自身が我身勝手で決して良い亭主とはお世辞にも言えませんから、割れ鍋に綴じ蓋でこんなものかと諦めています。{%gakkari%}然しコラムの3文字メールなどは心の通い合いが全く感じられずご亭主の人格が完全に無視されたものであり、まるで亭主は奴隷のようです。頭に来たご亭主が“出て行け!”などとメールしたらきっと鍵を変えられて家に入れても貰えないのではないでしょうか。{%saiaku%}
悲しいある日の“春秋”でした。皆様は奥様と一日どれ位話されていますか?
先週の全日空プロペラ機の胴体着陸には驚きましたね。ナント!過去3年半に77回もトラブルがあったとか、これではどう考えてもこの飛行機は欠陥商品です。
この飛行機はカナダ製だそうで設計の問題ではなく製造過程での雑な仕事が原因だと思いますが、この数知れぬトラブルを考えて居て、嘗ての愛車ハーレーを思い出しました。{%warai_a%}
ハーレーは新車の時が一番不完全車だと謂われており、走っていて壊れた箇所を丹念に補修して1万キロも走ると漸く一人前の完成車になることで有名です。何せ壊れるところも常識を絶するものがあり、クラッチワイヤーが切れてチェンジできなくなることなど日常茶飯事であり、テールランプやフットレストが走行中に何処かへ吹っ飛んで行くのですから驚きです。然しそれを怒っているようではハーレーに乗る資格がないとか…{%saiaku%}、我々ライダーは何処かが壊れると完成車に近づいたことを誰もが喜んだものです。
然し此方(こなた)乗客乗員の人命を預かる飛行機がこれではどうしようもありませんね。メーカーであるボンバルディア社では経営陣は工場など覗いたこともなく、工場内では不二家のようなだらけた雰囲気でボルトの締め付けも均一さを欠き、偶にはボルト締めを忘れたりして私語が飛び交い乍ら和気藹々と飛行機が造られていたのではないでしょうか。ボンバルディア社も山崎パンの資本参加を求めたらどうですか?
今年は垂水の春を象徴する“いかなご”が未曾有の不漁で売り手買い手共に大弱りが連日続きました。この時期毎朝10時前ともなれば商店街の魚屋さんに長蛇の列が並びますが、肝心の“いかなご”が漁港から届かなかったりで双方言い争いが絶えません。原因の一つには“いかなご”が港に入っても小売りの値段が予め設定されているために仲買人が高値で競り落とせない処にあり、もう少し価額に柔軟性を持たせば客を怒らせることもないのでしょうが、価格の設定は恒例のことでもあり、こんな不漁は予想外のことであったのでしょう。急遽価格を自由化したためにあっという間に価格が乱高下しキロ800円であったものが1900円になっても買えなかったりしましたから、予算制で購入価額を決めているコープ神戸などは対応できずに、エスカレーターの降り口にデカデカと『今日はいかなごの入荷はありません』の張り紙までしてある始末ですから大変です。30キロ50キロと炊いては親戚縁者に毎年釘煮の贈り物を習慣とされている垂水の小母さん達は予算超過でパニックに陥って居られたようです。{%saiaku%}一昨日などどんなルートが得られたのかジャスコではキロ1000円で売られていましたから、1900円で買えて大喜びした小母さん達は、1000円の値札を見てどんな思いを持たれたことでしょうね。{%gessori_a%}
“いかなご”は一日で1糎近く大きくなりますから釘煮用が目的のために網を曳く期間は1週間前後と限られるために深刻です。県漁連や県水産センターでは暖冬のせいだとか、孵化した稚魚が親に食べられたとかを不漁原因に挙げていますが、漁獲量が減ってきているのは例年のことであり、私は不漁原因を瀬戸内海の水質悪化と“いかなご”の獲り過ぎだと思います。網を曳く海域を毎年異なるようにし、更に漁獲量を制限しないと何れ“いかなご”は現在の高級魚“鰯”同様幻の魚となることでしょう。{%gakkari%}今年は垂水の名物若布(わかめ)も異常な不作でまるで採れないようですから、周辺の水質悪化が決定的な原因ではないでしょうか。
西武の裏金事件の気の毒な被害者である早稲田の清水選手の一言『親孝行がしたかった』泣かせる言葉でしたね。死語となったと思った位久しく聞かなかった言葉でした。贈賄は贈った方の罪が重いのですが西武はどんな罪に問われるのでしょうか。西武の一場事件では一場の楽天行きで収拾しましたが、清水選手も楽天にでも入れたらいいですね。
格言故事先週の答え
『世論という字は、どう読みますか?』
世論調査をしたら“せろん”と読む人が28%で、“よろん”と読む人が72%だったそうです。私も“よろん”だと思っていたのですが、実際に調べてみると“せろん”と“よろん”は別の言葉であり、“せろん”は世論でも“よろん”は輿論だったのです。勿論意味も少し異なっており、輿論は世間一般の人に共通した意見のことで、世論は世間のうわさ・風評などのことをいったそうです。昔はそれぞれ分けて使われていたようですが輿論の輿の字が当用漢字として用いられなくなったために仕方なく輿論も世論と書くようになったとか…{%shiranai%}
輿とは漢検辞典によると“多い”“もろもろ”を意味し『輿論』の意味も世間一般の意見、大多数の見解と記されています。輿の字はお輿(こし)入れにも使われお嫁入りのことでしたね。お祭りに恒例の御輿(みこし)もこの字を使いますからこの字は本来人が担ぐ乗り物のことで、お嫁さん昔は白無垢に角隠しの花嫁衣装で御神輿のように担がれて嫁ぎ先まで行ったのでお輿入れと言ったのでしょう。{%uttori%}
◇NHKことばおじさん~気になることば~をご覧になれば納得されるでしょうか。
 
「よろん」と「せろん」は違う言葉だったことがお分かり頂けたと思います。正解の方には雑学博士の称号を授けましょう。と言っても何も出ませんが(笑)
故事格言今週の問題
『学びて思わざれば、則ち(罔)し』
(  )内に読み仮名を入れてその意味を答えて下さい。1級の配当漢字ですから少し難しいですよ。俺は書けぬけど読めると豪語する方も是非挑戦して下さい。

読書(よみがき)小学校


松の内明けから始まった確定申告も2ヶ月を経て愈々終盤胸突き八丁に差し掛かっています。昨日のお昼前仕事疲れの気分転換にと背伸びをしに庭に出たらレタスに大きな菜の花が咲いているので思わず近づいたら花がヒラヒラと飛んで行くではありませんか。慌てて目で逐うとそれはナント!花ではなくてトウの立ったレタスの花に誘われて飛んできた紋黄蝶だったのです。先週後半より風が冷たく少しは三月らしくなったかなと思っていた矢先でしたから驚きました。カメラを取りに行って帰ってくると蝶々は風に乗って彼方視界の遠くに去って行き、無念にもシャッターチャンスを逸してしまいましたが、あの紋黄蝶さんきっと何処かの木の葉の裏で越冬していたのが暖かい日差しと本能的に花の蜜の香りが察知できたのでしょうか、うちの蟋蟀用のレタスの花を慕ってやって来たに違いありません。確定申告の繁忙から刺々しくなっている私の心がホッと癒された一刻でした。{%uttori%}
紋黄蝶の写真をご紹介できなかったので、お馴染みのEさんから昨夜送られてきた本当の“春”をEさんのコメントと共にお届けしましょう。
『今日10日は神戸森林植物園(天律の森)の『しだれ梅』が満開と聞き、妻と二人お弁当持参で観梅に行って参りました。 海抜300m以上の場所だけに、見頃が難しく昨年はガッカリして帰りましたが、今年は大満足をしました。』{%ureshii%}{%heart1_a%}

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検事が裁判官の判決の主文に抗議したら裁判官が素直に懲役1年6ケ月を1年に負けてくれたとか…何とも馬鹿馬鹿しい事件が先週奈良地裁で起こりました。新聞の報道に寄ればバカラ賭博で捉まった犯人に対し検事が懲役1年を求刑したのに対し、裁判官が上記の懲役1年6ケ月の判決を下したことが事件の発端ですが、通常裁判では検事の求刑に対し7掛け乃至は8掛け程度の量刑の判決が常識であり、その辺が検事と判事の持ちつ持たれつの馴れ合い慣行なのでしょう。この検事は自分の求刑を上回る判決が出されたのでそれでは彼自身の立場や面子の手前我慢できずに抗議に及んだものと思われますが、判事も判事であり判決主文の後、被告人に対し“二度としないで下さい”と説諭し被告人も“有難う御座います”と頭を下げての閉廷直前に検事が割り込んで文句を言ったら瓢箪から駒が出たらしく、判決の言い直しなどこれまで聞いたこともありませんから驚きました。被告人は刑が軽くなったので大喜びでしょうが、これでは日本中の裁判官が検察官に嘗められることになり兼ねません。どうやらこの手の詰まらぬ事件は判事さんに取っては煩わしい以外の何物でもなく、随って世に“肺肝を砕く”と言いますが、判決の量刑が心を尽くして懸命に思慮を重ねた結果などとは到底思えないですね。量刑に対する判事自身の考えなど何もなく、きっと検事の求刑を2年と勘違いして判決分に7掛け乃至8掛けして1年半と書き込んだものと相違ないと私は考えました。{%gakkari%}
然し例え勘違いでも判決主文として一度口から出た言葉は余りにも重く、覆水盆に返らずであり、決して覆すべきではなかったのです。検事の抗議にも“私は1年半が妥当だと信じている!”と突っぱねれば良いものをこの判事さん余程の正直者だったのでしょう。お陰で日本中の判事さん全体の品位を貶める結果を招きました。刑事法の井戸田立命館大学名誉教授曰く 『検察官の示唆で裁判官が判決を変えることは先ずない。判決を変えては裁判への信頼が失われる』
信頼などとっくの昔に失われているのではありませんか? 信頼を回復したければ99年に山口県光市で妻子を強殺された本村さん事件の人の倫に外れた極悪漢を最高裁は死刑にして下さい。どうしてもできなければ本村さんは裁判所で裁判官に述べた通り犯人を殺すと思いますから、そうすれば日本の法曹界は平和な家庭生活の全てを奪われた善良な人を罪人にし、己が過失から裁かねばならぬことになりますが、法の裁きが罪人を造ってどうしますか!
松岡農水大臣の年間507万円もの光熱水費に対する答弁はそれこそ語るに墜ちるものでしたね。一体から“なんとか環流水”とは何でしょうか。1本5000円もする高価なミネラルウオーターだとする説もありますが、そんなミネラルウオーターが実在するのか疑わしいし、毎日1本飲んでも年間180万円であり、月半分は選挙区に帰っていますから彼が使途の明かせない不純な資金を國が全額負担する光熱水費に迂闊にも入れたのが命取りでしたね。“国民の殆どは今水道水を飲んでいない”とは又国民を逆撫でする言葉でした。余程の僻地にでも行かないと井戸水は農薬などに汚染されて飲めませんから、国民の90%以上は水道水を飲み食いに使っている筈であり、さてはこの大臣夜毎高価なミネラルウオーターで入浴でもしているのでしょうか。{%komaru%}今週の国会で本当の言葉が聞かれるでしょうからどんな珍答が飛び出すか楽しみですね。{%akkanbe%}
名古屋から中央線に乗れば中津川と木曽福島の間に南木曽(なぎそ)と言う駅がありますよね。最近は特急も留まるため憶えて居られる方も多いと思います。私個人的には50年前“馬籠”と言う駅名ではなかったかと思っておりますが昔のことで定かではありません。日経の“春秋”欄にて紹介されていましたが、この辺り一帯は最近過疎化が進み3月一杯で小学校が統合されるそうです。小学校の統合など珍しくもありませんが、統合により失われる小学校の名が“読書(よみがき)小学校”であり、創立130年の歴史を閉じることになったそうですが、名前の由来が面白く明治初期に“与川”三留野“ 柿其”の三つの村が合併した際、それぞれその頭文字の“読み”を充てて“読書村が発足したため小学校にも同じ名が付けられたものだそうです。今だったら勢力争いをして人口や財産の多い村が村名を奪取したでしょうから昔の人って思慮深くて知恵者だったのですね。お陰でこの学校は朝の読書運動の象徴校として全国的な魁(さきがけ)的存在を果たしたそうですから、名は失われても朝の読書は続けて頂きたいと願っています。{%warai_a%}
今週の女子ゴルフ横峯さくら選手は初日4位で好スタートを切り乍ら2日目失速し3日目は更に乱れ今日のTV放映開始時には7オーバー34位タイで既にホールアウト後であり私の期待は大きく裏切られました。この儘では今期4勝処か1勝も危ういですね。恐らくシーズンオフにスポンサーからの強制的なCM出演が原因で練習不足が祟ったものと思われます。{%gomenne%}
来週から暫くゴルフがお休みなので再度故事格言コーナーを始めます。
最近の漢字テストからヒントを得て少し変わった問題をお出ししましょう。
『世論』と謂う言葉はどう読むのが正しいでしょうか?
よろん? せろん? どちらが正しいかお分かりでしょうか、それとも“よろん”と“せろん”は違う言葉でしょうか? 正解の方は無条件で雑学博士に推薦しましょう。{%applause_a%}

社長になれぬ専務


幾ら何でも三月となれば少しは寒い日が訪れると思いましたが、一向に暖冬の勢いは増すばかりであり庭の芍薬や牡丹が先月末より萌(めぐ)んで参りました。我々が子供の時は♪春は名のみの風の寒さや♪と歌っていましたが、今では♪冬は名のみの風の爽やか♪などと歌わねばなりませんね。{%warai_a%}地球温暖化のこともあり喜んでばかりも居られません。{%saiaku%}
月次処理の帳簿が放置した儘になっているため、確定申告を何とか無事進行させ今週中にも完了させたいと願っていますが、何せ確定申告は40数年間寒風との戦いでもありましたからこの暖かさでは気分がだらけて仕事に気合いが入らず些か困っております。更に幾人かどんなに催促してもギリギリまで証明書などを持参しない人が居ることも困ったものです。{%shiranai%}

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芽吹いた芍薬の向こうが苧環ですが、こいつも早や春が来たと勘違いしているようです。{%komaru%}
先週日興コーディアルの元常務が社長や会長に代わってお金で身を売って人身御供になったお陰で一財産稼いだ話について触れましたよね。我が国では会社での序列はトップが社長乃至は会長でありその次が専務であり更に常務となっていましたが、最近では肩書きがCEOとかCOOとか或いはエクゼクティブ…などローマ字やカタカナの役員が輩出し、オマケに登記簿謄本に記載されていない執行役員や責任役員まで登場しましたから、我々高齢者の既成概念では到底付いて行けなくなっています。特に外資系など名刺に社長と書いてあっても法的には代表権のない三等重役すら出てきたので民法上の表見代理の問題はどうなるのかと戸惑ってしまいますが会社の役員名簿の順序でも読まねば分からぬ時代となったようです。
然し現在の処、大多数の会社がCEO等は別称として基本序列が社長専務路線を蹈襲していますから、我々年寄りも判断に困らないのですが、最近の傾向として筆頭専務が社長にならずにずっと下位の者が社長に就任するケースが目立って参りました。公務員1種試験の合格順位が退官時まで付き纏う悪弊のぬるま湯に浸かった高級官僚と違ってとても良いことだと思いますが、先週シャープの次期社長に選ばれたのは意外にも弱冠49歳片山幹雄氏であり7人抜きの抜擢でしたから、最近では入社歴や学歴だけでなく頭の良さに経験に決断力等余程力が伴わないと年功序列では最早社長になれない時代が到来したようであり、或る意味で喜ばしい限りです。専務は次期社長と言う昔の常識が既に過去のものになってきて居り、最近社長と専務や常務の間に大きな落差ができていることに気付かされますね。
そんなことを考える切っ掛けとなったのは、うちのすぐ近くに資本金1800億円年商1兆円を誇る超一流会社の専務が退職後最近東京から帰神され、戦争中幼年時代私の遊び友達だった奥様の実家に二人で住んで居られます。私は旦那様のお顔を存じ上げませんが、この元専務さん家を出掛けられるとき決まってうちの家の前を通られるので、その際うちの愚妻が “お早う御座います”と声を掛けるそうですが、何時も見向きもされずに無視して行かれるとか{%gomenne%}この方は我等如き下賤な者には首肯すら応答することで己が矜恃に傷が付くとでも思っていられるのでしょう。“大会社の専務までなった人が!”と愚妻から愚痴を聞かされて、私は此の元専務が社長になれなかった理由が何となく分かったような気が致しました。{%akkanbe%}
前ばかり見てがむしゃらに突き進んだ人の中でもときには後ろを振り返り、足踏みをして後ろの者を待ってやるなど、絶えず弱者を労る心根を忘れぬ人は社長になれても、振り返る時間を惜しんで突き進んだ人は自己中心であり、“一将功なりて万骨枯る”の譬えもあり、前ばかり見て後の者を顧みないでは真に社長足るべき器でないことが判明しますよね。この元専務さんの会社の現社長も執行役員から関連子会社の社長を3年務めた上で昨年6月に社長に異例の抜擢をされましたから、謂わば子会社への出向は手腕次第で亜流の儘終わるか、或いは本社社長になれるかの試金石であったのではないでしょうか。反面そんな機会も与えられなかったこの元専務さんは論功褒賞功なり果てての専務であり、終着駅として予定されていたものであって経営能力はあっても社長としては恐らく部下からの信頼と人望が充分得られないであろうと、会社の元老達や社外重役達が考えたことは想像に難くありません。社長たるべき者に最も要求されることは、自身の経営能力もさることながら会社内での人事の和は保ち社内社外の誰からも敬慕される人であるべきが必須要件であります。そしてそれは必然的に私生活に於いても実践さるべきものであり社長たる者は“和光同塵”の格言にもあるように、自己の才知を隠して庶民と付き合う雅量がなくてはなりません。近隣の人と自然体のお付き合いもできずに大会社の社長が務まる道理がありませんよね。“穣る程頭(こうべ)の垂れる稲穂かな”と謂うではありませんか。この方が社長になれなかったのは畢竟人間の器が小さかった事に原因するのだろうと考えました。この方そのストレスからか、お気の毒に現在脳梗塞で倒れられて病院でリハビリの最中とか…{%gakkari%}
私のように50年間同じペースでテクテク歩き満員電車を利用して仕事をしている人間には、この歳になってしんどく感じても慣れっこですからそれ程苦痛になりませんが、壮年期を長く運転手付き高級社用車で仕事だけでなく自宅会社間の送迎まで生活のリズムとなっていた人が、退職され只の人になった訳ですから、その生活環境の変化の段差は我々が想像できぬ程物凄く大きいものであったことでしょう。だからと言って近所の人の挨拶くらい受けられないようでは所詮大物だとは謂えず、お気の毒とは思いますが、脳梗塞の発作も生活の変化に順応できなかった不幸が招いた副産物だったのではないでしょうか。{%naku_a%}
一度拝顔して朝のご挨拶位したいと思っていますので、早く元気になられて帰宅されることを祈っております。愚妻同様挨拶が聞こえなかった振りをされたりして…{%saiaku%}
先週の答え
『惻隠(そくいん)の心は仁の端なり』
奥床しくてとても良い言葉ですね。
“惻隠”とは人の不幸を痛ましく思う心、仁は慈しみや思い遣りのこと。
人の不幸を哀れんで痛ましいと思う心が慈しみや思い遣りの心に繋がると謂う意味です。
古来から日本人の精神生活の底流を支えてきたこのような儒教の考え方が、何時とはなく功利的な自己中心主義に置き換わり、最近では人の不幸を悦ぶことはあっても傷ましく思うことなど誰もしなくなりましたから悲しい限りですね。
最近では小学校へ『給食費を払っているのに“頂きます”と言わすのはおかしい』と言ってくる保護者が居るそうですが、“頂きます”のこの言葉とて広い意味での”惻隠の心“であり、お金の問題ではありません。食事が摂れることに対して神への感謝の表現であることを知るべきです。
うちの愚妻など無学ではありますが食事の前には自宅であれ食堂であれ、必ず食事の前に箸を捧げて一礼する慣わしですから、昔の人は誰も食事に対する感謝の気持ちを持っていたのですが戦後の高度成長により、何時やら食べられることが当たり前になり、食べたくない子供は放っておけば腹が減って夜中に残飯でも食べるものを『もう一口食べたら玩具買ってやるからネ』などと子に阿(おもね)る愚かな親が激増してきたのも嘆かわしい限りです。
孟子曰く『無惻隠之心、非人也』
“惻隠”の心を持たない者は人としての資格がない、と喝破されたこの言葉を考えるにつけ、先々月うちののブログでお知らせしたと思いますが、10年前JAL名古屋行き便が三重県志摩半島上空で操縦ミスから機体が乱高下し、乗員乗客14名が負傷し、半年して乗員であった谷口敦子さんが癒えることなく亡くなられた事故を惹き起こし乍ら、彼女の見舞一つ行かずに先月の無罪判決を受けて”起訴は冤罪の温床になる“と批判して盗人猛々しく己が罪を認めなかったあの日航機の高本元機長が思い出されます。彼は日本で最高の教育を受けながら”惻隠“と謂う言葉を悲しいことに知らなかったこの元機長は将(まさ)に『無惻隠之心、非人也』ではなかったでしょうか。{%gakkari%}
現在の我が国の教育は人を蹴散らせて自分だけお山の大将になった者勝ちの偏狭教育であり、偉くなるほど“惻隠”の心の持ち合わせが乏しくなる仕組みとなっているのは情けない限りです。私など充分な教育を受けていなかったために“惻隠”の心の持ち合わせだけ存分にあり仕合わせだったと考えています。情けないことに自分だけが偉くて他の者は皆虫けらだと思っている奴って社会の上層部に行けば行くほど腐るほど居ますよね。{%shiranai%}
近所の元専務さんも或いは惻隠の心の持ち合わせがなかったかのかも知れませんね{%gomenne%}
今朝は東灘の青木付近で不発弾の撤去作業とかで、何も垂水まで走らせなくても良いと思うのですが早朝から広報車のマイクが大声で五月蝿く仕事の邪魔でした。{%ikari%}何でも対策本部長は神戸市長とか言っていましたが、実は名前を売るだけで自身は市役所15階で転た寝でもしていたことでしょう。広域に亘る広報車の出動で休日出勤手当に血税を幾ら費やしたことでしょうか。{%ikari%}
女子プロゴルフの開幕戦が沖縄で開催され我等が横峯さくら選手は、パットが不調で14位タイに終わりました。今月は来週の青島と2試合だけで4月6日より本格的にツアーが始まりますが、彼女の公約通り今年果たして4勝できるでしょうか{%uttori%}
恒例の故事諺篇の出題は女子プロゴルフの週のためお休みします。

禁煙タクシーの定義


相変わらずの暖冬が続いています。先週水曜日は我々税理士が税務署との申し合わせで義務付けられた海辺の水産会館での確定申告支援会場派遣の日でありましたが、倖い温かい一日であり、毎年寒風吹き荒び隙間風に悩まされる荒行でしたから日頃の心掛けを神が愛でてくれたものか今年は随分楽をした感じでした。
然し、納税者にとっては駅から2号線を横切って海まで10分近い徒歩での来訪となりますから、寒い日も多いことだし税務署も何も吹き曝しの海辺の辺鄙な場所を相談会場にしなくても駅前バス停の横にある区役所なら会議室(貸席用も多し)が大小多数ありますから、どうして利用しないのか不思議でならず、先日の打合会のときに税務署の統括官に聞いてみたのですが、実は区役所でもこっそりと外部非公開で3月5日から9日まで税理士による申告相談日を設けているとか…{%gakkari%}区役所は住民税課税のため税務署に負んぶに抱っこで資料提供の恩恵に預かっているので、会場の無料提供は些かも吝(やぶさ)かではないでしょう。どうやら察するに神戸市は区役所を申告相談会場にして公にすると納税者が殺到して雑踏警備まで心配せねばならぬために朝霧歩道橋事故の二の舞を踏むのを恐れて市が婉曲に断ったのが真相かと思われました。然し相談会場の設営なら数百人収容の大会場もあることだし如何様な方法もあったでしょうに、ホンにお役所の考えることは硬直的ですね。市民の便宜などよりお役人の身の保全の方がずっと大切なのでしょうか。
区役所に派遣された不運(幸運か?)な税理士さん手持ち無沙汰で居眠りをしていたりして…{%tohoho_a%}
先週の新聞で見たのですが、最近多くなった禁煙タクシーについての苦情が相次いでいるそうです。不思議なことに、実は煙草を吸ってはいけないのは乗客であって運転手には禁煙せねばならぬ決まりがないそうです。{%warai_a%}思わず笑ってしまいますが何でも禁煙タクシーについては国土交通省の旅客運送事業運輸規則に定められているそうでありその中には乗客に対しての禁煙を定めて居ながら運転手については何も記載がないとか、{%komaru%}全く人を小馬鹿にしたこの規則は例によって国交省の高級官僚が煙草を片手に鼻の下を長くしながら業者からの夜のお接待でも想像しながら草案したものでしょう。それにしても国会では誰も不思議に思わず通過していますから殆どの法案が誰も何も見ていない儘成立しているのが丸分かりですよね。“禁煙タクシーと定められた車輌に乗車する者は…”と書かねばならぬ処を、“禁煙タクシーに乗降する客は…”と書いてしまったものでありましょうが、如何にもお粗末な話ですよね。利用者からの通報で“禁煙車に乗ったのに煙草臭い!”と苦情が寄せられて調べた結果上記の如き事実が判明したそうですが、此には更にオマケがあり国交省の通達で車の屋根に禁煙マークの表示灯を装着するように義務付けられているにも関わらず、この法律に便乗して市販の禁煙ステッカーを張って誤魔化し客を拾っているタクシーが続出し、吹田市の国立循環器センターが新設した禁煙車専用乗り場ではこれらの偽禁煙タクシーまで現れたために、これを排除したら此の専用乗り場に釘がばらまかれる嫌がらせまで発生し、警察まで出動する騒ぎとなったとか…、タクシー会社の縄張り争いはヤクザの世界と変わらぬ程厳しくて、例えば鈴蘭台駅では神鉄タクシーで占められ他のタクシーが入れない不文律ができていることは何方もご存じですが、病院ですら縄張りの対象とは驚きですね。如何に不景気と高料金によりタクシー離れが進んだとは謂え、世のモラル低下が歎かれますね。いっそ全タクシーを禁煙車にして、違反は運転手行政処分6点などにしたらどうでしょうか。免停は自身の死活問題ですから運転手も少しは自覚するのではないでしょうか。何れにせよ乗客が禁煙で運転手が喫煙可では本末転倒であり主務官庁の業界寄りを如実に示したものと謂えるでしょう。くたばれ!国交省
先月一番悪い奴は誰だ!に日興コーディアル証券が登場したことはご記憶でしょう。あのときは一般庶民の健康には関わりがないから2番目に悪い奴だと書きましたが、その後この会社が97年に起こした不祥事で有罪となった当時の常務に対しその後関係会社の嘱託として処遇し現在まで続けて年間2000万円もの報酬を支払っていたことが発覚しました。これは明らかに身代わり出頭の代償であり、会社が起こした不祥事をこの常務に肩代わりさせたことを意味しますから前経営陣もその責を負わねばなりませんが、既に時効と有っては前経営陣も逃げ得となったようであり、真に悪い奴は前会長の金子昌資、前社長の有村純一を含む前経営陣元経営陣全員であったと思われます。
今回不正な会計処理の発覚により設けられた特別調査委員会は彼等に対し約35億円の損害賠償を求める方針を固めたと今朝の朝刊で報道されましたが、一方昨年末にこっそりと受け取っていた退職金それぞれ数億円については、社内規定に定めたものであり返還は求めない方針を明らかにしております、然し此こそ元常務の処遇の変形でありますから今後世間の批判の目を逃れそうになく、此では武士の情け処か意地悪そのものであり、退職金没収損害賠償金20数億円の場合よりずっと彼等の居心地が悪く、これって或る意味で調査委員会の報復手段かも知れませんね。{%gakkari%}
前経営陣元経営陣共に表も歩けず、今頃は財産没収を恐れて姉歯事件当時の総研社長内河健のように財産の名義変更に忙しいことでしょう。来年の今頃税務署から贈与税の出頭命令が来て青くなったりして…{%saiaku%}
先週の答え
『児孫(じそん)のために美田を買わず』
“子孫のために良い田を買うことはしない。財産を残して安楽な生活をさせると、子孫が立派な人間に育たないので財産は残さない方が良い”と謂う意味です。
西郷南州翁の遺訓として有名であり、多くの立派な方の2代目が暗愚となり没落するのは残された財産のために苦労のない怠惰で安易な生活を送るためであり、財産はない方が世間の荒波に鍛えられて立派な子弟が育つと謂うことでしょう。
処が先週のM新聞“みんなの広場”欄で面白い投書が載っていました。題して『僕らの力で美田を残そう』であり、自然保護と四季折々の日本の風土を何時までも保ちたいとの憂いからの投書であり、美田と謂う表現は上述西郷南州翁の遺訓から引用されたものと思われましたが、美田とは本来沢山の収穫が期待される肥沃な田地(広辞苑第五版より)を意味するので、投書された方の自然の風物詩としての田畑を美田とは呼ぶには些かの違和感があり戸惑います。然し、世の移り変わりは激しく食糧自給率の低下にも関わらず我が国政府の農業政策が無策に終始した結果がそこら中荒れ果てた休耕田だらけでは、美田か荒蕪な田地かの選り好みをしている時代ではなくなったせいではないかと考えました。{%gomenne%}
現代の若者は年配者も含めリストラされてもお百姓などする気は更更有りませんから如何に肥沃な田地であっても親から田畑を貰うこと自体が迷惑であり、“呉れるなら金で呉れ”でありましょうから西郷南州翁も “おいどんの考えが誤解されちょるばい”と泉下で苦笑されているのではないでしょうか。{%shiranai%}
今週の問題
『(そくいん)の心は仁の端なり』
( )内の平仮名を漢字に換えてその意味を答えて下さい。

真の勇者


確定申告の最盛期を控えて春一番が到来して漸く冬らしくなって参りました。早朝庭に出て吐く息の白さに身が引き締まり冬を実感しています。お陰で永かった風邪も少しマシになってきたような気がしています。{%ureshii%}
先週の月曜日当て逃げされた漁船の3人が浸水するボートで漂流中を無事3日振りに救助された心温かい記事のすぐ隣に載っていたのは、東京東武線で自殺しようとした女性を助けようとして電車に刎ねられ重体だった板橋署のお巡りさんが多くの住民から恢復を祈られながらその甲斐もなく亡くなられた悲しくも痛ましくニュースでありました。最近は裏金作りに精を出す税金泥棒のようなお巡りさんや、交通違反車を追い詰めて自損事故に追い込む悪徳パトカーばかりかと思ったら、昔ながらの地域型お巡りさんが未だ居られたことを知ってホットされた方が多かったと思います。このお巡りさんは立身出世には関心のない方らしく、入庁30年にして巡査部長(兵隊さんで謂えば1等兵)ですから、給与も安く親子3人生活も楽ではなかったでしょう。下賤な私などが考えることは、一般論的な話としてこの方は家で奥さんに昇進試験の結果を聞かれては絶えず“甲斐性なし!”と罵られていたのではなかったかと思います。然し警察官の為すべきことは昇進試験に受かって出世することなどではなく、何より一番に求められることは善良な市民が安心して生活できる暮らしを守ることに尽きますからこの交番の付近の住民にとってはこのお巡りさんの存在は本当に有難かったでしょうね。寒い夜も雨の夜も交番の前で仁王立ちし帰宅する住民を見守ってくれていたそうです。涙をそそったのは事故現場に手向けられた花に添えてあった近所の子供からと思えるたどたどしい哀悼の辞『自転車を直していただきありがとうございました。天国で楽しくくらしてください。○○より』(原文の儘)でしたから、このお巡りさんは周囲の住民に溶け込み愛された勤務生活を送って居られたことでしょう。うちの近くの交番など何時覗いても留守でお巡りさんが居た例しがなく、警邏に出ているにしては近くの常時不法駐車もついぞチョークが曳かれた形跡もなく何のための交番やら分かりませんが、皆様もきっと思い当たる節が沢山お有りでしょう。{%gakkari%}
このお巡りさん自殺願望女性の謂わば巻き添え貰い事故ですから犬死も同然ですが、命を賭しての行動は賞讃に値するものであり、犯人に立ち向かい相手を射殺することなどより、此が真の勇気と謂うものではないでしょうか。亡くなられた夜、遺体は板橋警察署に安置され安倍総理や警視総監の弔問を受けるなどVIP扱いの名誉であり、兇悪犯人を射殺しても精々警視総監賞ですから、このお巡りさんの人生は不幸な終焉に終わりましたが、それは何も分からぬ手合いが考えることであり、安倍総理がこのお巡りさんの勇気に対し緊急叙勲の意向を発表しましたから奥様も最早ご亭主を“甲斐性なし”呼ばわりはできず、それ処かこのお巡りさんは二階級特進による号俸アップで退職金は大幅増となりますし、遺族年金も格段の相違となりましょうから結果的に奥様に感謝されることとなりこのお巡りさん仏壇内ではありますが家庭が漸く安住の地となり仕合わせであったと思います。全ては永年に亘る地道な地域社会への無欲の奉仕が齋らしたものであったでしょう。大きな役所の大きな部屋でふんぞり返って部下を顎で使うだけしか能がない一種試験合格の高級官僚の連中には逆立ちしても出来ぬ行動であり、我が國の治安は斯うした底辺の警察官の弛まぬ努力により保たれていることを改めて再認識致しました。葬儀に際し奥さんは『夫の行動を誇りに思います』と挨拶されたそうですが、このお巡りさん奥さんにそんな風に言って貰って嬉しかったでしょうね。{%uttori%}
強い奥さんとできの悪い子供達に囲まれて針の筵(むしろ)の毎日を過ごしている世の多くの男性にとっては“儂にも殉死の機会はないものか”と羨まれますよね。{%tohoho_a%} 合掌
先週の答え 『骸骨(がいこつ)を乞う』
こんな言葉を聞かれたことはありませんよね。“骸骨”と“乞う”が上手く結びつきませんね。誰に聞いても“何のこっちゃ?”と相手にされません。実はこの言葉も準一級に出題される“故事、格言、諺”の中の一つであり、答から申し上げましょう。昔主君に対して家臣が暇(いとま)を告げるときに用いた言葉であり、司馬遷の『史記』に「登場します。どうして骸骨なの?その理由なるものは、“夫婦は二世、主従は三世”などと昔から良く謂われましたが、家臣は主君に対して身も心も全てを捧げたものであり、自分のものなど何もないから、心身共に燃焼し尽くし身を退くに際し、蝉ならばせめて抜け殻だけでも返して貰えぬだろうかと謂うことを骸骨に譬えて表現したものです。“貞女は両夫に見(まみ)えず” “忠臣は二君に事(つか)えず”と謂いますが、何とも凄まじい奉仕ぶりには世のサラリーマン達にも爪の垢を煎じて呑ませてやりたいですね。矢沢栄一著“知らない日本語”に拠ればこの言葉が中国から日本に渡来してから江戸時代に良く用いられ、松平伊豆守信綱など徳川家で老中30年徳川家光家綱に仕えて幕府の基礎を堅め辞職の直後死去したそうですから将軍達に血肉を捧げ付くし文字通り骨だけになったのでしょう。今時こんな人はお上のお役人では先ず見られなくなりましたが、会社勤め一筋の真面目人間には稀に老後の楽しみであった家族の団欒が叶わぬために定年と共に“生ける屍”となり、人生の目標を失った挙げ句に認知症となる方が少なからず見られますが、時代が時代ですから身内の誰にも面倒すら見て貰える訳がなく、精神病院で徘徊を恐れてベッドに手鎖の後はヘルパさんと介護保険任せがオチあり、奥様はご主人の退職金と年金でボーイフレンドと温泉旅行ではこの方は死んでも死にきれず、この人の人生って一体何だったのかと思ってしまいます。そう考えれば踏切で殉職されたお巡りさんなど仕合わせだったと謂うべきでしょうね。
理不尽にも今の世では昔は男の鏡とされた『骸骨を乞う』型人間は、自己中心の女性が多くなったお陰で夫を支える良き伴侶に恵まれる機会が殆どなくなったために不幸な老後を送ることとなり、反って所謂“5時から男”が老後も世を跋扈できる不思議な時代となりました。
昔我々が憧れて居た日本女性は、楚々として可憐で常に主人に対して貞淑であり主人の帰宅時には玄関で着物の裾をきちんと併せて正座し、三つ指突いて“お帰りなさいませ”と挨拶をする、所謂山本周五郎著“日本婦道記”に登場する手弱女(たおやめ)であり、又現実でもその通りでありましたが、何時とはなく着物も三つ指も映画か小説の世界に逃避して行き、帰宅しても返事もなくTVの前から馬鹿笑いが聞こえるのが通例となりましたから世の中変わりましたね。昔作家の舟橋聖一は帰宅したとき父と母に玄関で三つ指突いて礼をさせ、“お帰りなさいませ”と言わせたそうですよ。喰わせて遣っているのは倅の自分だぞ!と謂う意味を分からせるためにさせたことでしょうが、これって戦前派の人間でしか理解できないことでしょうね。
処で、皆様は“三つ指を突く”ってご存じですか?“指を三本つくんやろ”“そうですが然らば何指ですか?” ”…?” 正解は親指人差し指そして中指であり薬指と小指は後ろに曲げて隠していたものです。{%warai_a%}
このブログって勉強になるなあ!(笑)
“骸骨を乞う”の言葉の意味を知れば、現代社会なら企業の長たる社長、若しくはお役所の首長が泣いて歓びそうな言葉ですが、今や職場や上司に対し身も心も…なんて時代ではなく、会社も役所も“遊びが第一、家庭は第二、三四がなくて五に仕事”が常識となっていますから、こんな素晴らしい言葉にも誰も少しも共感しなくなりましたが、良く考えてみると、これって現代なら鉄砲玉や身代わり出頭が慣わしのヤクザの世界のような話ですから、昔の武士達は誰もが主君に命を捧げて生きていたのは偉かったですよね。年金と退職金の計算にだけ聡くて上司などゴマスリだけして居れば仕事などどうでも良い我が国の殆どのお役人達はヤクザ以下であり、元々から中身は空っぽで、始めから骸骨だけでしかなかったのではないでしょうか。{%komaru%}
今週の問題
『(じそん)のために美田を買わず』
(  )内に漢字を入れてその意味を答えて下さい。

ガス事故の責任は経産省


2月の半ばと謂えば、外出も躊躇われる程の寒さの筈ですがこの暖かさはどうしたことでしょうか、少し動けば汗ばむようで厚着もできず風邪が少しも癒えません。{%gomenne%}あちこちでスキー場が使用不能となり先週などスケートリンクまで結氷できないで休業とか、暖かい気候には文句はありませんが、この儘今年も昨年に増して暑い夏を迎えると思うととても恐ろしいですね。{%gessori_a%}
嘗てはサンヨーそしてナショナルが世間を騒がせたガス機器事故が巷間忘れられた今となって、パロマに続いてリンナイガス湯沸かし器の死亡事故を受けて各地から同製品の事故が通報され、今朝の朝刊では15年前に東京で起こった家族5人の死亡事故まで発覚しました。亡くなった37歳の主人が一家を支える弁護士であり、新聞配達など苦学しながら32歳で司法試験の難関を突破し、その間に知り合った奥様と結婚し、奥様が合格まで看護助手として家計を支え、これまでの労苦がこれから報われようという謂う矢先に3人の子供達共に天国に召されたものであり、この世には神も仏もないのか!と怒りと共に切なく涙を誘う遣り切れない事故ではありましたが、当時から現在までリンナイからはお詫びの一言もなく、通産省も報告を受けながら、製品を認可した自分達に責任が降りかかるのを恐れて、独断と偏見を以って被害者のうっかりミスだと決めつけ公表もせずに事故を秘匿しましたから、リンナイも此を奇貨として公表を頬被りをしたものと思われます。警察では換気を怠ってのCC中毒だと発表して一件落着していますが、私のようなド素人如きが不思議に思うことは、世にこの種の事故はゴマンとありますから、どうして通産省はメーカーに湯沸かし器のスイッチオンに際し換気扇のオンを自動的に連動するように指導できなかったかと謂うことです。そして換気扇のオンが不具合な場合は湯沸かし器自身も作動できぬ位の操作は初歩的な技術であり極く極く廉価でできると思うのですが皆様は如何思われますか。
又他の事故でも安全装置の付いていない古い機種で湯沸かし器の埃(ほこり)が原因での死亡事故が圧倒的に多いことも報告されていますが、この埃の掃除をするには、素人には位置が高くて手も届かず換気扇と違って分解も容易ではありませんから、自動車のように定期点検が必要であったものでありながら、通産省がメーカーに対し点検を義務付けていなかったことが事故を惹き起こした原因であり、事故は偶発的なものではなく、愚かな通産省役人の怠惰が招いた人為的なものではなかったでしょうか。一方、法的責任の有無は別にしてもメーカーも“売ればお仕舞い”では、その倫理観責任感のなさに呆れ果てますよね。{%gakkari%}
ガス機器で思い出しましたが、5年前お得意先がビル内改装時に多額なガス冷房機器を設置の際、僅かですがお上から補助金が頂けることになり、お上の補助金は税法により非課税ですからそのような税務処理をして申告したらその後所轄のK税務署の審理部門より連絡があり、補助金の交付元が経済産業省ではないから非課税は認められないと言ってきました。成る程補助金の交付決定書には経済産業省など何処にも書いてなく社団法人日本ガス協会となっていましたが、お役所は必ず天下り先とすべき法人を数十社抱えていますから、日本ガス協会もその内の一つと思われ、表向きの会長は大阪ガスの社長がなっていますが、あくまで名前だけの表看板で実態は経産省上がりの魑魅魍魎が巣くって補助金の交付業務を下請けし多額のサヤを懐に入れ、多くの天下り役人に傘を差し掛けて遣っている法人と察せられましたから、K税務署の審理部門に電話して“直接ガス協会に聞いて下さいネ、経産省の天下り役人がお墨付きを出している税金泥棒だと思いますよ”と言ってやりましたら、先方に電話してその辺の事情を察知したらしくやがて審理部門から“分かりました、申告を認めます”と言ってきました。{%akkanbe%}
我々消費者には何も知らされていませんが、ガス業界と経産省は共通の利害で連(つる)で居て、事故の隠蔽だけでなく、こんな不要な法人への多額の会費がガス製品の売価に上乗せされて消費者だけが虚仮(こけ)にされ彼等の持ちつ持たれつの相合道中を眺めるのは気分が悪いですね。きっと他の業界でも同じことが行われていることと思われますが日本のお役所はこんなことで良いのでしょうか?
先週の答え
『喪家の(狗)』
葬式のあった家の犬、葬儀の用意で皆忙しくて犬に餌をやる暇がなく、犬がやせ衰えて元気がなくなることから、元気のない人のことを謂う。
今の時代はペットブームであり亡くなったご亭主より、飼い犬の方が大切にされていたりしていますから、この諺もきっと死語になる日が近いことでしょう…{%gomenne%}
それよりその内に『喪家の寡婦』なんて諺が生まれるかも知れませんね。
それは巷間亭主の死亡後未亡人となった奥さんが見る見る元気になり、見違えるように若返って美しくなること…に由来します。既に数十年前から“後家太り”なんて厭な言葉がありますものね。{%tohoho_a%}
でも、ホンに女性はいいですよね。先日家内がTVででも聞いたのか“主婦の家庭内労働は月額36万円や!”と宣いましたよ。それなら、給料36万円以下の亭主はどうしたら良いんじゃ!定年時の退職金を家庭内労働の不足分やと全額取り上げられたりして…{%saiaku%}
昔から女性は子作り道具と呼ばれていたのが、道具から機械に昇格させて貰っても柳沢大臣はあの通り四面楚歌の有様です。大臣も“子供を作る機械”と言ってしまった直後、失言と誤解されることをいち早く察知し“子供を作る”機会“を設けて…”などと言葉の摺り替えができたでしょうに、東大法学部卒の苦学生とは思えぬ頭の回転の鈍さでしたね。{%gakkari%}
然し戦後の靴下どころかここに来て、女性は本当に強く逞しくなりました。その内夜のおつとめ代は家庭内労働の時間外残業であり一回?万円の請求書が当たり前になりそうですね。{%komaru%}仕事がハードでそんな気になれなくても妻にホストクラブなどで浮気などされるのは男の沽券に関わる重大事ですから?万円払っての重労働が重なっては、ご亭主やがて腎虚から『喪家の狗』となり、更に数年後には晴れて『喪家の寡婦』が誕生することが目の前に迫って見えるようです。{%shiranai%}
ご亭主は一回?万円の請求書を貰うのではなく、実は出す方だったのではないでしょうか?
“貴方稼ぐ人、私使う人”の風潮はまだまだ続くでしょうし、寅さんではありませんが“男はつらいよ!”の男性受難時代はこれからも永遠に続きそうですね。{%gakkari%}

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お得意先である芦屋のNさんから昨日送られてきた白梅をご紹介しましょう。
今は殆ど見ることの少なくなった清らかで清楚な日本女性を彷彿させる名花です。思わず“早春賦”など口遊(ずさ)みたくなりますね。{%uttori%}
雪と共に眺めることのできる数少ない花の一つですが、寒さも雪も足りぬせいか心なし花弁(びら)に凜とした力強さと張りが欠けているように感じられるのは私の考え過ぎかも知れません。
今週の問題
『(がいこつ)を乞う』
(  )内に漢字を入れて、この諺の意味を答えて下さい。少し難しいですヨ…

一番悪い奴は誰だ!


暖冬も金曜日辺りから終わりかけて小雪がぱらついたりと本来の2月に戻りつつありますが、地球温暖化を憂いていた矢先に、寒さが戻ったら戻ったで暖かかった先週が懐かしくなりますから人間なんて得手勝手な生き物ですね。

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元旦の神戸港を撮して頂いたEさんから再び菊水山の写真を頂戴しました。2月3日早朝7時前だそうですが、寒い朝を徒歩50分掛けての登山は軟弱な私には到底考えられぬ荒行です。満月が旭光で消えやらぬ内に撮して貰ってさぞ嬉しかったでしょうね。{%uttori%}
最近巷を騒がしている話題と言えば厚労省大臣柳沢伯夫の失言事件に日興コーディアル証券の粉飾決算、更には使用期限を過ぎた材料を使用した不二家の不祥事に、データ改竄200件の東京電力などが挙げられますが、さすれば一体何処が一番悪いのか縷々と考えて見た結果、一番悪いのは東京電力であり2番目が日興コーディアル証券、一寸だけ悪いのが不二家、少しも悪くないのが厚労省大臣柳沢伯夫との結論に達しました。
その少しも悪くない柳沢大臣が辞任の崖淵に立たされているのも皮肉なことですよね。{%gakkari%}
先ず日興コーディアル証券は一部投資家の利害に影響するのみで国民の健康には無関係であり、上場廃止とし、損害を蒙った株主達から同社旧役員達が株主代表訴訟を提起され多額の賠償金を追徴されれば証券取引界の浄化にも繋がり、同社の有価証券報告書にメクラ番を捺した元公認会計士協会会長奥山章雄も監査法人を辞任させられ法の裁きを待つ運命となりましたから此で妥当な一件落着になると思われます。他方使用期限切れ材料を使用した不二家とデータ改竄発覚の東京電力とどっちが悪いか検証してみました。
各地のデータ改竄問題や故障ポンプ偽装工作の発覚を受けて大慌てで調査の結果、経済産業省原子力安全保安院に“恐れ入りました”と東京電力がデータの改竄199件もの調査報告書を提出したのが先月31日であり、2002年のデータ虚偽報告で厳しい社会批判を受けての又もや今回の改竄ですから、この会社ではあれからも偽装はずっと水面下で続けられていたものと思われます。原発のある福島県や新潟県では知事達が怒りを口にしていますが、住民達の危惧を他所に、何れの県も東電から多額な寄付金や住民税、事業税を受け取って財政難に苦しむ家計?の糊口を凌いでいるのが現状であり、その弱み故、訪れた原発担当者に対しても歯切れが悪く”今後は注意するように…“程度のことしか言えないのでは札束で頬を嬲られているとしか思えません。まして社長は経産省に事件の報告に行って遺憾の意を表したのみで県庁や住民にお詫びに来るでなく、副社長が記者会見で”何れの発電所でも安全性に問題はない“と他人事のような口振りで頭一つ下げる素振りもありませんからく開いた口が塞がりませんよね。一体から何処に安全性があるか危険性があるのかの接点がまるで不透明であり、事故さえ起こらなければ安全性に問題がないと謂う態度は余りにも傲慢ではないでしょうか。幾ら多額な税金を落としているからと言って、一つ間違えば数万人数十万人の生命が脅かされる原発にデータの改竄など”今度からしないから許してネ“で済まされれば住民達はまるで浮かばれませんよね。経産省や政府も事態を重く受け止めて東電を厳しく罰し、東京電力は事件の関係者だけでなく社長以下首脳陣は辞表を出して総退陣し、新たなるスタッフにより再スタートを迎えるのがスジというものではないかと考えます。
一方不二家はどうなのかと振り返って見ると、ケーキを食した誰か一人でも腹痛を起こした訳でもないのに、使用期限(誰が何の根拠で決めたのか!夏も冬も何故同じ期限なんじゃ!)が1日程切れていたとか大腸菌が居た(この菌は何処にでも居り、居ない処が珍しい)の理由でイメージダウンを怖れたスーパーやコンビニが撤退し、創業者末裔の社長は潔く辞任したではありませんか。傭われマダムでありませんから株主から辞めろと言われる筋合いもないのに辞任されたのは、事件のことを何も知らされていなかった責任を取ってのものです。東電の社長は不二家の社長の辞任を聞いて少しは後ろめたい思いに駆られているのではないでしょうか。いえいえ、そんな卑弱いことでは原発の社長は務まりません、きっと不二家の社長のことを”あいつはアホやな“とあざ嗤っていることでしょう。
不二家は一ケ月数十億円ものFC店損失補償に資金もあと僅かで底をつきますから、タイミングを見計らって一見白馬の騎士らしく登場した資産10倍の山崎パン(実はハイエナか?)に吸収されることになりそうであり、藤井社長も山崎パンの一株主にされることでしょうから誠にお気の毒ではありますが、全ては日本の経済構造による強者弱者の歪(ひず)みによるものです。何故ならば、万一東京電力の電気が止まれば数千万人の人達の生活から交通そして多くの企業の生産活動が停止する運命にありますから、東電が幾らデータの改竄を続けても事故が起こらない限り誰も本気で怒れば怒った者達が困ることを彼等は承知していることが一番始末が悪いのです。
“そうですか、それでは原発を止めて徹底的に検査しましょうかね”などと開き直られては、周章狼狽するのが誰なのかちゃんと承知して居ての行動ですものね。
データの改竄と使用期限の延長などは本質的に同じものだと考えますが、その及ぼす影響は比較になりません。国民の命に関わる原発のデータはカンマ以下ゼロ10個位厳しくすべきですし、賞味期限切れコンビニ販売食品の膨大な廃棄状況を見るに付け、一日数百人が餓死して行くアフリカの子供達との対比に於いて、食品材料の期限については、もっと柔軟に考えられないものかと思います。今朝の朝刊“みんなの広場”で匿名主婦から衝撃的な投書がありましたよ。この方は昨年年末に栃木県の不二家の工場で2日間だけアルバイトをされましたが、感心したことには殆ど廃棄物がでなかったそうでした。以前別の菓子工場で働いていたときには廃棄物の量の多さに驚き、その殆どが少し形が崩れたり、クリームが僅かにはみ出している理由で捨てられるものばかりで成分も味も全く同じなのにどうして?と胸の痛くなる思いでした。と書かれていましたが一体からどっちの菓子工場が正しいのでしょうか、考えさせられる投書でした。
私などクリームパンが好きで毎朝6時の朝食に頂いていますが、購入するのは前日(昼前後)であり、必ず目の前で今日中に召し上がり下さいのシールが貼られ、そんなシールは剥がすのが面倒だから要らぬと言っても“規則ですから”とニベもありません。然し翌日食べても、うっかり忘れていて翌々日に食べても食当たりも腹下しも一度も経験がありませんから、その日中に食べろ!はオーバーであり気温が30度を超す真夏に決めたことを寒い冬にまで右へ倣えしろ!は絶対におかしいですよね。
最後に農水省柳沢伯夫大臣の失言問題ですが、言葉と謂うものは前後の言葉によってその持つ意味を異なってくる特性を持っているのを皆様ご存じですよね。農水相の発言はTVのバラエティー番組で洩らしたものなどでなく、厚労大臣として少子化問題の解決に向けて2030年の出生予想数に言及した講演の中で触れられたものであり、女性が2030年に平均30歳(現在出生して居り員数確認済み)で出産するとすれば昨年の1.29が1.26になるから1.7くらいまで上げて行かねばならぬと謂う少子化対策への模索の過程で飛びだしたもので、女性の数が既に決まっている処から女性と言うべき処を“産む機械、装置”と物品の生産台数の如き抽象化した統計学的表現の言葉尻を捉まえられたものであり決して女性蔑視の言葉ではありません。然し野党やメディアが同大臣の発言を好餌として、この際とばかりに、この言葉を一人歩きさせ家事や介護にまで飛び火させて性差問題にすり替えようとして居ますが、此こそ牽強付会そのものであり、男には子供が生めぬから女性の数に拘った論理がどうして女性蔑視に繋がるのか私には理解できぬ処であります。 “女三界に家なし”とか“嫁して三年、子なきは去る”などと昔は女性蔑視の言葉が大手を振って歩いていましたが、今やそんな言葉も死語となり、世は女性天国となっていますが、我が国が少子化に悩んでいる原因は実に女性が自立できるようになり、男性の従属物から解放されたためではありませんか。然し女性は本能的に子供を産みたい願望を有していますから、社会はその願望を満たす環境設定をなさねばなりませんが、自立した女性を魅了するようなマッチョな男性が余りにも少なくなっていることにも原因があり、こっちの方の解決が先決ではないかと考えますが男女の力関係が逆転した現在大変難しい問題でしょう。適当な相手があれば結婚は考えないではないとの女性達に対し、結婚したいが相手が居ないと歎くモヤシのように軟弱な男ばかり腐るほど居ますものね。{%gakkari%}
人の噂も75日と言いますし、柳沢大臣も今は辛抱が肝腎です。嵐が過ぎるのをじっと我慢して春を待ちましょう。{%warai_a%}
先週の答え
『舟に刻みて“劍”を求む』でした。
剣を落とした場所を舟に刻んで目印にしたと謂う故事
時代の変化が理解できず古い習慣や考えに縛られている事の譬え
舟で河を渡っているとき、舟の上から剣を落としたので、直ぐさま落とした舷の箇所に印を付けて“此処が私の剣を落とした場所だ”と言い、岸に着いてから舟に印を付けた場所から水に入り剣を捜したと謂う愚かな話。
先週の答え“守株待兎”と対照的な故事であり、動いているものの判断に対し愚かさには表裏二通りあることを教えられましたね。
“守株刻舟”なんと四字熟語までありますから、昔の人には婉曲な表現が多くて含蓄の深さが感じられますね。
今週の問題
『喪家の(いぬ)』
( )に漢字を入れて、諺の意味を述べて下さい。

妻子があっても女性とは?


愈々一年で一番寒い時期が近づいて来ましたが、雪が降るでなしポカポカ陽気で気味悪く北極の氷が溶けないかと案じられてなりません。うちなど海抜3m位ですから50年もしたら海になっているのかも…{%gakkari%}
以前にも触れたことがありますが垂水や舞子では海辺の土地を所有されていても土地が海没して権利書があっても海水の下となり財産価値が全くなくなり困っている方が多く居られます。そんな土地でも相続登記すれば近隣地の価格で以て登録免許税が課せられますから稀に登記をしない儘の方も居られますが、何れ湾岸道路ができて道路公団から買い上げになる風説が以前から根強く絶えませんからその時のために皆さん要らぬ出費を強いられていますが、果たして風説の信憑性はあるのでしょうか?{%shiranai%}
先週須磨税務署の確定申告事前打合会があり、多忙を割いて参加しましたが、個人課税一統官の言われるには昨年の須磨署申告者5500人の58%が還付申告であったとか…{%tohoho_a%}、税務署も税金を取るための役所の筈ですが、税金の還付のための確定申告の受理では徴税費用ならぬ多額の還付費用を要することとなりますから恰もボランティアのようであり協力する我々税理士も如何とも複雑な心境です。
然し、還付を受けられた方も低所得者の方は6月になれば住民税の増額(5%から10%へと最低税率の引き上げ)がなされることにきっと驚かれることでしょう。そして住民税増額の副作用として国民健康保険が又々増額されますからご用心下さいね。
ナント!無党派支持の元タレント“そのまんま東”があれよあれよと圧勝し遂に県知事になりましたね。宮崎県での汚職による前知事逮捕を受けてのものでしたが、タレント知事の誕生は横山ノックや先日亡くなった青島幸男氏以来のことであり、県政改革を叫んで当選した前知事が矢張り官製談合で逮捕とあっては“ブルータスお前もか!”ですから県民もうんざりしますよね。
一方林野庁長官を辞してまで選挙に挑んだ川村秀三郎と自民公明推薦の元経済産業省課長持永哲志が大差を付けられての惨敗は、票を喰い合いしたとは謂え、県民の官僚による政治への不信の極たるを示したものでありました。
自民党の片山幹事長は“無党派はあるときは自民党支持層だから自民党支持を増やせば自動的に無党派が減る”と変な論理を展開しましたが、出口調査で自民党支持者ですら政党候補者を入れなかった有権者が多かったことを考えると、敗北後“官僚が起こした不祥事を受けた選挙に官僚を出せば負けるに決まってるじゃないか!”の内部批判が続出したことは遅きに失し、選挙民を甘く見た結果であることを暴露し、官僚OBを推した県執行部との罪の擦り合いは見苦しい限りとなりました。
あちこちの県で選挙に協力した後援者へのお返しが官製談合であることを誰もが知ってしまいましたから此からの自治体選挙は大きな転換期を迎えることになったと謂えるでしょう。
然し、“そのまんま東”も当選はしたものの県議会の全員を野党として敵に廻すわけですから、前途は多難であり憲政の運営に如何なる秘策があるのやら案じられますね。
一方、“そのまんま東”のハレンチ罪による逮捕のときも強い絆で別れなかった妻である女優“かとうかずこ”は昨年2月に彼の政治家転身宣言には遂に愛想を尽かし、永い結婚生活に終止符を打ちましたが、今となってはきっと後悔しているのではないでしょうか。50歳を控えてタレントとしては下り坂の真っ直中ですが、姥桜とは謂えファーストレディーともなればあの美貌と貫禄は出色でありますから、知事の人気を掻き立てる処であったでしょうが、よもや当選とは彼女の読みになかったことでしょう。彼女も今となってはきっと後悔していると思いますが、復縁を迫りたくとも離婚を迫ったのは格上の彼女の方であり “遅かりし由良の介”でしたよね。{%gakkari%}
極く極くお粗末な話でありましたが、本年の大学受験で市立神戸外大が教員免許取得に必要な教職課程の認可申請を文部科学省に出し忘れ07年度の新入生が1年間教職課程を受講できなくなっていることが発覚しました。文科省から再度認定申請するように求められながらそれすらも忘れていたと謂うお粗末さは市の役人が如何に仕事に熱が籠もって居ないかを如実に語っていますよね。この結果受験者が大幅に減少することが予想されますが、このうっかり職員を懲戒免職にでもすれば多の市職員も少しは仕事に身を入れることになるでしょうが、誰も罰せられないのでは何の効き目もありませんよね。{%gomenne%}
きっと認定申請のことは“係長に告げた”“いや聞いてない”など堂々巡りで犯人が特定できず有耶無耶に終わったものと思われます。民間会社なら両者ともクビにならないにしても左遷は必定であったでしょうから今からでも遅くありません。この事件に関わった者達全員を環境局の現業員にでも配置転換させゴミ収集をさせたらどうですか。3日で音を上げ退職願が出されたりして…{%gakkari%}
昨年来“性同一障害(GID)”の問題が脚光を浴びていますが、今春の生駒市議選に出馬する男性が昨年性別適合手術を受けてまで戸籍の変更を奈良家裁に申し立てて居ます。この人は何故か結婚歴があり子供まで儲けているためにGID特例法の適用が受けられなかったとか、結婚して子まで作りながら今更”私は女です“は単細胞の私には到底理解に苦しむところですが、人間の心と身体は別物であり人間の深層心理には不可解なものがあるのでしょう。市議選では女性として届け出るそうですから告示ともなればこの方が女性であることが周知されることになり、この方の子供さんや元の奥様は世間から好奇の目で見られることになりましょうが、当人にして見れば他人(ひと)?のことどころでなく自分のことで精一杯なのでしょう。
男か女か分からない軟弱な男が多い世の中にこんな硬派の女性?が出てきたのも時代の流れとは謂え受胎能力もないのに“私は女です”と言われても私には到底承服できぬ心境です。女性と認めて欲しいのならちゃんと子供を産んでからにして欲しいですね。{%ikari%}
先週日本の歌100選についてお話ししましたね。何故か選に漏れた“水色のワルツ”が無性に聞きたくなり、ネットで二葉あき子ヒット曲集のCDを購いました。彼女の生の声を聞きたさに大阪梅田の音楽喫茶“田園”に通ったのは今から50年位前だったでしょうか。彼女の音楽学校でしっかり鍛えた音程は昨今のインスタント歌手とは比較にならず、その美しいビロードの声と共に懐かしく、失恋したあの当時のことなどを想い出し切なくなりましたが、意外なことにこのCDが私を強烈に昔に誘(いざな)ってくれたのは、歌声ばかりではなくCD複製時に使用された使い古した78回転SP盤のシャーシャー音でしたよ。{%warai_a%}
先週の答えは“株”でした。
『株を守りて兎を待つ』
古い慣習に囚われて進歩にない譬え、又、一度成功した遣り方に拘って臨機応変に振る舞えない譬え。
昔畑仕事をしていた人が畑の中を走ってきた兎が切り株にぶつかって死んだのを見てから、その人は農具を捨て切り株をずっと見張り再び兎を獲ようとした寓話によります。“守株待兎”の四字熟語で憶えましょう。
今週の問題
舟に刻みて(けん)を求む
( )内に漢字を入れ、この格言の意味を答えて下さい。