暖冬も金曜日辺りから終わりかけて小雪がぱらついたりと本来の2月に戻りつつありますが、地球温暖化を憂いていた矢先に、寒さが戻ったら戻ったで暖かかった先週が懐かしくなりますから人間なんて得手勝手な生き物ですね。

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元旦の神戸港を撮して頂いたEさんから再び菊水山の写真を頂戴しました。2月3日早朝7時前だそうですが、寒い朝を徒歩50分掛けての登山は軟弱な私には到底考えられぬ荒行です。満月が旭光で消えやらぬ内に撮して貰ってさぞ嬉しかったでしょうね。{%uttori%}
最近巷を騒がしている話題と言えば厚労省大臣柳沢伯夫の失言事件に日興コーディアル証券の粉飾決算、更には使用期限を過ぎた材料を使用した不二家の不祥事に、データ改竄200件の東京電力などが挙げられますが、さすれば一体何処が一番悪いのか縷々と考えて見た結果、一番悪いのは東京電力であり2番目が日興コーディアル証券、一寸だけ悪いのが不二家、少しも悪くないのが厚労省大臣柳沢伯夫との結論に達しました。
その少しも悪くない柳沢大臣が辞任の崖淵に立たされているのも皮肉なことですよね。{%gakkari%}
先ず日興コーディアル証券は一部投資家の利害に影響するのみで国民の健康には無関係であり、上場廃止とし、損害を蒙った株主達から同社旧役員達が株主代表訴訟を提起され多額の賠償金を追徴されれば証券取引界の浄化にも繋がり、同社の有価証券報告書にメクラ番を捺した元公認会計士協会会長奥山章雄も監査法人を辞任させられ法の裁きを待つ運命となりましたから此で妥当な一件落着になると思われます。他方使用期限切れ材料を使用した不二家とデータ改竄発覚の東京電力とどっちが悪いか検証してみました。
各地のデータ改竄問題や故障ポンプ偽装工作の発覚を受けて大慌てで調査の結果、経済産業省原子力安全保安院に“恐れ入りました”と東京電力がデータの改竄199件もの調査報告書を提出したのが先月31日であり、2002年のデータ虚偽報告で厳しい社会批判を受けての又もや今回の改竄ですから、この会社ではあれからも偽装はずっと水面下で続けられていたものと思われます。原発のある福島県や新潟県では知事達が怒りを口にしていますが、住民達の危惧を他所に、何れの県も東電から多額な寄付金や住民税、事業税を受け取って財政難に苦しむ家計?の糊口を凌いでいるのが現状であり、その弱み故、訪れた原発担当者に対しても歯切れが悪く”今後は注意するように…“程度のことしか言えないのでは札束で頬を嬲られているとしか思えません。まして社長は経産省に事件の報告に行って遺憾の意を表したのみで県庁や住民にお詫びに来るでなく、副社長が記者会見で”何れの発電所でも安全性に問題はない“と他人事のような口振りで頭一つ下げる素振りもありませんからく開いた口が塞がりませんよね。一体から何処に安全性があるか危険性があるのかの接点がまるで不透明であり、事故さえ起こらなければ安全性に問題がないと謂う態度は余りにも傲慢ではないでしょうか。幾ら多額な税金を落としているからと言って、一つ間違えば数万人数十万人の生命が脅かされる原発にデータの改竄など”今度からしないから許してネ“で済まされれば住民達はまるで浮かばれませんよね。経産省や政府も事態を重く受け止めて東電を厳しく罰し、東京電力は事件の関係者だけでなく社長以下首脳陣は辞表を出して総退陣し、新たなるスタッフにより再スタートを迎えるのがスジというものではないかと考えます。
一方不二家はどうなのかと振り返って見ると、ケーキを食した誰か一人でも腹痛を起こした訳でもないのに、使用期限(誰が何の根拠で決めたのか!夏も冬も何故同じ期限なんじゃ!)が1日程切れていたとか大腸菌が居た(この菌は何処にでも居り、居ない処が珍しい)の理由でイメージダウンを怖れたスーパーやコンビニが撤退し、創業者末裔の社長は潔く辞任したではありませんか。傭われマダムでありませんから株主から辞めろと言われる筋合いもないのに辞任されたのは、事件のことを何も知らされていなかった責任を取ってのものです。東電の社長は不二家の社長の辞任を聞いて少しは後ろめたい思いに駆られているのではないでしょうか。いえいえ、そんな卑弱いことでは原発の社長は務まりません、きっと不二家の社長のことを”あいつはアホやな“とあざ嗤っていることでしょう。
不二家は一ケ月数十億円ものFC店損失補償に資金もあと僅かで底をつきますから、タイミングを見計らって一見白馬の騎士らしく登場した資産10倍の山崎パン(実はハイエナか?)に吸収されることになりそうであり、藤井社長も山崎パンの一株主にされることでしょうから誠にお気の毒ではありますが、全ては日本の経済構造による強者弱者の歪(ひず)みによるものです。何故ならば、万一東京電力の電気が止まれば数千万人の人達の生活から交通そして多くの企業の生産活動が停止する運命にありますから、東電が幾らデータの改竄を続けても事故が起こらない限り誰も本気で怒れば怒った者達が困ることを彼等は承知していることが一番始末が悪いのです。
“そうですか、それでは原発を止めて徹底的に検査しましょうかね”などと開き直られては、周章狼狽するのが誰なのかちゃんと承知して居ての行動ですものね。
データの改竄と使用期限の延長などは本質的に同じものだと考えますが、その及ぼす影響は比較になりません。国民の命に関わる原発のデータはカンマ以下ゼロ10個位厳しくすべきですし、賞味期限切れコンビニ販売食品の膨大な廃棄状況を見るに付け、一日数百人が餓死して行くアフリカの子供達との対比に於いて、食品材料の期限については、もっと柔軟に考えられないものかと思います。今朝の朝刊“みんなの広場”で匿名主婦から衝撃的な投書がありましたよ。この方は昨年年末に栃木県の不二家の工場で2日間だけアルバイトをされましたが、感心したことには殆ど廃棄物がでなかったそうでした。以前別の菓子工場で働いていたときには廃棄物の量の多さに驚き、その殆どが少し形が崩れたり、クリームが僅かにはみ出している理由で捨てられるものばかりで成分も味も全く同じなのにどうして?と胸の痛くなる思いでした。と書かれていましたが一体からどっちの菓子工場が正しいのでしょうか、考えさせられる投書でした。
私などクリームパンが好きで毎朝6時の朝食に頂いていますが、購入するのは前日(昼前後)であり、必ず目の前で今日中に召し上がり下さいのシールが貼られ、そんなシールは剥がすのが面倒だから要らぬと言っても“規則ですから”とニベもありません。然し翌日食べても、うっかり忘れていて翌々日に食べても食当たりも腹下しも一度も経験がありませんから、その日中に食べろ!はオーバーであり気温が30度を超す真夏に決めたことを寒い冬にまで右へ倣えしろ!は絶対におかしいですよね。
最後に農水省柳沢伯夫大臣の失言問題ですが、言葉と謂うものは前後の言葉によってその持つ意味を異なってくる特性を持っているのを皆様ご存じですよね。農水相の発言はTVのバラエティー番組で洩らしたものなどでなく、厚労大臣として少子化問題の解決に向けて2030年の出生予想数に言及した講演の中で触れられたものであり、女性が2030年に平均30歳(現在出生して居り員数確認済み)で出産するとすれば昨年の1.29が1.26になるから1.7くらいまで上げて行かねばならぬと謂う少子化対策への模索の過程で飛びだしたもので、女性の数が既に決まっている処から女性と言うべき処を“産む機械、装置”と物品の生産台数の如き抽象化した統計学的表現の言葉尻を捉まえられたものであり決して女性蔑視の言葉ではありません。然し野党やメディアが同大臣の発言を好餌として、この際とばかりに、この言葉を一人歩きさせ家事や介護にまで飛び火させて性差問題にすり替えようとして居ますが、此こそ牽強付会そのものであり、男には子供が生めぬから女性の数に拘った論理がどうして女性蔑視に繋がるのか私には理解できぬ処であります。 “女三界に家なし”とか“嫁して三年、子なきは去る”などと昔は女性蔑視の言葉が大手を振って歩いていましたが、今やそんな言葉も死語となり、世は女性天国となっていますが、我が国が少子化に悩んでいる原因は実に女性が自立できるようになり、男性の従属物から解放されたためではありませんか。然し女性は本能的に子供を産みたい願望を有していますから、社会はその願望を満たす環境設定をなさねばなりませんが、自立した女性を魅了するようなマッチョな男性が余りにも少なくなっていることにも原因があり、こっちの方の解決が先決ではないかと考えますが男女の力関係が逆転した現在大変難しい問題でしょう。適当な相手があれば結婚は考えないではないとの女性達に対し、結婚したいが相手が居ないと歎くモヤシのように軟弱な男ばかり腐るほど居ますものね。{%gakkari%}
人の噂も75日と言いますし、柳沢大臣も今は辛抱が肝腎です。嵐が過ぎるのをじっと我慢して春を待ちましょう。{%warai_a%}
先週の答え
『舟に刻みて“劍”を求む』でした。
剣を落とした場所を舟に刻んで目印にしたと謂う故事
時代の変化が理解できず古い習慣や考えに縛られている事の譬え
舟で河を渡っているとき、舟の上から剣を落としたので、直ぐさま落とした舷の箇所に印を付けて“此処が私の剣を落とした場所だ”と言い、岸に着いてから舟に印を付けた場所から水に入り剣を捜したと謂う愚かな話。
先週の答え“守株待兎”と対照的な故事であり、動いているものの判断に対し愚かさには表裏二通りあることを教えられましたね。
“守株刻舟”なんと四字熟語までありますから、昔の人には婉曲な表現が多くて含蓄の深さが感じられますね。
今週の問題
『喪家の(いぬ)』
( )に漢字を入れて、諺の意味を述べて下さい。