蝋燭(ろうそく)売りの少年

くるま

早朝の散歩に快適なシーズンとなって、少し遠くまで足が延びるようになった。先日第二神明道路の近くまで歩いたら福田川の小さい橋の入り口にこんなものが貼り付けられていた。おそらく神戸市の土木のお役人の仕事であり、市内の河川の小さな橋を見付けてはこの看板を貼って回って居るものと考えたが、人間二人が体を躱し難いこの橋はどう見逆立ちしても四輪車の通行にはムリだ、分かっていても割当てられた看板を消化したかったんだろうな。トラックに積んだ看板を早くカラにするするため貼ったとしか思えない。自分の腹の痛まないお役人のしそうなことだな(;;)、税金泥棒や!

私は先週10日に齢(よわい)80歳を迎えた、小さい頃から50くらいで死ぬ心算で居たから愕いている。流石にそろそろあの世からお声が掛かる時期だろうと思うから今日は思い残すことのないよう70年前起こった身の周りのできごとを聞いて頂こうと思う。
先月終戦後すぐにあった父の選挙の話をしたがその少し前に半年足らずの短い期間だったけど日本中の電力が足りなくて家庭では何処も始終停電して居た時期があった。当時住んで居た姫路も例外でなく突然の停電が当たり前だった。急にプツンと切れ、又不規則にパッと付くのだ。懐中電灯や電池のない時代だし頼れるのは蝋燭だけだったから、蝋燭は町の雑貨屋での売れ筋商品だった。それに気付いた父は勉強もせずごろごろと怠惰な生活を送っていた私に「喝」を入れるべくお得意先のN商店から蝋燭を卸して貰って学校から帰宅すると私は夕方まで外回りの蝋燭売りを命じられた。当時父の命令は絶対だったし、言うことを聞かないと食事が与えられなかったから従わざるを得ない(;;)。父が仕入れた価額は1本10円で私に命じた販売価額は12円であり市価も確か同じ位だった。マッチ売りの少女ならぬ蝋燭売りの少年では絵にもならぬが、偶々戦時中から家にあった軍隊の背嚢に蝋燭を一杯詰め込んで釣り銭も用意して今日は駅前、明日は野里、明後日は東二階町と場所を変えて個人の住宅やお店屋さんの入り口を潜った。1日の歩く距離は1里半か2里(6キロ-8キロ)くらいだった。ピンポン♪などない時代だから初めはお店や玄関の入り口を開けて「こんにちは」と言うのに膝が震え声も震えたが少し宛馴れてきた。何処でどのように売るかは私の裁量に任されており、父は何も言わなかった。唯一本12円の値段だけが約束ごとだった。学友達が皆空き地で野球などしているのを横目に見ながら背嚢を背負って一人とぼとぼ出かけるのは辛かったが父の命令だから背けない、訪問先では個人家庭よりお店屋さんの方が良く買ってくれた。「僕、何年生や」「5年です」「えらいなあ、3本置いとき…」「36円です」「お金落としたらアカンで…」総じてお店屋さんの方が人数も多いし優しくよく買ってくれた。よく「11円なら全部買うたる」と言われたが父との約束ごとなので「嫌や」と断ると少しだけ買ってくれた。取り敢えず値切って見るのは商人の常道なのだ。個人の家の玄関では泥棒や浮浪児と間違えられることが結構あったから、傷つくことが多く経験則から大きい家には先ず行かぬことにした。9尺2間の長屋の小母ちゃん達は買ってくれなかったけど買ってくれそうな人を紹介してくれたり優しくしてくれて嬉しかったのを覚えている^^。帰宅するとお金の勘定をして計算書を作り売上金を父に渡すことでご飯を食べさせて貰えたのだ。
間もなく電気が付くようになり蝋燭の需要がなくなったので蝋燭売りに行けなくなりホッとしたが、今度は満員電車にしがみついて明石の駅前に行き、大きな闇市(今の魚の棚の辺りだが焼け野原だった)に座りこみ背負ってきた背嚢に入れたマルセル石鹸を並べて売ることになったが、此方は蝋燭売りより数段難しくショバ代の支払いやら何やら、あるときはやくざが来たりと到底5年生の子供の手に負えるものではなく経費が掛かって少しも儲からず、満員電車にぶら下がっての明石行きも大変で、ベソをかく私を見て父も諦めたらしく軈て行かなくて良くなった^^。
当時弟は生まれたての赤ん坊だから仕方なかったが3歳上の姉は勉強もせずに家でゴロゴロして飴ばかり食べて居たが、両親に取り入る術(すべ)が上手くて寵を得ていたからメチャ依怙贔屓だと思って当時は父を恨んでいたが、今思えば此れが父の深謀遠慮であり不甲斐ない息子を少しでもマシな人間に叩き直したかったのだろうと思う。
成人してから身の不始末が原因で父に勘当されミシンのセールスをしたとき八尾支店のトップセールスとなれたのはこの5年生での貴重な体験と経験が大きな武器となり私の力となってくれたからだと思っている。何気に知らぬ人の懐に深く入りこむ図々しさを少しだけ身に着けて居たみたいだ。貧乏人ほど気前が良くて人情深く、金持ちほど疑い深くケチであることを5年生にして知らされて居た。此の経験は5年生当時はとても辛かったが、12年後の同じ干支で私を支える命綱となってくれたから、できの悪い我が子を世間を渡れる一人前の人間に変えようとした父の配慮に対し心から感謝すべきだと思っている。お父さん有り難うm(_ _)m。
然し親子の関係なんて考えてみれば此の70年前で世間では天と地ほど異なってきた。現在の親子はお互いの目線が等しく、子どもが親に向かって「糞じじい、死ね!」なんて平気で言って憚らない時代だから、昔の縦の親子関係は良かったと思う。全ては家族が互いに支え合わなければ生きて行けなかったからだ。経済成長って皆のお金や財産は増えたが、その副作用は恐ろしく家族の心をバラバラにしたんだね。

カード2

先月半ばにご紹介した三菱UFJモルガン・スタンレー証券平成4年生まれの女性社員からメロディー付きバースデイカードが印刷でなく直筆で届けられた^^。此の女性証券マンはわざわざ事務所に臨戸されて熱心に慫慂されたので日本郵政などの新規上場株をチョッピリと気持ちだけ購入したが、そんな僅かな株でもネット証券に移換されないため一所懸命なのが以心伝心で私の胸に伝わって来たのでこのバースデイカードを読んで移換するのを遂に諦めた。ネット証券は移換費用を肩代わりしてくれるそうだが、此の商売熱心なお嬢さんを裏切るわけにも行かんもんね。三菱UFJモルガン・スタンレー証券も今どき珍しい有為な人材を手に入れて幸運だったな^^。

ミャンマーではノーベル平和賞のアウン・サン・スーチーさんが今回の選挙で圧勝したと日本のメディア誰もが喜んでいるけどもっともっと喜んでいるのは中国と韓国だ(;;)、彼女って本当は根も葉もない従軍慰安婦に拘り中国や韓国の肩を持つ極端な反日派人間だってことを知っている日本人は多くない。政府は何れ彼女の掌上に載せられてODAとかお金だけ上手く巻き上げられそうだ(;;)。日本は孫悟空か!

先週の書けないけど読みたい漢字
傷の痛みを堪(こら)える

今週の書けないけど読みたい漢字
面白くて(堪)らない

ヤマトも日本郵便もブラック企業か?

甲南チケット

昼下がりに神戸へ出かけようとJRの垂水駅に行ったら改札口の真ん前に「甲南チケット」があり、狭くて薄っぺらい箇所に係員が5人も常駐し、忙しくJRの切符を売っている。もちろんトイレなんてない。改札口の南側にJRの券売機があるが誰も見向きもしないし、改札には山側から来る人が圧倒的に多く海側の人は少ない。だから券売機より甲南チケットの方が距離的に近いし、何より切符が割引価額で手に入るからJRは圧倒的に分が悪い。どうしてそんな処に店が出せたのか考えたらその場所はJRに平行して走って居る山陽電車のビルで山陽垂水駅の裏に当たり山陽は駅の事務所を削ってスペースを作り平べっちゃいお店を貸しているのだった。山陽電車は運賃が高いので目的地がJRでは行けない処へ行く人しか乗らず、先ずJRに敵わないから恨みに思って嫌がらせなのかなと思ったものだ。JRの駅事務所の正面からよく見えている光景だがJRの職員は不愉快に思っているだろうな^^。本当はJRの券売機コーナーにすれば良かったのだろうが、山陽電車にもプライドがあるよね。そして甲南チケットの賑わいは日夜JR職員の不機嫌を増幅させているようだ。

9月にベストセラーとなった「仁義なき宅配、ヤマトVS佐川VS日本郵便VSアマゾン」を読んだ、メチャ面白かった^^。路線免許の獲得や新しいメニューなどを申請して却下されるとヤマトは国を相手に裁判をし運輸省が認可しないと「実は運輸省の許可が得られないので○○便の発売は延期せざるを得なくなりました」と新聞に全面広告を出すので世論が怖い役人が慌てて認可すると謂う荒業を用いて読者を引き付け世論を味方にしては役人を往生させて国の認可をもぎ取った手法は鮮やかだった。
片や佐川急便は田中角栄以下の政治家に100億円もの賄賂を渡して同じ結果を得ていたから両者のやり口とても対照的だった^^。
然しヤマトも小倉昌男前社長亡き後はブラック企業と化し、冷凍品の常温管理が発覚し、さらにサービス残業の実態が明るみに出て、今では佐川や日本郵便に追い上げられているが、筆者自身がヤマトとアマゾンの配送センターに20日間、時給900円の深夜勤務に潜りこんでの取材記事には圧倒された。
ヤマトの配送センターの作業員は日本人も居るがベトナム人が多くて日本語も読めぬのにコンベアで流れてくる荷物を仕分けして大型トラックが定刻に出車できるよう100kgもの荷物を抱えてカートに積み込む荒行だそうだ。正社員達がシルバーウイークなど行楽を楽しんでいる陰には土曜も日曜も夜勤の時給で生活している人達がこんなに多いのは何故なんだろうと考え宅配の世界(他にもサービス業は殆ど)は土曜も日曜も盆も正月もなく、これは明らかに現代社会の歪だと思った。春秋の長期休暇に加えてお盆休みに正月休みと家族団欒できる人達は有名学校を出て試験を受けてちゃんとした会社に入った人に限られ、そうでない人達との格差がこんなにも大きいのはおかしく、今の日本は昔の奴隷社会のようだ、これは明らかに差別であってどこか間違っていると感じるのは筆者だけではなく私も同感だった。
日本郵便が佐川のメール便を扱うことになったとき、日本郵便の或る幹部が「どうして佐川如きの下請けなどせねばならないんだ」と怒ったら、部下の回答は「うちには佐川の集荷に対抗できる営業力が全くありません」と頭を下げることだった、なんてところは面白かったな^^。郵便局は「待ち」の商売でセールスは原則プライドが高くてできないんだ、プライドだけでは儲からないよね。
もっと面白かったのは郵便局がヤマトの営業をしてくれて居る個所だった、私にも経験があるが昔Uパックの発送で東京に居た愚息に荷物を送るとき翌日10時到着を係員に迫ると、決まって「ヤマトなら大丈夫ですよ」と腰が引けることだった。そうだったんだ、日本郵便は無意識にヤマトの営業をして居たんだ^^。
今回親会社である日本郵政と子会社の内かんぽ生命とゆうちょ銀行は上場売り出しされたが日本郵便は成績が悪くて見送られた。日本郵便は売り上げを増やしたくて佐川の下請けにまで成り下がったが、此れは企業に大切なことは売上高でなく営業利益であることを忘れて居る。うちへの郵便配達は毎日夕刊より遅くて5時以降の時が多いからサービス残業でないと赤字になると思うがどうなんだろう、日本郵便も遂にブラック企業入りなの?

日経夕刊の「明日への話題」で週一の執筆者である奈良県考古学研究所所長である菅谷先生が書かれていた。銀行の窓口で少しまとまったお金を下ろしたら窓口のテラー嬢がお金を私の目の高さにまであげて数え始め「信用しているからいい」と言っても聞き入れて貰えなかったそうだ。ダイコクドラッグでは釣り銭を目線に掲げて数えられるが、それはたかだか1万円未満の話で数十万円を48枚49枚などと数えられたら当然背後の視線を意識する。店内で突然泥棒に変身しようと考える人だって出てくるかもね(;;)、菅谷先生は100万円にしておけば帯封で頂戴できたのにと後悔されたに違いない。
何処の銀行か書いてなかったが、こんな非常識なことをして居るのは一体から何処の銀行だろう、此の記事を読んできっと思い当たる銀行幹部が居ると思うから早速会議にかけて廃止されるのではあるまいか、渡してしまえば後のことは知らぬだなんてとても非常識だと思う。
100万円の帯封だって安心できない、40年も昔お得意先のAさんが大丸東のM銀行で100万円下ろして帯封で貰い、会社に帰ってから数えたら1枚足りなかったそうだが、どんなに掛け合っても取り合って貰えなかったことがあった。日銀かM銀行かの紙幣計算機にも過ちが出ることがあるんだなと思ったものだ。何処かで誰かが1枚儲けた人が居るに違いないと思う。40年も前だし、器械も現在ほど精密ではなかったのではないか。
此れも40年も前のことだが三宮のM信託銀行で税務相談に週一で行った居るとき、行員達に夜6時から2時間所得税の仕組みについて講習をしてほしいと言われ1週間通ったが、或る日7時になるまで会議室に誰一人も現れなかった。理由を聞いたらお金が1000円足りなかったそうだ(;;)。課長がポケットマネーで…、なんてことは厳禁で必ず不明金を見つけないと誰も帰れないのが決まりだと言われ、銀行って厳しいんだなと絶句したものだ。あのときお金が余ってたらどうするのか聞きそびれた(;;)。

中台首脳会議だって?一つの中国だって?台湾の馬総統は頭がおかしくなったのではない?習近平に「台湾に向けているミサイルを撤去してね」なんて恥ずかしいことがよく言えるね、プライドってないの?かくも節操を欠いた党首では1月の総選挙で国民党は民進党に大敗するに違いないね^^。

先週の書けないけど読みたい漢字
この家は百年は堪(た)える

今週の書けないけど読みたい漢字
傷の痛みを(堪)える

旭化成建材は被害者じゃないの?

大根2

秋も少し宛深まり紅葉の季節が近付いている。もう11月なんだ。歳月の経つのは思ったよりずっと早くあとたった10日で私は80歳を迎えることになるから万感迫る思いだ。
庭の大根も順調に育って三角バッタの好餌となり、モンシロチョウがせっせと葉に卵を産んでいる、卵は軈て青虫となって大根の葉を食べるのだが青虫は葉と同じ色だから見付けるのが殆ど不可能だ、でも青虫にしても蝶々になるために必死だし捕まえて金魚の餌にするのは人間のエゴだから見逃してしてやろうと思う。なんて…悟ったようなことを書いているが、実はもう私の視力では青虫と大根の葉との見分けができない(;;)。
今年の大根はなぜか昨年と違って発芽率が100%だった、そんなに発芽すると思ってなかったのでテキトーに蒔いたのがアダとなり数回間引く羽目になって現在に至っているが、半月もしたらもう一回くらい間引く必要がありそうだ。間引き大根の根っこは辛くて食べられたものでなかったが葉はメチャ柔らかく美味しかった、栄養価も満点らしい^^沢山の方に差し上げて喜んで頂いた^^。

先日近藤康太郎著「新しい民主主義」を読んでいたら、村上春樹が捉まっていた^^。彼、村上春樹は初期に「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」を書いていた辺りまでは車嫌いで、この作品の主人公が死んでゆくのも国産のしょぼくれたレンタカーでボブ・ディランを聞きながらだった。その頃の村上春樹は「正月は車が居なくなるから、自分のような散歩者には静かで空気が良い」なんて清潔なエッセイを書いていたのに流行作家になってから急に「車はオープンカーに限る」とか言ってポルシェのオープンカーだって?恥を知れ!と彼近藤康太郎に叩かれている^^。
この人ノーベル賞候補になったせいかやっかみだろうが文筆家の間では評判悪いよね、いつだったか群ようこに「村上春樹の経営する飲食店に行ったら大きなゴキブリが壁に張り付いていた」と書かれたが、目の敵にされて居るのは面白いね^^。本当に立派な作家であれば同業者からこんなバッシングを受けない筈だから何処か彼に人間的な欠陥があるのかな?
村上春樹は翻訳物が出回ったせいで外国人には好評のようだが、わたし的には彼の作品に登場する主人公の性格が分かり易そうで実はとても晦渋だからよく理解できずあまり読みたくない。

先週日曜日午後漢検の検定に出かける少し前に近くで事件があったから防犯カメラを見せて欲しいと警察官が来たので招じ入れたら小柄で皰(にきび)ポチポチの可愛い女性警官だった。名刺も貰ったが名刺の肩書きは「兵庫県巡査」だ。「早く警部にならんとあかんね」と言ったら「絶対ムリ」と真顔で言われた。
事件が深夜でもあり防犯カメラがはっきりしないので上司に相談しUSBメモりーが必要なら私達は三交代なので三日後に来ますからお願いしますと頭を下げて帰って行ったが水曜日には来ず昨日になって「矢張りコピーが要ります」と訪ねてきた。丁度六日後だから休み明けの勤務だろう、でもうら若い女の子が24時間勤務だなんて厳しい職場だね。女性にとって体力勝負の世界だ。お嬢さん、警察は基本男社会だけど女性も頑張ってせめて警部補になって部下の男達を扱かんとあかんよ。

先週の漢字検定は女性警官の応対などで鼻を伸ばして遅刻しそうになり日新町の駅から必死に走って漸く開始3分前に駆け込んだが、動悸が治まるのに時間を要し、息継ぎが終わったら皆問題用紙をペリペリ捲って居て慌てた。80歳にして駆け足5分の体力消耗は当然に思考に影響し、30分経過を告げられたとき未だ8問の対義語、類義語を考慮中だった。9問解答できて「帝都」の類似語には「けいし」しか残らないがそんな熟語はまるで知らん(;;)、回答欄に空欄が目立つが取り敢えず10問全問の答えを書き終わったところで時間を見たら後20分、空欄一杯、ヤバ!
曾ての不祥事以来漢検も少し宛不人気となり参加者も激減しているが、その辺を考慮してか問題も10年前と比べて結構易しくなって居るのに何故か答えが思い出せず書けない字が多くなっているのは加齢のせいだが、その牴牾(もど)かしさには身を捩(よじ)れる(;;)。
その上最近では何故か見たことがない問題が幾つか出題されて戸惑うが此れは曾てなかったことだ、きっと問題が易しくなった結果、200点獲得者には合格証に加えて満点賞が交付されるが満点賞の乱発は漢検のブランドを下げる恐れがあり出したくないからだろうと思う。今回も先ず誰にも書けないと思える問題が帝都を含め2問あった(::)。
今回明石会場での準一級受験者は欠席者1名を除いて僅か15名だった。1部屋に4級と6級の数十名を詰め込んでお釣りがあった。10年前神戸の会場は山手短大の教室だったが、100人教室の3室びっしりと犇(ひし)めいて芋の子を洗うようだったから栄枯盛衰盛者必衰はこの世の倣いだが感無量の思いだ。
(注)帝都の類義語は「京師」だった(80年生きていて初めて見た熟語だ(;;))

大分県中津市が市の処理場の工事に旭化成建材が関与していないと発表していたが先週此れを撤回した。旭化成建材が4次下請けに入っていたそうだ。普通孫請けなんて聞くことがあるが曾々(ひいひい)孫請けなんてのまであるんだ(´Д`)、下請けと孫請けに曾孫請け達は工事代金の鞘抜けをして居るんだろうが、建設業界の複雑さには唯々魂消るね。私は旭化成建材だけでなく他の同業者もきっと同じような杭打ちデータの改竄をしていると思う。旭化成建材が不運だったのは横浜のマンションの土壌が普通の土地より脆弱だったため2cm傾いたことだった。ひょっとしたら旭化成建材は被害者かも知れないと思う、施主の三井不動産が不当に安い建築金額と早い納期を契約条件に入れていたのが此の事件の発端であり結末ではなかったかと私は見た。真に責任を取るべきはマンションの購入者から多額のお金を受け取り暴利を貪った三井不動産ではないのか?曾孫請けから長さの短い杭を持ち込まれて「工期を守れや!」と言われたらああするより他なかったんだろうと思う(;;)。
横浜を契機に何処も彼処もがデータの改竄ラッシュの出来(しゅったい)だ、改竄などCADのキーボードをポンポンと叩くだけでできるから手間は要らない。「改ざん」と言う熟語が新聞にテレビに幾度も大きく出てくるが、とても読み辛い。杭打ちまで「くい打ち」だ、常用漢字でないからだが「改ざん」を「改竄」を漢字で書いてルビを振れば良いと思うのだが何故だろう、子供達が難しい漢字を覚えさせるのに良い機会だと思う。「お父さん、この字はなあに?」「あれはね、鼠が穴に入っている字で隠れている意味であり、鼠はこそこそと悪事をなす者の喩えがあるから改竄は悪い方に改めると解釈するんだな」「へえーお父さんって何でも知ってるね」と畏敬の眼差しを受けるだろう、最近とみに失墜している父親の権威を回復する絶好のチャンスをこの際生かそうね。
山本夏彦翁は小学生にして四書五経が読めるほど漢字に精通されて居たが、それは毎日ルビ付きの新聞を隅から隅まで読んでいたら自然にそうなったそうだ。因みに明治大正の時代、新聞の字には全てルビが振ってあり子供でも魑魅魍魎は疎か鑱諂面諛(ざんてんめんゆ)でも楽勝だったんだ^^。読み方が分かれば子供達は漢字に興味を抱いて読書に親しむだろう。どうして今の新聞はそうしないのかな?障害者なんて酷い字だよね、障碍者と書きルビをつけたらどうして悪いの?「書き替え字」なんて日本語への冒涜だ!

先週の書けないけど読みたい漢字
見ていないからと仕事を慢(おこた)るな

今週の書けないけど読みたい漢字
この家は百年は(堪)える

税務署の火事

県境

日経金曜夕刊にはフォトジャーナリスト桜井寛さんの「にっぽん途中下車」なるコラムが週一で掲載される、私は毎回楽しみにしているが先日「都県境は小路だった」と東京都と神奈川県の県境が小路の真ん中であると記されて居た。面白い処もあるもんやね^^、写真の左が神奈川県で右が東京都らしい、県境となれば道路管理はどちらがするのか、道路に敷設した瓦斯や水道工事も分担がややこしいね、駐禁などどうなんだろう、向かいの人と学校はもとより国民健康保険の計算も異なり警察から郵便屋さんも管轄が違うから生活の謎が益々増えてくる。私の淡い記憶では県境は全て川か山だと思って居た、でも山だと海との境には道路がある筈だから道路を横断することで県境が定められているのだろうが縦断だなんて此処は不思議だ。恐らく昔は武蔵野の原野だったのが開発されてこんな風になってしまったんだろう。一度路の真ん中に仁王立ちして足を広げ「右足が東京都で左足は神奈川県だ!」なんて叫んで見たいよな^^。

今日の午後は漢字検定だ。受験しだしてから11年目に突入したが何故か仕事が忙しくて過去問なんて見る暇もなく四月前の記憶は殆ど消え去って居る(;;)。こんなことでは合格が叶わぬからなんとか頑張ろうと思うが、此のひと月仕事に押し潰されて勉強が全くできていないのでメチャ不安だ、付け焼刃だけど昨日と今朝だけ過去問を少し解いて見た。
「西施捧心」と謂う四字熟語が出て居る、幾ら考えても分からないので四字熟語辞典を引いたら「西施」は昔中国に居た女性の名前だった(;;)、そんなこと知るか!「堯風舜雨」の意味もどう考えても漢字辞典を繙(ひもと)いても分からなかった。答は太平の世を謂い、古代中国で堯と舜と謂う立派な王様の時代のことだった、そんなことも知るか!全ては高校のとき漢文を選択して居なかったことが致命的だったんだろう、漢文さえ学んでいれば私にも1級挑戦だって叶わぬ夢ではなかった(ウソ?)と思うからとても悔しい。この歳になって今更己の無学を悔いても詮ないけどな(;;)、
上の四字熟語は別にしても、漢書には含蓄があり我々が学ぶ処が多い。来世、再び人間に生まれ変わることができたら絶対に論語の素読から始め漢書を学ぼうと心に決めている。

先日みやざき中央新聞を読んでいたら興味深いことが書いてあった。元検察庁特捜検事だった田中森一氏が30年前世間を席捲した国立大学と文部省課長の「ワープロ贈収賄事件」についての秘密を話されたそうだ。逮捕された文部省の課長は罪は認めたもののお金の使い道については絶対に話さなかったが、追い詰められて遂に「全てを話して私は死にます」と言った。課長は若い男と同性愛で彼に貢ぐためにお金が要ったんだ 、妻子の居る身での同性愛なんて当時の風潮(今でもそうだが)は本人も家族も世間で生きていけない時代だった。罪そのものとは無関係のため 田中検事は調書を書き直して「男」を「女」にすり替えて供述書を裁判所に送った。両刀遣いの課長のことよりその家族を慮(おもんぱか)っての心配りだったろうが、堅苦しい検事さんも偶には粋なことをするね^^。因みこの検事さんはヤメ検の後弁護士として闇社会の守護神と謂われ、当局から睨まれてあの石橋産業事件で有罪となり上告せずに服役したとても珍しい人だ、長くみやざき中央新聞に手記を書かれて居たが昨年病没された。

被告の心情まで思って調書を書き換えてくれるこんなに素晴らしい検事さんが居るかと思えば、一方では20年前東住吉区で子供を焼き殺したと無期懲役に処せられ受刑執行中の親達二人に対して自然発火による無罪を主張する弁護団が再審請求での犯行火事場での実験に続いて検察庁まで此れを覆すべく同じ実験を行ったら、犯行を行った被告が火傷を負わなければ犯行をなし得ない結果が得られたため大阪高裁の米山裁判長は先週金曜日事実誤認による再審を指示し、二人は明日26日釈放されることになり事実上二人の無罪が確定した。弁護団の実験に対抗して、「全ては自白だ!」と安易に望んだ検察側の実験は自分達の主張を覆す結果となり「語るに落ちた」ものだった。自白以外に物証がないのに有罪とした当時の裁判官は当然に弾劾されるべきだが20年前だし秘匿して教えて貰えないよな。
処でこの硬骨な裁判長では例の競馬の馬券事件にて一時所得で30億円だとする国側の主張を退け負け馬券を必要経費の認めた裁判長だ、国に逆らったから最高裁裁判官にはなれないだろうけど偉い人だね^^。
処で受刑者だったこの親達は保険金目的で捕まったものだから当然に保険金は下りなかったものだが今回20年分の利息を付けて貰えるよね^^。その上国からも20年分の労役の対価に加えて拘束された期間に対する高額な賠償金が請求できるから、此の二人は一躍大金持ちとなる多額の報酬を期待するから弁護団も危ない火事の実験までして頑張れたんだよな^^。

火事と謂えば50年少し前に明石駅前の桜町にあった木造二階建ての明石税務署(昔は神戸税務署だって何処だって木造二階建てだった)が火事で焼けた。今と違って納税のデータが国税局にネットワークされているような時代でなく、何でも紙で書いたコピーもないアナログ時代だったから税務署では納税の滞納者が分からなくなり、当時は100円儲けると110円税金が掛かる酷税だったから、税務署を社会の敵と考えていた市民は誰も喜んだ。督促資料が焼失した滞納者が一番喜んだに相違ない。又、申告を調べるにも申告資料も焼失してなかったから税務署も手持ち無沙汰でなすすべがなく商店街の人たちも大喜びだった。
あの頃はあまりの酷税に税金を正直に払う奴が「あいつはアホや」と貶されて居たが、税金が払えるリーズナブルになった時代になった昨今税金を脱税した者が「悪い奴や」と社会的に糾弾されるようになったから、税金は納税者の納得の行くものにしないと逆に徴税に齟齬を来すことを施政者は過去の経験から 学んだのだ。
働きの悪い奴隷に罰として2倍働かすと余計生産性が落ちる理だね^^。

先週の書けないけど読みたい漢字
中学卒だからと慢(あなど)るな

今週の書けないけど読みたい漢字
見ていないからと仕事を(慢)るな

傾いたマンションと相続税

荻

秋も愈々深まってきた、酷暑で弱っていた木々の葉も今月に入って一段と緑が濃くなり生き生きと耀いている。
Eさんから送って頂いた神戸港周辺の散策時撮影の一枚だが三宮元町間の大通り大丸横に咲く薄(すすき)の群生に目を見張った。薄は河原などに咲くから街中は可成り珍しい、花が白くて密で房状になっているから丁度満開なんだろうね。

愈々日本郵政グループ三社の新規公開株発売で中国問題や石油化学の下落で低迷している株式市場に灯りが点った^^。政府はこれから三回にわたってグループ三社の株式を売り出すが、初回の売り出しが失敗すると二回目三回目の買い手を失うから第一回は売り出し価格を抑えるためまず上がるに違いなく配当利回りも定期預金金利の100倍以上で決して悪くないし10万円余りから買えるからお勧めだと思う。
先週三菱UFJモルガン・スタンレー証券ととても長い名前の証券会社を名乗って若い女性から「日本郵政の株が公開されるので申し込まれませんか」と電話があって翌日の午後彼女がうちの事務所を訪れた。セールスマンのマニュアル通り約束の5分前にピンポンだった^^。丁度日本郵政の株式上場が「エコノミスト」で特集されているのを読んで興味を抱いて居たタイミングでの電話だったのでこの女性は全く幸運だった、だから「どうぞどうぞ」と入って貰った。
電話の際、彼女が不思議にも岡本会計事務所は知っていてもうちの事務所の所在地も私のフルネームも知らないでの電話だったので訝しんで尋ねたら、あちらの業界では「E電話帳」なるものが存在し、業種毎に有料で手に入り税理士と入力すれば全ての税理士の事務所名と電話番号が画面に登場し、岡本会計事務所と電話番号だけ検索できたそうだ。おそらくNTTの電話帳を何百冊も職業別から切り取ってアイウエオ順に並べ替えたようだが、世の中いろんな処にいろんな金儲けがあるもんだと感心した、彼女は「E電話帳」(いい電話をもじったか)から税理士業を担当して神戸にある市外局番を探しランダムに掛けてきたようだった、電話を掛け捲ってやっと一人カモが引っ掛かったんだ(;;)。「住所を教えてください」には参ったな、ネットで検索して…と言ったら岡本会計事務所が沢山あるので分からないと泣き言を言われ仕方なく下の名も教えてフルネームで検索するように言ったのだが、感心にも約束の時間にちゃんとやってきたので日本郵政の公開株を買うことにして申込書にサインした。
この株屋さんは大丸の東隣の三菱東京UFJ銀行の横にあるそうだが、聞けばこの名前になるまで30社位が合併したそうだ。「モルガン・スタンレーは付いてないほうが商売し易いと思うけどな…」と言ったら彼女も同感し頷いたが日本人には外資はメチャイメージが悪いもんね、モルガン・スタンレーの名前を付けないと合併のお金が貰えなかったからだろう、流石に「東京」まで入れると長すぎるので諦めたんだろうが、東京銀行出身者はモルガン・スタンレーの出現が屈辱極まりなかったろうな、誰か一人位「モルガン・スタンレー」の名を入れるとイメージ悪くて商売し難くなりますから止めてくださいとモルガンに諫言する武士(もののふ)は居なかったのか!
身分確認だと言って免許証のコピーを渡し、銀行の口座番号を書かされたので、お返しに身分証明書を見せてもらったら、私の孫世代である昭和を知らない平成4年生まれ学卒ホヤホヤだったが生き馬の目を抜く荒波の証券業界でこのお嬢さんが果たして怒涛に呑まれずに一人前に育って行くのかと帰って行く後ろ姿を眺め乍ら案じたものだ。

横浜の新築マンションが傾いてきて発覚した旭化成建材の杭打ち捏造って酷いよな、マンション3000棟とは法外な数だ、元請けである三井不動産や熊谷組などゼネコン各社はオタオタするばかりだが、旭化成建材は下請けでなく孫請けに当たるから抵牾(もど)かしいね、現在この会社は担当者のヒアリングを開始しているそうだが、生ぬるいよな、そんなことして居る間があったら担当者を杭打ちデータを捏造した罪で検察庁に告発したらどうなの?会社の方にも疚しいことが一杯ある構図が丸見えだ。
捏造と謂えば、10年前耐震強度を偽装したと一級建築士の姉歯氏が逮捕された。彼は「国の耐震基準が厳しく過ぎるからで、計算上震度7や8にも耐えられます」と懸命に主張したが要れられず、裁判で彼は懲役5年を言い渡され服役となり当然に建築士免許も取り消された、マスメディアは「姉歯はカツラだ」「愛人にマンションを買い与えた」「妻は高級ブランドを買い漁りホストクラブで豪遊」など言い募った結果、可哀想に奥さんは自殺した、実は彼女は病で事件前から神経科に通って居たのだがマスメディアはあることないことを書き立て世間の関心を煽って人一人を殺し後は知らぬ顔をした。
真実だったのは「カツラ」だけで後は全てマスメディアの創作だった(;;)。然し皮肉なもので4年前のあの東日本大震災で彼の設計したビルはどれもびくともしなかった。マスメディアは直ちにそれを知ったがそのことについては誰も素知らぬ顔をして触れなかった(>_<)。
旭化成建材だって本当は予算の関係でゼネコンの下請けから頼まれてしたのかも知れない。本当に悪い奴って舞台の後ろに居て絶対にバレないのが資本主義の世の中だ、小物が罪人にされトカゲの尻尾切りで収束するだろうと私は思う。
因みに建築の構造設計基準計算は6倍の安全率が掛かって居り、動いている自動車の安全率は3倍だ。安全率のわけは、建築の構造材料・施工精度・構造計算・構造設計などでの部分的なミスの発生と地震解析を含んだ総合的判断のミスをカバーして建物の住み手の安全と財産を守るためだそうだが比較し難いが震度7の地震の際に道路を走っても自動車が壊れるとも思えないから自動車の2倍もの安全率とは少し厳しいと思う。姉歯さんが言う筈だよね。
処でこの傾いたマンションや他の3000棟の所有者に相続が発生すれば国税当局は評価額をどうするんだろう?2cm傾いたマンションは建て替えが決定したからゼロだろうが土地は欠陥地でも一人前に相続税を取られるのかな。もう住めなくなったからと本来なら受けられる筈の小規模宅地80%減額の特例も受けられなくなって本来なら払わなくてよい相続税を毟られることにでもなるのだがそんなことをしたら税務署がうらまれて火を付けられる。そこまではしないと思うがどうなんだろう。そういえば阪神淡路大震災の直後お得意先に相続が発生した。そのご自宅は一部損壊で100万円補修費が掛かったが税務署に負けてくれと掛け合ったら 建物の評価を7掛けに下げてくれたことを覚えている^^。

先週の書けないけど読みたい漢字
貴重な時間を漫(みだ)りに過ごすな

今週の書けないけど読みたい漢字
中学卒だからと(慢)るな!

父の選挙出馬

アジアンタム_ 溝のアジアンタム

秋晴れの日が続き暑い夏に草臥れて居た草木も元気を取り戻して生き生きしてきた^^。先月家の前の溝に地下水が流れ蟹が棲んで居るとお知らせしたが、実はこの溝には観葉植物のアジアンタムまで繁茂して居る^^。此の写真をご覧になって驚かれたと思うが、うちの事務所のアジアンタムの胞子が窓から飛んでいったものか溝で自生し更に又胞子が他の溝に飛んでいったようだ。地下水の温度が18度と一定なのも彼等の好感を得ているのだろう。居間の鉢植えを溝の観葉植物で間に合わされたらホ-ムセンターも商売あがったり迷惑だろうね。
垂水には地名からして瑞ヶ丘、瑞穂通等水に纏わるものが多いがそれは昔は池だらけだって湧き水の多い所だった。近隣にはマンション建設のため地上げした土地が湧き水が多くてどうにもならず建て売り住宅にせざるを得なかった処も少なくない。うちの事務所など崖下で水が押し寄せるとこだし、池の上に浮いているようなもので基礎にはビニールを敷き詰めて建てたから地震が来てもゆらゆらとボートのようなもので倒れ難いのではないかと思って居る^^。

三日前の10月8日は亡き父のの誕生日だった。先週お約束した我が家の選挙のことだが、68年も前になる終戦後初めての選挙が昭和22年に行われ、私の父は得意先である神姫自動車の推薦で国民協同党の公認候補として県会議員に打って出て敗北した。此は父が死ぬまで唯一後悔し続けたことであったが、その原因は直前に戦後初の姫路市会議員選挙が行われ、疎開先であった姫路市白国の村長が立候補し、父は弁論の原稿を作ったり応援演説などをして彼を当選させたことが、堅実をモットーにした父の人生行路を狂わせた。あのドン百姓が市会議員なら自分は県議に成れない筈がないと思い込んだのが大きな誤りで、選挙は教養でも知識でも品性でもなく、カネさえあれば良いことを承知しなかったことだ、金を使わない選挙であっても選挙に要した資金は父の財産の大半である18万円もの巨額であり、当時大型トラック1台の値段だったと聞いたが物資のないときだったし、サラリーマンの給与が500円もしなかった頃(大工さんが日当25円だと威張っていた)だから現在の価値にして5000万円位ではなかったかと思う。
選挙事務所の東呉服町は自宅の花影町から近かったので小学生の私など事務所の人達には邪魔者なのを気付かず何か役に立とうと学校帰りにずっと通って居た、其処でいろいろな社会勉強をした。
事務所は昼と夜二回米を大釜で炊いて塩味のオムスビを作るが幾ら作っても直ぐ無くなってしまう、見ていると知らない人が一杯来てオムスビを食べて居る。咎めると運動員の誰それの従兄弟だとか言ってしらばっくれるが貴重な一票だから怒りもできずに父は困って居た。追い返しても次の日にもきてチャンと食べて居る。当時は食糧難でヤミ米が買えずに誰も日なか飢えている時代だったからオムスビの値打ちは現在と全く異なる異次元での価値の高いものだったのだ。
選挙の看板は白くて分厚い布製だったが触るとトゲトゲした繊維が指に幾つも刺さって不快だったが今思うとあれが悪名高いアスベストだったんだと思う。又、事務所へ知らない人が来て入口で倒れて泡を噴いた、テンカンだと誰かが言って額に草履を裏返して載せたり、泡に触れるとテンカンが移るとか大騒ぎで一時事務所の人が居なくなってしまったこともあった。
国民協同党なんて知らない人が多いと思うが、此の党は中道政党として昭和22年に発足し後の首相三木武夫が書記長(のちに中央委員長)で同年4月の選挙で衆議院31名参議院10名を当選させて、民主自由党(当時は自由民主党とは言わなかった)及び社会党と連立内閣を組み片山哲内閣、芦田均内閣を続いて発足させそれぞれに二人の大臣を出し連立内閣の一翼を担ったのだが、今思うに終戦後の混乱当時の姫路市民は新聞など読まず政党意識など全くなく、地域の長(おさ)の言いなりだったから国民協同党の公認候補と言ってもお金が出るわけでも無し勿論組織票など一票も貰えなかったから父の思惑は外れ落選して当然だったんだ。68年前の出来事だったが、人間の名誉欲は麻疹(はしか)のようなものだから、名誉欲の権化だった父が財産の少ない早い時期に選挙と金について気が付いてくれて良かったと思う。

日経新聞「こころの玉手箱」で84年五輪金メダリスト山下泰裕が書かれて居た。彼は現役を引退したとき指導者としてゼロからのスタートだったが、一指導者としての山下を見て貰いたいとの思いは悉く裏切られ、常に彼には五輪優勝と国民栄誉賞が付きまとって離れず極めて不本意だったそうだ。そうだよね、若い頃に一度栄光に輝いた人はそれ以上の栄光を求めるのは無理なんだ。頂点に立てば後は下りしかないのが人生だ。何時まで経っても過去の有名人としてしか生きて行けないのは山下さんも辛いだろうがそれが世の倣いだ、99.9%の人が一度だって栄光に輝いたことがないんだから山下さんも我慢しないと…、世間では現在山下さんが東海大学の副学長になれたのは本人以外は誰もが五輪優勝と国民栄誉賞のお陰だと思って居るのではないだろうか。

川内原発再稼働については「トイレのないマンション」と謂われているそうだ(^^)。そうだよね、核廃棄物の処分地も決まっていないのに平然と稼働したんだもんな(>_<)。
地震学者は関東地方の地震については全く予知できないと謂っているが東京電力は「予知できる」と言い切った。東京電力は何時から地震学者になったの?

ノーベル賞を受賞された大村智さんって私と同じ歳だから同じ世代を生きてきた人だ、此までのノーベル賞受賞者と全く違って、通り過ぎて来たた時代のせいもあるけど世間に名もない地元の大学を出て夜間高校の先生をしながら私学である東京理科大の大学院生として勉強して研究者になられたなんて雑草のような逞しい人でメチャ偉いね^^。
我が国の受賞者の殆どが東京大学乃至京都大学或いは名古屋大学に属して居るから大村さんのような方は希有だ^^。
処でノーベル賞も基金が涸渇したとか聞くが、賞が二人三人と小分けされる賞金も一人当たり少なくなるようだが、ダイナマイトができて150年が経つがもうお金がないのと違うかしら?

南京大虐殺なんて荒唐無稽なでっち上げが中国の陰謀でユネスコの文化遺産に登録されるとか…(>_<)。ユネスコとはUnited Nations Educational, Scientific & Cultural Organization だがこれでは余りにも uncultural だ。南京大虐殺が載るのならヒロシマが載らない理由を言って見ろよ、どうなんだ!

先週の書けないけど読みたい漢字
湖畔の道を漫(そぞ)ろに歩く

今週の書けないけど読みたい漢字
貴重な時間を(漫)りに過ごすな

税理士の懲戒について

キリギリスの住処

事務所の庭が俄草原化したせいか、今年はキリギリスが先月いっぱい鳴き続けて生まれた場所での恵まれた環境に生涯を満喫したようだ^^、写真のように草が茫茫と茂って雨天での避難所も充分に確保されたからだが、昨年までにはなかったことだ。仕合わせにも今年は昼間事務所でキリギリスの声を聞き、夕は寝所でコオロギの鳴き声に心癒される一夏だった^^。来年も私に寿命があれば道行く人に呆れられても、キリギリスの新しい命が誕生する此の鬱蒼とした庭を守って行こうと思う。
写真はキリギリスの住処で今月になって天敵のキリギリスが絶えたため負んぶバッタの天国になって居る^^。昨日は5分間に21匹捕まえたので池の金魚の蛋白源に供し金魚達に喜ばれている^^。

先日日本経済新聞が税理士の非行に付いて5段抜き記事を打った。数年前に税理士の顧問料の相場は1万円だと謳って業界を安売り合戦に巻き込むなど、日経は昔から何故か税理士に遺恨を抱いているようだ(>_<)。
非行は名義貸しに脱税指南と税務書類の虚偽表示の三本立てだそうだが昨年は59件もの処分が行われたと書いてある。税理士登録の抹消が13件に業務停止が46件とか…、世の中が不景気になるとお得意先の要求がエスカレートするから、税理士にとって不本意なこの種の事件が頻発するのは食べて行くためにやむを得ないと思うが、税理士は全国に75000人も居るから非行割合は僅かに1万分の8だ。斯様なカンマ以下の数字を掲げて税理士のモラル低下を論(あげつら)う日経は税理士に何か怨みでもあるのだろう。

類似の職業に弁護士があるが彼等のことは日経は全く触れない、実は弁護士の懲戒は年間80件にも上り、弁護士の総数は35000人だから非行割合は千分の2と圧倒的に多い、然も弁護士の非行の大半は依頼者が勝訴して得たお金をネコババするケースや成年後見人の立場を利用して依頼者の財産を遣い込む悪質なものが多く、税理士の非行が依頼者の意に添うたものであるに対して弁護士のそれは依頼者を裏切るあざといものだから顧客に対する仁義の欠如に関して全く話にならない、此は現行の制度が勝訴によるお金が依頼者でなく弁護士に支払われる悪弊が利用されているからで此は弁護士が自己の報酬を取りはぐれないために法務省に願って作った法令が悪用されているのだ。依頼者の意向を慮って懲戒される税理士と依頼者を裏切って懲戒される弁護士では罪の質が依頼者の期待に応えるかどうかに付いて全く正反対ではないか、日経も税理士ばかり糾弾するのは片手落ちだ!そうか、弁護士への悪口雑言は名誉毀損等で訴えられる危険があるが税理士なら其処までしないことを知ってのことだろう。卑怯な奴等だな!

大阪府警、埼玉県警と続けて警官の殺人事件が勃発した。警察官が殺人者だなんて他の国は兎も角我が国では考えられないことだった、世も末だね(>_<)。然も此奴等は妻があり乍ら愛人を作りその愛人から結婚を迫られ縊り殺した卑劣な奴と、職務で検視に言ったとき知った金庫の在処から住民を縊り殺して金庫の金を奪い不倫相手と沖縄旅行に行くなど極悪非道を絵に描いたようなワルばかりだ。
此の二人は仕事が仕事だから極刑に処せられるだろうし、それはそれで当然だが、可哀想なのは被害者だけでなく此の警官の直属の上司達だ、本部長の更迭は仕方がないにしても署長は定年を目の前にして戒告の上辞職だし、本来なら頂ける天下り警備会社のポストだってダメだろう。警官の上司も課長から係長に至るまで全員更迭され階級の昇進が殆ど絶望になり昇給が断たれるのが此の社会での不文律だ。
警察は採用時に生活環境から結婚相手まで詳細に調査するが、それ以後のことは本人の自覚と上司の教育に待つ他ないから、罪の半分は自ずと上司の責任になるのだが、元はと謂えば採用時に試験官の眼力が不足したせいもあるだろうが試験官が罰せられたとは聞かないからから世の中不公平だな。

歯科医師会の違法な政治献金6億7千万円は一体何だ!参議院議員自民党石井みどりと民主党西村正美は本業が歯科医師であったため巨額の献金を受けて居るが、彼女達は歯科医師会のために何をしてくれたのだろう?西村正美など不倫報道に塗れて政党活動などできているとは到底思えないが…、我々衆生からしてみれば6億7千万円は腰が抜けるほどの大金で使途すら思い付かない(>_<)。
きっと歯科医師に不利な法案が上程された場合の防波堤のつもりだろうが6億7千万円とは魂消たね、歯科医師達は定例会費だから使途については役員にお任せだろうが少し出し過ぎだと思うが、それって選挙にはお金を食う魑魅魍魎の跳梁跋扈が必要とされるそうだからそれ位お金が掛かるってことだよね(;;)
我等の税理士会も年に10万円以上も会費を取っているから歯科医師会と同じようなことをして居るんじゃないかと気掛かりだ。何せ年間の寄附予定総額10億円だものね。
選挙については我が家に苦い経験があるので次週にご紹介しましょう。

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湖畔の道を漫(そぞ)ろに歩く

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60年前のいろいろ

金閣寺 天竜寺庭園

秋の夕暮れは釣瓶落としと謂うが夜が更けるのは早い、シルバーウイークなのに盛り沢山の仕事で鬱屈して居る私に秋を満喫させてくれたのが先週頂いたEさんの京都散策時の写真だった^^。金閣寺天竜寺の庭園です。日本でしか見られない風景だが、最近では諸外国の方々にも静謐でひっそりした日本の自然の佇まいが理解されて来たようだね。
「金閣寺」と言えば60年前「新潮」に連載された三島文学の代表作を思い出す、あの頃私は未だ20歳で夢多き文学青年?だった。ひよんな旅行から信州で小学校の音楽の先生をしている恋人ができてバイトでお金を貯め大きく胸を膨らませ月一煤塗れになりながらシュッポシュッポと石炭車で中央西線を上って居た。歳月は干支(えと)が一回りしてその彼女も今は亡い(;;)。それ以来遠い儚い思い出となって私の郷愁を誘って居る。
あの頃木曽路は一面桑畑に掩われてお蚕さんの匂いに満ちていた。そのうち生糸の生産が後進国に移り、40年前の中央西線はトウモロコシ畑に変貌し、今では何もなくなった(;;)。

60年前と謂えばもう没されたが作家の車谷長吉さんが面白いことを書かれて居た、昭和30年に小学校への登下校に運動靴が義務付けられ下駄が禁止されたそうだ(;;)、理由は分からないが転倒事故など防ぐための文部省の要らぬお世話だったんだろう。然し下駄を履けば絶対に巻き爪にならないし、従って瘭疽(ひょうそ)で医者に儲けさせることもなかった。歩くのに下駄はバランスが必要だから体幹の強化には大いに寄与したに違いないと思う。禁止令のお陰でそれまで細々と暮らしていた下駄屋さんが殆ど倒産するか転業を余儀なくされたのは当然だろう、私はその頃もう大学生だったから余り記憶にないが、その頃垂水小学校の西側にあった下駄屋さんがなくなったを憶えている、子沢山で良く肥えた色白の奥さんも下駄の鼻緒の担当だったし、道に面した表の作業場には何時も小さい子達がお母さんに群れて仕事の邪魔をして居たがお母さんは少しも嫌がらず何時もニコニコしていた^^。廃業は子ども達からの需要が激減したからだろうね、何処へ行かれたのか知らないが文部省も酷いことをするよな(>_<)。

私の小学校時代は戦争中だし下駄履き以外に藁草履の子どもが多く素足の子も沢山居た、当時は貧しい時代だったから運動靴の子どもの方がずっと少なかった。私は学校から帰ると門の内側に鞄と履き物をそっと差し入れて裸足で遊びに行って居たことを今もよく憶えている、遊ぶのには裸足が最高だった、川を渉って蜻蛉(銀ヤンマ)を追い掛けるのに履き物は邪魔で何より早く走れるからだ^^、でも今の子どもと違って6時にはちゃんと帰宅していた、1分でも遅れると晩ご飯が貰えなくなるからだし、夜になると人攫いが来て連れて行かれサーカスに売り飛ばされると信じ込んでいた。8時には電気代が勿体ないので家族全員が眠って居た。今は9時や10時まで塾通いだなんてどんなに賢い子ができるかと思ったら安保反対もできない軟弱な腰抜けばかりだ、世の中何処か狂ってきたね(;;)。
車谷さんは昭和20年生まれで当時10歳だから下駄履き禁止令には強烈な記憶があるに違いない、昭和30年は鍋底景気だったしズックの運動靴は高価だったから買えない家庭は少なくなかったと思うが、どうして文部省はそんな理不尽なことを言いだしたかよく分からない。製靴業界の代表が政治家にでもなったんだろうな。60年も前のことだからネットで調べてもはっきりした記載がない。
皆さんの中で下駄の歯が禿びたから下駄屋で新しい歯を入れ直して貰った人って居ないよね?靴が禿びたら放(ほか)すしかなかったが、下駄は何度でも歯を替えることができたんだ、どうしても履けなくなったら下駄は風呂焚きの燃料で役に立った、ゴム靴革靴は最後に公害を齎(もた)らすが、木は灰になって畑の肥料で命を終えたから環境に優しい省エネの昔って良かったなあ^^。

来月25日はもう本年最後の漢字検定だが80歳を目前に控えて頭が鈍くなったのと相続税など臨時事件があったりと気忙しく漢字を学ぶ時間が余りない、せいぜい土日の午前中だが仕事の残りやブログ更新など余分の仕事まであって儘ならぬ毎日だ、前回6月の検定に間に合わすべく詰め込んだ漢字の記憶はたった三月(みつき)でシャボン玉の泡の如く消え去って居るから頑張らぬと合格が難しくなる(;;)。土日の午後のネット囲碁対局を暫くお休みすることにしようかな?

小為替

先月相続の添付書類で地方の市役所に戸籍関係の書類を依頼し書類枚数が不明のため小為替千円を送金したら料金が返金された。見ると彼方此方から届いた小為替だ、どうして小為替の発行が私の送付した市と違って大津錦織と小伝馬町なのか訝しく換金時に郵便局で聞いたら、いちいち返金時に手数料の掛かる小為替を買うより他から送られてきたものを流用すれば経費節減になるからだと教えられた。させれば私の送った小為替も何処かへ送られて行くのかな?と聞いてら私の送ったのは千円だから先ず郵便局で換金されて居ますよと言われた、そうだよね、戸籍謄本は1通300円から最高750円だから1000円の小為替は釣り銭には使いようがないよね。処で小伝馬町は江戸時代牢獄のあった町だから分かるが、大津錦織って何処にあるのかな?とネットで調べたら滋賀県大津市の神宮前駅にある郵便局だそうだ。IT時代にアナログのスタンプも案外郷愁があって懐かしかった^^。

先週の書けないけど読みたい漢字
昔人足や馬は駅(うまや)に居た、
(明治時代になり線路ができても中継地点として此の字を使って「駅(えき)」と言った)

今週の書けないけど読みたい漢字
湖畔の道を(漫)ろに歩く

マイナンバーの功罪

彼岸花 彼岸花2

お彼岸が近づきうちの庭でも恒例の彼岸花が忘れないで蕾をつけた。植物は季節を絶対に忘れないから偉い、温暖化でも酷暑でも冷夏でもお彼岸を憶えているのは地中の温度ではなく体内時計のせいだろうね。毎年この時季同じ書き出しと同じ写真でゴメンm(_ _)m。お詫びにもう一つご近所の白い(クリーム色)の彼岸花もご紹介しましょう。「他所の花はキレイ…」だから、うちの花が貧弱で気が引けるけど花はさり気なく咲かすもので、「いっぱい咲かしてるう…」は私の性に合わぬとは負け惜しみだろうね。

カレンダーを眺めて驚いて居る。何時決まったのか今週は昨日を初日とする5連休だ(゚ロ゚)、休日の名称も種切れで国民の休日とか昔5月にあったのが今年から9月に鞍替えしたようだ(;;)、名前まで付いて居てシルバーウイークだなんて、寐たっきりや足腰弱くて外出も儘ならぬお年寄りを置き去りにして若者達が西から東に東から西にと大移動する敬老の日を小馬鹿にした名称だ!こんなに休みばかり作って政府は何が目的なんだろう、きっと国内の消費を活性化させるため観光地などに人を送り込みお金を沢山使って貰う算段だろうが、お金のない連中や遊びに行く人達の日常の生活用品を扱っている地元の商店街はどうなるのか政府は何も考えて居ない。我々貧乏人や地域に密着した小さなお店屋さんは税金を少ししか払って居ないから国民の数の内に入って居ないんだろう、お年寄りが医者に行きたくても全部休みだから緊急診療の病院名を新聞の片隅で捜すことになるし、たどり着けてもどこも超満員で余計躰の具合が悪くなりそうだ(;;)。うちのようなチッポケな事務所も就業規則には土日祝祭日は休みと書いてあるからモロにシルバーウイークの被害者となり愚息と親子二人だけで仕事を頑張ることになる。でも休みが多くなったからって今更60年前の日給月給(勤務日数×日給)にも戻れないよね。

57年も前のことになるが、加古川から通って来るMと言う女子職員が居た。彼女に1月の給料を渡したら「うち、家にお金入れなあかんし、小遣いあらへん」とぼやかれた(;;)、その頃高校卒業の女子の給与は20日〆の日額税込みの200円であり、1月は年末年始の休日があり勤務日数が20日しかなかったんだ。当時はエアコンもなかったし寒い冬も臭い石油ストーブが一つだけ、8時始まりで毎日9時10時の残業が常態だったから、お役所以外日本中の事業所がブラック企業だった。今の若い人達には考えられない就労環境だが何処もそうだったから誰も文句は言わず力を併せて懸命に働いた。だけどあの時労使が力を合わせて一所懸命頑張ったからこそその後我が国は高度成長期を迎えることができたのではないかと思う。

こうろぎ

二階の私の寝室と北側の崖との間に大根畑があり、その横に枯れ草が積み上げられている、どうやらその中で先月後半より夜な夜なエンマコオロギが良い声を聞かせてくれる。尾籠な話で恐縮だが夜小用に起きてもトイレの放水にコオロギが驚いて鳴くのを止めるので気を遣いトイレを流さないで一階からバケツに水を汲んできて音の出ないように流している(;;)。
先月のお盆頃50m位離れた近くの土手の上の叢(くさむら)でコオロギが沢山鳴いて居たのを知って居たが、近所から苦情が出て先月綺麗に草刈りが行われた。其処の残党だと思われるが遠路うちの畑の堆肥用の枯れ草を見付けて住処として夜な夜な鳴き続けているんだ。雨の中でも鳴いて居る、2週間以上棲みついているが鳴き続けているのは雌達が絶壁を下ってこの場所に辿り着くのを待って居るためだろうと思って居たら、先週ランタナの枝が延びて大根畑を浸蝕しているので少し刈り取って枯れ草の上に放ったらその音にビックリして枯れ草の下からエンマコオロギがカップルで飛び出した。夫婦が居ったんや。良かった^^、捉まえてバケツに入れスマホを取りに帰って撮影し元の枯れ草に帰してやった。それからも雄は毎日鳴き続けているが、ひょっとして相性が合わなかったか知らんと私は今日も少し不安に駆られている。

自然界では動物でも虫でも雄が雌に求愛するのが種族保存の本能だ、先日の日経夕刊「明日への話題」でホタルの求愛方法が書いてあった、雄は気に入った雌の傍に行ってピカピカと強い光を送り2分ほど繰り返すそうだ。雌はOKの場合は1回だけ光るが、気に入らない相手だと光を出さずにその儘歩いて他所へ行ってしまうとか…、飛んで行かないで歩いて行くところが面白い^^、ひょっとしたらもう一度来てくれたらピカしても良いよと焦らせて居るのかも…^^、振られたホタルの雄は仕方なく別の雌を捜すことになるようだが、雌は常に受動態であってもプロポーズの主役は間違いなく雌なんだ。

話は飛んで行くが、ホタルに限らず一度拒否するのは人間でも女性の良く取るポーズだが、最近の男達は一回断られると女が次を期待して待って居るのに気付かないで二度とノックしなくなったそうだ。女も安く見られたくないため一度位断った方が値打ちかあると思ったらそれきり男が言ってこなくなって失意し、もう一回アタックしてくれたらウンと言おうと思って居ても一回のノックで去って行くのではまるで宅配便だ。然も男は誰も歩かずに怯えたように走って逃げて行くばかりだそうだ。どうしてこんな変な世の中になったのだろう?
此まで女性がずっと主役で男が振られ続けてきた。此までは女は男が言い寄るのを待って居たのだがそのうち男が躊躇(ためら)って言わなくなったので今では仕方なく女から告白する時代になった。此は今の男が小さい時からTVゲームなど孤独と親しんだ結果人との触れ合いがなかったことが大きな原因で積極的に人に関わって来なかった結果微妙な女心が読めなくなったのだろう、♪イヤヨイヤヨは好きの内♪なんて都々逸があったが、今では野暮な草食男には微妙な女心は全く読めないんだな。少子化が進むのは人口減少ばかりかこんな処にまで原因が潜んで居たんだね(;;)。

食料品の増税を非課税にする消費税10%の導入は実務的に煩雑で経産省もそっぽを向いていたから先ず不可能だと思って居たが、政府は還付金なる奇策を持ち出して反撃に出た。実際還付を受けるには買い物時にマイナンバーカードを翳してポイントを取得し、インターネット等で税務署に申請して後日還付を受けることになるから実務的にお年寄りには可成りの難行苦行だろう。うちの近くにぼろっちい八百屋さんがあって時たま昔から知り合いのお年寄りが買い物に立ち寄っているのを見掛けるが、このお店だってカードを読み取る端末がないとお年寄りだって近づかなくなるだろうしこのお店に端末を買う余裕があるとも思えず還付金実現の前途はまだまだ厳しいと思う。
還付金と謂えば「振り込み詐欺」が連想されるから4000円返して貰おうと虎の子の年金を根刮ぎ騙し取られるお年寄りが続出するに違いないが政府は弁償しないよね(>_<)。

又、財務省の還付金には大きな策略が秘められていると謂われる。それは現在国税庁は小売店や料理店の正確な売上高が把握できずに数千億円の課税洩れが生じているため還付金を奇貨としてマイナンバーで正確な売上高を補足しようとして居るそうだ、財務省は税務署に届くのは軽減税額だけだと主張するが、端末には販売された全商品のデータが無差別に入力されるから小売店の帳簿は来客にマイナンバーを翳されることで全てが国税庁に知る処となろう。財務省って怖いよね、賢いよね、4000円の還付金を利用してもっと多額な脱税を摘発し元を取ろうとしているんだ(゚ロ゚)。

安保関連法案が無事?成立したが、この危険な法律に刃向かおうとしないこの頃の若者の不甲斐なさには心底泪が零れる。60年安保で迸った若者達のエネルギーは何処へ行ったのか?男性の草食化は女性に対してのみかと思って居たら、権力に対してもそうだった。60年安保の樺美智子さんが草場の蔭できっと啼いているぜ(>_<)。

先週の書けないけど読みたい漢字
疲れたので暫く息(やす)む

今週の書けないけど読みたい漢字
昔人足や馬は(駅)に居た

過ぎたるは猶及ばざるが如し

かに
湧き水

先日家の前を10cmに至ろうかという大きな蟹が横断していた。道の真ん中で方向を失ってキョロキョロして居るので車に引かれては…とキリギリス逃走に備えて玄関先に常備して居る昆虫網をもって走り寄り押さえ込んだ。道の向こう側の溝には水が流れて居ないし食べ物だってない。うちのビオトープに離したが此処には小さいカワエビが無数に居るので餌には事欠かないだろう^^。
此奴はうちの前の溝の割れ目に棲息している雑種の蟹だがこんなに大きいのは珍しい、大半は1cm程度だ。昔は弁慶ガニが沢山棲んで居たが水質が悪化し私の中学生の頃に死に絶え、今では此の汚い色の蟹が溝の底の割れ目に無数に棲んで居り、通り掛かる保育園児達の興を誘い帰宅を急ぐ母親達を苛立たせている。住宅地のド真ん中の溝に蟹が棲んで居るなんて信じられない方も多いと思うが、溝には生活排水ではなくうちの裏の土手の下から湧く地下水が溝に流れ込むせいなんだ。
信じられない人は是非実物を見に来て下さい^^。

本当にガンになって居れば現在の医学では見えない小さい内に転移しているからガンの手術は無意味だと主張する元慶応大学放射線科の近藤誠先生と此に反論する東大で肝胆膵外科に所属する外科医大場大医師との論争は週刊新潮、週刊文春と宿命のライバルの戦いとなって誌上を賑わせているが誰もが新潮を読めば大場派になり文春を読めば近藤派になる。私は従来から近藤先生の主張が正しく、がんもどき(ガンに似ているがガンではない細胞)は存在すると思うし、本当のガンは現代の医学では認識できないほど小さい時に転移が始まって居ると言う近藤先生の意見は正しいと思う。だから手術しても5年内に死亡するのは既に何処かに癌が転移して居るからで手術は意味がなく、手術して死亡しない人はがんもどき(ガンに似ているがガンではない)だったから躰と財布に痛い目をしただけ損だったとの近藤先生の理論は正鵠を射て居る。
さすれば5年生存者はガンではなかったことになるが、此までガンの手術に保険金を支払って来たたガン保険のアメリカンファミリーなど複雑な心境だろうな。ガン保険金の支払いが5年内の死亡を条件に変更されたりして…^^。

先日4か月ぶりで予約のある歯の検査に行ったら、虫歯ゼロで歯の状態が前回と異常なしと診断された^^。入れ歯の方が自前の歯より多くなったせいだろうが入れ歯だって手入れをしなければ歯周病になるから油断がならない。最後に「虫歯予防にフッ素を塗りましょうね」と言われ「保険外ですけど…」と言われた。少額だから塗って貰ったが「結構です」と断る人も少なくないと思った。考えるに厚生労働省も予防に対して積極的に保険適用をすれば、自ずと病気の発症が減りその治療費や薬価の減少に役立ち、年40兆円と謂われる診療報酬の減額に効果があると思われるが、「予防は自費」だとするこの乖離の背後には製薬会社と医師会等から厚労省への強力な働きかけがあるからだろう。彼等は持ちつ持たれつの護送船団だから40兆円は増加させても減らせないガードラインなんだ。国民こそいい面の皮だね(>_<)。

佐野研二郎はサントリーのトートバッグの疑惑を受けて逃げ場を失い部下のしたことだと言った言葉で自らが偽物であることを暴露した。語るに落ちるとはこのことだろう(;;)。自分の名前で発表したものは自分が作ろうと部下が作ろうと全部己が全責任を負うべきが世の常識だ。何処がアートディレクターや!こんな奴が今まで多くの作品を発表しそれなりの評価を受けてきたのは世間の審美眼は兎も角如何に周囲の連中の目が曇っていたか分かるね(;;)。
東京五輪組織委員会はパクリ問題についてずっとスルーを続けて居たが、8月になって漸く重い腰を上げて佐野デザインの使用中止を決定したが、誰もエンブレム使用の責任を取ろうとしないのはJOCが全ての事業を広告代理店に丸投げして彼等は何も知らないからだ、彼等のしていることは報酬をガッポリと取って居ることだけだった(>_<)。
処が先月撤回されて使用中止となった2020年東京五輪公式エンブレムが描かれたポスターが先週「幻のポスター」としてオークションサイトに出品された。広報活動用に区の施設などに張られその後撤収されたものだ。5000円からスタートして45000円まで競り上がり落札されたそうだが、世の中には目聡い奴も居るもんやな^^。此まで彼が作ってきた中で単価として最も高価なものだった…とは皮肉だね^^。

司法試験漏洩事件が発覚しで憲法の試験委員である明治大学の教授が告発された。好意を持つ20代女性の教え子に出題内容や解答として論述すべき内容を漏らしていたことが発覚したものだが、どうしてバレたのかと不審に思って居たら、司法試験の考査委員の一人から司法試験委員会に対し「模範答案と全く同一で一定の情報の漏洩がなくては書けない答案だ」と指摘があり漏洩が発覚した。彼女の得点が憲法だけ突出して満点だったんだ、少しは加減して記述を70%位にしておけばバレなかったし他の成績も悪くなかったから充分に合格できたと思うが、教えられたことを全部書いてしまったんだね(;;)、漏洩した不届きな教授の刑事罰は当然の報いだが、この20代女性は今後5年間司法試験の受験が禁止されたから最早周囲の環境から法曹界入りを挫折するしかないだろう。何も教えられなくても合格点の力がある生徒だったかも知れないからこの女性は可哀想だ、或いは被害者かも知れないね。此を「過ぎたるは猶及ばざるが如し」と謂う。

オバマ大統領が今月国連総会に出席する際、必ず泊まっていた名門ホテル「W.アストリア.ニューヨーク」での宿泊を見送ることになり他国の首脳も同調することになるようだ。このホテルはNYマンハッタンにあり歴代大統領が主要会談場所に使用していた有名なホテルだが、このホテルが今年中国の資本に買収されたことで事態が大きく動いた。中国の習近平(最高指導者)は歯軋りして烈火の如く怒って居るだろうな。オバマさんやってくれますね(^^)。此を契機に「W.アストリア.ニューヨーク」が閑古鳥となって捨値で身売りされたりして…^^。

先週の書けないけど読みたい漢字
捩(よじ)れた紐が解(ほど)ける

今週の書けないけど読みたい漢字
疲れたので暫く(息)む