漢字・漢検」カテゴリーアーカイブ

此処は「タキノトイレ」です

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秋も愈々終盤に入り寒い冬がその辺まで来ているようだ。お馴染みのEさんが北海道を旅されて沢山写真を頂戴した^^。此は最果ての宗谷岬にある間宮林蔵の銅像だ、眼下に蹴立てるオホーツクの白浪が眩しいな。遙か向こうに小さく見えるのは樺太なのか或いは船影だろうかとEさんに問えば小さい島だそうだ。樺太が見えるのは特別天気の良い日だけだとか…。
アメリカと日本と半々に暮らしているお得意先のTさんが来春の申告のことで訪ねて来て仰るにはオバマ大統領の再選で愈々アメリカでも国民皆保険になるそうだ、これを「オバマケア」とか謂うそうな(;;)。つまりアメリカに住む誰もが医療保険への加入義務が生ずるらしいがあちらの医療費はメチャ高いので病気になったら帰国して日本で治療されるとか…(;;)現にTさんは先月帰国されてポーアイの市民病院で心臓のカテーテル手術をされ現在病後の療養中だ。来年からアメリカに永住される予定であり今年春に会社を畳まれたが病気のことを考えると医療費が高ければ医療保険だって高いに違いなく今になってアメリカ永住に思案されて居るようだ、処でアメリカは貧民窟やスラム街が多く貧困の度合いは我が国と桁外れの筈だが、そんな人達には医療費は疎か医療保険料すら払えるとは思えんからアメリカで生活保護とは聞いたことがないし、国民皆保険とは訝しいぞな、其れこそオバマケアレスではないか、彼等は病気になれば座して死を待つしかないのではなかろうか:-)。そうだ、アメリカでは我が国の中国人同様無国籍のお邪魔虫が沢山居るんだったな:-)。
「(谷間)って何?」と何気なく人に聞くと、即座に「谷と谷の間やんか」と言われる^^、「山と山の間と違うか?」と返すと暫し考えて「…うーん、そうやな」。実際に広辞苑の初版本では「谷と谷のあいだ」と書いてあったそうだ^^。谷と谷の間は山ではないか、調べて見ると此の誤りには根拠があってその昔発行された「言海」で「谷間」を引くと「たにあい」に同じとあって「たにあい」を引くと「谷と谷との間、タニマ」となって居る、つまり広辞苑は「言海」を模写したことが分かる。もう少し深く「大言海」を見れば「たにあい」は谷間、谷と谷の間、たにまとあり、「たにま」には、はざま、たにふところ、とあって両者の意味が等しくない。さすれば大月文彦先生はどう書いて居られるか孫に与えた「大言林」を読んで貰うと谷間(たにま)は(谷間たにあい)に同じと書いてありと「タニアイ」には谷と谷の間と書いてあった。真犯人は大言林だったのだ!更に大言林の「谷間」の「間」の字が異体字で「閒」になって居た。漱石の弟子内田百閒の「けん」の字だ。昔は谷間という処は山の稜線に掛かった月が美しく見えたのだろうから雅(みやび)でとても叙情的だ^^。今では山間(やまあい)から上る日の出や夕暮に沈む太陽へと変わってきたのだろうが、時代によって文字まで変わって行くなんて不思議だな、私は月の方が好ましいと思う。
仕事で月1回程度明石に行くが帰るときJR明石駅の改札を入って直ぐ傍にあるエレベーターを利用する。膝が悪いわけではなく隻眼のため階段の段差が怖いからだ、エレベーターに向かい合って障害者用らしいトイレがあるが、エレベーターの前に立つとセンサーで関知するらしく「此処はタキノトイレです」と呼び掛けられて戸惑う、「駅のトイレ」の聞き違いかと思ったが暫くすると再び「此処はタキノトイレです」と言う。間違いなく「えき」ではなく「たき」と言っている。エレベーターに乗ってから良く考えたが「タキノトイレ」ではなく「多機能トイレ」と言っているのではないかと思った。障害者だけでなく老人等も含めた優先座席的なトイレだろうが排便排尿以外に別にすることも思い付かず「多機能」って少しオーバーかなと思った。もう少しマシな表現はなかったのかなあ。
エレベーターで思いだしたけど、山陽電車の垂水駅のエレベーターに乗って→←ボタンを押したらドアが閉まって暫くして「行き先ボタンを押して下さい」とコールされ少しも動いてないのに愕く(;;)、改札階で乗れば行く処はホーム階しかないから→←ボタンを押せば勝手に上がって呉れたら良さそうなもんだが此は過剰さービスではなく明らかに行き先が複数階あるエレベーターのソフトをそのまま使ったプログラムミスなんじゃないかと思った。処が今度は新開地駅で同じことが起こり、→←ボタンを押し考えごとして居たら今度は止まった儘で何のアナウンスもなかった(;;)。この駅は神戸高速鉄道で山陽電鉄ではないからエレベーターも違うものを使っているようで、山陽より不親切だから不愉快で、山陽電車のアナウンスの親切が懐かしく身に沁みたものだ^^。鉄道の場合、最近は障害者や老人に配慮して昇降機が多く使われるようになったが、都心部は除いて改札階とホーム階だけで中間の停止階がない場合が圧倒的に多いに違いない、それなら製造台数も可成りの数にあがる筈だから、少しプログラムを変更して→←と←→だけにして目的階の表示をなくせば乗客に優しく且つ省エネ効果が可成り高いと思うがどうなんだろうか?
電車と謂えば先日仕事で神戸へ行くとき須磨の駅で何気なく駅看板を見ていたら「え?中退しても難関校!」なんて大きいのがあった。予備校も現役の大学生にまで食指を伸ばさねばならぬとは愈々少子化に追い詰められて居るのだろう。大変だな:-)。
先週泉佐野で産経新聞販売店の所長が酒を飲んで車を運転し、通行中の男性を轢いて引き摺り死亡させ逮捕された事件で、産経新聞の広報部は「取引先である販売店の所長が逮捕されたことは誠に遺憾です」とコメントした。「取引先である販売店」と表現したのは「うちの会社ではありませんよ」と距離を強調したかったのだろう。「遺憾です」とはよく使われる言葉だが、この言葉は「残念に思う」の意であって謝罪の意味は全く入って居ない。産経新聞もその辺を充分に心得て使ったのだろうが、世間では一般的に謝罪の言葉と誤解されて居るからサンケイが申し訳ありませんと読者に謝ったと思われてしまったろうな:-)。
先週の常用漢字の表外読みの答え
(打打)発止と打ちあった、(ちょうちょう)発止でした
今週の常用漢字の表外読みの問題
彼は一族の(覇)だ、

過労自殺の若者

台風一過と謂うが先週通り過ぎた颱風は日本列島に大きな傷跡を残して行ったが、それでもその後は夜の気温が下がって其処ら此処らに秋らしい清冽な空気が漂っている^^。最近少し気掛かりなのはトンボのアキアカネが見られなくなったことだ(;;)、2-3年前までは街の中でも沢山飛び交って居て野球帽でも簡単に捕獲できたからどうしたんだろう。田圃が少なくなったことが一番大きな原因だと思われるが、農薬使用のせいも大きいのかな。此のトンボは夏から秋の風物詩だったから寂しいよな。
「女心と秋の空」とは昔謂われた言葉であり、今では「男心と…」に変ったと謂われるが、どっちもええ勝負だろう。此から秋の空は千変万化を経て冬に向かうことになり、年の瀬を迎えることになるのだが私に残された余命のことなど考えると何故か急からしく焦燥感に駆られてならない。
今朝の毎日新聞朝刊第一面五段抜き、「過労自殺の若者急増、どうか誰か助けて!」全国700店舗の外食チェーンを展開する「ワタミフードサービス」の社宅に住む独身女性(26歳)が「誰か助けて下さい」と手帳に走り書きして自殺し、労働基準局は遺族の不服申し立てを受けて4年掛けて渋々労災を認定した。月154時間もの超過残業による長時間労働による適応障害が原因だ。我々世代の人間とは心身の鍛えが違い乳母日傘の世代だから月154時間は想像を絶した生活だったのではないかと思う。外食産業は仕事がきつくて給与が廉いので定評があるから残業代を稼がないと食って行けないし、そうすると此までの脆弱な生活とのギャップに苦しむことになるが、単純に計算して就業時間は1日平均12時間となる、然し時代を遡ると昔の水呑百姓は土日の休みなく野良で早朝4時から日暮れまで14時間以上働いて居たし、私も26歳当時は朝7時から夜8時まで働きその後夜中の2時まで税理士受験勉強をしていた。だから私ども世代の人間にとって週に40時間制で154時間の残業は過労自殺の原因とは到底考え難い、他の同僚も同条件で働いて居ただろうから、辛いのなら「ワタミ」を辞める選択肢があったのではなかったか?国元で案じる親の心も知らずに我が身勝手に死を選んだ彼女の心がまるで分からない。最近堪えることを知らない軟弱な若者は彼女一人に限らないが、どうやら私が考えるに、最近の若者は誰も人との一定距離を置いてその中に踏み込ませず殻に閉じこもり、人生の確たる目標も持たずに流されて、心を支え合い励まし合って生きて行こうとする恋人や友達を持とうとしない人間関係が彼女の死を招いたのではなかろうか、昔懐かしい三世代家族などで育った子供ならお祖母さんなどに助けを求めることができたと思う。
昔の子供は数え7歳で奉公に出された朝ドラ「おしん」のように口減らしに奉公先に売られ朝の4時から深夜遅くまで田舎の母を思って大根飯すら満足に食えずに歯を食いしばって懸命に働いたではないか!世の若者よ、一日の半分を働くことで心が折れるなんてそんな軟弱なことでどうするか、人生を甘く見るでないぞ!
何かの書物に書かれて居た。「働く」とは「人が動く」と書くが、真の意味は「傍(はた)が楽をする」ことだそうだ。傍(はた)は家族のことなんだろうか、職場の同僚のことなんだろうか、故事付けかも知れないけれど働くことが自分のためでなく他人(ひと)のためと謂う処がいいと思った。この過労死?した女性は自分のためにしか働かなかったに違いない。この女性には悪いが、究極自分の持つ哲学と親の教育が誤っていたのだと思うしかなかろうな:-)。
又何時もの漢字の話で恐縮だが、我々の姓名の名前の方は戦後人名漢字なるものができてから親が好き勝手に付けられないようになったが、姓の方は古来先祖から決まったものを受け継いできたため実は世の中には存在しない字を使った姓や異体字の姓が少なからずあったのだ。此について法務省はJIS漢字のこともあって悩んだ挙げ句が結婚などで分籍(新たに戸籍を作る)する際に、職権で姓の異体字などを正しい漢字に訂正させることでその内変な字を根絶させる作戦に出たそうだが、厭だと頑張られて裁判になるケースもあるとか…(;;)。
こんな話になった切っ掛けはうちのお得意先であるTさんの姓の一部が「瀧」の異体字であって、旁(つくり)の下部にある「三」が「テ」になって居たことを平成7年先代が亡くなられての相続税申告時に戦前からの縦書き戸籍謄本や除籍謄本を見て憶えて居た。この字が「瀧」の異体字であることが記された漢字辞典があったので、先日Tさんにその後どうなったかと訊ねると彼が10数年前結婚届け出の折に市役所から新戸籍の苗字の一部を「瀧」に変えますよと強制されたので已むなく承知されたそうだ。「ふーん、そうなんや」とそうこうしている内に先週の毎日新聞夕刊に芥川龍之介の真筆が登載された。

編集者に提出する直前の生々しいもので乱雑な原稿だが自分の姓名だけはちゃんと書かれている。写真に見られるように「龍」の旁の中の「三」が「テ」になって居り、さんずいを除けばお得意先のTさんの姓の旧戸籍の一部と全く同じ字だ。芥川龍之介は一高を推薦で入り東京大学文学部を優秀な成績で卒業した碩学だからよもや自分の名前を間違える道理がない、きっと明治の中期には「龍」も「瀧」も旁は「テ」が正字であったのではないかと考えた。そしてその後の漢字学者が勝手に「三」を正字に決めたのではないだろうか。漢字を学ぶものとしては「三」では「二」に紛らわしくて誤り易いから「テ」の方が憶えやすいから漢字学者を怨めしく思う。「龍」も「瀧」も一級の配当漢字だが漢検のテストに「あくたがわりゅうのすけ」の書き取りが出題されて「龍」の旁を「テ」と書いたらきっと×になるんだろうな。私のパソコンのワープロソフトでは如何に変換しても「テ」の龍が見付からぬのが無念でならぬ:-)。
先週の常用漢字の表外読みの答え
彼はイヤだと(頭)を振った。 (かぶり)でした。
今週の常用漢字の表外読み問題
(熱)が冷めるまで姿を隠す

福知山線脱線事故元運転手の証言


日本中で一番社説らしくない社説が日経に掲載されたご縁で一ヶ月間の無料購読期間を経て今月より僻地からの全国紙「みやざき中央新聞」を購読することになったが、此の新聞社から送られてきた口座振替を慫慂する購読申込書の入れてあった封書が実にユニークであり、その封書を再度投函に利用できるように上手く工夫されていたのにほとほと感心した^^。

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つまり到着した封筒の左側に第二信受取人や送信者を書く欄があり、宛先などを書いて第一信受取人欄を×印で消して切手を貼ることで再利用できる仕組みだった。裏面の糊付け部分はセロテープが若干短かめに張ってあり、そっと剥がせるよう端に可愛いアニメのシールまで付いていたのだ^^。私はそそっかしいので何も見ずに左端(私は左ギッチョなのだ(;;))を切り落としてしまったので返信用に使えなくなり残念だったが、変わったアイデアだなととても愕いた。此の差出人は印刷されているようにみやざき中央新聞だが懐の深さを示す親切で大らかな新聞社だ。私だったらきっと第2信受取人の欄をみやざき中央新聞と印刷していただろう。自分はセコイ性分だから自分の出した封筒を他人宛に利用されたくないもんな^^。
7年前107名の尊い命を奪い600人近くの怪我人を出した福知山線脱線事故の裁判が歴代三社長について未だ延々と行われているが、先週の証人尋問では福知山線を走った経験のある元運転手が重大な証言をした。JR西日本は嘗て初代社長井手正敬の圧政に巷から「井手商店」と揶揄され同族会社のように扱われて居たのは周知の事実だ。「一将功なりて万骨枯る」と謂う言葉があり、一人の将軍の功名の陰に戦場に散った多くの命があることを意味するがJR西日本は将に此の言葉通りの会社であり、井手正敬ら官僚上がりのエリート達が目先の利益だけを目指して「JR東海」に追い付け追い越せを合言葉に苛酷な勤務体系を敷き、まるで余裕のない過密ダイヤの中で従業員達は翻弄されていたのだ。福知山線の快速電車が尼崎に停車する上り新快速の発車時間に是が非でも間に合わせようとしたのは、競合する阪急電車に大阪までの朝の通勤時間で優位に立つための至上命令だったのだが、机上の距離計算だけで列車ダイヤが組まれたため、駅での停車中の少しのロスタイムが事件の起こった魔のカーブを時速120kmで通過させねば新快速の発車時刻までに到着できない苛烈なものであり、「このスピードでは脱線する可能性があると思っていた」と元運転手が証言したのだった。利益優先を志す経営陣に未必の故意があったと思われても已むを得ないのではないだろうか。
昔は連絡支線の列車が遅延した場合は本線の列車は発車を送らせ、支線の列車の到着を待って出発するのを常としたものだ。此は当時列車が一日に数本しかなく、待ってやらないと乗り継ぎ客はどうかすると駅舎で一泊することになるため本線の運行を支線のダイヤに合わねばならぬ事情によるものであったが、現在のように15分に一本の新快速、更に快速に普通車と1時間に8本も走って居る時代なのだから、昔とは事情が全く異なっており、阪急を目の敵(かたき)にして無理なダイヤ遵守を強制した社長達上層部は乗客乗員の安全を無視した廉(かど)で厳しく罪に問われなければならないと思うが、証言したのが元運転手だから言えたことで現役の運転手なら後で上からの報復人事を恐れて「このスピードでは脱線する可能性があると思っていた」とは口が裂けても言わなかったろうな:-)。
学生時代のことだが広島から津山行きの芸備線に乗ったことがあったが、此の列車が津山の直ぐ手前の新見駅で岡山から来る伯備線の列車待ちをして1時間余り停車したことを思いだした。あの時は退屈の余り駅前のパチンコ屋で時間潰しをして100円の元手でピースを10個稼いだことまで思いだした^^。列車の乗り継ぎ時間待ちにパチンコができるなんて昔は長閑でよかったなあ^^。其れに比べて最近は何事も急からしくて堪らない、もう少しゆっくりと時間が過ぎて行って欲しいと思う。短い人生をそんなに急いで終えることもないと思うんだがなあ…:-)。
先日日経夕刊「明日への話題」で双日会長加瀬豊氏(前日商岩井業務執行役員)が浦和高校時代工芸の担任の増田三男先生のことを記して居られた。3年前に亡くなられた此の先生が20年前に人間国宝になって居られたことを彼は今春知り、「やさしくし生徒を指導していたあの先生が人間国宝になっていたとは…」と書かれていたが、苟(いやしく)も己が教えを請うた先生に対して「国宝になっていた」との表現は何気なく書かれたのであろうが、不用意であり己の品性を貶める恥ずかしい言葉であった:-)。双日会長が如何に偉い人かは知らぬが学校で指導を受けた生徒としては己が現在の地位は別にして「長幼の序」として常に先生に対しては「…になって居られた」と「敬語を用いるべきであったろう。こう謂う人も又「卑」と謂うのだろうな:-)。
漢字検定協会から昨年発足した漢検生涯ネットワーク会員通信 (年4回発行)が先日送られてきた。此のネットワークは準一級合格以上の者にのみ入会資格があるが、一級合格者でない準一級組の私としては甚だ肩身が狭く忸怩(じくじ)たる思いだ(;;)。漢検も本当は漢字エリートである一級合格者のみを会員にしたかったと思うが、対象となる人員が余りにも少ないのと、多くの受験者が大学推薦入試の対象に取り入れられる二級合格で満足して検定を終了するため、一級挑戦の可能性ある準一級合格者を取り込んだのだろう。数合せのその他大勢になど入りたくなかったが、ひょっとして将来一級に挑戦する可能性もないではないので屈辱感に苛まれ乍ら入会したものであったが、此の会報を読んでおっ魂消た。「一級成績優秀者に聞く」と題したアンケートがあり、一級の合格回数がナント!40回を超えている方が一人あり、30回以上も4名も居た(゚ロ゚)。又一級を満点(200点)で合格した人まで居たから受験してもせいぜい100点(50%)採れるのがやっとだと思われる私など死にたくなってしまった(;;)。漢検の発表では一級受験者は全体の0.2%(1000人に2人)しかなく、然もその合格率は10%程度であり、更にその合格者の大部分がリピーターだそうだ!将に漢字の神様が居るのかと見紛うばかりであり、私などと異次元の世界の住民だと思ったものだ。でも私など未熟者の会員に配慮したものか一人だけ対照的な努力コツコツ型合格者の手記が載せられて居り、この方は女性で一級受験挑戦後18年掛かって合格されたそうだ^^。合格したときには齢(よわい)50代になって居られたとか…、偉いなあ。一級に合格して一番嬉しかった方は200点満点の方より、きっとこの女性だったろうな^^。
因みに漢検受験要項に参考として記された一級の仮名付けの例題を列挙します。皆様はお分かりですか?
1. 贅肬 2.蓖麻 .3.訐く (答は末尾です)
先週の常用漢字表外読みの答え
平家の勢いも愈々(尽れて)きた。(すがれて)でした。
(すがれて)勢いが衰えること
今週の常用漢字表外読みの問題
彼奴は(敏捷い)奴だ
一級の問題の答 1.贅肬(ぜいゆう) 2.蓖麻(ひま) .3.訐く(あばく)
            1. イボのこと   2.(蓖麻子油)の(ひま)です 3.秘密をあばく

「抱っこの宿題」忘れんでね!

灼熱の8月を迎えて炎天下の庭ではキリギリスが露草に乗っかって我が世の春?を謳歌し恋人を求めて鳴き交わしている。彼女はきっと直ぐ傍までそっと近寄って鳴き声の良いフィアンセを選んでいるのだろうな^^。タイミング良く先月半ばに孵化を始めた小さい三角バッタの子供が少し宛大きくなり、すばしこく雑草から雑草へ飛び交いキリギリスの絶好の給餌となって居る。キリギリスは雑食性だからタマネギやキュウリばかり食べている訳ではなく、庭の雑草を食い散らす此のバッタこそキリギリスの蛋白源であり大好物なのだ(^^)。バッタと謂えば最近精霊バッタも殿様バッタも見掛けなくなって久しいがどうしたんだろう、昔戦争で疎開していた頃、田圃に網と袋持参で取りに行かされ、おかずとして食べさせられた蝗(イナゴ)も何時やら居なくなったなあ(;;)、あの蝗の足は不味かった!

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大津市の中学生自殺事件は当初新聞の小さい記事からのスタートだったが、何故か何時の間にか炎が大きく燃え広がり、ネットの力も借りて勢いが盛る一方で一向に治まる気配がない。マスメデイアも加害者の母親が此の学校のPTAの会長であることまで探り出し事件の真相に迫っている。今現在一番窮地に立たされているのが虐め児童とその親達それに中学校の教諭と教育委員会だが、市長とて同様であり、この市長はハーバード出身の国際弁護士として華々しく当選したが、今回の「中2虐め自殺」の事件に関しては、初動から現在まで弁護士とも思えぬはっきりせぬ対応が事件を迷走させて居る。原因は表に出ずに事件を陰で仕切ろうとする地方都市によくある土着勢力の抵抗に戸惑ってお嬢さん育ちの経験不足を読まれてタジタジさせられて居るのだろう。教育委員会の連中の生殺与奪を市長権限にない処も想定外だったろうし、県警が警察庁の要請で一転して40人体制の調査網に変貌するなど、態度を豹変させたことも市長には計算外だったろうな。
今回の「虐め事件」で、アンケートの結果が隠蔽されたり、被害届が無視される背景には地方都市独特の教育委員会、教員、PTA、警察組織などの「自己防衛」という力学が働いていたのに違いないが、市長にはそのような「ローカル権力の腐敗」と戦う意思を持たず、川の流れの儘に流されようとしたのではないか、市長選で今の市長を当選させた票には、恐らくはこうした「土着の権力構造との対決期待」と謂うものがあったに違いないから此の市長の態度は市民の期待を無残にも裏切るものだったな。
市長は直接の公選で選ばれた首長として正しいメッセージ性のある行政を進めることを期待されている立場と、終身雇用制の官僚組織の支援を受けないことには日々の行政が進められないという絶対矛盾を今後どう解決するのだろうか。頑迷な教育長を選んだのが市長自身だったのも誤算だった。市長は此処で被害者の立場に立って虐め少年とバカ教師にバカ教育委員達としっかり対峙しないと市民からの特別の期待感を以て市長に選ばれた信頼を一挙に失い、2期目は嘉田県知事からも見放されることになるは自明だろう(;;)。
現在担任教師の男性は隠れており表に出なくなっている。最大の問題はこの担任教師の教育的無関心が事件の背景にあることを知りながら、彼の存在をひた隠しにしようとする学校と教育委員会の姿勢にあり、学校側には「本人が批判の矢面に立てば、何を喋り出すか分からず同類項の他の教諭に火の粉が飛んで来る」とシラこいことを言っているが、そうした学校の隠蔽体質を何故教育委員会が許しているのか。その理由は沢村憲次教育長が2代前の同校の校長だったから彼には同校の教諭は子分のようなものであり、先生の味方はしても児童の味方をする道理がないのだろう:-)。
処で、私は「苛め」は常用漢字ではないので常用漢字である「虐め」を使って書いているが新聞など全てひらがなを用いている。何故?と辞書を引いてみると「虐」の字は「虐(しいた)げる」が常用漢字の訓読みであって「虐(いじ)め」は表外読みだったのだ(;;)。表外読みしか使えないのではこんな字が常用漢字として威張っているのが烏滸(おこ)がましいよな:-)。
詰まらぬ話の口直しに明るくて楽しく心暖まる話題を宮崎からお伝えしよう^^。
『小学校1年生のこはるちゃんは学校から家に走って帰るなり「今日の宿題は抱っこよ」と叫んだ。担任の先生が「おうちの人から抱っこして貰ってきて」と云う宿題を出して貰ったのだ、こはるちゃんはお父さん、お母さん、お祖父ちゃん、お祖母ちゃんそして二人のお姉ちゃんの6人に抱っこして貰って翌日クラスで「抱っこのチャンピオン」になったそうだ(^^)。次の日お父さんが「お友達はみんな宿題やってきとったね」と聞いたら、こはるちゃんは「何人かしてきとらんやった」との答え、「だけん、その子らは先生に抱っこして貰ってた」』以上は先日日本経済新聞に掲載されたものであり、宮崎県発全国版で発行されて居る「みやざき中央新聞」の社説の一部だとか…^^、此の新聞の社説はミニコミ誌で読んだ話を記事にされて居るそうだ。最後には「抱っこの宿題は子供にではなく親に課せられた宿題だったのだ」と結んである。日経も格下同業者の社説を載せるなど懐の広い処を見せたが、日経社長の醜聞も此で少しは恢復したかも知れないな。それにしても社説なんてものは堅苦しい文章だと思い勝ちだが変わった社説もあるもんだなと唯々感心した(^^)。
今時珍しいが三世代世帯っていいな(^^)、そして「抱っこ」っていいなと思った。私など戦時中軍国主義の体制下に育てられたからそんな女々しいことはとても赦されなかったのだろう、物心が付いてから頬桁を叩かれることは数知れずあったが、母に抱きしめられた記憶など全くない(;;)。現在高三の孫が昔5年生位の頃だったか、何かの弾みで家の前の道の真ん中冗談交じり母親に「むぎゅう」と抱きすくめられて、嬉し恥ずかしの恍惚状態になって居たことをよく憶えて居る、とても羨ましかった。私自身の子供時代には考えられず、あり得ない情景だったからだ。スキンシップとは昔から謂われる言葉だが、子供にしてみれば「抱っこ」は親の愛情の最大限の表現として受け止めるから、世の親達は十日に一回と謂わず三日に一回でも「むぎゅう」をしてやると何も会話がなくても親子関係は常に円満快適ではなかろうか。最近は何故か親子間の距離が開きスキンシップが減ったように思えてならない。昔は一寸したことでも直ぐに「お利口、お利口」と親に頭を撫で撫でして貰って居たが、最近はそんな光景もとんと見掛けなくなったな(;;)。そう言えばお父さんに肩車して貰っている子供も長く見ていないぞ:-)。
でもこの社説に出てくる小学校1年生の担任の先生は偉かった、家で抱っこして貰えなかった子供達を代わりに抱っこしてあげる処が最高だったな(^^)。
大津市のいじめ中学校の先生も、親の代わりに子供を抱っこして呉れる宮崎の先生の爪の垢でも煎じて飲めば?
母校である星陵高校の同窓会「星六会」から『8月11日の「暑さをぶっ飛ばす昼食会」は暑いので中止にしました』とのメール連絡が入った。何となく可笑しいよな^^。何故か笑ってしまうよな^^。
先週の常用漢字表外読みの答え
此の味は(堪え)られない。(こたえ)でした
今週の常用漢字表外読みの問題
殊更に(論う)な 

「交響詩ひめじ」

巷では計画停電とか脅かして原発反対に対する関西電力の嫌がらせが続いて居るが、停電はパソコン環境で仕事をしている者にとっては仕事に夢中になってサーバーに保存し忘れ、一日分の仕事が消えることだって考えられるから脅威だ(;;)。うちの家内など冷蔵庫にものを貯め込むのが大好きな性格のため、ない知恵を絞ってホ-ムセンターで発電機を買い停電に備えようと思っているようだが、燃料保管の問題もあるし上手く対処できるだろうか?

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お馴染み芦屋のNさんからお庭で咲いた「ねじ花」を送って頂いたのでご覧下さい。見たことない位大きな花だ(^^)。この花は名前通り捩(ねじ)れて咲くが、カトレアなど蘭の仲間であり世界一小さい蘭だとか…、百人一首の中で源融(みなもとのとおる)が詠んでいる「陸奥の しのぶもぢずり 誰ゆゑに 乱れそめにし 我ならなくに」の「もぢずり」は「ねじ花」のことだ、ラン科ネジバナ属の多年草であり、別名を綟摺(モジズリ)と呼ぶのだ。この花は不思議に芝生のような土壌環境を好み、鉢植えなどでは中々上手く咲いてくれないから、芝生の根っこと「ねじ花」の根っこの相性が良いのではないかと思っている。
連日少し宛事件が拡大し、遂に大津市長まで乗り出してきて調査委員会まで設置され今朝の毎日新聞朝刊など社会欄五段抜きの過熱ぶりだった。その内熱(ほとぼ)りが冷めるからと警察を抑え込んで高を括っていた教育委員会であったが、此処に来て袖手傍観(見て見ぬ振り)していた先生共々窮地に追い込まれた:-)。全ては児童を無視して我が身の保身のみを謀ったことが連中の命取りとなったようだ。護るべきは児童ではなく先生自身だったとは人間として全くの教師失格だ:-)。
昨年10月大津市の中学生男子生徒がマンションから飛び降り自殺した問題で、生徒が同級生から暴行を受けていた事実があるとして、父親が昨年末にかけ3回にわたり警察に被害届を提出しようとしたが、大津署から受理を拒否された(;;)。男子生徒への暴行については、中学校では全校生徒に実施したアンケートで、44人が記名の上、「体育大会で集団リンチに遭っていた」「万引をさせられ、殴る蹴るの暴行を受けていた」「自殺の練習をさせられていた」「先生は嗤って見ていた」などと生々しい具体的な証言を行っているし、男子生徒の父親は複数の同級生から独自に聞き取った暴行の証言と学校の調査結果を基に、生徒が自殺した後大津署に出向き暴行容疑の被害届を提出したいと三回も申し出たが署員は「犯罪としての事実認定ができない」として受理を断ったそうだ。あの事件の不受理が公にされて以来私なりに種々不受理の理由を考えて見た。父親の再三の申し出に対し一署員が独断で受理を断ったとも思えず、受理と事件の調査とは直接関係がないから被害届位受け取ってやればよいのにと思ったのだが、どうやら此の事件には県警と教育委員会の意向が深く関わっているように思った。同署は「一切、答えられない」としているが、「教育委員会から受理しないように県警に依頼があった…」などとは口が裂けても答えられないよな:-)。  
官庁と謂うものは縦の繋がりばかりか横もしっかり繋がって居るんだろう、この問題が表沙汰になると教育委員会とて標的になって糾弾されるからそれを防ぐための緊急避難であったろう。教育委員会には退職警察OBを学校の警備員にでも雇用する慣わし(警察への貸しとでも言うべきか)でもあるのに違いないぞ。
役所間の繋がりと謂えば、今は去ること40年も昔のことだが、関与先の医者が税務調査で不正を摘発された折、普段「税金は国民の義務です」なんてシラコイことを言って居た医者が「検察庁に親戚が居るので手を回して抑えます」と平然と言われ、事実税務調査はそれきり尻切れトンボなったことがあったが、不正を発見した調査官は上司から調査ストップの命令を聞き、折角の手柄が画餅に帰した遣り切れなさをどう処理されただろうかと考えたことを思いだした(;;)。税務署長は赴任したら先ず検察庁へご挨拶に行くそうだから、役所間には我々市井人には分からぬ柵(しがらみ)や貸し借りが色々あって、表から見えない処では権謀術数が蠢(うごめ)いて居るんだろうな:-)。
学校の先生と謂えば「痴漢」に「盗撮」が決まりであったが、今回更に「児童の虐めを無視する」まで加わったから、次は何だろうな?
不愉快な話題はこれ位にして口直しに、昨年YOUTUBEに投稿された「交響詩ひめじ」をご紹介しよう。私の両親は姫路の出身であり、私自身戦時中疎開で姫路に3年余り生活したから姫路は懐かしい街だ(^^)。
姫路と謂えば、60年位前の学生時代初めて上京した折、国鉄の乗務員が駅員さんも車掌さんも「姫路」のことを誰もが「ひめじ↓」と前下がりに呼ぶ違和感に甚く戸惑ったものだ(;;)、皆様もご記憶だろう。「のぞみ」が疾駆して日本が狭くなった今でも彼等は懲りずに「ひめじ↓」と前下がりに呼んでいるから一度でも播州の人間に新幹線の車掌をさせてみたいと思ったが、矢張りマニュアル通り前下がりに呼ばされるのだろうな(;;)。「ひめ」は「お姫様」と同じアクセントになる訳だが、播州でも「お姫様」は同じく「お姫↓様」と前下がりに発音するから、播州で使われる「ひめじ」は抑揚のない平坦な言葉であり「お姫様」の発音とは等しくない、国鉄に始まったかの此の妙な発音は一体何処から生まれてきたのか不思議でならなかったな。ひょっとしたら銀行のカウンター嬢(小母さん?)が決まって語尾だけ前下がりに嫌らしく口にする「お客様あ↓」の類いの悪しき営業語なのかも知れんなあ:-)。誰が言い出したんや!
交響詩「ひめじ」
この合唱団は日本民話の父と謂われる柳田国男が生誕した神崎郡福崎町(姫路から播但線で7つ目の駅)にある中学校の女子児童僅か13名の合唱だ。歌の上手下手で謂えばローカル地方の合唱コンクールでもあり、彼女達を上手いと言う者と下手だと言う者の賛否がコメント欄で犇めいて居るが、この辺りの年頃の子供達は先生の判断力と指導能力次第で隠されていた才能がどんどん伸びるもので、先生が子供達の秘めたる力を存分に引き出していると思った。歌を歌う場合、臍下丹田に力を入れるものだとは知って居たのだが、私が印象深かったのは、この少女達が指揮をする先生のさり気なく右手を上げる合図と同時に全員が左足を30cm程さっと左に引いて(前列真ん中の小さい子だけ20cmしか引かなかったけど…)下半身を盤石の姿勢としてから歌い出しを待つ姿勢を保ったことだった。これは基本に忠実な先生の教えであろうと思ったが、歌は口から出るけど実際にはお腹から出すものであることを重々納得したものだ。
標準語を話す女性司会者の言葉を聞いていて、「交響詩ひめじ」の語尾が下がらず我々の話す「ひめじ」であることに安堵したが、若し司会者が「交響詩ひめじ↓」と紹介したら観客は全員ずっ転けたろうから、矢張り「ひめじ↓」は変な発音なんだろうな:-)。
先週の常用漢字表外読みの答え
諸国の(賦)を載せた船が入港した。(みつぎ)でした。
今週の常用漢字表外読みの問題
事ここに到って道は(谷まった)。
此も先月漢検の準一級出題です。

JALの社長はパイロット


梅雨も佳境に入り、雨が降らなくても蒸し暑い毎日が続いて居るが、昨秋植えた百合が見事な位大きな花を付けた。大きく重たい花なので先週の台風接近で倒れるのではないかと心配し添え木をして補強したため何とか無事だった。ホームセンターで球根を幾つか買ったもので種類は忘れたがこんなに大きな花が咲くのなら名前を覚えておけば良かったと後悔しているが、花が大きくなったのは育て主である私の腕前かも知れぬ(^^)。来年は球根を玄関先に移して道行く人の目を惹こうと思っている。若しかして今年大きな花だったため精魂力尽き果たして、来年咲かなかったりして…(;;)。

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先週のブログは試験疲れで筆が伸びなかったので、今週漢字検定の続きを書かせて頂こう。昔漢検の試験会場が山手短大だった折は二級の受験生が多くて自分の受験番号の教室を捜すのに右往左往したものだが、6年振りの二級受験で驚いたことに今回はたったの一教室であり、神戸市全部で受験者総数123名しか居なかったことだった:-)。学校単位の受験など別にあるにせよ、それは6年前とて条件は同じであり、大久保一族の漢検私物化を知った受験者層からの反感が未だに根強く漢検の受験者離れが進んで居ることを知り、雑踏に揉まれるような当時喧噪の会場雰囲気が懐かしく余りの隔世の感に唖然としてしまった。「250万人受験の漢検」と書かれた当時のパンフが妙に忘れられない(;;)。日本人にとって漢字は教養の原点だから漢検の衰退は残念でならぬ。
それにしても一般会場での受験者が大学推薦狙いの二級と漢字オタクの多い準一級とほぼ変わらぬ数とは世の中本当に変わってしまった(;;)。
午後検定が同じ時間のため一緒に受験した4級の孫娘に聞くと6級受験者と一教室の相部屋だったそうで、会場の神戸外大が広いせいもあって検定終了後三々五々帰宅する受験生の数の少なさに寂しくて泪が出たぞ。
仄聞だが、永年掛けて一級を合格した人の中には再度二級にチャレンジされる方が少なくないそうであり、私は此までその理由が分からなかっだが、自分が6年振りに二級に受験して見てその気持ちがよく分かった。一級挑戦時までに旧字体や難しい字ばかりを学ばれた人には常用漢字に限られる二級は大変な苦痛であり、準一級なら満点を取れても二級は自分の持てる知識が災いして190点台の高得点は至難の技ではなかろうかと思ったものだ。
その理由の一つは今回国語審議会も一気に196文字もの常用漢字を増やした疚(やま)しさのせいか、音読みのみの読みが過半数を占め日本語古来の訓読みが省かれている文字がヤケに多い(一部音読みが省かれている字もある)ことにある。日本人は音読みだけでは文字の意味が咀嚼(そしゃく)し難いから折角常用漢字に引き込んだのなら訓読みも一緒に参加させるべきだったのではないか。此までの常用漢字について表外読みとされた言葉は過去に夏目漱石など文豪が用いた故事付けの当て字が殆どであって、教科書などに使用されたため、仕方なく文部省が「表外読み」とか名付けて妾の子のように扱ってきたが、多くの常用漢字には音読み訓読みの両方が本来存在していたから今回の196文字については何故か隙間風が多く理解に焦燥感を禁じ得ない。一つでも訓読みを入れてあったら良かったのに…と思ったものだ。例えば「惧」や「慄」は「おそれる」の訓読みが記載されて居ないので、「ぐ」や「りつ」と言われても意味がまるで伝わらないからジンマシンが出そうで牴牾(もどか)しい(;;)。
10年近く前まで数年間うちの事務所に勤めて居た女性から先日電話があり、税理士試験に合格し税理士会に登録したいから私の実印を押して欲しいので伺いたいと依頼の電話があった。訊ねて来られ書類に判子を押しながら話をして分かったのだが、この女性、大学(神戸商大であり私の後輩)を卒業した翌年から税理士試験に挑み始め17年掛かって5科目合格を果たされたのだった(^^)。うちの事務所に勤めるとき既に4科目をクリアされて居たが、最後の一科目である「消費税法」に苦労され、更に10年以上を掛けて消費税を退治され漸く合格の栄誉を手に入れられたことにとても感銘を受けた。「石の上にも三年」とは良く謂われる言葉だが蝉でも7年経てば出てくるのに17年とは気が遠くなるような歳月であり、その間自分の実生活にも様々な変化があったろうし、好きな男性との縁(えにし)もあったかと思うが、結婚もせずに一つの目標に向けて最後まで挫折することなく合格の栄誉に輝かれたことを心から祝福したい。
先週触れさせて頂いたが、勉学に勤しむ青春時代であるべき時期に不運にも戦火に追われ、食べるものとてなかった終戦後の混乱期を懸命に生き抜かれた昭和5年生まれの漢検準一級挑戦女性や、17年掛けて税理士合格の女性などに接することができた此の6月は私にとって希望の灯に心が癒されるとても有意義な月だった(^^)。彼女達のド根性に肖(あやか)って私もトシのせいにして叶わぬ願いと諦めて居た漢検一級受験に向けて厚かましくも再び充電に邁進しようかなと思ったものだ。
片岡知恵蔵と謂えば我々の世代では知らない者はないほどのスーパースターであり、赤穂浪士仇討ち劇浅野内匠頭の役など見事な当たり役だった。吉良上野介を新劇の薄田研二が演じたこともその憎々しげな風貌から相乗効果だったな。戦後時代劇が進駐軍から剣劇映画の制作を制限され已むなく知恵蔵は「多羅尾伴内シリーズ、七つの顔の男」など現代劇に活路を求め、ギャングアクションものは圧巻で多くのファンを獲得し、三船敏郎、鶴田浩二、石原裕次郎、小林旭等のアクションスターの始祖となった。30年前80歳で帰天されたが、今年知恵蔵が50歳の時に誕生した長男であって35年間日航のパイロットを務められた植木基晴氏が日航の社長に就任され、先週日経夕刊コラム「人間発見」に登場されたのでアッと愕いた。
有名人の二代目は先ず親を超えられないとしたものだが、「腐っても鯛」である日航の社長の座を技術畑のパイロットから転身できたことは凄いなと思った。日航立て直しの祖である京セラの稲森会長が指名しての社長だから、親の七光りの筈がない。
植木社長が言われるには「若い頃は親父のせいで絶えず好奇の目に晒され、学校でも会社でも窮屈でならなかったが、社長になってからはやっと得をするようになった」とか…、それは社長になられてから接する取引先の相手が立場上70歳台の方が多くなったため、昔を懐かしがって頂いて親父さんの話で30分は保ち、商談も円滑に進むそうだ(^^)。この辺りも稲盛会長の計算に入って居たかも知れないな。
カエルの子はカエルで役者の子供は役者になる者が多くそれも親を超えられない役者が殆どだ。その中で慶応大学を中退してまで航空大学に進みパイロットの道を選ばれたのは本人の努力もさること乍ら、知恵蔵は晩年お妾さんと一緒に生活していたそうだから、きっとお母さんの力によるものだと思う。お妾さんに夫を取られたお母さんはきっと子供の教育に生涯の全てを託され賭けられたのではなかろうか。昔の母は誰も偉かったなあ、それに比べ今の母親は不甲斐ないぞ!子供に迎合することばかりに感(かま)け挙げ句子供にどつかれてるんやから態(ざま)ないよな:-)。
先週の常用漢字表外読みの答え
 破れた個所を布で(接ぐ) (はぐ)でした。
今は余り使わなくなりなったが、「はぐ」とは布、板、紙など平らなものを継ぎ合わせ更に平らにする場合に使う。
今週の常用漢字表外読みの問題
小袖の(領)をつくろう。
先週漢検準一級に出題された問題の一部です。
当然乍ら私にはできない仮名付けであったが、「つくろう」が「繕う」と書かれてない処に何故か意地悪さを感じた(;;)。

無免許運転幇助罪

2012.06.10
昨年もご紹介したが、今年も高山植物のように岩から芽を出し花を咲かせる「岩さつき」の写真を芦屋のNさんから送って頂いたのでご覧下さい。今年は例年になく大きな花を付けています(^^)。戦前から百年以上も庭に鎮座して苔生(む)すこの岩こそ「雪の下」の背景に相応しいのではないかと思い、うちの「雪の下」の花が終わったら今度株を持参して岩の傍に植えさせて頂こうと思っています。

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愈々来週日曜日は私にとって8か月振りの漢検テストだが、近年頓に体調が捗々(はかばか)しくなく加齢のせいもあって前回のテスト時に確保していた漢字の記憶もまるで薄れ、ゼロから再出発の状態だから結果が危ぶまれるが、取り敢えず二階級制覇に向けて精一杯頑張ろうと思っている。
今回から新しい常用漢字が196字追加されたことは先月お知らせしたが、細部を検討してみると怪訝(おか)しな個所が幾つかある。新しい常用漢字に準一級の旧字体が用いられて居るものがあって、それではこれまでの常用漢字と矛盾することが露呈するため、それを繕(つくろ)うために、許容範囲とか言って折衷の字を登場させている:-)。補塡の「塡」は準一級からの降格だが此では真や慎の手前具合が悪いので「填」を許容字体にして辻褄を合わせ、更に「嗅(か)ぐ」の「嗅」にはテンが付いて居るが常用漢字の「臭」にテンがないため、苦肉の策でテンのない「嗅」も許容字体としてしまったからややこしい。「臭」の旧字体は「臭」とテンがあったことが発端だが、受験者もテンで悩まされることになり、「嗅」はテンがあってもなくても赦されるが、「臭」のテンありは×となるので要注意なのには困ったもんやな(;;)。一番不思議なのは「危惧」の「惧」だ、この字は目に足が二本出ている変な字で他に類を見ない処から、リッシンベンに「具」も許容字体とされたのに魂消た。一つくらい変な字があっても案外憶えやすいのと違うかなあ。大学入試推薦狙いの子供達が戸惑うぞ(;;)。
「淫」が遂に常用漢字入りを果たしたが、「生徒にどうやって教えればいいのか」と教育関係者からこの字の常用漢字入り随分反対があり頭を抱えたようだが、なに、此の手の字については大人より子供の方が遙かに進んでいるから、取り越し苦労と謂うものだろう。
先週厚生労働省が発表した昨年度の我が国出生率が前々年と同じ1.39であることが国民に大きな衝撃を与えて居る。今回の発表で特に恐ろしかったのは第一児出産年齢が前回より上昇して初めて30歳台に乗ったことだ(;;)昔は30歳台の出産を「マル高」と呼んで母子手帳にも記載され出産時の危険に対しての要注意だったが、今や「マル高」は40代に移行している。全ては食生活の充実により女性の体力が増したせいで、昔は40代前半だった閉経期が50代半ば以降となったことも出産年齢を大きく遅らせた動機だが、出産は体力のある若いときの方が危険が少なくて身体への負担も軽く30代40代の初産は如何に医学が進歩したからとてリスクが大きいと思う。処が医学上一番子供の産み易い20代は結婚していても経済的な理由から子供なんか産んで居られないのが我が国の実情だ。
此から生まれる子供達は団塊ジュニア世代の次の代となるから、高度成長期以降に生を受けた人達は暖衣飽食過保護を受けた報いは大きく、到底粗食に耐えた我々世代の者のように80代近くまで生きられるとは思われぬから、50年もしたら日本人の人口は7000万人を切るのではなかろうか(;;)。
若しそうなれば雇用の問題が解決するなど戯けた話ではなく、若者の減少は先ず教育産業が崩壊し、更には衣食住に関するありとあらゆる業種が生産調整に追いやられ、年金会計は破綻し日本経済は壊滅的な打撃を受けるに違いないから、アホな政府が何もせずに手を拱いているのが解せない。結婚しても出産できない大きな理由に保育所の絶対数が不足して居ることが指摘されている、政府も幼稚園は文科省、保育園は厚労省との縄張りを傍観して居ないで、早急に両者を統合させるなどして保育所を拡充し二歳児からの受入体制を全国的に充実させ、更には企業への育児休暇制度への慫慂などを積極的に実施させ出生率を増加させる努力を尽くすべきではなかろうか。20代で子供が得られれば30代になってからの出産第二児は第一子に世話をさせると謂う戦前型子育て全員参加の家庭環境を取り入れたら現代のバラバラ家族と違って家族の絆や連帯感が強くなるのに違いない。処が現実は第一児を欲しくても子供を預ける保育園がなくて子供が作れない親達がゴマンと居ることを政府は知って居乍ら態と素知らぬ振りをしているのだ:-)。幼稚園と保育園の所轄官庁をどうして一本化して風通しを良くしないのだろう。国民の困窮を無視しての省益の囲い合いなど恥ずかしくないのか!
丹羽宇一郎駐中国大使(元伊藤忠商事社長)が先週英紙インタビューに対して東京都による尖閣諸島購入計画を「日中関係に極めて深刻な危機をもたらす」と批判したのには、私は多くの日本人同様この人を高く評価していたから愕くと同時に幻滅した:-)。恐らく彼の発言は周囲の中国人への阿(おもね)りと自身の生活が脅かされ生命の危機を慮ってのものかと思ったが、命を捨ててでも我が国威を護るのが大使の役目ではないのか!
万一大使が襲われれば中国が世界中から糾弾され、大使は軍人でなくても靖国神社に祀って貰えば良い。そうすれば総理や閣僚が靖国参拝してもチャンコロ達は一言も言えないだろう。丹羽大使さん、もう一度記者会見をして「尖閣諸島は太古の昔から日本の領土ですよ」と言ってやれば?
実は、私は尖閣諸島買取資金15億円のうち既に10億円の寄附を集めた石原都知事の姿勢に手を焼いた政府が丹羽大使を秘かに口説いて言わせたものではないかと内心考えて居るが、この大使そんなにヤワな人ではないと思うんだがなあ(;;)。
亀岡市のむごたらしい交通事故で被害者の家族達が無免許運転に対して厳罰を科するように署名運動に乗り出すそうな(;;)。然し、彼等は何か大きな勘違いをしているのではないか?無免許運転の罰則を重くしたから事故が減るなんて私にはとても思えない。無免許運転等未成年者の犯罪は全て子供に対する家庭での親の教育が問題であって、両親が力を併せて子供達を思慮深い自制心のある人間に育て上げれば彼等が無免許運転など起こす道理もないから、罪の一端は子供達の教育を怠って放任した両親にあると思う。然らば、今後法改正して無免許運転の罪を子供にだけでなく両親も幇助罪に取り込めれば、親も我がことばかりに感けて居ないで少しは子供の倫理教育に身を入れるのではなかろうか。
先週の常用漢字表外読みの答え
彼は(謙った)態度を崩さなかった。(へりくだった)でした。
今週の常用漢字表外読みの問題
水仕事で(亀)ができた。 「亀」は晴れて新常用漢字になりました。

教えて何処が悪い!

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今年は何時もより早く桃色月見草が満開となった(^^)。昨年全部除去したつもりだったが根の一部が残っていたようだ。こんなに薄いピンクが美しい花も珍しいが、アカバナ科であるため甲虫類の大好物なので、間もなく地中から甲虫の卵が孵り、花も葉っぱもボロボロに浸蝕されるのが痛ましい。然し此も自然の摂理であろうな(;;)。
野に山に新緑が萌え、一年で一番良い季節を迎えて居るが、何を思ったのか私は来月17日の漢字検定にて準1級に加えて2級までも受験することに決めた(^^)。理由は今回から新常用漢字196字が2級に出題されることになったことに由来するが、2級に合格したのは6年も前のことでありその後準1級受験となってから、部首や送り仮名が出題されないため疎遠となって記憶が杜撰になって居り、その辺りを改めて記憶の襞(ひだ)に取り込むため再度2級に挑戦してみたいと思ったからだ。体調さえ維持できれば合格できると思うが、2級のテストは準1級と違って旧字体の使用が許容されないため、5年前「暁」を旧字体である「曉」と書いて2点失なった苦い経験もあり、5年間のブランクと1級配当漢字からの格下げ28字により2級の得点が準1級のそれを下回ることは充分に予想され、二つの検定の点数はカツカツの良い勝負となるのではないだろうか。
又、検定時間が10時からと3時半からと歪(いびつ)であり、会場である神戸外大キャンパスまでバスと徒歩で片道50分だから一度帰宅してもう一度行くことになるので、合否と点数はその日の体調と体力勝負になりそうな気配だ(;;)。
最近のTVドラマはちっとも面白くないぞ:-)。毎日曜日9時フジTVのドラマ「家族のうた」を録画して後日観ていたが(9時は読書の時間なので…)、少しも面白くなく、主役のオダギリジョーなど一昔前の暴走族顔とモヒカンの髪型は時代錯誤であり、多くの高齢者の視聴者が嫌悪感一杯だったのだろう、因って記録的な低視聴率(3%!)を誇り遂に打ち切りと決定したそうな…(;;)。何しろストーリーの展開が全く読めず、藤竜也が何故出てくるのかも不明で視聴者も戸惑って翌週への期待感が全く得られないため視聴率を衰微させたものだろう。今からオダギリジョーに救急箱を持たせて江戸時代にタイムスリップさせてももうアカンやろなあ(;;)。
同じフジTVの木曜日「カエルの王女様」も苦戦中であり、この番組もストーリーの行く末が不明で、翌週への期待感が持てず、天海祐稀の孤軍奮闘も空回りに終わっているが、原因はシンデレラであるべきAKB出身の大島優子が役不足の大根でどうにもならず、もう少し花のある女の子は居なかったのかと思う。大島優子は前作「私が恋愛できない理由」で吉高由里子と共演したとき、吉高と正反対な暗い役割であり、それが尾を引いて客にそっぽを向かれているのだろう。俳優は観客の抱くイメージと好感度が何よりだ。昔私の同年齢だった人気絶頂松竹の石浜朗が1度悪役を演じてそのまま消え去ってしまったことを未だ憶えて居る。3枚目はどうにでも変えられるが、2枚目や美女は役柄を吟味しないと次がないことを知るべきだろう(;;)。
先週14日警視庁は70代の男性3名を郵便局に1万円の偽札を持ち込んだとして、偽造通貨行使の疑いで逮捕したと発表した。
 偽札の一部は透かしがある精巧な作りだったそうで、3人は2か月前に墨田区の郵便局の窓口で偽造された聖徳太子の1万円札220枚を持ち込み換金したそうだが、翌日都内の別の郵便局に偽札150枚を持ち込んだところを局員に見破られて発覚したとか…(;;)。
私が不思議に思ったのはプロの眼力と触覚に勝るものはないから、入金が受付けられなくてもダメモトだし、どうしてATMで入金しなかったのかとの疑問だったが、ATMで無事収納できても入金と出金が別に管理されているため後刻現金預入者がカメラで追跡され発覚するのが怖く窓口を利用したのではないかと考えた。窓口なら現金が環流するため預けてしまえば預入者が特定されないとの読みではなかったか。それにしても警視庁が二ヶ月も逮捕に時間を掛けて極秘捜査をして居たのは、きっと公安が乗り込んできて北朝鮮との絡みを調べて居たに違いないだろうな。今回の発表は北が絡んでいない事件であることが判明したせいだろうが、偽札作りは全く割の合わぬ犯罪だと何かに書いてあった。日本のお札のセキュリティーは世界一だそうで北朝鮮もドル札は偽造できても円札は尻込みするのではなかろうか。
JR明石駅の駅員が定期券の解約で8600万円もの横領が発覚したと先週報道された。架空名義で定期券を申し込んでおいて駅の端末機で払い戻しを受けて居たらしく、6年も前から継続していた内部犯行だそうだが、被害が長期間に渉り、被害額がこんな多額に達するまで誰も気付かなかったのは訝しく、JRの内部牽制制度が杜撰で国鉄時代の親方日の丸体質が少しも変わって居ないことを露呈したものだろう。大体から定期券を申し込んでお金の授受も確認せずに解約が可能だなど、こんな欠陥ソフトを誰が認めたのか?そっちを責めるのが先ではないのか:-)。可哀想に何も知らぬJR西日本神戸支社長が謝罪会見をさせられ上、この事件のお陰で窓際族直行だから宮仕えは辛いよな(;;)
一方、福知山線脱線事故の元兇であった当時社長であった悪い奴垣内剛が今回無罪の判決を受けてJR西日本関係会社の技術顧問に就任することが判明したが列車の技術顧問に東大法学部出は面妖だと思うが、どうしても適当な天下り先がなかったんだろう(;;)。ま、給与を貰うだけで出勤などしないんだろうな:-)。それはそうと此奴は退職金を辞退しないで取って帰ったのかい?
先月京都の亀岡で未成年の少年達が無免許で友人から借りた軽自動車を突っ込んで、児童達10人を刎ね死傷させた事件で、加害者の父から被害者の親に謝罪の電話があったことで「どうしてうちが分かったのか」と被害者の親が騒ぎ出し、挙げ句連絡先を教えた警察官や学校の教頭が糾弾され、署長や府警本部長共に懲戒される羽目に陥っているが、不注意で事故を起こせばお詫びをするのが当然だろうし、お詫びをしたいと言う加害者の親の心情は尤もで、警察官や教頭が加害者の親の心情を察したことは人の親として当然な行為だと思うのだが、どうして加害者の親の願いを叶えてやって懲戒されねばならぬのか私にはまるで分からない。ストーカー事件ではあるまいし、個人情報と謂うものが人の倫理を超えてまで秘密が守られねばならぬとは到底考えられない。加害者の親が我が子の不始末に謝罪をしようとするのは自然の理であり、放置すれば今度は「何故謝罪しない!」と誹られるだろうから、謝罪された方もどうして自然体で受け止められなかったものか。
今度は逆のケースだが関越道高速ツアー事故を起こしたバス会社から被害者側に謝罪の手紙が届いて居たことが先週分かったそうな…、謝罪文には社長が被害者一人一人に直接お詫びに行くと記されて居たそうだが、此方は何処から漏れたのか情報源は詮索されず、それどころか手紙が届かない別の家族は、「手紙も来ない、謝罪する気があるのか!」と怒って居るそうだからこっちがまともであり、前者は被害妄想もよいとこだ。世の中何処か怪訝(おか)しくなってきたな。
先週の常用漢字の表外読みの答え
勉強が(疎か)になる。(おろそか)でした
今週の常用漢字の表外読みの問題
思えばいと(疾し)此の年月 

漢字検定と新常用漢字


円高のせいもあったと思うが、ガラガラゴロゴロと表の通りを朝早くから夜遅くまで重いキャリーバッグ(音で分かる)を引き摺って道路のアスファルトを傷めて心なく、ついでに私の心も傷め乍ら多くの人が我が国にダブついたドルを減らしに国外に行き帰りされたことか(;;)、長かったGWも今日で終わり明日から何時もの忙しない生活が帰って来るので漸くホッとした気分だ。
私のGWは今年も例年と変わらず、何処へも行かずに事務所で3月決算法人の決算と申告事務の傍ら漢字検定の勉強に明け暮れ、疲れるとネットの碁で「弱いもの虐め」(と謂っても相手は8段位)をして気分転換とストレス解消に心掛けた。休日前半は2級のお復習いの確認作業で、後半は準1級の熟語書取りの予定だったが、今年の検定から昨年改正された新常用漢字が採用されるため、急遽変更して今回新たに発行された新常用漢字を採用した2級の問題集を購入し、新たに常用漢字に選定された196字のうち準1級を通り越して1級から舞い降りた「曖嘲慄傲喩羞惧緻摯憚諧彙聘憬訃」など28字についての二字熟語と四字熟語を辞書を繰って徹底的に習熟することとなった。常用漢字は準1級にも可成り出題されるので油断がならず此奴を落としては勿体ない。「語彙」の「彙」など書く気にならない位変な字で嫌だな(;;)。
だからと言って新常用漢字ばかりでなく旧常用漢字も侮れず「繭璽爵薦髄慶」など、間違い易い字が未だに鎮座して居るから油断がならず「朕」なども居る、何でこんな難しい字や使われない字が常用漢字なのか分からんが、何故か「只之卜云巳」など簡単な字が常用漢字にならずに未だ準1級に留まって居るのも訝しい。「繭」なんて字は服飾界で化学繊維が主流となり、絹が用いられなくなった昨今殆ど使われず化石のような字だ。この字は虫が糸になるからと左に虫を書くと×になるから要注意であり文字縦書きの書き順通り右側が先と考えれば間違わない。
6年来準1級合格を目指す私は28字だけで良いのでラクチンだが、常用漢字に追加された196文字を含めた約1割増しの合計2136文字全てを消化せねばならぬ今年の2級の受験者は大変だろうと思う。2級の問題集を繰ると書き取りの問題など準1級の出題かと思える位の難易度であり愕いた:-)、出版社もその辺を慮ったものか、仮名付け問題には「憧(しょう)憬」や「曖昧(まい)」或いは「挨(あい)拶」など熟語の双方が新常用漢字の場合片方の字にルビが振ってあるのが異例であるとは謂えご愛敬であり、きっと初回の受験者の負担を少しでも軽減するための苦肉の策だろうが、この三つの熟語には他の適当な熟語が見当たらないことが不幸だったようだ(;;)。然し教科書と違って本試験ではそんな甘ちょろいものではなくルビなど探してもないだろうからきっと厳しいテストになりそうだな。
それにしても29画もある「鬱」が常用漢字に降格してきたことは2級受験者にとってきっと衝撃であり文字通り憂鬱だろう。2級には部首が10問出題されるがこの字の部首など出問されたら憶えて居ない生徒は戸惑うだろうな?「鬯(ちょう)」なんて見たこともない部首にアッと魂消るぞ(;;)。
例の大久保事件以来毎年漢字検定の応募者が伸び悩んでいるが、何と言っても大学推薦入学に加点される2級の受験者数がドル箱だが、新常用漢字196字の登場で合格点獲得が(200点満点中160点)が絶望となり受験を諦める学生が少なくないと思われ漢字検定協会も文科省が怨めしいだろうな。
反面15%も配当漢字を新常用漢字に取られた準1級は本来なら易しくなる筈だが、此まで過去問題を多く出題して難易度を緩めていたのを辞めるに相違なく、逆に知らない熟語、四字熟語を探し出してきて受験者を惑わし、きっと合格率は以前の10%程度に下がる(最近は15%位)のではないかと思う。
皆様は「大言海」をご存じだろうか。この辞典は江戸時代の儒学者大槻文彦(本名清復)が著された「言海」を世に知らしめた国語辞典であり、明治8年文部省の命により大槻文彦が編纂に着手し、10数年を経て我が国初めての国語辞典が完成したが、大槻文彦死亡後も後継者により改訂し編纂され「大言海」と名付けられ現在に到っている。

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この辞典は小生予てから垂涎(すいぜん)の図書であり、入手するのが永年の念願であったがそのボリューム(重たい!)と価格から長く手が出なかった処、先日アマゾンで格好の中古本(平成4年発行)の出品を見付け通販なので持ち帰る必要もなく価格も5000円弱(定価18600円)と格安であり勇んで入手した(^^)。
厚みが10cm2300頁もある重い辞書の末尾を捲ると、懐かしくも50年位前から見掛けなくなった著者の認め印のシール(シールの覆いまでまで付いて居た)が貼られており、その印が今は使われなくなった楕円形の判子(現在は円の直径が何れも1cm以上ないと認められない)だったのも懐かしく頬笑ましかった。
昔は印刷された冊数により印税が支払われたため用いられる倣わしだったが、何時とはなく版権が買取制に移行したため売上冊数は発行所の損益を左右し作者はリスクを背負わなくなったが、天下の「大言海」ともなれば大槻氏が譲らず歩合制を主張されたものであろう。
繰ってみて言葉の説明文の活字の大きさ(小さいのに)に愕いた。恐らくページ数を減らすためボリュームのでかい種本の原稿を幾度も縮小したものだろう、文字の大きさが昔の文庫本の三分の一位しかなくて、近年目が悪くなった私にはルーペを当てて漸く1字が読める程度の情けない有様であり、此では辞書を繙(ひもと)く楽しみすらなく、泣く泣く座右の書を諦め、今春から高校三年生になった孫に譲る羽目となったが、返す返すも入手がもう10年早かったらと悔やまれてならない(;;)
今日は連休中の勉強の名残りで難しい漢字の話ばかりでしたゴメン。m(_ _)m
先月末仕事で明石に行き、帰り際明石駅のバスターミナルを通ると大勢の乗客が並んでいるバス乗り場を大きな巨体を揺らせた神姫バスが、乗客達大方の期待を裏切って、止まりそうで止まらず前を過(よ)ぎって行った。西神中央駅行きだと早合点した乗客が下に置いた荷物を持ち上げたりして居るので、私は何気なくバスのフロントグラスの上部にある行先表示欄を見るとナント!「すみません 只今回送中です」とあるではないか、此までは何時も回送車には「Out of Service」(業務終了)とそっけない表示に決まっていたから、「すみません」から始まる日本語表示は目新しく「Out of Service」の理解できないお年寄りの方にもよく分かって納得だろうと頬笑ましく思ったものだ(^^)。この会社はケチなことで有名な会社だからこのコピーはきっと社内で作られたもので発案者は金一封でも頂いたのではなかろうか。
先週の常用漢字の表外読みの答え
経と緯 (たていと)と(よこいと)でした
今週の常用漢字の表外読みの問題
我が娘を(愛おしむ)

推薦入学の悲劇

何処彼処に咲き誇って居た桜も昨日の雨で大半が散ってしまったようで無情の雨を怨めしく思ったが花と謂うものは何時か散るものであり、花の最期は潔いほど美しく、桜は散り際の潔さを愛でる代表花であろう。
「風誘う花よりもなお我はまた春の名残りを如何にとやせん」
元禄14年3月14日吉良上野介刃傷の咎により切腹を命じられた浅野内匠頭が「生」への執着を恨み節に託した辞世の句だと謂われるがこの花は当(まさ)に桜に相違ないと思われる。然し江戸の3月14日は桜の開花にほど遠く内匠頭の思った花は梅か桃ではないかとの疑問に到着するが、陰暦の3月14日は太陽歴の4月4日だから矢張り桜に相違なかろうな。
後二(ふた)月後6月17日(日)に本年度第一回の漢字検定試験が行われるので今回も又懲りもせず応募しようと思っている。受験し始めて数えて8年目となるが、この歳となれば憶えるより忘れる量が圧倒的に多く、前回の点数処か合格さえすれば良いと思っている。今月の土日は取り敢えず常用漢字のお復習(さら)いをする予定だが、「主人に(つかえる)」、「差しつか」えるなどをド忘れし、普段学んでいる「閊える」や「痞える」などが出てくるので困ってしまうな(;;)。
今年中学二年生になった孫娘にダメモトで「四級は祖父ちゃんのテストと同じ時間やから一緒にいこ」と誘ったら、その場は「ムリムリ」とか言って逃げて帰ったが、母親に説得されたらしく二三日後に受験の覚悟ができたようだ(^^)。孫と一緒に漢字検定に行くのは私の夢だったから嬉しくてならないが、部活のソフトボールが若し対外試合となるとそちらが優先し漢検はパスすることになるとか…(;;)。
試験の難易度は小学校一年生が10級受験だから、計算上四級は中一となって、漢字の習熟度は十分であり、教科書で覚えていない漢字は出ないと思うが、漢字を習って居るからとて熟語や対義語などの理解は十分でなく合格点に達するには更なる研鑽が必要だろう。四級を切っ掛けに漢字の面白さに気付き、順調に二級まで登り詰めて5年後の大学入試に資することができれば良いなと思っている。
漢検は例の不祥事以後受験者が激減して前回のテストでは同じ教室に準一級と四級が同居していたから、若しかして孫と同じ教室になるかも知れないな(^^)。
それにしても私が受験しだした8年前から各級のテスト時間は全く変わらず2級が10時からとトップで準1級と4級6級が15時30分から最後と変わらないが、偶には受験時間を変更して欲しいと思う。年寄りの受験は矢張り朝一番が良く、往復の2時間を要するから3時半スタートはちと辛いぞ:-)。
先週お得意先のS社で今年甲南大学に一般受験で合格されたお嬢さんの話を聞く機会があったが、入学した全員が早速クラス分けのため英語などのテストを受けさされたそうで、クラス毎に偏差値レベルを変えて所謂兵庫方式(賢い連中のクラスとできの悪い者のクラス)にし、今後の授業の難易度をクラス全員の学力のレベルを合わせるのが目的だそうだが推薦などない我々の時代にはなかった現象だ。テストの結果は当然だが上位クラスは圧倒的に一般試験組が占め下位クラスは殆どが推薦入学組となったそうな…(;;)、此は当然に予測された結果であり、推薦入試?が秋に行われるため、其れでなくても一般組と推薦組の偏差値の乖離が激しいのに1年間の努力の(通常推薦は2年生までの成績で決められる)の差がその乖離を更により大きくした結果が大学側の偏差値に応じたクラス替えを迫られる必要があったものと思われる。それなら初めから一般入試組と推薦組とクラスを分ければ簡単だが、推薦組の中にも甲南を目指した結果が安全パイの選択肢を選び、実は力を秘めた者も少しは居るに違いないから大学の内部テストで篩(ふる)いに掛けたものだろう。お嬢さんの話では推薦組のテスト多くの結果は余りにも無残なものであったそうな…(;;)。
それより甲南高校からの持ち上がり組の成績はどうだったんだろう、試験をしなかったのだろうか?してたらひょっとして推薦組より悪かったりして…(;;)。
私は以前から高校と大学は人生の試煉としての入試を乗り越えることで、人間としての節ができ、その人の人生に浮き世の波風にも耐えられる骼(ほね)が作り上げられると考えて居るが、此はどうやら私だけでなく、一般企業も同じ考えのようであって、大卒の入社試験では試験官が学生に聞く第一声が「大学は一般入試ですか、推薦ですか」だそうだが、推薦と答えると先ず20点減点されるそうで、この減点の恢復は容易ではなかろうな。よい会社に就職したければ平坦な道を歩んで得られるものは少なく、リスクは覚悟して一般入試を選ばれることを是非お勧めしたい。推薦組が入学後必死で勉強して一般入試組に追い付いたとしても20点のハンディキャップは少なくない。然し会社側の真の意図は入学後の勉学のことより、入社後の艱難(かんなん)辛苦を考慮して、茨の道を避けて安易な途を選んだ入学の動機に拘ったものではないかと考えた。
大学側も学校全体の質が落ちるので、できれば推薦などで取りたくないのだろうが、斯くも少子化が進み学生の奪い合いともなれば定員が確保できる保証は何処にもなく、学校経営の存亡に関わってくるため已むなく悪しき習慣を守っているが、内心は忸怩(じくじ)たる思いであろうな。
タクシー業界も不況の煽りで閑古鳥の情勢だが、此の垂水でも数年前にミナトタクシーが廃業し、何時もハイヤー代わりに愛用していた妻が「又新しい電話番号憶えんならん」と愚痴って居たが、先日その後使っていた垂水タクシーまで倒産した(;;)。聞けば業界不況で苦しんでいた処、不運にも偶々加入していた年金基金がAJI投資顧問にお金を任せてあり、今回AJIの遣い込みで、厚労省から直接AIJの損失相当額の返済命令を受けて矢折れ力尽きての倒産だそうだ(;;)。現在民事再生法などの適用を受けるべく奮闘中であり細々と営業中だが、五体満足な会社でも危うい苦難の時代にAJIに騙された会社が生き残れる道理がないよな、妻は今度は愈々山陽タクシーの電話番号を憶えるつもりのようだ(;;)。
先週の常用漢字表外読みの答
水仕事で指先が(潤びる) (ほとびる)でした。
指紋の個所がしわしわになること
今週の常用漢字表外読みの問題
毒薬を(私か)に手に入れた