花・野菜」カテゴリーアーカイブ

79歳でエージシュート!

今朝はどんよりした雨模様です。5月も半端に入って東の庭では花韮(はなにら)が夜半元気全開となり一夜で20センチも伸びて翌朝には景色が変わります(゜o゜;。
根も同じだけ伸びるようで早朝の雑草抜きが欠かせません。少しは運動の足しになるかと思って励んで居ますが、腰が痛くなるのには閉口します(;;)。

 

中国や韓国の強豪が大挙して押し寄せた女子プロゴルフのサロンパスカップは名門茨城GCにて先週行われましたが、日韓三人の首位争いの間隙を縫って韓国のアマチュア15歳が18番のロングホールで2オンを果たしてそのパットをねじ込んでのイーグルで大逆転の優勝を攫いました(゜o゜;。アマには優勝トロフィーは頂けても高額の優勝賞金2400万円は2位の佐久間朱莉選手(大東建託)が手に入れましたから実利的には日本勢の勝利でした^^。

 

ゴルフと謂えば、ネットで懐かしいニュースが流れました^^。女子プロシニアのレジェンズツアー、太陽生命元気長生きカップ(賞金総額2000万円、優勝300万円)と言うトーナメントが先月26日千葉市緑区の東急セブンハンドレッドクラブで79歳の高齢でグランドシニアの部に出場している岡田美智子プロが1バーディー、7ボギーの78で回りエージシュート(年齢より少ないスコアでラウンドすること)賞を獲得しました(゜o゜;。
年配のゴルフファンならこの方を覚えて居られるでしょう。彼女は「最近飛距離が伸びました。もうちょっと良いスコアで回りたいし、少しでも上位に行きたいです…」と79歳の高齢とは思えぬ気迫の言葉には心打たれました^^。現在も毎日4キロのランニングを欠かさず、ドライバーショットを100球打つ日もあるとか…。将に大会名称の「元気長生き」を体現して居ます^^。
彼女は中学卒業後、神奈川県の川崎国際カントリー倶楽部にキャディーとして就職し、見よう見まねで自らもプレーするようになり、昭和42年に行われた第1回女子プロテストに樋口久子等と共に合格して1期生となり、そして創立記念競技に参加してトップテンに入った強者でした^^。
彼女の凄さは1969年と70年に樋口久子に次ぐ賞金ランク2位 (自己最高位) となりその後も1973年まで一桁順位が続き、1974年は同15位となった選手ですが、その後50数年を経て79歳で78ストロークのラウンドができるなんてスーパーお婆さんです^0^/。日本女子プロ選手権の35年連続出場など公式戦において歴代最多の84試合に出場、90%以上の予選通過率を誇る凄さには感服しかありません^^。1995年のメジャーである大王製紙エリエールオープンでは50歳312日の最年長優勝までされ(゜o゜;、世界記録としてギネスブックに承認されました^^。
また、日本プロ選手権の35年連続出場など公式戦には歴代最多の84試合に出場され90%以上の予選通過率を誇るなどレギュラーツアーでは58歳までプレーされ古希を大きく過ぎた昨年にもレジェンズツアーで元気な姿を見せて居られますから、元気でゴルフできる秘訣を多くの年配ゴルファーにゴルフ中継番組でアドバイス頂きたいと思いました。樋口久子の下手な解説なんかより年配者が心すべき素晴らしいトークが聴かれるのではないでしょうか?

 

先週発表された大手製パン業者敷島パンの「食パン」にネズミが混入していたと客から会社に電話があり、世間に大きな波紋を起こしました。彼の見付けたものは明らかにネズミの体の一部と見られたそうで、会社は慌てて10万4千個自主回収とか…(;;)、紅麹も怖いけどネズミがパンに入っているなど気味が悪い事件でありメチャ怖い🤬。工場内を走り回っているネズミ達を想像するとこの会社のパンを食べる気にもなれず、今後の客離れが大変でしょう(;;)。此の会社は上場企業ではなかったので株式市場での影響がなかったのは不幸中の倖いでしたが人件費削減を目的とした無人のオートメーションシステムの中をネズミ達が疾駆し、我が世の春を謳歌している光景を想像するとその恐ろしさには身の毛の弥立つ思いがしてなりません🤬/。

先週の読めそうで読めない字  宵の明星を夕星(ゆうずつ)と言う 

今週の読めそうで読めない字  (目眩く)恋のひととき

人口減少

今年も又ゴールデンウイークを迎えて恒例の民族大移動が始まりました.此の時期になると東の庭では決まって純白の「姫ウツギ」が満開となり爛漫と咲き誇って居ます^^。純白は汚れなき乙女の象徴ですが、此の花の白さは格別であって例えようもなく美しく感動させられます。

 

「世にも怖ろしいこと」とはこんなことを言うのでしょうか?我が国の「人口戦略会議」にて先週、全自治体の40%に当たる744自治体で人口減少が顕在化し、2050年までの約30年間に子供を生む20~30年代の女性が50%以上も減少し将来的には消滅する可能性が高いことが発表されました🤬/。2023年10月1日時点で総務省が公表した5年に一度の国勢調査を基にその後の出生、死亡、出入国の動きを反映して算出される我が国の人口推計によれば驚くべきことに外国人を含む総人口は1億2435万2千人であって前年同月に比べ60万人も減少していました(;;)。マイナスはナント!13年連続となり今後増加の見込みは全くありません🤬減少の内、日本人は84万人減の1億2120万人で比較可能な1950年以降で過去最大の減少となって居ます(;;)。又、高齢者社会を象徴するが如く総人口のうち75歳以上の後期高齢者は71万3千人増の2007万8千人と初めて2千万人を超え、総人口に占める高齢者の割合は16.5%にまで達して居ります🤬。

 

振り返れば第二次世界大戦に徴兵され戦争に駆り出された若者達が終戦後続々と復員し、銃後を護り孤閨を守り夫の帰国を待ち焦がれた妻達に晴れて230万人もの子供が出生した昭和23年を頂点にして出生率は徐々に低下の一歩を辿り、昨年度の出生者は僅かに70万人と戦後23年度の3分の1を割る惨状であり破滅的な未来への悪路を辿って居ますが、此の儘推移すれば我が国の未来がどうなって行くのか身の毛の弥立つ思いがして恐ろしくてなりません🤬。
どうして此のような惨状に至ったのか?全ては昨今若者達の人生観や価値観が変わり次世代を残すことの人間の本能であるべき結婚を唯々煩わしいものとしか捉えぬ男女若者が日々多くなり、体と心が一致しないトランスジェンダーなど性の区別が判然とせぬ人達までが声を上げたため男女の区別が渾然としなくなったことに依るせいか男女共に結婚したくない不埒な若者の急増が原因であるらしく、此等若者の多くが何故か男女共に中性化して結婚願望を持たない罰当たりな亡国奴となったものでありますが、恋愛そして結婚を何よりの希望として青春時代を懸命に生きてきた私達戦中派の人間には到底考えの及ばぬ処であリ、或いは男女同権を必要以上に押し付けられ男の尊厳を踏み躙られた我が国戦後の民主主義なる悪しき教育制度の副産物であったやに思われます。「結婚と出産」所謂「種の保存」は人間の動物的本能であって、或いは男女同権を曲解した戦後の学校教育制度自体に大きな欠陥が生じたものではないかと考えましたが、熟慮するにそんなことがあろう筈もなく男女同権を叫んでいた結果どう歪んで行ったのか男が弱くなり女が強くなった挙げ句に生じた減少ではないかと考えるに至りました(;;)。

因みに人口減少に伴い消滅可能自治体とされた市町村の内我等兵庫県では悲しいことに洲本市、西脇市など6つの市と多可郡多可町神崎郡市川町など8つの町が挙げられて居ますが、住民が減れば地価も下落して財産価値も下がりますから由々しき問題だと考えますが、政府は人口減少が時代の推移であって対策を放置する姿勢であり我々には将来の希望が全くありません。どうする日本!

 

最近のSNSは怖ろしい🤬/。「日本を舐めんなよ!広告配信業務停止の行政処分を…」自身のSNSに怒りのメッセージを連投されて居るのは衣料品通販大手「ZOZO」創業者の前澤友作氏です。最近SNSでは著名人の名前を騙った詐欺広告が蔓延して居り騙されて架空投資詐欺に担がれる被害が続出しています。フェースブックを運営する米メタ社に再三詐欺広告の削除を求めても効果なく、恐らく広告料がベラボーに高いせいだと思われますが、詐欺広告は一向に無くなる気配がありません🤬/。私のようなアナログ人間はそんなものを見ないから被害に遭うことはありませんが、SNSから離れられない今の若い人達は欲ボケから有名人お墨付きの美味しそうな投資話には引掛かって当然でしよう🤬。

私は投資の詐欺広告に乗せられた人も悪いと思いますが、架空かどうかの確認もせずに莫大な広告料を取っている米メタ社の責任も軽くないと考えます。発信元が外国では警察の治外法権なので我が国の被害者にはどうすることもできないので悔しいですが、要は投資と言うものは元本保証がないことを知るべきでしょう。然し今回フェースブックなどのネット交流サービス(SNS)で、著名人になりすました虚偽広告で現金をだまし取られたとして、神戸市や横浜市などに住む男女4人が25日フェースブックを運営する米IT大手メタの日本法人(東京)を相手取り、約2300万円の損害賠償を求める訴えを神戸地裁に起こしました。嘘の広告かを調べずに放置したとの訴えであり、SNS運営元を提訴するのは異例なことですが何とか勝訴できないものか🤬。

 

先週の読めそうで読めない字  現世利益(げんぜりやく)

今週の読めそうで読めない字  夢か(現)か幻か

税務調査その3

大方の桜が散って今年の春が終り、間もなく酷暑の夏の到来かと思うと憂鬱になりますが、うちの庭では春爛漫を迎えいろんな花が咲き乱れてお互いに競い合っています。一番激しく茂っているのが「烏の豌豆」でいつもなら5月の花なんですが、気温の上昇を受けて今月に満開となりました。

 

皆様良くご承知でしようね、事件は先月神戸大学非公認のバドミントンサークルが富山県のホテル寺尾温泉を春合宿で利用した際、胴上げで天井に穴を開け、障子を破って顔を出す等の迷惑行為を行った動画がSNSに投稿されて世間をあっと驚かせました(゜o゜;/。神戸大学はこの動かない証拠に「本学学生による不適切行為が掲載されており、関係者の皆様には大変ご迷惑をお掛けしたことを深くお詫びし、大学として厳重に対処します」とホームページに公式に謝罪文を掲載しました🤬。此れは明らかに犯罪であり、器物損壊罪で旅館側が告訴すれば警察が動きますが、ホテル寺尾温泉は「被害は事実であって相手方もやったことを認めている」と学生から被害を受け、学校と学生側と話し合いを行っていることを認めました。旅館側は冷静にも原状回復費用プラス示談金で告訴を諦める実利的な態度を取りました。学生を告訴しても過料位で何れ民事事件に移行してもなんのトクもないことを見越しての賢明な判断でありました。事件の発覚は迂闊なことに愚かなサークル仲間の一人が調子に乗って彼らの騒ぐ肉声の入った動画をSNSにアップしたことで発覚しました(;;)。この学生たちは全員親に泣きついて出して貰う損害賠償金以外にも、法令違反に加えて学校の体面を汚した廉(かど)は罪深く、世間に恥と悪名を晒し怒りに狂った学校から留年どころか放校退学等の重い処分が待っていますから、今となって己が罪の深さに愕然として居ることでしょう。サークル名「BADBOYS」とは「悪い子供達」を意味しますから、サークル名だけは誠に適切でしたね(^0^)/。

 

近江八幡署は先週74歳女性を窃盗容疑で逮捕し否認するも留置し3日後に漸く釈放しました。拘留の理由は女性の供述の確認に時間が掛かったとして居ます。市内の量販店から稲荷寿司を万引きされたとの通報が警察にあり、目撃情報などから女性が窃盗容疑で逮捕されたものです。女性は「顔見知りの男性から購入済みの商品を貰った」と一貫して容疑を否認、同署が店内の防犯カメラの映像を詳しく調べた処この男性と女性が一緒にいる姿が映って居たのです🤬。その後男性を見付け事情を聞いた処「女性に稲荷寿司をあげた」と話し、店の販売記録から店で売っていた稲荷寿司は盗まれてなかったことが判明しました。
たった300円の寿司に三日拘留なんて無茶苦茶や🤬。警察は何をして居たの?処で署長は彼女にちゃんと謝罪したの? 冤罪に詳しい甲南大の笹倉教授は「逮捕する必要があったか疑問だ!被害品の額は僅かに300円で仮に犯罪だったとしても軽微で任意で事情を聴期し、説諭の上微罪釈放の事案だ!捜査機関は逮捕が重大な人権侵害であることを認識すべきだ」と語りました。
今回の事件は「駆けつけた警察官が女性の稲荷寿司を万引きする現場を誰も見ず、店の関係者から間接的に得た目撃証言や女性が商品を持っていたことだけで現行犯逮捕したのは誤りであって、女性が(知人にもらった)と容疑を否認していた」と問題点を指摘しました。又、3日間にわたり女性を拘留した点についても「店の売上額と販売した商品数を調べれば、万引きをした疑いが強いかどうかは確認できるし、容疑に矛盾を示す客観的な証拠が出た段階で女性をより早く釈放することもできた」と署の対応を強く批判しましたが近江八幡の警察はお粗末だね🤬。

先週に続いて…、何時やら話が逸れて小難しい税法の話に飛んで行ったので今日は初めの税務調査に戻しましょう。税務調査を受けた際、当時は署員による現況調査が実施された結果偶に金庫や仏壇の中から簿外の定期預金証書が転がり出てきて重加算税や青色申告の取り消し処分等も少なくありませんでした(;;)、当時は税金が箆棒に高く、払うと事業が立ち行かなくなるため裏預金に励む納税者が多かったせいです。署員のノルマとされた予定調査件数が多いため殆んど調査は一日で終了し、終わればその夜署員と共にキャバレーでお酒を飲んで帰路のタクシー券を渡して一見落着し、そして週末に署員全員が在署する土曜日に無理に作った棚卸しの計上漏れデータを持参し、月末にはお得意先に税務署から更正決定が舞い込み税金を納付して終了と今思えば古き良き時代の懐かしい思い出です^^。

 

先週の読めそうで読めない字   彼の身体を動揺(ゆさ)ぶる

今週の読めそうで読めない字  (現世利益)

 

税務調査その2 認定留保の謎

税務調査その2 認定留保

4月も半ばを迎え、ソメイヨシノが咲き誇って居ますが、此の花は花期が短く、咲くと同時に散る準備を始めますから古来儚いものの代名詞として用いられます。此の桜が終わると最近では5月のゴールデンウイークを待たずに夏日が到来して我々を悩ませますが、昔は公平に住み分けていた春夏秋冬が何時とはなく歪(いびつ)となって夏の存在が大きくなり、間もなく冬が消え失せるのではないかと私は怖れて居ます🤬。

話を60年前に戻しましょう。当時の税務署の調査は小規模なお得意先であっても粗(ほぼ)3年に一回キチンと行われて居ましたが、現在のような事前通知などなく、必ず9時半位に署員が一人(大きい会社は二人)抜き打ちに来社して行われ、金庫や引き出しを開けさせられ脱税の証拠探しからのスタートでありました。金庫のお金を数えさせられては出納帳の残高と突合され、お金が多いと売上除外や!少ないと使い込みや!と追徴金の対象にされる大雑把で単純なものだったのです。納税者は誰も税金を誤魔化し、正しい帳簿など付けていないと謂う偏見があり、差し出した総勘定元帳など見られることは稀で、常に「現況調査が全て」と謂う雰囲気であり、そのため理不尽なことに何も戦利品が出ない場合でもお土産が必要であって、今と違い重加算税対象とされなかった翌期認容となって次の年の税金が減少する棚卸し在庫の計上漏れを幾らか差し出して居たのが慣例だったのです。処が個人事業でなく法人の場合には現況調査において何ら非違が見付からなくてお土産が出そうになく、心象が悪いと「認定や!」の一言が調査官から発せられ、調査官の眼の前に置かれ、うちの事務所が1年間苦心して作成した総勘定元帳を1ページも開けられることもなく、「何処かに隠し財産があることに認定」され理不尽な税金を取られることが通例でありました🤬。「認定」とは当時税務当局の課税権の乱用であって、何か解らぬが法人の所得申告に非違があると認められた場合でもその非違の内容が把握できない場合であって社長など経営陣が売上などを私的に遣いこんだ痕跡があれば、所謂往復ビンタである経費として認められない役員賞与として法人税と源泉所得税の両税が課せられますが、それでは会社側が到底納得しないので、変わる課税手段として多く用いられた方法が「認定留保」でありました。だから多くの法人には貸借対照表(バランスシート)には存在しませんが、法人税申告書の別表4(税務上の損益計算書)で「認定留保」として加算され、更正決定による課税されたものが別表5(税務上の貸借対照表)にて架空財産である「認定留保」として計上され未来永劫に消え去らないものとして存在して居りました(;;)。社長が身銭を切って会社に補填でもしないことには永久に記載される運命のものでありましたが、此れは課税庁が単に税金を徴するために便宜上設けたものであって実際には所在が怪しく、会社は唯単に「認定留保」なる隠し資産?に対する追徴税額を理由もなく支払わされているのが悲しい現実であったのです(;;)。結果として貸借対照表にも損益計算書にも記載のない架空の財産が「認定留保」のネーミングで法人税申告書に存在することになったのですが、その後日本経済も高度成長期に入って多くの中企業が成長を遂げ、証券取引所に上場する晴れの舞台に立とうとしましたが、東京証券取引所が上場審査を行う際に殆どの会社が税務申告書上にて「認定留保」と名付けられた財産を有していることが問題となリました🤬。証券取引所は認定留保とされた財産の帳簿受け入れを会社に迫りましたが、上場申請をするどの会社も「認定留保」の実態は課税庁の無理強いに依るものであって実態は全く存しないから「その額について身銭を切るつもりは全くなく、理由なら国税庁に聞いてくれ!」と突っ張ねたのです🤬。そこで困った証券取引所は止むなく国税庁に事実関係を問い合わせその詳細を詰めた結果、東証は「認定留保」が税務調査の結果として「申告是認はあり得ない」と言われた時代の産物であったため、税金を徴する最終手段に用いられた経緯を持つ怪しい財産であることに漸く確信を得たのでした(;;)。然し東京証券取引所も架空資産を抱えた会社の上場を認める訳にも行かず、国税庁に日参してことの経緯を糺した結果、遂に己が非を認めた国税庁が折れて日本中にある殆どの会社の別表5に鎮座している「認定留保」を消しても良いとの個別通達が発令され世の多くの会社から税務上のバランスシートである別表5の「認定留保」なるものが、ある日を以って突如消滅したのでありましたが、全ては時効が成立しているため認定留保に対し支払った税金が納税者に返されることは当然ながらありませんでした(;;)。お金を返さんでも良いから国税庁は「認定留保」の消去に「うん」と言ったんやろね🤬。来週に続く…、

 

先週の読めそうで読めない字     恐れ入り仕(つかまつ)る

今週の読めそうで読めない字    彼の身体を(動揺ぶる)

 

マイナス金利からの撤退

 

先週は寒暖の差が激しくて水甕のメダカも水面に出てきたり潜ったりと忙しない日の連続でしたが、丁度お彼岸の休日があったので確定申告の疲れを取るのにはグッドタイミングでありました^^。庭では昨秋12月まで咲いていた野菊が早くも花を付けだしましたから高校野球も始まったことだし、春爛漫もすぐ近くまで来たようです^0^/。

 

植田日銀総裁が漸く重い腰を上げて「異次元に金融緩和」からの脱却を目指してマイナス金利からの撤退を決意した如くです。「日銀金融政策決定会合にてマイナス金利政策解除などを検討へ!」と見せかけの景気回復?を受けて植田日銀総裁は愈々念願であった黒田前総裁が八方塞がりの金融情勢に無謀にも断行したマイナス金利からの脱却を目指して居ますが、本当に景気が回復して居るのでしょうか?大企業の発表している春の5%昇給が諸物価の高騰と相殺され、果たして弱者の救済となるのか私は甚だ疑わしいと思って居ます。所謂マイナス金利の実施によって僅かでも利息を支払って預金者から預かって居るお金を誰も借りてくれないときのために日銀へ持参して日銀から利息を貰う決まりだったのが、日銀に持参したら逆に利息を取られるマイナス金利政策の下では規則だとしても利息を取られてまで日銀にお金を持って行かねばならぬのか私は腑に落ちません。決まりだと言われればそれまでですが、我々一般庶民の社会常識を超えた異様なものであり、よって三井住友、三菱、みずほなど大手各行は既に資金を国内から国外に移しての運用で利益を得る方針に転換し、三井住友など一昨日現在で株価が一株9000円台(一昨年の秋は一株4200円台)と二倍以上も高騰し日経平均4万円台の立役者として大きく貢献しました。可哀想なのは地方の信用金庫や信用組合でしょうか🤬。
ABCの「教えて!ニュースライブ正義のミカタ」にレギュラー出演されている京大教授の藤井聡氏が先週、X(旧ツイッター)を更新し、日銀がマイナス金利政策を解除するなどの大幅な金融緩和政策の見直しを決定したことに対して、「予想されていたとはいえ、最悪です」とバッサリ切り捨てました(;;)。「春闘の結果利上げの条件が整ったから適切だという専門家が結構居るようだが、昨年も春闘が賃上げでも平均の実質賃金は下落!しかも実質賃金下落は22ヶ月連続中であり、且つ実質消費もここ最近で最高の下落率!」とブッタ切り、 その上で「これで国民貧困化の加速は決定的です」といみじくも予測されました(;;)。そうなんや!植田総裁は前黒田総裁より少しはマシかと思ったけど何も変わらなかったんや!(;;)🤬。

 

次は自民党有力者のパーティー券問題についてです。河野太郎デジタル相は22日の記者会見で、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を巡る関係議員の処分について「一義的には党が決める」とした上で「(政治資金収支報告書への)不記載を指示した側には何らかのけじめが必要だ」と述べ、一方では派閥から「記載しなくてよい」などと指示を受けた議員については、収支報告書の修正などをした上で、領収書がないものについて「仮に所得であったなら、加算税をつけて国に返納するなり、党を経由して国に返納するなりすることは一案だ」とも述べ、納税の必要性に言及し関係議員の処分が決まらない現状は「何もしないで手を拱(こまぬ)いて居れば、世の中の不信を招く」として党に早期の対応を求めました。
このパーティー券を利用した裏金問題は、野党から「収入を帳簿に載せず支出も不明であれば脱税ではないか」という指摘がされ、国民の間でもそういう声が日増しに大きくなって居ます。自民党もその声を無視できなくなり「裏金を受け取った議員で支出先が明らかではない者は税金を払う」ということを検討しています。そもそも論として、国税庁が政治家の税務調査をしていれば、こんな問題は起きなかったでしょう🤬。

国税庁も税務調査を行いたいのはやまやまでしょうが、調査に入るにも国税庁長官以下自分たちの保身が先立ち及び腰になって居ます。近畿財務局に居て森友問題で偽証して国税庁長官までなった佐川さんだって安倍さんの意向を汲んだ総務省から簡単に首を切られ見捨てられたもんね(;;)。

そもそも論として、此れまでに国税庁が政治家の税務調査をしていれば、こんな問題は起きなかったことでしょう🤬。税務調査がされなかった理由は、国税庁のお役人達が己の立身出世を願うために政治家にしっかりと忖度したことが政治家の所得申告がテキトーになったからでしょう。逆に言うと国税庁のお役人が政治家に良く思われたいため、故意に税務調査をしないことで政治家に阿(おもね)り己が立身出世を願ったからではないでしょうか🤬。

 

今週の読めそうで読めない字   (小火)

先週の読めそうで読めない字  親子は一世 夫婦は二世 主従は三世

答 おやこはいっせ めおとはにせ しゅじゅうはさんぜ

(注)親子の関係は現世だけ、夫婦の関係は前世と現世の二世にわたり、主従関係は前世、現世、来世の三世にわたる強く深いものだということを表しています。

 

医師も市職員!

確定申告も終わり、間もなく待ちに待ったお彼岸の到来です^^。庭の草木が一斉に芽吹き、早くも「カラスの豌豆」が花を付けています(;;)。 この花が咲くと春の訪れが実感できます^^。時季が早いため豌豆が太らず細くて「ピッピ」と鳴らす笛には不適ですが或いは土壌が痩せているせいで、確定申告の忙しさに紛れて2月に寒肥を与えることを忘れた私が悪かったのかも知れぬと後悔しています。(;;)。

 

今月初旬に私は明石の朝霧病院黄斑変性症の診察に行きました此の病院を訪れるのは20数年振りで、当時は私の罹患している眼病の病名が分からない暗黒時代であって色んな病名を付けられながら50年位前から眼科通いをして来ましたが、私が神戸駅前にあった事務所をバブルに依る家賃高騰に耐えかねて事務所を平成3年から平成11年まで朝霧駅前に移した折偶々通院したのが此の朝霧病院でした。思えば一昔前のことで、未だ左眼が見えて居た頃ですが、或日治療に訪れて検眼され瞳孔を開く目薬まで流し込まれた挙げ句が阪大から来る予定のバイトの先生が高速の渋滞か事故で来れないと知らされ診察を受けられないことに腹が立ち、此の病院にオサラバして以来の訪院でありました。

 

アイセンターから移った原因は今の治療方法であるアイリーナがアイセンターの専売特許であると思い込んでいた私の無知であって、年月の経過と共に老人特有の此の病気が全国各地で認知されてきたことから病名が確定して周知され、瞳孔に注射を打ち込む約30秒を含んだ前後約10分足らずで15万円もの診療報酬が得られることがメチャ魅力的で拡散されたものですか、多くの眼科医が新米医者でも容易にできる此の注射の利益率の高さに瞠目したと思いました(゜o゜;。

 

病院換えは、市民病院経由でアイセンターに通っていたアイリーナの間隔が16週に一回だったのが昨年春より14週に一回に変更されましたが瞳孔の所見が此の一年間注射1週間後の診察で症状が殆ど変わらないことを告げられたので「注射の間隔を昨年春までだった16週に変えてもらえませんか?」と告げると、どうやらその言葉がその日が初回だった若造の医者のプライドを甚く傷つけたようで「それなら他所へ行きますか!」とぶっきら棒に言われました🤬。不覚にも私は地元垂水の眼科医による紹介状で市民病院に参りましたから、眼球注射「アイリーナ」は市民病院の専売特許だと深く信じ込んで居たので甚く驚き、他所でもできるんですか?と問い返すと「今は何処でもやってる、朝霧病院はどうですか?」と畳み掛けられたので早速その話に飛びつき、市民病院時代から此れまで20数年間の通院歴を記した分厚い書類と紹介状を自宅に送って貰って、朝霧病院を訪れたのですが、何より驚いたことは朝霧病院を20数年振りに訪れ、医療の先端を走っていると思い込んで居たアイセンターが色褪せて、朝霧病院の方が遥かに治療や検査が優れていることを知ったことでした(゜o゜;/。何よりアイセンターで沢山居る筈のナースも外来では眼球注射時の目薬を入れる位の仕事しかせず、とても影薄い存在なのに朝霧病院では先生の診察の後にナース専用のブースに移動させられて患者に対してモニターを使っての細かい病状の説明やら何やら先生のサブ活動をフルにして居ることでアイセンターと比べて遥かに濃厚な診療だと感じました(゜o゜;/。アイリーナ注射して経過を診るための1週間後アイセンターの外来診では「未だ網膜内に水が流れているから次回は…」とたった1分診療だったのです(;;)。その大きな隔たりには公立と民間の違いをまざまざと見せつけられ、そうや!アイセンターは全員神戸市の公務員なんや!こっちは営利企業なんや!と甚く合点したものです。検査の結果5月27日にアイリーナの約束となりましたが、計算すると前回アイセンターの注射が1月26日だったので5月末では17週目となるため3週間もトクをした思いです(^0^)/。早朝はラッシュの通勤時間帯のため押し潰されないように6時台の普通電車に乗り三宮からポートライナー経由で20年間余りも通院していた労苦から開放されることとなりましたが果たして今後どんな展開になることやら5月の訪院を期待に胸を膨らませて居ます^^。

転院の決断は、最近一年間のアイセンターの私に対する扱いが急に変わり、アイリーナ術後の診察担当医が此の病院開設来ずっとベテラン医であり三日入院の両眼白内障の手術までして頂いたアイセンター創設時より掛かり付け医だったのに、何故か昨年春から毎回見知らぬ若い医者たち(半分は女医)に替えられ「私は治らないから見放されたんや!」との思いがあったからでした。無機質でまるで患者を慮る配慮が見られないぞ!🤬

 

先週の国会討論をTVで見て居て思ったのですが、野党から発せられる丁々発止の質問に対し、岸田総理がさも面倒臭そうに上から目線で答弁するのがとても不愉快でした🤬。確定申告の期限内でもあったし、パー券代数千万円も猫ババした議員に対し確定申告させる確約すらしなかったことに強い憤りを憶えました。此の総理も叩けばきっと沢山埃が出るんやろね🤬お陰で昨日自民党支持率が20%を割り込みました(^0^)/。

 

先週の読めそうで読めない字  邂逅(めぐりあい)

 

今週の読めそうで読めない字   親子は一世、夫婦は二世、主従は三世

尊属殺人罪(終)

暑い夏が長居して10月一杯まで居座ったため、待ち焦がれていた秋がやって来たのは今月の僅か二十日足らずであり、先週にはもう冷たい雨が降りもう冬の予兆が訪れています(;;)。玄関前では夏の花であるポーチュラカの挿し芽が漸く花を付けました^^。先月散歩の折、空き地で葉っぱを採取し挿芽したら先週二つ花を咲かせましたが、今週の寒波で元気を失って居るので玄間内に入れて養生し、春の訪れを待つことにしました^^。

先週から続く…、原告と被告更には傍聴人全員が息詰まって見守る中を最終審の最高裁判所大法廷は、従来の判例を変更し同条を違憲と判断した上で、刑法199条を適用し懲役2年6月執行猶予3年の判決を言い渡したのです(゜o゜;。
最高裁判決の多数意見は尊属殺人罪を普通殺人罪と別途に設けること自体は違憲とせず、執行猶予が付けられないほどの重罰しか規定しないことを違憲とするものでありました。本判決は大法廷で審理され、15名の裁判官による判決でしたが、一人だけ尊属殺に関する法定刑の加重の程度は立法府の判断に委ねるべきこととして、同規定を違憲とする結論に反対する裁判官が居ました(;;)。また6名が違憲との結論に賛成し、尚且つ尊属殺人罪自体をも違憲とする結論を述べています。

死刑の求刑に一時は己の絞首刑を毎夜夢に見て魘(うな)されて居た彼女はその後見事に立ち直って別の男性と結婚しました^0^/。毎年正月になると大貫弁護士に年賀状を送って来て居ましたが、或る年大貫弁護士が 「もうそういうことは止めなさい。いつまでも私に年賀状を送ると貴女は何時までも辛い事件のことを覚えて居ることになるから私のことも全て忘れてしまいなさい」と返信してから、彼女の音信が途絶えたのでした。

今は生死も含めて何処でどうして居るのか分からないそうですが何処か世間の一隅で幸せに暮らしているのだろうと大貫弁護士は考えて居られます。あれだけ時間と労力を掛けた裁判を…、一袋のじゃがいもを貰っただけで依頼者のために「自分まるごと忘れろ」という大貫弁護士の姿勢に人間としての優しさが溢れていましたね^^。 大貫弁護士は「この裁判に関われたことだけでも、自分が弁護士をやっていた価値があったと思えます」と言われ「一人の女性を救えたんですものね」という周囲の問い掛けに頭(かぶり)を振り 「それだけじゃなく、刑法200条が違憲によって無効になったからです。そのお陰であの条文に苦しめられた多くの人たちを救うことができました^0^/」。

明治憲法から日本国憲法に改正されてもっとも価値が転換したものの一つに、「家父長制度」からの解放があります。憲法24条1項において《婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本》と規定しているのはそのひとつの象徴です。従って本判決は「家父長制度」の残滓(ざんし)ともいえる尊属殺重罰規定を違憲無効にすることによって、たとえ親子であっても一個の人格として同等であることを宣言したものだと思いました^^。

尊属殺重罰規定違憲判決 (そんぞくさつじゅうばつきていいけんはんけつ)とは、昭和48年4月4日に日本の最高裁判所が刑法第200条(尊属殺人)の重罰規定を憲法第14条( 法の下の平等)に反し無効とした画期的な判決でありました。世間の好奇の目に晒され、渦中の人であり続けた被告人の女性は最高裁判決後「1日も早く静かな生活を送りたい」と語ったそうです。

その彼女からは大貫氏のもとに毎年年賀状が届いていました。大貫氏曰く「でもね、あるとき返事を出し、年賀状を出すのを止めなさい。私宛に年賀状を書く度貴女は事件のことを思い出している。一刻も早く全てを忘れて貴女の人生をしっかりと生きなさい』と…。それからは一度も連絡はありません」悲しい此の事件は本当に終わりを告げたのでしたm(_ _)m。「親に孝」という床しい道徳を法律が再考した判決だと私は思いました。

「法律にも情がある」と私が知ったのは昭和48年4月4日に最高裁大法廷にて尊属殺重罰(そんぞくさつじゅうばつ)規定違憲判決となった父親殺し裁判を一人で戦った弁護士についてネットでの書き込みを読んだことでした。以上5年を要して一人の弁護士が憲法違反を勝ち取った「尊属殺人」の推移についてSNSの記事を参考にし4週に亘り私見を述べさせて頂きました。(終)

(尚、一昨日市川猿之助が両親の自殺幇助とされた殺害に対し執行猶予がつきましたが、此れは有名人に対する検察の忖度であったのかと私は感じました)

先、週の読めそうで読めない字     犬を手懐(てな)づける

今週の読めそうで読めない字   (小火)

尊属殺人罪(3)

11月半ばともなれば吹く風も肌寒く日暮れが早くなって、一雨ごとに暮れゆく秋の風情がそこはかとなく漂って行き、漸く私達衆生に諸行無常を感じさせ小さな秋がやって参りました^^。庭では短くなった秋を待ち焦がれていたピンクの酢漿草(かたばみ)が一斉に咲き始めて居ます^^。もう少し寒くなると白い酢漿草が開花しますからそれまでは独り天下です^^。

 

今月初に約1000名の選手が半年に亘り沢山の予選を勝ち上がっての合格率僅かに2%の女子プロゴルフ本年度最終テストの合格者はたった21人ポッチ!18歳高校生が堂々のトップ合格する中を25歳の高木優奈さんが6年目となる挑戦で合格したのはメチャ偉かった。もう一人子供を持つ21歳お母さんも合格しましたがこれも偉かった、まるで人生の縮図を見るよう^^。

 

尊厳殺人罪(3)

先週より続く記事です。
最近では子は親に従わなければならないという服従の道徳思想より、親も子も独立平等の人格者として相互に尊重と理解と信頼の上に真の親子関係を見ようとする民主主義道徳が生まれつつあります。
その見地からすれば刑法第200条のように一つの社会的身分を維持しようとすることは、憲法14条の精神に反すると訴えて漸く昭和44年5月第一審の判決を迎えました。裁判官に伝わったかどうか事件の真意の有無の難しい事件であり憲法違反にまで話を掘り下げました。争点は鮮明にできたのか?証言は適切に引き出せたか?各種の不安は抱いて居ましたが、公判進行中に裁判官の雰囲気にはある種の手応えがあり、法廷にて裁判官は意外な言葉を発しました。彼は「被告人に対し刑を免除する」と言いました❢。免除ということは殺人罪自体は成立しているが刑罰を赦すという意味です。裁判所は刑法第199条の通常殺人罪を適用した上で更に刑まで免除すると言いました。結果的に尊属殺人罪の規定に関しては憲法違反になります。「そりゃ、嬉しかった^0^/。尊属殺人では執行猶予が付けられないから…。無罪の主張をしてはいたけど通るかどうかは難しいせめて執行猶予だけでも…と思っていました。そのためには刑法第200条は憲法違反だと認めて貰わないと…。その主張が通ったのが嬉かった^^。第一審で通常殺人罪が適用され尊属殺人罪が適用されなかった理由を大貫氏はこう推測します。「裁判官に真実が伝わったと思います。娘が余りに可哀想だと…。本人の口から細かく事件の詳細を聞きその結果実刑を下すのは過酷だと思ったのでしょう」。
刑法第200条を違憲と判断した一審判決は弁護側にとっては大きな収穫となりました。然し当然検察側は親子間の倫理である孝は人倫の根幹として認められており、これに著しく違反する尊属殺人の刑を一般の殺人の刑より加重することは正義合目的性の要請に合致するとして即座に控訴しました。そして次の戦いが始まりました。「高裁に行ったら雰囲気が何か違うんです。もう最高裁しか見ていないような雰囲気になって…。これはマズいなと思いました」予感は的中し昭和46年5月の控訴審判決では一転刑法第200条は合憲であるとし、被告の過剰防衛も認められないとして原判決を破棄しました(;;)。その上で心神耗弱と酌量を認め懲役3年6ヵ月の実刑を言い渡しました🤬。
何を言っているんだと大貫氏は最高裁で徹底的に戦うことを誓い新たに決意を燃やしました。最高裁でこの事件は大法廷にと回されました。通常の上告事件では上告理由書の検討の後に「上告理由なし」として棄却の決定が行われ法廷が開かれることもありません。故に大貫氏は強かな手応えを感じたのです。尊属殺合憲説を見直されるのではないか?、そうでなければ大法廷に移るなんてことはあり得ないのです。ひょっとしたら?希望が心に芽生えてきました。以前の最高裁判例が破棄されるかも?。さあ世論からの注目も徐々に集まり初めました。昭和47年5月口頭弁論が始まり、これに先立って大貫氏は周囲からさまざまなアドバイスも受けました。「法律上の論点は決まっている訳だから弁論の際には回りくどい法律論を話すのではなく簡潔に…」と謂う助言まで頂きました。それと謂うのも15名の裁判官の方々は年寄りですから長い話をして居たら寝てしまいます。どうしたら裁判官の耳を傾けさせることができるかに集中するべきだと言われました。大貫氏の口頭弁論は刑法第200条に関する最終段落について引用し「刑法第200条の合憲論の基本的理由である「人倫の大本、人類普遍の道徳原理」に違反したのは一体誰か?本件に於いて被告人はその犠牲者であり、被害者こそこの道徳原理を踏み躙って居ることは一点の疑いもなく親子相姦という行為は人類が神の存在を信じ長い歴史的試練を経て確立した近代文明社会における道徳原理から見れば何人たりとも赦すことのできない背徳行為です。被害者の如き父親をも法律は尊属として保護しているのですか。かかる畜生にも等しい父親であってもその子は服従を要求されるのが人類普遍の道徳原理なのですか?本件被告人の犯行に対し刑法第200条が適用され且つ憲法第14条に違反しないものであるとすれば憲法は無力です。若しそうなら最早刑法第200条の合憲論の根拠は音を立てて崩れ去ると考えられるが如何ですか?」来週に続く…

 

先週の読めそうで読めない字     駄袋(だんぶくろ)

今週の読めそうで読めない字   犬を(手懐ける)

尊属殺人罪(2)

暑い夏も流石にその容色を失って、一年に少ししかない貴重な秋が漸く到来しました^^。東の奥庭では一つだけ結構大きな空色朝顔が雑草の中を掻き分けて花を付けているのを先週発見して驚きました。絶滅しそうなので今度こそ種を取ろうと思ったのですが、花が萎れた途端雑草に埋もれて今回も種を見付けられそうもありません(;;)。きっと「枯木も山の賑わい」と雑草を放置していた愚かな私へ朝顔の報復であったであろうと思い悄然として居ます(;;)。枯れた石蕗の葉が秋の哀れを誘います(;;)。

 

尊属殺人(先週の続き)

大貫弁護士がこの事件を引き受けるということはとても難題でありました。実の父親を殺害した娘であっても彼女になんとか執行猶予を付けてやりたいがし当時その思いを成就させるためには刑法第200条という高い壁が聳え立っています。1908年制定の明治刑法により自己または配偶者の直系尊属を殺した者について、通常の殺人罪とは別に尊属殺人罪が設けられ此の罪が適用された場合、法定刑は死刑または無期懲役に限られるのでした🤬。尊属殺人罪が適用されたら執行猶予は絶対に付けられません(;;)。執行猶予を付けるためには通常の殺人罪に変えねばならぬからです。何故なら刑法第200条が「法の下の平等」を定めた憲法に違反しているから此の条文は違憲であるという憲法論争をせざるを得ないと大貫氏は思いました。刑法第200条か違憲がどうかについての議論は昭和25年既に行われて居り、尊属殺規定は道徳の乱れの歯止めとして機能して居り、親孝行の大切さを刑法に顕しておくのは尤もだと議論の結果、当時の最高裁大法廷は合憲の判決を下して居ました。
「遣るしかないと思ったのは彼女が余りにも不憫でした…」弁護を引き受けるにあたって彼は考えました。今回の法廷での争点は一体何か?殺人事件と言われているが本当にそうか?この事件を単なる傷害致死罪とできないか?または過剰防衛として主張できないか?適用される罪名についても考え、父親殺しであるとなれば刑法第200条の尊属殺人罪だが傷害致死罪ならどうか?尊属傷害致死ということにはなるが、それでも尊属殺人罪と比べれば「無期懲役又ハ3年以上ノ懲役」となり、罪は軽くなるが実際に適用は難しく娘が紐を父親の首に巻き付けもみ合った結果誤って殺してしまったという話まで弁護の際の主張に入れました。傷害致死罪が否定されたら尊属殺人罪が適用されるのは明らかで若しこの一件が尊属殺人ではなく一般の殺人事件だったら刑法第199条が適用され必ず執行猶予がつく筈…。
ならば、どうやって通常の殺人罪を適用させればよいのか?一審での緻密な戦略ありとあらゆる可能性を探り「彼女にはできるだけ細かく、丁寧に話して貰うようにしました。この事件がどれだけ異常でどれだけ常軌から逸しているか裁判官に分かって貰うにはそうするしかないと考えたからです」
生い立ちから父親から初めて関係を迫られた日のことなどを語るうち、本人の目からは自然と涙が零れて行き法廷は水を打ったように静かになり、裁判官にも傍聴者にこの事件が持つ異常さ、悲惨さは充分に伝わって行きました。
公判の最終日には検察官の論告と弁護人の弁論が予定されて居り、「死刑または無期懲役の選択しかない尊属殺人罪、その枠組を乗り越えてなんとか執行猶予を勝ち取ることはできないか?そう考えた大貫氏は主張しました。本件の被告人の行為は正当防衛または緊急避難である…と!
「弁護の際にはありとあらゆる角度から事件を捉え、実際に主張をして行きました」、大貫氏がそう語った実例の一つです。正当防衛の根拠となる「急迫不正の侵害」行為は14歳から始まった強姦行為であると大貫氏は指摘し、そしてその侵害行為は犯行時まで継続したと訴えた。緊急避難にもそれは当てはまり「身体、自由、特に本件犯行時には生命に対する危難が継続して現在していた」と主張しています。つまり侵害行為や現在の危難に対し自らを守り此れを避けるためには父親を殺害せざるを得なかったと訴えたのでした。
「過剰防衛ではないかという可能性も探りました」大貫氏は過剰防衛または過剰避難としての法的主張もしました。更に心神耗弱の角度からも主張を展開しました。彼女の異常な興奮状態がまさに刑の減軽の対象となる心神耗弱状態にあたるという訴えです。先述した傷害致死罪の見地からも主張を試みています。犯行時の精神状況や客観的状況から見てこれは咄嗟の犯行であり、彼女自身の認識は殺意ではなく障害の認識にすぎない。結果的に致死の事実が発生してはいるが此れは傷害致死です。大貫氏は後に最大の争点となった刑法第200条の違憲性についての主張をしました。 (゜o゜; (来週へ続く)

 

先週の読めそうで読めない字    大声で号(さけ)ぶ

今週の読めそうで読めない字   駄袋

尊属殺人罪(1)

毎年襲ってくる酷暑から漸く開放されて比較的雨の少ない10月の後半でしたが、東海地方以東の大雨なんかに比べて近畿地方に颱風が来なかったことは幸いでした^^。 秋の夜は釣瓶落とし…と言いますが深まった秋の裏庭では十両がたわわに実って俄に色づきが鮮やかになって参りました^^上は半月前、下は昨日撮ったものです^^。

歌舞伎役者の市川猿之助が父母を殺害した事件は、世間の注目する中を意外にも本人の自殺未遂を受けて、両親に対する自殺幇助と謂う寛刑で決着しましたが、検察は3年を求刑しました。此れは裁判官に「どうぞ執行猶予を付けてください」という含みであって、求刑が3年半以内なら「執行猶予はお好きなように」と、そして4年以上の場合は「執行猶予は付けないでください」と謂う意味になります🤬。彼の罪は曾て存在し非常に重罰である「尊属殺人」であって彼が歌舞伎界の有名人であるばかりに検察がその立場を忖度した可能性が否定できないと世間が思ったであろうと私は考えました。そもそも「尊属殺人」って何なの?

今日ご紹介する事件は当時20代だった女性が実の父親を絞殺したものです。彼女の境遇は余りに悲惨であり、父親は女性が10代のときから近親姦を強要し、女性に結婚相手が現れると「相手を殺してやる」と脅して我が娘を監禁した理不尽な事件の結果起こされた悲劇でありました🤬。 女性の罪は当時存在した旧刑法200条 「自己又ハ配偶者ノ直系尊属ヲ殺シタル者ハ死刑又ハ無期懲役ニ処ス」と書かれた所謂尊属殺重罰規定に該当したのでした。刑法199条の殺人罪が「人ヲ殺シタル者ハ死刑又ハ無期若クハ三年以上ノ懲役ニ処ス」(当時)と定められているのに比べ法定刑が異常に重く、尊属殺重罰規定では死刑が当たり前なのはどう考えても可怪しく此の事件は1968年栃木県で起こり、父親から長年性暴力を受けていた女性が父親を絞殺したというものですが女性は父の子を5人も出産させられていました🤬。この事件を担当したのは大貫先生と言う二人の親子弁護士です。加害女性の貧しい母親が弁護依頼に来られました(;;)。

「娘が熟睡中に紐で父親を絞め殺す、娘の恋愛から喧嘩」55年前の秋、此の殺人事件が地方紙の見出しを飾りました。決して注目される事件ではなく単なる親子喧嘩の果ての殺人事件と思われましたが翌8日に出た続報の見出しからもその様子は伝わってきます。何処にでもある事件何処にでもあるニュースでした。全国紙では取り上げられることもなく地域密着の地元紙ですらこの後続報を届けることもありません。そんな事件だった栃木県のこの事件は陰惨な真実を孕んでいました(;;)。実の父親を手に掛けた娘は長年にわたって父から近親相姦を強いられており、その結果娘は5人の子どもを出産させられ、出産後に死亡した2人を除く3人の子どもと父親との5人での生活を送っていました🤬。
大貫弁護士は「これは大変なことになった、こんな酷い事件聞いたことがない!?なんとかこの女性を助けよう」と思われました。思春期の青春時代を暗くて長い毎日で自由に送ることも許されず、実の父親と地獄同然の暮らしを強いられ逃げ出せば執拗な暴力で連れ戻され逃げることも諦めた彼女の毎日に一条の光が差し込みました。「彼女は近所の工場に勤め始め、そこで若い男性と知り合って生まれて初めて恋をした」そのことを知った父親は激怒し、生活をめちゃくちゃにしてやる、どこまでも追いかけて苦しめてやる!そんな怨嗟の声に追い詰められて娘は寝ている父親の首に紐を巻いて殺害したのでした(;;)。事件の数日後夫を手に掛けた娘の弁護を頼みに母親が大貫法律事務所を訪ね、彼女はこの事件の背景や何故娘が夫を殺さなければならなくなったのかを縷々と話しました。「この娘さんをなんとかしてあげたいと思ったけれども、話はそんな簡単なものじゃない。でも、なんとかしなければならないと思いました」大貫氏は依頼を引き受けることにしました^^。依頼者となった母親は貧しくて満足な弁護料など払えず、受け取ったのは彼女が事務所を訪れた際カバンいっぱいに詰め込んで持ってきたじゃがいもでした。(来週に続く)

 

先週の読めそうで読めない字    母を右(たす)ける

今週の読めそうで読めない字   大声で(号ぶ)