税理士岡本良英・税理士公認会計士岡本一:法人税・消費税・相続税・所得税の確定申告から経理、記帳代行、経営分析、WEB開設、議事録作成までフルサポートします。垂水・舞子・朝霧・明石・塩屋・須磨の税金ならお任せ下さい。

2001年の独り言


2001.12.23

8年間で14億5千万円と魂消るような大金を横領した青森県住宅供給公社の職員が先日捕まりましたが、役所(ですよね?)と言うところは世にも不思議なとこですね。
“木を見て森を見ず”と謂う言葉がありますが、役人は誰独り森(公社の財産状態)を見ていなかったのではないでしょうか。一体この公社の上司は”はんこ“をつく以外に何をしていたのでしょうか。お金が少なくなれば県に書類を送るだけで稟議書の書式が間違ってなければ無条件に要求金額が振り込まれたのでしょうね。
役所というところは出金に際し金額の多寡に関わらず決済印が多数必要ですから、稟議書には多くの”はんこ“が押されていたものと思いますが、誰独り記載された金額の事後チェック(例えば領収書の確認等)が為されていない所謂盲(めくら)判だったのでしょう。
県の会計監査から会計検査院の検査に至るまで、民間事業会社に倍する監査体制が設けられていながら、これらが全て形式のみに拘り形骸化していることは、会計検査院が外務省の裏金ひとつ見付けられなかったことからでもよく分かります。
あの朝銀が不良貸付けを一口1億円未満に分割することでこれまでの金融庁のチェックを全て逃れていたようにマニュアル通りの検査というものは必ず抜け道が造られます。金融庁さん偶にはマニュアルを変えてみたらどうですか。
然しどう考えても14億円は大金です。10数年前に和歌山県の下津町という小さな町で17億円遣い込んで町を破産させかけた吏員が居ましたが負けず劣らずではありませんか。
何れも親方日の丸の体質が齋らした産物でありましょうが、青森県住宅供給公社の場合皮肉にも国税局の調査で発覚したそうですから、税務調査が入らなければこの公社には青森県にお金がなくなるまで遣い込みが続いたことでしょう。
公社は非営利法人なのにどうして国税局が?との疑問をお持ちの方は流石に鋭いですね。
本職がお答えしましょう。公社は確かに非課税法人ですから法人税の申告義務は全くありませんが、従業員の源泉所得税と消費税については何れも納税義務者とされています
然し源泉所得税は所轄税務署の縄張であり、今回の税務調査は仙台国税局が乗り込んできていますから消費税の調査であろうと考えます。住宅供給公社は住宅を建てて販売するのが仕事ですから5%の消費税については納税又は還付申告の義務を負っています。
消費税の調査の対象は課税売上(住宅の分譲)の消費税5%より課税仕入(業者に支払った建築費や外注費)5%の控除税額の多すぎることが最大の関心事となりますから、課税仕入の異常に多いことに不審を抱いた国税局の調査で建築費用請求書の確認と工事代金を受領したとされる先への反面調査の結果あっけなく発覚した遣い込みだったのでしょう。我々の家計に重い負担を掛けている消費税がこんな風に役立つなんて世の中皮肉なものですね。

警察と検察が動き朝鮮人の逮捕者が多数でた“朝銀”の裏金騒動とその金の行方が問題になっています。
そこでどうやらお尻に火がついたことに気付いた北朝鮮が『日本人行方不明者』の消息調査事業(所謂拉致疑惑事件の解明)を急に全面中止すると言ってきました。“語るに落ちる”とはこのことです。昔の人は良いことを言いますネ。
もともと調査する気など毛頭なかったでしょうから、いつもの嫌がらせに過ぎませんが“、溺れるものは藁でも…”の思いで24年間も待ち続けて居られる横田めぐみさんのご両親達の心中は察するに余りあります。
ところが外務省の野上なんとかの事務次官がその事実も知らず狼狽えて記者会見する有様は見るに耐えません。担当課から報告を受け事実確認した後も記者団の質問に『コメントはしない』と言って慌てて退庁してしまいましたが、『早速大臣に北朝鮮に抗議するよう進言する』くらいのことが言えないのでしょうか。野上さん、髭を生やせば偉くなるというものではありませんよ。
その矢先北朝鮮と見られる昨日の不審船沈没事件です。次官さん身の不運を嘆いている暇などありません、どう対処されるお積もりですか。
船体沈没で海上に逃れた工作員達は救命胴衣を付けながら何故か哀れにも全員死んでいましたね。母国を出る前に“捕まるならその前に“死ね!”と命じられていたのでしょう。
誰も死にたくなどなかったでしょうが、生きて捕まったことが判明すれば故郷(くに)の両親や妻子が虐殺されるのでしょうか。“海自”と取り引きしたくても日本には逆スパイがわんさと居ることを彼等はよく知っていますからそれも叶わなかったのでしょう。  合 掌

携帯の出会い系サイトで知り合った17歳の女子高生を4万円払ってホテルに連れ込みいたずらした罪で二学期終業式の翌日に児童買春禁止法違反で捕まった広島県の小学校校長先生が居ましたが、逮捕の時期がずらされたのは警察の好意(悪意か!)であったのでしょうが、よくよく考えて見るとタイミングが余りにも最悪でした。
来年三学期の始業式には写真週刊誌を初め多くのマスコミが掛けつけることでしょうから一体児童達に誰が何と言って挨拶するのか聞いてみたいですね。


2001.12.21

不景気で手許不如意のことでもあり、ひょんなことから我が家に住み着くこととなった“蟋蟀軍団”の食材にと10月中頃に植えた二株のレタスの苗が幾らも大きくならない内に何故かいつか様子がおかしく葉っぱの緑色が淡くなり段々背が伸びてきました。明らかに“とう立ち”現象です。
秋蒔き野菜の“とうだち”は昔から春と決まっていますから、『何んで?』と買った園芸屋さんに聞いても原因がさっぱり分からず、その間もレタスはどんどん伸びて今では下の写真のように1メートルにもなり蕾もちゃんと付いているのですが、寒さのためでしょう何時までも蕾半開きで咲ききれない状態です。
どうしてなのか狐につままれた思いで不思議でならなかったのですが、つい先日マスコミを賑わした東京都の米軍横田基地近隣でのほうれん草畑事件を新聞で読みその謎が全て解けました。
それは皆様ご承知のように今年に限って基地周辺の畑のほうれん草がすべて“とうだち”してしまって商品価値が全く失われ、周辺農家が損害賠償せよと都を通じて基地に強く抗議しているニュースでした。
“とうだち”の原因は同時テロ事件を契機に横田基地が不審者の侵入を咎めるため設置した照明灯のせいだと思われます、明かりの影響を受けほうれん草が日照時間を勘違いして “とうだち”したためであり一体どうして呉れるのかというものでした。
このニュースのお陰で私はうちのレタスの“とうだち”の犯人が事務所の玄関灯であったことに、はっと気付きました。玄関のすぐ近くにスペースがあったため他意なく植えられたものでしたが、夜間の玄関灯の影響をモロに受けての“とうだち”であったのでしょう。昨年収穫した二苗の白菜は一メートル遠く離れていたため難を逃れたものと思われます。
作物というものは原則年に一回しか収穫されないものです。特に葉を収穫するものは“花芽分化”という宿命から逃れられないため発芽温度と日照時間により種蒔きの適期は年に一度しかなく“ダメだったらもう一回”は許されず一年待たねばなりません。この猛スピード時代に一年がどんなに永いものかお分かりでしょうね。
“タキイ種苗”や“サカタのタネ”から種を取り寄せたら必ず種袋の裏面に『種蒔き後どんなことがあっても種代以上の補償はしない』とちゃんと明記してありますから、未発芽や発芽後の事故による損害賠償の求償を種苗会社が如何に恐れているかが分かります。
このバイオ時代であっても植物の生育が自然環境に如何にデリケートであり敏感なものであるか今更のように思い知らされた今回の事件でした。
日照時間と謂えば25度で開花するとされている“朝顔”がどんなに気温が上がってもどんなに大きく成長しても、夏至を越えないと絶対に開花しないことを想い出しました。
そうです“朝顔”は短日性の植物ですから夜より昼の方が長いと咲かないのです。
『夏至の前に咲いた朝顔を売っているじゃないか!』と仰有る方が居られると思います。どうしてでしょうね。 実はそれは夕方になると“朝顔”に覆いをしてやり朝寝坊させてやると彼等は夏至を越えたと勘違いして温度さえ確保されれば必ず咲き始めるのです。子孫を残そうとする花の本能を利用して植物を虐め、開花を急がす方法やらいろいろあるものですネ。

我が国のお役人独特の結論先送りの事なかれ主義のお陰で、狂牛病事件も一段と事件の根の深さが露わになってきていますが、高齢の牛を頼まれては次々と薬殺せねばならなかった獣医師の先日の投書は余りにも衝撃的なものでしたね。
病気かどうかも分からないのに検査もしないで殺すのは、一頭でも狂牛病が出たら最後、その地区の牛は全て売れなくなるは必定であり、その牛の持主は借金だけ残った地域の畜産家達から呪われて、村八分どころか産まれ育った故郷にも住めなくなるムラ社会の運命(さだめ)がそうさせたのでしょう。
牛に何の責任もありません。イギリスでの五年前の事件当初肉骨粉の輸入に対し、通達だけ出しておいてその後の追跡を全く放置して今回の事件に至った農水省幹部達の無神経さには返す返すも腹立たしさが増すばかりです。こんな連中が公僕などと呼ばれるのはちゃんちゃら可笑しいですネ。
昨日の狂牛病調査検討委員会では、日本が発生国並みの危険評価を受けていることを知った農水省が畜産部長名で採択の見送りを執拗にEUに迫り挙げ句採択を見送らせた当時の経緯の説明を高橋正郎委員長に求められた農水省の担当者は『省内の関係部署と関係省庁が調整した』と答えています。まるで禅問答もどきであり、我々一般人には意味不明で分からぬ答えではありませんか。
“調整する”と謂う言葉は縦割行政である役所の内部で用いられる横の承認を意味する特殊な言葉であり、例えば病院や診療所が介護事業の申請をしようとすると、県の医務課から『福祉課との調整が必要ですね』などと言われて、福祉課へ行けば『医務課との調整が必要ですよ』などとたらい回しをされるのが常でありますが、それぞれの縄張や線引きを超えるため役所上部からの圧力を“調整”なる言葉でカムフラージュしているのです。正しい日本語は『畜産部長から採択の見送りを要求せよと命令されました』と言うことですが、どうしてこの言葉が言えないのか皆様お分かりでしょうね。
売れる見込みのない牛を抱えて厳しい年の瀬を迎えた畜産家の皆様、泣き寝入りなどしないで“筵旗”を立てて農水省へ押し掛け、当時の畜産部長であり今の農水事務次官である熊沢英明に対し、『土下座して謝罪せよ』と要求して座り込んだらどうですか。さすればマスコミの格好の食材となり、仕方なく検察も重い腰を上げるのではないでしょうか。


2001.12.3

アメリカでの同時テロ事件はアメリカの身からでた錆とは言え不幸な出来事でした。
然し、事件直後なら兎も角、3ヶ月近い最近になって唐突な大成火災の倒産はどうしたことでしょうか?
この情報化社会に3月もしてから謂わば倒産したのが自分とこの得意先?だったことを経営者が気付くなんて皆様可笑しいと思われませんか。
倒産発表前日の株価400円は一体どうしたことですか。同時テロ事件の航空機に対し日本中の保険会社29社の負担する保険金が総額1300億円だそうですですが、損保ではダントツに小さい大成火災がどうして740億円でしょうか?
他の会社は例えば東京海上など大成火災の10倍を遙かに超える保険料収入ですからもっと多額な保険を取っていたと思いますが、他の保険会社と異なり大成火災は再保険を怠り、今のはやり言葉で言えば“リスク管理”ができていなかったのでしょうね。
事業会社ならどんな会社でも自分とこの売上の5%以上の債権の貸倒れは致命傷になるので細心の注意を払っています。それが250億円の純財産に対し750億円の保険金支払など論外もいいとこです。900億円の年間収入に60億円の年間利益など巷の事業会社から見れば垂涎ものでしょうがその900億円の保険料収入は、元はと言えば事業会社や一般家庭が自分達を護るため血の出る思いで支払っている保険料ではないのでしょうか。
それを不労所得のように温々と懐に入れて多額な役員報酬を取り株主への配当金の支払いなど再保険のチェックを怠った大成火災の無能な経営陣には腹立たしい思いが拭えません。
保険で引受けた保険金が多額な場合は他の保険会社に再保険を掛けるのは、45年前に私が“海上保険論”の講義で教わった“イロハ”であり常識です。
今回の大成火災の保険は元請けではなく外国損保からの再保険として引受けておりますが、この場合でも保険金が自社に負担が多いと思われるときは更に他の損保に再々保険を掛けるものですが、大成火災はこの契約の選別処理などの業務の全てを自社のアメリカ支店自身で行わずにアメリカの会社であるフオートレスリーなる代理店に“丸投げ”しており、テロから3月近くも経っての元請けの外国損保会社から請求されて初めて再々保険金が貰えてもこれが今後5年間で金利も上乗せして返済する金融保険(10年も前からだったそうです)だったことに気付くお粗末さです。これでは保険金ではなく融資ではありませんか。
当初は大成火災が不幸なテロ事件の被害者であり、ゼネコンとつるんでゴルフ場に大金を投じ挙げ句が破綻し公的資金の導入を仰いだ金融機関を助けておいて政府が大成をどうして助けてやらないのかと訝ったものですが、真相は以上のように重大な契約を愚かにも他社任せにし、おまけに契約の質的なチェックを疎かにした無能な経営陣のせいだったことに気付きました。
ナント!今日の株価は3円です。400円で大成火災の株を買った人はどんな思いをしているでしょうね。
直ちに株主代表訴訟を提起し経営陣から過去10年間の役員報酬を返還させ、懲罰として我々一般加入者“私の事務所や自宅も大成火災に加入しています(;;)”1軒1軒にお詫びの行脚をさせるべきでしょう。

1匹だけになっても1ヶ月生き続けた雌のキリギリスが11月25日帰天しました。
このキリギリスは8月5日に朝霧の歩道橋近くで掴まえたので4ケ月近くうちの事務所で生きていたことになります。最後は好物のキャベツの傍での大往生でした。
来春赤ちゃんは産まれるでしょうか(^^)
合 掌


2001.11.16

彼がメジャーの新人王に選ばれることは当然でありましたが、28票中27票とたった一人の記者のために満票を逸しましたね。然し圧倒的に“ジャップ”に対する偏見の多いアメリカでの27票ですから、これは我々日本人から見てもの凄いことだと思います。
『どうせならもう1票も獲得したかったです』とは普段本音を容易に吐かぬイチロー選手にしては正直な心境でしょう。
1位に投票しなかったオハイオ州の新聞社の記者は強い世論を受けてニューヨークタイムスに“イチローの新人には疑問?”とコメントしましたが、それならこの記者は何故イチロー選手を2位に投票したのでしょうか。新人が疑問なら2位にも投票しないがスジというものです。
弁解は牽強付会(こじつけ)であり、実はこの記者さん特別日本人嫌いだったのでしょう。
でもイチロー選手にはアメリカンリーグ“MVP”が待っているから些細なことは、まいいか!

私事ではありますが、この度私の事務所に二人しか居ない女子職員の一人が警察官であるご主人の転勤で退職することになりました。皆様昨年秋にお送りしたWEB “10月の花は花嫁さん”をご記憶でしょうか。そうあの“幸せ太り”の花嫁さんです。
彼女は入所した当初しばらくは仕事が“いまいち”だったのですが、ある時つまらないミスを咎めて私が強く叱責したことがあり、そのため彼女が大泣きしたことがありましたが、その後は、今どきの若い女の子には珍しく叱られたことを怨むどころか歯を喰い縛って頑張りそのお陰でしょう持って生まれた不屈の根性が驚くばかりに花咲き見違えるよう別人のように仕事ができるようになったのです。
そして最近では私の片腕として重要な仕事を任せられるまでに成長して呉れており、できれば転勤後も勤めて欲しかったのですが、転勤先が県内といっても遙か遠い“和田山”とあっては到底通勤できる距離ではなく無念ではありましたが諦めざるを得ませんでした。
彼女はご主人の転勤された後も、残っている仕事の処理と新しい新入職員への仕事の引継ぎで1週間も実家土山からの単身赴任?で通って呉れました。その責任感の強さには私は心から感謝しております。
口下手でシャイな性格(どこが!)なのでWEB上で彼女にお礼を言わせて頂きます。
『永い年月を安い安い給料で一生懸命に事務所のために頑張ってくれて本当に有り難う』
然し彼女の四年間は決して無為ではありません。今後将来もし何処かへ勤めることになったときはどんな会社や事務所へ勤めても、うちでの四年間に鍛え培った底力で『主計事務のパソコン処理とエクセルが堪能です』と胸を張って言えますヨ。

 

写真はお別れの今日、事務所の玄関での彼女のスナップです。新しい事務所での二年半の間、何時も肩に止って甘えていたインコのQちゃんがチャンと寄り添っているのがお分かりでしょうか。
ついでに彼女にとても可愛がられていた私の孫達もお相伴しました。右端はいつもの“枯葉”です。

田中外務大臣が失言や外国要人との会合キャンセル遅刻などを理由に集中砲火を浴び窮地に陥っています。昨日も参院予算委員会で野党からの “外相の資質” 問題についての質疑でありましたが、外国要人との会談など他の“ごますり”に任せておけばそれでよく、我々国民が田中真紀子外務大臣に期待していることは、伏魔殿外務省に巣くう税金泥棒達を追い出して貰うことです。真紀子大臣が更迭されれば外務省が元の黙阿弥の伏魔殿に戻ることは必定であります。
これまでの外務大臣の誰もが外務官僚の顔色を窺うことに汲々とし、外務官僚に見下されその意のままに操られ裏金作りの出汁(だし)に使われていたことは我々国民が周知の通りです。
これ以上外務省に溜まった“埃り”に大きい顔をさせる訳には行きません。田中真紀子さんにしかできないことですから何としても在職中に大掃除だけはやり遂げて下さいね。
我々国民は皆真紀子さんに外務大臣としての手腕など期待していません。外務官僚粛正執行大臣だと思っていますよ。
それにしても大臣の無くした指輪を買わされた秘書官は愚かですねえ。リークなど姑息なことをせずに、黙っていることで大臣に恩を売っておけば将来指輪代金の数百倍にも当たる地位が微笑みかけたのではありませんか。


2001.11.4

偶然だったのか“神意”だったのか、突然腐葉土の中から生まれてきた100匹以上のこおろぎが30センチのアクリル水槽(成長と共に3槽に増やしました)の中(体重が重くなってきたのでティッシュから新聞紙に変更しました)という狭くて劣悪な環境にも耐え抜いて順調に生育し、9月末にはあの腐葉土から二回目となる沢山の赤ちゃんが誕生しました。
もう驚いている暇などなく年子(としご)を生んだお母さんのような心境で水槽を5台にするなど“凌ぎ”を図りましたが、朝夕の世話と食費が大変で金魚のペレットとキャベツ(レタスは高くて日持ちしないので変更)で一日約50円位の出費です。
この蟋蟀は生まれてから約50日で一人前になるらしく、一回目に生まれたのは羽根が生え揃い漸く先月末より鳴き始めました。
そして信じられないことなのですが、“ひょっとして同じ名前のこうろぎだったりして…”と前号で記したジョークが本当になったのです。
ウソー!本当なのです。
名前は未だに分かりませんが、生まれたてからずっと真っ黒だったので閻魔蟋蟀だと思っていましたが羽根が生えてみると羽根だけ茶色であり、ペット屋さんで買ってきたものと全く瓜二つで、勿論鳴き声も『チリリン、チリリン』と鳴いています。鳴き方は鈴虫のように羽根を高く上げて震わせます。上手な蟋蟀の鳴き声は殆ど鈴虫に近く下手な奴は“ヂヂヂヂ”とそれこそ便所こおろぎです。
聴いたことのある鳴き声やなあと思っていたのですが、名前も分からぬ蟋蟀がまさか同じ種類とは想像もしていなかったので本当に驚きました。
偶然というにしては余りにも因縁めいているので、こんな不思議なことがあろうかと腐葉土を購入した園芸屋さんにも訳を話して出生の秘密を調べて貰いましたが、あの腐葉土が“近畿緑化”という大阪の会社から卸されてくるということしか分からず、ペット屋さんの方も問屋さんに聞いて貰ったところ、『ふたぼし蟋蟀や』という回答が返ってきましたが、そんな名前の蟋蟀は図鑑にも載ってなく、ネット上でも沢山の蟋蟀のデータを調べましたが、姿が似ているものは鳴き声が違っていたり、鳴き声が似ているものは体長が異なるなどどうしても名前が分からず、どんなことにも白黒が必要な私の困った性格からして随分と歯痒い思いをしています。末尾の写真をご覧になり名前をご存知の方は是非教えて下さい。
何時までも過保護もいけないし世話も大変なので、今月に入って一回目に生まれたのを二槽蓋を取って雑草だらけの庭に横向けに置いて見ました。朝の内は新聞紙の我が家の居心地が良くて、閉じこもっていましたが午後から怖々と周囲を探索するようになり、今では夜まで帰らずに遊んでいるようです。
ひょっとして来年は庭にバッタが居なくなった(キリギリスの餌に掴まえました)代りに蟋蟀だらけで困ることになるのでしょうか、それでも良いかと思っています。何故ってこの蟋蟀の鳴き声は聴いていて心の安まるとてもいい音色ですヨ。来春は庭に蟋蟀専用のレタスでも植えましょうか。
毎年楽しみにしている宿根草“ひるがを”の葉っぱが食べられて咲かなかったりして…(;;)

長く美声を聴かせてくれたキリギリスも先月半ばまでに次々と天国に召され、現在は雌一匹が蟋蟀と同じメニューのペレットとキャベツを食べて頑張って生きています。
産卵したのかどうか結果は来春までのお楽しみですが、何処(いずこ)も同じで雌の生命力の強さにはつくづく驚かされますね。
風邪をこじらせたのか、永く体調が悪くWEBの更新が遅れたことをお詫びします。


一回目に生まれた蟋蟀が成人?した姿です。左のは産卵管がありますから雌ですね?
右のは雄です。傍の小さいのは二回目に生まれた奴です。


2001.10.14

対岸の火事だった筈の狂牛病が、実はとっくの昔に自分の家に火が付いていたなんてことになり大騒ぎになっていますが、農水省や厚生省の役人はこれまで一体何をしていたのでしょうか。
英国政府が狂牛病は人間に感染すると発表してから既に5年が経過しています。当時農水省のとった措置は英国からの食肉や牛の食べる肉骨粉の輸入を禁止したことだけでしたが、肉骨粉は焼却に費用を要するためEUなどを迂回して何処かへ輸出されるであろうことは常識で考えても当然のことでしたし、畜産農家は牛だけでなく豚や鶏なども飼育していますから豚などの餌が餌容器等を経由して牛の餌に混入させないことの方が至難の業の筈ではないでしょうか。 (尤も狂牛病が豚や鶏などに移らないとは将来の保証は何もありませんが) 然し我が国ではそれらの問題に何らの考慮もされず、然かも農水省の出したものは違反しても何の罰則もない通達だけでしたから、その後8000頭もの肉骨粉を食べた牛が見つかったとしても少しも不思議ではありません。分かっていながら水際で輸入を防げなかったこの農水省の怠慢と失態には呆れるばかりです。
その間、日本が欧州委員会に狂牛病発生危険度の分析依頼をしておきながら、カテゴリーⅢ(未確認だが危険性あり乃至は若干の危険性確認済)に認定されたとたん、危険度評価から脱ける通告をEUに対して出しEU側を呆れさせ、その後も『日本も狂牛病の危険がある』とのEUからの警告を黙殺するなど厚生省を巻き込んでの狂牛病隠しは目に余るものがあります。
“A級戦犯”と名指されている当時の畜産局長であった熊沢英明は今や事務次官にまで出世し、“決定は全て国際基準に照らして行っていた”と嘯いています。
然かも、最近の農水省の発言を聞いていても全てが一時凌ぎのでたらめばかりあり、どれが本当でどれが嘘なのか我々国民にはまるで分かりません。
まず、狂牛病の疑いのある牛は既に焼却処分されたと畜産部長が発表したのが9月10日、そして9月12日に狂牛病の牛が飼料にされた事実が千葉県から農水省の畜産部にFAXされていたことが明るみにで、急遽牛は焼却されずに飼料の肉骨粉に加工され既に流通過程に入っていると発表し、報道関係者から問い詰められて“廃棄処分”を“焼却処分”と勘違いしたと言い繕い、千葉県のFAXは農水省の職員が放置していたので幹部は知らなかったなどと苦しい言訳に終始していますが、盗人猛々しいとはこんなことを言うのでしょうか。
“アエラ”誌によれば、農水省は生産者を守るために狂牛病に関する学会の発表にまで圧力をかけるなどその正体は我々日本人の“命”などでなく、政官業癒着の利権体質を守ることが目的であり、自分達の業界だけ良ればそれでよい反社会的存在だと結論しています。アエラ編集長が16年前に農水担当の記者だった頃、当時の次官のアイデアで省内に“消費者の部屋”という小さい1室ができたそうです。『今思えばその部屋以外は全て“生産者の部屋”だったろう』とは編集長らしいきついジョークですね。
然し、考えてみれば確かに食肉の業界は、日本では昔から別世界であり、同和関係者だけにしか参入できない特殊な社会ですから難しい面が多く、従って族議員も少なくなく農水省も食肉に限って別扱いせざるを得なかったのでしょうか。
我々税金の世界でも各国税局に必ず“同和対策室”が設けられており、同和絡みの税のトラブル処理を司っている処からも、役人が同和に対しては特別扱いしていることがよく分かります。
農水省も同和対策室を作っていることでしょうね。差詰め農水省の畜産局が別名“同和対策室”だったりして…。
“食”の現状を見れば、これまでの農水省の犯した愚かな行為は自らの行き着く目的とは裏目にでて、逆に食肉業界を追い詰め、不透明感が溢れる情報の中で主婦の肉離れが一段と進み、利益率、金額ともに高く看板商品であるべき牛肉が客に見離されたホテル、レストラン共に青息吐息であり、外食産業も一度倒産後再建した牛丼の吉野屋が他の同業者に引きずられて最後にやっと280円に値下げした挙げ句がこの人災による客離れでは最早助からないのではないでしょうか。
各新聞の投書欄を見ても、“官僚の危機管理能力のなさが情けない”、“行政の対応のお粗末さが消費者だけでなく産地をも窮地に追い込んでいる”、“役所は肉は安全と言っときながら学校給食の肉を中止するなど言行不一致で信用できない”など痛烈な役所批判と共に正しい情報の提供を望む声が圧倒的でありましたが、一度狼少年になった農水省ですから、事務次官を懲戒することは言うまでもなく、徹底的に物流の経路を明らかにした上で、厚生省共黒白をはっきりさせ国民に信を問うべきでしょう。
皆様は今日の朝刊で一面広告となった “米国では狂牛病は一例も発生していません”で始まる米国のプロパゲーションをご覧になられましたか。
米国大使館、米国農務省のお墨付きで米国食肉輸出連合会が打った日本食肉業界への派手な挑戦であり、我が国の食肉行政のもたつきと消費者の混乱に漁夫の利を得ようとした目聡い商法です。輸出の低迷と輸入の増加で1984年来続いた我が国の貿易黒字が本年の年末には赤字に転落することが必至と見られていますが、これで“とどめ”を刺されることになるでしょう。

イチロー選手が遂にメジャーリーグでの首位打者と盗塁王を獲得しましたね。
当初はレギュラーとして出場させて貰えるかどうかくらいの期待だったのですから、国民栄誉賞ものでしょう。リーグ終了後は夜7時のニュースを見る楽しみが失われ晩酌の“白鹿”が美味しくありません。何故なら出てくるニュースは不愉快なアフガンへの攻撃のことばかり、ブッシュさんテロは戦争ではありません。民間人が殺されたからといって、民間人を殺しても良い理屈は通りませんよ。その内世界中がブッシュさんの行き過ぎた行為に批判の目を向け、ブッシュ大統領は四面楚歌に追い込まれて行くことになるは必定です。


2001.10.7

今日の6チャンネル女子プロゴルフで昨年秋プロ入りしたばかりの無名の山口裕子選手が二位と1打差の9アンダーで初優勝しましたね。25歳とは到底思えず何処から見ても野球帽と白いパンツがよく似合う15~6歳の少年としか見えない一重瞼のボーイッシュな選手であり、顔立ちは名前も同じであるタレントの田中裕子そっくりでした。
ゴルフ番組は何時も見ている訳ではなく、無名選手が初優勝に手が届きかけたとき見るくらいですが、山口選手がプレッシャーに負けず優勝して一番喜んだのは誰かというのが今日のテーマです。
私はこれまで40数年前に囲碁の地区大会で数回優勝した経験しかありませんが、決勝戦のプレッシャーというものは大変なものであり、真に戦う相手は碁盤の前の相手より自分自身であることをよく経験しております。
勝負というものは、まず己(おのれ)に勝てずして相手に勝てる道理がありません。
優勢になればなるほど重くのし掛ってくるプレッシャーに耐えて己に勝つのは容易ではなく、トップとなって迎えた無名選手の最終日を私が好んで見るのは、この選手がどう己と戦って行くかを見たいがためです。
山口選手の優勝インタビューで、観客として娘に内緒で応援に来ていたお母さんが『娘に怒られる』と必死で拒み逃げようとするのをディレクターに無理矢理強引にテレビの前に引っ張り出され、母子抱き合って泣くシーンがあったりしてテレビ局の“やらせ”に思わず貰い泣きしてしまいましたが、勿論お母さんは誰よりも嬉しかったと思います。然しもう一人山口選手にどうしても優勝して欲しかった人が居る筈です。
それは2位に2打差をつけてトップを走っていた山口選手が15番のミドルホールでティーショットを打とうとした瞬間、不運にも携帯の受信音が鳴った一人のギャラリーです。
トップオブスイングでの“ピーポピーポ”ですから山口選手は精神集中の真只中が吹っ飛び動揺した結果、体勢が崩れ片手打ちとなってボールは無情にも右のラフへ飛び、グリーンが狙えないため、2打を刻んでボギーとし、2位に1打差と迫られたのです。
大相撲なら“待った”が許されるでしょうが、ゴルフはどんなことがあっても“待った”は許されません。
1打差と2打差は月とスッポン程の違いがありますが、山口選手はこんなアクシデントにも関わらず、携帯のギャラリーに対し不快感を表す訳でもなく平然とプレーを続け、残る3ホールを心臓をパクパクさせながらではあったでしょうが、必死のパーで凌いで優勝できたことは彼女が己に打ち勝ったことを立派に証明しましたが、並の選手ならショックから立ち直れず、その儘ガタガタと崩れてトップテンも維持できたかどうかではなかったでしょうか。
後で知ったのですが、彼女はゴルフアーになる前10年間ソフトボールの選手だったそうですから己に勝つ勝負勘は既に充分会得していたものと思われます。そして全てのギャラリーは携帯の電源を切るように注意されているにも関わらず、切ってなかったこの不届きなギャラリーはゴルフ場や大会関係者から怒られるばかりでなく、どうかすると山口選手から訴訟を起こされる羽目になったでしょうから、誰よりもメチャ嬉しかったことでしょう。
何しろプロツアーで初優勝となると、優勝賞金(1080万円でした)よりも、翌年度のシード権(全試合に出場できる権利)が得られるため、計り知れぬ値打ちがあるのです。
因みに女子プロの数は2000人以上もおり、一試合に出場できる選手は100名くらいですからシード権が如何に値打ちがあるかお分かりでしょうね。

処で、愚かな小泉総理がテロ事件の見舞金としてアメリカに手渡した10億円は一体誰のお金でしょうか?700億円の赤字を抱えた上での国民の負担増をどう考えているのでしょうか。又、自衛隊を派遣するために新しい法律をつくるなど、小泉総理はまるでブッシュさんの“太鼓持”ではありませんか。その昔、当時の首相佐藤栄作が青島 幸男参議院議員に“財界の男妾”と揶揄されたことがありましたが、さしずめ小泉総理はアメリカの男妾と言ったら良いのでしょうか。
アメリカは日本を同盟国だと口先だけ言っていますが、戦時補償は講和条約で決着済だとサンフランシスコで敗訴していたにも関わらず、最近のアメリカ国内で相続いている戦時補償の要求や訴訟そしてそれらを正当化せんがための法律案の提出などアメリカが日本叩きに総力を挙げているのが小泉さんには見えませんか。ついこの間もタイヤメーカーが1050億円和解金を支払はされるなどこの10年間で日本が“かつあげ”された金は1兆円を遙かに超える金額に上ります。万一戦時補償を認める法律が成立したら一人当たりの賠償要求額は一兆ドルにもなるそうです。中国にむしり取られたODAが多い多いと言っても20年間に6兆円ですから、これでは日本国は破産するしかありませんね。
戦争とテロは全く異質なものです。国家が関与せずして何が戦争ですか、ブッシュ大統領の考えは根本から間違っています。それにも気付かずに小泉総理が自衛隊を派遣させようとするなど言語道断です。安岡正篤先生亡き後はもう誰も血迷った総理に諫言する者はいないのでしょうか。どうしても派遣させたいのならアフガンの難民の救済ではどうですか。それなら法律の改正は要りませんヨ。


2001.9.27

最近我が国の深刻なデフレに加えて国際テロ事件の勃発と世界中が段々歪んできましたね、それでなくても普段から苦虫を噛み潰したような顔をしているからでしょうか、苦笑いでも何でも笑はないと精神衛生上よくないと主治医の先生に言われて居り、ここんとこ努めて笑うことに心掛けていますが、見ること聞くこと何もかも腹の立つことばかりで世の中儘なりません。
土曜日の午後、仕事が暇なときはインターネットで碁を打っていることが多いのですが、対局中はBGM効果で何時もNHKの『土曜ほっとタイム』を聞くことにしています。先週も打ちながら聞いていたら或る母親からの投書が紹介され、それを聞いて思わず噴き出してしまい久し振りに大笑いをしました。他人(ひと)の不仕合わせは下賤な下々(しもじも)にとって何故か楽しいものですが私のようなひねくれ者には特別なのです。
何でも、小学二年生のお嬢さんの夏休みの宿題の中で“絵”が今ひとつ上手くできず、幸いにもこのお母さんの父がプロの日本画家だったので“わけ”を話して代作して貰い、二学期になり勇躍学校へ持参したら、ナント!先生の採点は他の宿題の採点同様“2”だったとか、このお母さん思わず頭に血が上り何も分からなくなったのでしょうが、先生に文句を言って行く訳にもゆかず、憤懣やるかたない思いを何処にもぶつけられなくて匿名でNHKに投書されたものと思われます。
碁でも三子以上技量が違うと下手(したて)は上手(うわて)の技量が理解できないと謂われますから、高校の美術の先生でもない限りこの先生の審美眼を責めるのは少々酷なのでしょう。
勿論、この先生に“絵を見る目”が足りなかったことは誰もが認めるところですが、然し先にルール違反したのはこのお母さんですから先生の採点はやっぱり適正だったでしょうネ。
もし真相を証せば、先生に『貴女のお嬢さんに描ける筈がない“絵”だから“2”にしました。本当は“1”にしたかったのヨ。ホホホ…』と開き直って嗤われ、もっと落ち込むことになるのはこのお母さんなのは必定だったでしょうから…。
でもこのお母さんプロのお父さんから宿題の結果を問われてどう答えたのか聞きたかったですネ。それよりも二年生のお嬢さんにどうやって“2”の言訳をしたのでしょうか。『きっと“5”を貰えるヨ』なんて先に言っていたりして…。
容易に採用して貰えないNHKで投書が放送されたことが“王様の耳はロバの耳”効果と気を取り直し、心ならずも狼少年になっってしまったこのお母さんの一日も早い立ち直りを祈るばかりです。

可哀相にあの“つちのこ”が死んでしまったそうですね。野原で機嫌良く野鼠など食べていたところを別人?と見誤られて捕まえられ、大嫌いな人間共の見せ物にされ、極度のストレスの結果なのでしょう。
しかも専門家?の鑑定は“つちのこ”ではなく“やまかがし”だったそうです。少しばかり姿が変っていたばかりに、この“やまかがし”には気の毒なことをしてしまいました。
彼は今度生まれ変わるときは“なみの姿”で!と心に堅く誓ったことでしょう。
発見者に土地300坪の話はオジャンだったのでしょうから美方町も罪なことをしましたね。
一番安堵しているのは岩波書店でしょうか。

合掌


2001.9.13

キリギリスの餌用としてペット屋さんから“こおろぎ”を買ってきましたが、“チチチチ”(よく聴くと“チリリンチリリン”でした)の鳴き声を聴いてしまったお陰で“仏心”が出て気が変わり、我が家の“昆虫ペット”の仲間入りをしたことは前々号でお知らせしましたが、その後信じられない出来事が続出し、これこそ“Providence”か!と神の御心を疑うことのできない事実に直面したので皆様に是非聞いて頂きたいと思います。
それは“こおろぎ”が我が家の一員となった三日目位だったでしょうか、愚娘がやってきて二日程前に私が二歳の孫娘に与えた“かたつむり”の飼育箱を見せ『お父さん、この箱の中に“こおろぎ”の赤ちゃんみたいなのが一杯いるヨ!』と言うのです。
『ウソ!』と言いながらも目を凝らしてよく見ると、成る程2-3ミリ位小さい蟻のようなものが沢山飼育箱の底に敷いた腐葉土の上を走り回っているではありませんか。
“ごきぶり”の子供じゃないの?との意見まで出ましたが、愚娘は羽のまだ生えていない“こおろぎ”だと言い張り、そう言われればそのようでもあり、もう少し様子を見てみようと思ったのですが、世帯主の“かたつむり”が迷惑そうにしており、入れてある紫陽花の葉っぱも食べないで天井にへばりついて動かない有様です。仕方がないので“こおろぎ”の赤ちゃんらしいものを腐葉土ごと雑草の庭に離してやったら、あっという間に何処かに散ってしまいました。
何故そこに“こおろぎ”なのか?と不思議でならなかったのですが、夕方何気なくうちの家族となった“便所こおろぎ”のアクリル容器を家の中に入れようとし覗い見てアット仰天!今朝方見たのと同じ“こおろぎ”の赤ちゃんらしいのが水槽の中を走り廻っており、“便所こおろぎ”も迷惑そうで隠れて出てきません。『エ!何で!』混乱した頭をひたすら冷静に保って考えること十数分、漸く双方の共通点に“秘密”が隠されていることに気付きました。それはどちらも園芸屋さんで前の日に買った一袋の腐葉土を使っていたからだったのです。
察するに恐らく昨秋何処か田舎の園芸資材工場で“こおろぎ”がいい場所だと思い腐葉土に産卵していたのがそのまま袋詰製品化されて一年を経て秋となり孵化時期を迎えたからでしょうが、それにしても孵化してみたら袋の中だったら食べるものも水もなく餓死するしかないところを幸運な“こおろぎ”でした。正に“神意”天佑とでも言うべきでしょう。
いや、それともキリギリスは冷夏の年は孵化せずに翌年まで待つことは本で読みましたからこおろぎも卵が本能的に孵化環境になるまで何年もじっと辛抱していたのでしょうか。
然し、生まれたこの赤ちゃん達はまだ大きさが“便所こおろぎ”の1%もなく、これからどんどん気温が低くなって行くのに成虫になり交尾し産卵に間に合うとは到底思えなくて心配でならず、越冬こおろぎなど聞いたこともないので、早速図書館へ行って昆虫検索図鑑などをいろいろと調べたのですが、こおろぎの種類は6ミリから4センチまで10種類以上もあり、生育温度は15度までとかロクなことしか書いてなくまるで見当もつきません。
副産物で只一つ分かったことは、“便所こおろぎ”の本物は実はこおろぎではなく、最近は見掛けませんが昔薄暗い玄関の下駄箱などを動かすと隅からピョンピョン跳んででた羽のないキリギリスのような虫がいましたが、この虫のことを“便所こおろぎ”と言うのだそうです。
そして誤解されていたこのこおろぎは“家こおろぎ”とか“竈こおろぎ”ではないかと思われますが標本と細部が違っておりはっきりしません。
ペット屋さんへ詳細を確かめに赴いたら、このこおろぎは熱帯魚のアロワナの餌として養殖されており(ペットだと思い込んでいた私が愚かでした)年中売られているそうですから或いは中国やベトナムなど外国産なのかも知れませんネ。セーフガードが騒がれる昨今です、さすれば腐葉土も同じく外国産の可能性が大ですね、ひょっとして同じ名前のこうろぎだったりして…。
どんな因縁なのか、この“こおろぎ”の赤ちゃん達に巡り会えたのも一つの縁(えにし)でしょうから、取り敢えずこれからの数ヶ月保温に注意して大切に育ててみたいと思っていますが、現在100匹以上も、大きい“こおろぎ”と同居しているので、大きくなったら彼等の“住まい”をどうしたものかと思案投げ首です。
食事は“便所こおろぎ”に与えているレタスと金魚の餌のペレット(煮干しは手間なので変更しました)をお相伴していますが、生活空間は何故かティッシュペーパーが好みで羽毛布団に乗っかってるといった風情で上がったり降りたりして楽しそうに遊んでいます。【写真参照】
今後の成り行きについては次号以下をお楽しみに…。
極上の羽毛布団?

ハイジャックしたエアバスを使ってのペンタゴン爆破テロ事件には日本中が仰天しましたね。
映画の爆破シーンそのものであり、エアバスが風を計算してのドローボールで直撃などは、映画でよくあるカットフイルムの繋ぎ合わせを見ているようでした。
完全なプロの仕業であり、まるで“ゴルゴ13”を見ている思いです。自身が狙われているブッシュ大統領は100億ドル払ってでも“Mr.デューク トーゴー”にテロの犯人を始末する依頼人になりたい心境でしょう。
大リーグの中止が続いていますが、疲労から二試合ヒットが止まったイチロー選手にはいい休養になったのではないでしょうか。


2001.9.3

元近畿郵政局長高祖憲治の参議院議員選挙違反事件は、組織ぐるみの選挙違反であることが発覚し、役人のトップが15人も逮捕され、後は高祖議員の関与立証に向けいよいよ佳境に入って参りましたが、警察庁の調べでは官主導で作られた全国特定郵便局長会(“全特”というそうです)の指示で全国で18,800人もいる特定郵便局長一人につき60票のノルマが課せられ、これは100万票以上取れないと小泉政権誕生による郵政民営化が阻止できないのではとの危機感から行われたものだそうです。
実際にはこれほど徹底した選挙運動にも関わらず候補者の知名度の低さや後に述べる特定郵便局長の反乱?おまけに候補の名字の難しいことなどで高祖議員は48万票しか取れず(姓が山本なら100万票とれたか?)おまけに野党からは辞職勧告まででる始末、比例区ダントツのトップ当選の予定がこの有様では足下に火がついた状況に追い込まれていますが、何故に“全特”が違反を犯してまでかくも票集めをせねばならなかったのか、そして何故目標の半分も票が取れなかったのか、その謎に迫ってみたいと思います。
これまで“全特” なるものが特定郵便局の家族やOBなど30万人近い所帯を利用して“大樹会”という名の任意団体を組織し、特定郵便局を護るためという美名の許に、その団結力と集票力でその実“官”の思うが儘に操られてきましたが、今になって“全特”が局長達の味方ではなく“官”の廻し者であったことに局長達が気付いたからです。
最近評判になっているのは、2003年の郵政公社設立と同時に廃止されることに決まった特定郵便局がお上から頂戴している“つかみ金”と謂われ年に990億円も交付されている渡切費ですが、(局長さんの数は18,800人でしたから一人幾らになるか計算は簡単ですね)これだけでは局長さんは“全特”に感謝こそすれ文句を言う筋合いは少しもない筈ですが、“官”のやることは巧妙であり、日本経済新聞の調査では局長さんの給与から選挙違反者に対する“犠牲者救済基金”とか言う怪しげなものを年数回天引きされ、更にこのお金が選挙違反者に配られた形跡もなく、又“全特”の収支計算書のどこを見ても記載されて居ないのだそうです。
或る局長さんの話では、選挙の裏金や政治家への献金で消えたのではないかと怒りを隠そうとしません。どうやら一説にはこの資金はナント!過去30年間に100億円近くになるそうですヨ。
“官”も領収書の要るおもて金(つかみ金)を渡しておいては、“全特”を利用して給与から裏金の天引きなどと、”飴と鞭”の使い分けは流石ですね。年度末になると急に予算の消化命令が出て、定額貯金のお客様への粗品に使うタオルを向こう10年分も買う羽目になるそうですし、今年の四月から情報公開法が施行され渡切費の実体が明るみに出て、飲食費や栄養ドリンク剤の領収書がわんさかと見付かったとか批判がわき起こりました。これでは局長さんも喜んでばかりも居られません。必要な経費だけはっきりと請求するほうがすっきりして良い、渡切費を貰って私費で“官”の裏金環流に協力するのは正しくないと襟を正そうとする局長さんが増えてきたことが今回の屈辱的な得票の背景でしょうか。
親方が同じ財務省の銀行と違って、郵政は貯金の税務調査に非協力的ですから、国税庁も面白く思って居らず、チャンスがあれば“渡切費は局長さんの給与だ”と認定しようと狙っているでしょうし、そんなことになれば源泉所得税はおろか、住民税から共済年金まで毟ってゆかれますから堪ったものではありません。
然し局長さん達には渡切費は何より有難いし、例え裏金で環流させられても表向き“全特”に逆らえない次のような理由があるからです。
特定局の局長さんに給与や賞与が出るのは何故か局長さんだけ国家公務員になっているためですが。不思議なことにこの局長になる採用試験を受けるには特定局の局長さんの推薦がなければ受けられないことになっていますよ。
“え?なんで?”そうなんです。特定郵便局の局長さんは外務省同様、実は世襲制なのです。子供がなければ甥っ子姪っ子に譲ってやれますね。それもなければ、ン十年間毎月ン十万円裏金を貰う約束をしてから、推薦したりして…
“全特”の力の凄まじさは世襲制などの横紙破りは朝飯前であり、税金面でも存分に発揮されています。私は皆様ご承知の税金屋ですからおかしな措置法ができれば“ハハン?族議員の仕業だな”と分かりますが、相続税に於いても租税特別措置法で“小規模宅地の特例”(一定面積まで80%相続税の評価額をまけて貰える)なんてのがありますが、居住用宅地や事業用宅地に混じって国営事業用宅地と言う変なものが10年少し前にできました。何のことか始めはよく分からなかったのですが条文を読んでみると国の事業の用に供される宅地とは【郵政省設置法第6条1項に規定する郵便局で国が設置する郵便局以外の郵便局の敷地の用に供されている宅地に限る】とあり、何のことはない特定郵便局のことを難しく書いただけでした。
相続税の申告の添付書類に地方郵政局長の発行する証明書が要件になっているところから、明らかに特定郵便局だけを対象にしていることが分かります。
法律を作るためには国会で閣議決定せねばなりませんが、法案を上程することも含め、多くの“族議員”に巨額の政治献金が必要だったでしょうから、全特が“元”を取り更に“官”に環流する資金を捻出するためにも民営化に反対せねばならぬ事情は充分に分かりました。ところが民営化してしまえば、990億円は昨日の夢となり、局長さんは何処からも家賃の貰えない、そこらの酒屋さんと少しも変わらぬ只の自営業者となってしまいます。
然しそうなれば“国営事業用宅地”の法律なんかなくても従来からある“事業用宅地”の適用が受けられことになりますから、それでは何のために大金をはたいて“族議員”を動かしてまで相続税法を変えたのか意味がなくなりますものネ。
局長さん達もいつかその辺のことに気付いたのではないでしょうか。
皆様は特定郵便局がその昔“三等郵便局”と呼ばれていたのをご存知ですか?
汽車の三等切符や源氏鶏太の“三等重役”同様、四等はありませんから三等の言葉が決して“銅メタル”を意味するものではなかったことはよくお分かりですね。
“全特”の凄まじいエネルギーの源(みなもと)はまず三等の言葉から脱却するために培われたと考えたのはいつもの“下司の勘ぐり”でしょうか。

株価の日経平均もいよいよ一万円割れが目前に迫りました。腹を痛めた我が子を折檻死させた母親、刃物を持って襲いかかる“気狂い”から児童を護れず我が身可愛さに逃げてしまった小学校の先生、失業率は5%をしっかりとクリアし、赤字を垂れ流し我が国の借金の元凶となっている特殊法人見直しについて全省庁がゼロ回答の見通しとか、我が国は身も心も瀕死の状態に陥っています。
楽しい話題と言ったらイチロー選手大リーグでの活躍くらいですが、大リーグの連中とてアメリカ中が普段目の敵にしている“ジャップ”ごときにタイトル取られてなるものかと既に始まっている死球を初めとして、盗塁時のアクシデント狙いなどあらゆる妨害が激しくなるでしょうから、彼の首位打者獲得は恐らく難しいのではないかと思われます。
いいえ、彼はそれらのハードルを全て乗り越え首位打者に輝くでしょう。
『出る杭は打たれる。然し出過ぎた杭は打たれない!』
これはエンジン計測器では世界で80%のシェアを誇るITの元祖“堀場製作所”の創立者堀場会長の珠玉の言葉です。


2001.9.1

先々月キリギリスの生態に触れたWEBをリリースしましたがご記憶でしょうか。
浅薄な読みが見事に外れた後日談などを聞いてやって下さい。
金魚屋さんで買ってきたキリギリス20匹を雑草だらけの庭に離して大量発生したバッタの駆除係をさせようとしたら、4メートル道路を隔てたお向かいの庭から鳴き声が聞こえてきたところまでお伝えしましたね。
ところがお向かいの庭は樹木だけで庭の手入れが行き届き、草らしきものが生えてないので、引っ越しはしたもののキリギリスも食べるものがなくて弱っているのではと案じていたら二日程してもう三軒向こうのうち同様雑草だらけの空地から数匹の鳴き声が聞こえるようになりホットしましたが、それも数日間のことで、うちの庭に残っている筈のキリギリスも同様に鳴き声が聞かれなくなりどうやら居なくなってしまったようです。
バッタは相変わらずピョンピョン飛び交っていますすから飢死したとは考え難いのですが何故か居なくなりました。
そこで種々考えた結果、キリギリスはうちの庭の雑草の茂みが少なく住み慣れた草原と余りにも環境が異なるため新世界を求めて四方へ散って行ったものと結論しました。その内数匹は幸運にも雑草の空き地に辿り着きましたが、そこも彼等にとって到底満足すべき環境ではなく更に別天地を求めて旅立ち挙げ句が夢が果せず無念の死を遂げることになったのでしょう。
私達の幼い頃は裏の土手などに無数にいて、家の中にまで入ってきて襖に止まって鳴いていたりしていましたが、今の住宅事情では到底彼等の安住する環境は得ることは不可能です。
“やはり野に置けれんげ草”の喩え通り、自然の中で自由に生きているものを可哀相なことをしたと後悔しましたが、彼等20匹は元々金魚屋さんから何れは誰かに買われてゆく籠の鳥ならぬ籠の虫の運命(さだめ)にあったのだから、数日でも故郷に近い環境で過ごし、更に自らの力で獲物である”バッタ”を手に入れることができたことを感謝されているのでは?などと勝手な理屈を付けて自らを納得させようとしましたが、キリギリスの寿命を縮めたことには違いなく、後ろめたい思いに駆られ罪滅ぼしに一念発起し、キリギリスの生活環境を再構築し、せめて野生のものより一ケ月でも長生きさせ更に子孫を残してやろうと考え、先月の初め朝霧歩道橋事件犠牲者のお参りも兼ねて元の事務所のあった朝霧の大草原まで、キリギリス捕りに一年生の孫を連れて出掛けました。
隻眼の私を助けてくれた孫の予想外の活躍もあって運良くオス4匹とメス3匹を捕まえることができたので、以前メダカが住んでいたアクリル水槽に腐葉土などを敷き、産卵孵化を兼ねた環境造りに取り掛かりました。
数年前孵化させた経験(子供の数は意外に少なく5~6匹です)があるので、交尾さえしてくれたら自信はあるのですが、雌がお尻から白い大きな泡を出しているのに、雄はその気にならないらしく、未だ泣き続けているので或いは相性が悪いのでしょうか。もう一月近くなるので気を揉んでいます。
餌については長丁場となることだし、詳しく調べようと思っていたら、たまたまNHKの”夏休み子供相談”でキリギリスの飼育について小学生からの質問があり、専門の先生の懇切丁寧な解答が大いに参考になりました。
先生の答えは、キリギリスは前足にギザギザが沢山あり、これは”こおろぎ”などの虫を掴まえて食べるために必要であり、胡瓜や玉葱だけ食べているわけではないと言われ、更にこおろぎはペット屋さんで売っていますよと言われるのです。これは初耳でした。
考えれば痩せぽっちの三角バッタよりこおろぎの方が柔らかくて食べ応えがあるのは当然であり、昔も三角バッタよりイナゴの方がキリギリスの食が進んだことを想い出しました。
早速何も考えずにジャスコのペット屋さんへ行ってこおろぎを50匹(1匹20円もしました)買ったのですが、帰宅途中袋の中のこうろぎがチチチチと鳴いてるではありませんか。この鳴き声を聞いては心優しい私(どこが!)はこおろぎをキリギリスの餌にしてしまうのがすっかり可哀相になって気が変わり、孫のカブトムシの容器を貰ってきてこうろぎまで飼う羽目になりましたが、今度は彼等の餌の心配までせねばならず、暑い夏の朝晩汗だくで試行錯誤の結果、結局今ではキリギリスもこおろぎもご飯は使用後の煮干しのほぐしたものとレタスに決まり、キリギリスはきれい好きなので毎朝こまめに餌の残りを取替えて清潔を心掛けています。そしてキリギリスだけに何時の間にか結構大きくなった庭の三角バッタを捕まえては一日数匹宛デザート代りに与えています。キリギリスはお腹が減ると共食いする習性があるので複数を相部屋にすると餌の補給に注意深くならなければなりません。
ペット屋さんはこのこおろぎを”閻魔こおろぎ”だと言いましたが、色も茶色くて黒くなく少しも大きくならず鳴き声も何時までたっても”チチチチ”としか鳴かず”コロコロ”に上達しません。
察するにどうやらこのこおろぎは”閻魔こおろぎ”ではなく、幼い頃庭の薄暗い隅で鳴いていた通称”便所こおろぎ”なのにやっと気付きましたが同じ蟋蟀に違いないし、ま、いいか。
夜になると、保温とヤモリなど外敵から護ってやるため、どちらも室内に入れてやっていますが、彼等は音楽を聴くと決まって鳴き始めます。仲間が居ると勘違いしているのでしょうね。
今も “ある愛の詩”をアンディーウイリアムスで聞きながら主演女優アリ マックグローの鼻の演技を想い出していたら、一所懸命鳴き始めましたヨ。
降圧剤を止めているせいでしょうか、血圧が少しも下がらず、高止まりしています。
辛口オピニオンは今週もお休みさせて下さい。
産卵管を持っているのが雌です


2001.8.18

先週音楽に触れたついでに今日は肩の凝らないクラシックの話をしましょう。
NHK-FM放送の午後二時からはクラシックが定番となっていますが中でも毎週金曜日に放送される“おしゃべりクラシック”は、他の日とちょっと毛色が異なり、視聴者からのリクエストなどクラシック名曲を紹介しながらいろんなエピソードを披露する番組ですが、音楽との接点は奥さんが元歌手(榊原郁恵)だったくらいでまるで場違いかとも思える司会の渡辺徹の明るいキャラクターが意外とファンに受け、一部のオタク人間のものであったクラシック番組を私のようなクラシック音痴にまで振り向かせてくれた珍しい番組です。
初代ピアニスト熊本マリに始まり、ピアノの伊藤恵、チェリスト向山佳代子、ソプラノ沢畑恵美、マリンバの神谷百子そして現在はチェリストの長谷川陽子とそれぞれ一流のソリストを一年宛アシスタントにし7年間も続いている長寿番組であり、AM放送に廻しても充分視聴率が稼げると思える程人気の高い番組ですが、人気の秘密はやはり司会の渡辺徹の得難いパーソナリティーとオタマジャクシを食べているのではと思えるほど音楽知識が豊富な異色にして豪華なアシスタント陣でしょう。
アシスタントは全員頂点を極めた方ばかりですからそれぞれが個性豊かで流石の渡辺徹もたじたじとなる場面も多く、それぞれ聞き応えのある楽しいものですが、中でもソプラノの沢畑恵美は、職業柄声が美しいのは当り前としても、その笑い声が堪らなく素晴らしく、私は生まれてこのかたこんな素敵な笑い声の持主に出逢ったことがありません。一日中でも聴いていたいと思える程震えるくらい心地よい笑い声です。
“可笑しな奴じゃ”と思はれるでしょうが、こんな想いを持っている人が私以外にも多数いることを先日のアシスタント総出演の同番組でご本人の口から聞かされました。
各地のリサイタルに行く度にファンの人達から言われるそうです。そして笑う度に『あ!それそれ』。
私は“笑い声音痴”でなかったことを誇らしく思っています。
ラジオ番組のため不幸にしてお顔は存じあげませんが、佐藤しのぶ風の“コロコロ美人”と想像しています。でも“見ると聞くとは大違い”と昔から言いますからひょっとして“ブス”だったりして…。
この“おしゃべりクラシック”の番組の中で『よく聞くと、ん?何処か似ているぞコーナー』などと言うとぼけた視聴者の投稿欄があり、クラシックの名曲と相似しているポップスの曲などを比較紹介し、その近似度を競うコーナーが人気の目玉商品となっていますが、 “スーダラ節”とバッハ作曲“トリオソナタト長調”など、並べて聴かされて初めてその似ていることに気付き驚くものが多く、先日の一般公開生放送で、これまでに紹介された優秀作品の数々を披露しその中からナンバーワンを観客の拍手の数で決めることとなったとき拍手が一番多かったのは、ナント!ドボルザークの弦楽四重奏曲“アメリカ”の出だしと、コンビニに入るときに鳴るドアチャイムの“ピポピポピポピポ”であったのには、その着想の奇抜さと斬新さに思わずうなってしまいました。
コンビニのドアチャイムは別格としてもクラシック番組で“スーダラ節”が聞けるとは思っても見ませんでしたが、音楽の原点は全て同じなのでしょう。
皆様もたまには刺々しい世相を離れてクラシックの世界でも如何ですか。
暑さのせいか最近血圧が異常に高く、そのためいつもの辛口オピニオンを一休みさせて頂きました。


2001.8.13

恥ずかしながら戦前生まれの私の人生は戦中戦後と生きていくため食べることが全てであり、学校でも予科練帰りの先生にどつかれるだけで情操教育など受けたこともなく、勉強は疎か芸術文化と言えるものにはまるで無縁の世界を辿って生きて参りましたが、何故か音楽だけは軍歌からポップス、クラシックに至るまで生きてきたその時代を郷愁を持って想い出させてくれるものであり、“歌は世に連れ、世は歌に連れ”と謂われる所以でしょうか歌や曲を聴く度に帰らぬ過ぎし昔の日々を懐かしく偲び、その度に掛替えのない人生であり乍ら切磋琢磨を怠り無為に過ごした悔恨に苛まれますが、現在の私を生かして呉れているのは間違いなく音楽に違いありません。
何時もと違って何でこんな話になったのか、その原因は昨日のNHKの番組でした。
夕べの食事の一刻をいつものようにNHKのニュースを見るつもりが、日曜日のため特集番組であり、お酒の“あて”のつもりで何気なく眺めていたら何時とはなく画面にぐんぐん引き込まれて行きました。
それは“望郷のバラード”で有名な異色のヴアイオリニスト天満敦子さんが母校の小学校を訪れ、六年生一クラスの子供達に課外授業としてヴァイオリンに翔ける自分の想いを切々と語りかけるものでしたが、彼女は有名人にあり勝ちな気難しさや尊大なところなど欠片もなく、ただのそこいらの小母さん風であり、自身の体験談を三歳までおむつがとれず言葉も『アーウー』しか喋れなかったことや、家が貧しくピアノが買えなかったため、六歳の時お母さんに安物のヴァイオリンを買って貰い毎日朝から晩まで弾いていたことや、小学生のときNHKの“ヴァイオリンのお稽古”に出演し講師の江藤俊哉先生に『ヴァイオリンは我流で下手だがこんなに嬉しそうに弾く子も珍しい』と言われて、音楽家になる決心をしたとか色んなエピソードを面白可笑しく話して子供達の肩の力を抜かせ、ヴァイオリンなど触ったこともない子供達が彼女の『三日で“埴生の宿”が弾ける!』の魔術に乗せられ、あの難しい曲を全員が鎖骨と顎で楽器を支えるところからのスタートで本当にたったの三日間の努力で全員が人前で立派に演奏を為しうることができたことを伝えた30分番組でした。
天満先生の言葉を借りれば、『ヴァイオリンを上手に弾けるために教えている訳ではない、できないと思わずに心を篭めて努力を重ねればヴァイオリンに心が通じることを知って欲しい。そして生涯での小学校の想い出を作って欲しい』
私が感動したのは初めは音も出なかったヴァイオリンを通じて子供達が“為せばなる”ということを悟ったことと、音楽という媒体を通しての真心からの語りかけに対し子供達が真心で反応できたと言うことでした。
天満先生の揺るぎない迸る信念の言葉に子供達が素直に順応しての結果でありましょうが、日本の学校にこんな先生が少しでも居てくれたら立派な次代が育つのになあと心底思いました。
現在の学校教育は自分の醜い心を子供達に悟られないために心の触れ合いなど避ける先生が多く、子供達も心から信頼できる先生に巡り会う機会が殆どないのが現状です。
貴重な体験をした仕合せなこの子供達はきっと生涯この日のことを忘れないでしょう。
何歳になっても“埴生の宿”を何処かで聴けば条件反射で小学校六年生の自分に戻れることでしょう。
音楽というものの力と、音楽が如何に人を心豊かにし、素晴らしい自分の想い出を作っていくものかを考えさせられたひとときでした。

小泉総理が終戦記念日の8月15日靖国を公式参拝すると国会であれほど堅く約束しながら見事に破り、今日13日靖国神社を訪ねましたね。
中国韓国の外圧に屈しての行動でありながら、アジアの平和のために近隣諸国に配慮したなどとよくそんな白々しいことが言えますね。
期待はしていませんでしたが二枚舌は致命傷ですよ。あなたの政治生命もこれまででしょう。政治家を続ければ、これから先ずっと“武士に二言は無かったのではないか、お前さんは信用できない”と言われますよ。
小泉さん、中国韓国に責められるのと、同じ日本人から責められるのとどちらが辛いですか。あいつらはどっちにせよイチャモンをつける気でしょうから、どうして前者を選ばなかったのですか?あなたは日本人ではないのですか。


2001.8.11

ずっと興味を持って見ていましたが、その後ニュースが一向に見あたらず、あのときは本物かどうか専門家達に鑑定を依頼中とのことでしたが、鑑定を依頼された“つちのこ研究会”や“蛇類蛇族研究会”など名前は大層ですが、なにせ誰も本物を見たことがないためよく分からなく鑑定結果が出せないのではないでしょうか。具合の悪いことに当初はビール瓶大の胴体に細い尾がついていて“つちのこ”らしかったのですが、捕まって皆に騒がれたストレスのせいでしょうか、胴が痩せてきて只の蛇に似てきたため、蛇の突然変異だとか言われ出して、初めの内は押すな押すなのマスコミの大群も何時とはなく居なくなってしまったそうです。
仕事も暇だし、今朝気になって美方町のサイトを訪れた処、書き込み掲示板があり、どれも殆どが“つちのこ”のことばかしであり、『卵を産んだのは本当か』とか『正体が違うのが分かっているからここまでひっぱってるだけでは?』から『幼いときよく見たがまるで違っていた!』と言う生々しいものまで、中には『ヒキガエルを食べないのは絶対に“ヤマカガシ”の変異種に違いない、“つちのこ”なら目は猫目でトカゲやネズミを食べる筈だ』と学術的な細に渉ったものまで数ページ延々と続いていましたが、美方町役場産業振興課(“つちのこ”はこの町にとっての救世主的存在なのでしょう)はこれらに対し、7月初旬に8月25日に鑑定所見が発表する予定だと書き込んだきり沈黙を守っていますが、どうやらつちのこ探検事務局も当初の『蛇でなければ“つちのこ”』の意見を翻し、新種の蛇なら美方町が“つちのこ”と名付けるとトーンダウンしていますが、一体例の発見者に土地300坪贈呈の件はどうなるのでしょうね。
新種の蛇に“つちのこ”の名前をつけたからと150坪に減らされたりして…。

8月15日まで後4日です。終戦記念日に靖国神社に公式参拝するときっぱり断言した小泉総理は『熟慮する』とか態度が微妙に変化してきましたね。
小泉さん“武士に二言”はありますまいね。今になって中国や朝鮮が恐いからと約束を護らないと、日本国民全員を貶めたことになりますよ。
A級戦犯とは極東軍事裁判に於て戦勝国側が勝手に決めたものではなかったのですか。大東亜戦争に無理矢理日本を引きずり込んだ挙げ句が軍事裁判のために『平和に対する罪』とか『人道に対する罪』とかの新しい法律を作り、国際法を無視して連合国側のみの裁判官による裁判の結果、死罪とされた人達であることを皆様よもやお忘れではないでしょうネ。
真のA級戦犯が居るとすれはそれは『けだもの(Beast)を相手にするときは、けだものとして扱はねばならない』と言って国際法を無視し広島長崎に原爆を投下し、多くの市民を殺傷したトルーマンアメリカ大統領ではないのですか。


2001.7.29

朝霧歩道橋の事件は傍で10年も暮らした一人としてなんともショックでした。
連日新聞やテレビで警察や消防や市役所の無責任な心ない対応と罪の擦りあいが報道されていますが、昨日明石市民病院で、生後5ケ月の赤ちゃんが両親の必死の祈りにも関わらず儚い命の灯火を消し天国に召されましたね。ご両親にはお気の毒ですが、生後5ケ月の赤ん坊を花火大会に限らず、人混みの中へ連れてくること自体が余りにも非常識ではありませんか。
5ケ月では首が据わったかどうかで、微かにものが見え親と他人との区別がつきかけたくらい花火など赤ん坊にとって恐ろしい音響以外の何物でもありません。
私も孫が一歳くらいの時でしたが近くの海神社でお祭りがあり、花火も浜辺で打ち上げられていましたが、花火のドーンドーンの音がする度に、孫はビクッビクッと驚き、終いには泣きだしたのをよく覚えております。家の中に居てさえこんなですから、赤ちゃんの臨場での恐怖は如何ばかりだったでしょうか。
最近では家族が核家族化し、お祖父さんお祖母さんの助言が貰えなくなったせいなのか、祖父母が居ても助言を聞かずに自分本位に刹那的に行動する世代になってしまったのか、人災の原因はお役所だけではなさそうです。
ゼロ歳赤ちゃんは他にも沢山きていたらしく、3日前のA紙の“声”欄に載せられた投書を読んで私は開いた口が塞がりませんでした。
投書は若いお母さんからのものでしたが、ナント!はるばる生後5ケ月の赤ちゃんと二人で富田林から花火見物に来て、帰るとき歩道橋が一杯だったところを、見知らぬ女性(女神か)に声を掛けられて手を引いて案内され暗い二号線をテクテクと1キロ戻って大蔵谷の山陽電車に乗り11時過ぎに家に帰りついたとか、知らない女性への感謝の気持ちが投書の内容でした。
事故に遭わなくて仕合せだったと思いますが、このお母さんは一体何を考えているのでしょうか、花火で5ケ月の赤ん坊が喜ぶとでも思ったのでしょうか。女神に巡り会わなければ一つ間違えば悲劇が待ち受けていたやも知れず、幾らお母さん自身が花火が好きでも嬰児の歳を考えれば、自重するか、行くにしても赤ん坊を近所の親戚か知り合いに預けるくらいの智恵が働かなかったのでしょうか。

朝霧と言えば、私の事務所の裏にゴルフ場くらいの大草原があり夏になるとキリギリスの大合唱が聴かれますが、私は幼い頃からキリギリスが大好きなので、捕まえてきては事務所のブライダルベールの叢で放し飼いし、翌年子供が産まれたりしたことがあったのを想い出しました。
最近の余りの暑さでキリギリスの鳴き声が聞けたら少しは涼しくなるかと思いましたが朝霧まで出掛けるのは億劫だし近くの金魚屋さんで20匹程買ってきて(1匹600円もしました)雑草だらけの庭に離したら、皆から鳴き声で余計暑くなると苦情がでています。
然し、キリギリスを庭に離した本当の理由は、今年何故かバッタが大発生し朝顔やひるがおの葉っぱなどボロボロにされてしまったのですが、敵のバッタは未だ生まれて間もなく1センチそこそこで捕まえ難く、智恵を働かして任命された駆除係がキリギリスでした。“ウソー!”
昆虫図鑑ではキリギリスは胡瓜やタマネギなどの野菜を食べると書いてありますが、私は偶然キリギリスの一番の好物はバッタであることを知っているのです。
それは昔朝霧で裏の叢でキリギリスを捕っていたとき、ついでにバッタも捕まえて籠に同居させて、事務所へ持って帰ったら何時の間にかバッタが足だけ残して全部食べられていたことから気付いたことだったのです。
バッタを食べているキリギリスは胡瓜など野菜しか与えないキリギリスと鳴き声も寿命も全然違い、最長11月末まで鳴いていた強者(つわもの)もいましたよ。
庭のバッタの数が心持ち減ったように感じますが、今朝は4メートル道路と2メートルの塀を越えて向かいのお家の庭からキリギリスの鳴き声が聞こえるではありませんか。キリギリスがそんなに飛べるなんて知りませんでした。
『あいつは600円もしたうちのキリギリスだから返して!』と訪ねて行く訳にもゆきませんしネ。

バッタなど居る庭とも思えませんネ


2001.7.22

JR朝霧駅前で立体差のため通行ができなかった明石大蔵海岸とJR朝霧駅との間に念願の歩道橋が完成しましたが、つい二年前まで私共が事務所を構えていたときは目の前で未だ工事中であり、一度通りたいなあと思いながら叶わず、その後仕事で数回歩く機会に恵まれましたが高低差が大きいため身障者やご老人のために小さなエレベーター(女性独りでは恐ろしくて利用できない?)まで設けられたりしていましたが、昨夜大蔵海岸で明石市の主催する花火大会が行われ、ご承知のように歩道橋上で悲惨な事件か起りました。
13万人もの観客にも関わらず、警察官を初め警備員など200人も動員しながら何もできず多数の死傷者がでたことは傷ましい限りです。
警察官などは注意すべきは“引ったくり”や“痴漢”くらいしか頭になかったのでしょうか。
何故こんな大きな死傷事件にまでなったのかよく考えてみるとこれは明らかに人災であることがよく分かります。
明石市は当初観客数を10万人と読んでいたそうですが、歩道橋以外に人の通れる道路は二号線沿いの寂しい歩道を東西何れも徒歩で一キロ以上を帰宅する人達が僅かにあるでしょうか、殆どの観客がJR朝霧駅前方面からであり、道幅6メートル全長100メートルの道路に90%以上の人々が特定時間に押し寄せることが分かっていながら無策にも何の対処法も持たなかったのでは、13万人はおろか10万人でも事故は避けられなかったでしょう。
これから当分の間、市役所内部で延々と責任の擦すり合いが続くでしょうが、例え市長が辞任しても亡くなった幼な子達の尊い命は永遠(とわ)に還らないのです。
まず事故の第一の原因として考えられるのは歩道橋が通路としての役割を果たせず、花火大会の展望一番の指定席になってしまったことです。そのために花火大会に関わらず海岸に行こうとする若者達が通行できず長時間苛々していたのではないでしょうか。
二番目の原因はやっと花火大会が終り海岸に行こうとする若者達が、さあ帰ろうとする人達と正面衝突となり、行きも戻りもできないダンゴ環境に陥って誰もが己を見失いパニックとなったことでしょう。
携帯から歩道橋で人が身動きできなくなっているとの110番通報で、警察は慌てて警官を八名派遣して、海岸側から出て海岸方向への一方通行制限を強行しようとしましたが裏目となってのこの事故ですから、終了間際になって海岸方向行き一方通行の措置が誤っていたとしか思えません。
群衆の“赤信号皆で渡れば怖くない”心境を見抜けず、誰もが事態を甘く見ていたと言われても仕方がないでしょう。
明石市や警察は予めこれらの状況を充分に察知し分析した上で、どのようにしたら、大多数の人数を捌けるかを事前にどうして考えなかったのでしょうか。
この事件は一種の群集心理が齋らしたものであり心理学者なら容易に結論を導き得たのではなかったかと考えますが、予算不足の明石市ではそこまで智恵が廻らず、警備員(居る方が邪魔になることが多い)の数合わせで済まそうとしたのが浅はかでした。
神戸市年末恒例のルミナリエを見に行って帰宅しようと大丸の8階駐車場から道路まで出るのに5時間を要したとは有名な実話です。このように他に逃げ場や行き場のないときは、阪神大震災直後の国道二号線同様渋滞の極に達するものですが、車の渋滞は個室の中だから安全でも、人間達の渋滞はそのスペースが少ないが故に恐ろしく直ちに事故に直結することを目して瞑すべきです。
まだ歩道橋が新しかったからよかったものの、隣の何処かの国であったように、橋が人の重量に耐えられずに崩れたらどうするのですか。
貧乏なことでは有名な明石市が夏祭りを開催するなんて珍しいこともあるもんだと感心していましたが、これでは夏祭りの経費どころかご遺族の補償などで益々貧乏になり、固定資産税や市民税を値上げされるかも知れませんから、明石市の住民の皆様は全員オンブスマンになってご遺族の補償などは市長以下幹部担当者全員に個人的に負担させるよう要求して下さい。
ところで明石市の皆様は、明石市に住んでいれば明石に持っている土地建物に対して国民健康保険料が掛かっているのをご存知ですか。隣の神戸市では掛かりませんヨ。

今朝の朝刊に面白い記事が載っていましたね。
新快速の窓に付けるブラインドの費用が勿体ないからと二年前に赤外線を通さないアメリカ製の特殊ガラスに換えたら、最近の猛暑で“眩しくて窓際に居られない”“もう乗りたくない”と苦情が殺到して仕方なく急遽ブラインドを取り付けることになったそうです。何でも節約したブラインドの年間補修費が1千万円以上掛かる処からの節約案だったそうですが、今回の取付費用は5千万円とか、特殊ガラスも廉くはなかったでしょうからJR西日本は一体幾ら損をしたのでしょうね。
でも誰も責任を問われたり咎められたりしていないところを見るとJRはまだまだお役所なんですね。社長が未だに旧国鉄上がりの東大法学部出だから仕方ないか!


2001.7.17

外務省のノンキャリさん達、またもややってくれましたねえ。
今朝の朝刊一面一杯のハイヤー代水増し逮捕事件ですが、共犯で逮捕されたハイヤー会社役員が逮捕直前の記者会見で開き直り『これまで数え切れずあったことで業界では常識だ!』と嘯いていましたが、役人に戻されたタクシー券など2,200万円はどんな帳面をしていたのでしょうか。
恐らくハイヤー会社にとって社長のポケットマネーでは大変だし、裏金にしても余りにも高額すぎて国税局が恐ろしく、止むなく交際費として処理されていたのではないかと考えます。交際費なら外務省相手のハイヤー会社規模ではまず全額課税ですから、税金さえ取れたらそれでよい国税局も盲点となり調査で見落してきたのでしょうが“税金屋”である私にはどうしても合点が行きません。
何故なら水増しされた売上には法人税から都民税、更には消費税まで課税されるのに対し、外務官僚にバックされたタクシー券は必要経費にならない上、消費税すら控除して貰えません(ショッピングボンドやビール券と同じく非課税仕入といって使用するまでは控除されない)これではハイヤー会社は多額のキャッシュフロー不足が生じ、外務省から“お声”が掛かる度に莫大な損をすることになります。
然し,したたかな営利企業がそんな阿呆なことをする道理がありませんネ。私は役人のバックリベートの要求に対し、ハイヤー会社は約三倍のカラ売上を請求したものと考えます。倍は税金分、更に倍は共犯者リスク負担金でしょう。
役人は自分の腹が痛む訳ではありませんからこの請求を呑んだのでしょうが、倍の税金部分は元通り国庫に返ったとしても、共犯者負担金はハイヤー会社に只取られですよね。
どうして外務省だけこんな事件が続出するのでしょうか。何処か他の役所と異なった欠陥を内蔵しているのでしょうか。
驚いたことに聞けば外務省のエリートは全て世襲制であり、よそ者はどんなに成績がよくても採用されないそうではありませんか。だからどう間違ってもノンキャリがキャリア組に昇格することはあり得ません。
誰がそんなことを決めたのですか、ノンキャリの上司が部下を叱ろうとしてもその部下が自分のキャリア上司の御曹司と知ったら皆様ならどうされますか。昇進は望めず何れは部下に顎で使われる我が身となると分かれば、帰り路に屋台でヤケ酒を飲むしかないでしょうし、その御曹司は自分を咎める上司すら持てずもっと不倖せな人生を送ることになるのでしょうか。
太陽神戸銀行の本店部長まで務めたAさんが十数年前に私に話されたことを今もよく覚えております。
『儂は子供を神戸銀行に入れたいが、うちの銀行は親が在職する間は子供を採用しない規則や』そう言われれば組織のあり方として当然すぎることなのですが、その当然が守られない外務省は一体どんな役所に成り下がって行くのでしょう。
あのエリート集団の国税庁でも毎年一人は国税局長に初級職高校出の職員を任命し、5万人の税務署員の希望の星を護っているではありませんか。ついこの間10日の異動では金沢局と高松局で高校出の二人のノンキャリが国税局長に任命されました。
外務省はボンクラで世間知らずな坊ちゃん嬢ちゃんばかりの温室の世界だから、有能なノンキャリを育てることもできず、挙げ句は松尾元室長を初めとする多くのノンキャリに舐められいろんな事件が続出するのではありませんか。
逮捕された小林祐武課長補佐は『裏金作りは郵政や通産の方がもっとすごいんじゃない?』と全く罪悪感の欠片もなく反省の色の見られない不貞不貞しい態度と、裏金作りを自己の手腕と考える倫理観の欠如には呆れ果てますが、それらの思想の根源は上司キャリア達の資質に由来するものと言っては言い過ぎでしょうか。
代金水増しはハイヤー会社だけに限らずホテルやデパートまで巻き込んだ20年来の大がかりなものだそうですから、東京地検特捜部はこの際外務省の過去の悪業を徹底的に暴いて欲しいと思います。
田中真紀子さんも首の繋がっている間に力を貸してやって下さいネ。
そして小泉さんも口先ばかりでなく特定の者にしか門戸を開かない外交官試験にメスを入れて下さい。それが真の行政改革というものですヨ。

ついでと言っては何ですが昨日のA紙夕刊を見ていたら、おかしな記事に出くわしました。
夏の高校野球県予選が行われる奈良の橿原球場のスコアボードが今年の五月に手書き式から電動式パネルに変わったという記事でしたが、何でもスコアボードが冷房の利いた記録放送室からパソコンで遠隔操作できるようになったとか、『涼しくてとても楽になりました』とは県高野連の役員の言葉ですが誰が楽になったのでしょうか。
これまでは試合をする高校の補欠選手達が蒸し風呂さながらボードの裏でさせられる汗だくの力仕事だったそうですから、楽になったのは補欠の野球部員達であり、役員さん達はこれまでも得点を記録放送室からボードの裏へ電話するだけだったのでしょう、もともと楽をしていたのに違いありません。
部員達の苦労を自分達のことのように語るなんて、さてはボードの裏の作業は本来県高野連の役員のすべき仕事であり、きつ過ぎるので出場高校に半ば強制的に命令しさせていたのではないかと勘ぐりたくなります。
なにせ何処の学校でも野球部の非行など捜せばゴマンとあるでしょうから、高野連の要求を断りたくても絶対に刃向かえない恐ろしい相手なのでしょうネ。
いつものひねくれ者のひとことでした。


2001.6.29

昨日のA紙夕刊を見て驚きました。それは東京都の中学教諭が教育委員会から『公務員として信用失墜に当たる』と厳重注意を受けたことでした。先生お得意のいつものハレンチ事件なら驚くこともなかったのですが、そうではなくこの先生は3年生の中間テストで日本政府の外交姿勢を“腰抜け外交”と批判したのが厳重注意の理由でした。
第二次世界大戦後の日本について取り上げた問題の中で北朝鮮の拉致疑惑や台湾の李登輝前総統のビザ発給、歴代首相の靖国参拝などのついて、この先生は『どれをとっても腰抜け外交といわれている』と生徒達に説明したそうです。
更に北朝鮮総書記のドラ息子らしい男が偽のパスポートで入国しようとした事件についても『政府は逮捕もせずに帰国させてしまった、拉致問題を解決する絶好のチャンスを逃したと先生は思う。政府は拉致問題を真剣に考えているのか疑わしい』と生徒達に話したそうですが、私ばかりでなく心ある多くの日本人が共感していることを学校の先生が生徒達に話して何処が悪いのでしょうか。南京大虐殺や朝鮮従軍慰安婦問題などを否定している新しい歴史教科書が中国や韓国から突き上げられ、只オロオロするだけの外務大臣や政府首脳達の姿は“腰抜け外交”そのものではありませんか。
皆様はこの先生の言葉をどう思われますか?私にはこの先生が至極当り前の事を言っているとしか聞こえませんが、一体何処が信用失墜に当たるのでしょうか。
昨今左寄り日教組の先生だらけの中でこんなにまともな理念の持主の先生が居ることを知りホッと救われる思いがしました。隣国達を気にする余り、恐らく慎太郎知事の知らないところでの処分でしょうが、都知事さんこんな先生は大切にしなければなりませんヨ。都教育委員会の“長”に抜擢して日教組をやっつけて貰ったらどうですか。
日教組の自虐偏向教育は我が国の次の世代をダメにしています。子供達には権力者の地位などに惑わされず、状況に応じて真実を正しく見極める術(すべ)と我々日本人が過去、現在共に立派な人間であったことをしっかりと教えねばなりません。
同じ夕刊にもう一つ非常識を通り越して気が狂ってるのではないかと思われる記事が載っていましたね。
強盗殺人の罪で無期懲役になった男が仮釈放中に女性を殺しバラバラに切断して川に捨てた男の判決公判が埼玉地裁であり、若原裁判長は再びこの男に無期懲役を言い渡したと言う記事でしたが、勿論非常識を通り越して狂ってるのは仮釈の男ではなく、この裁判長であることは皆様お分かりでしょうネ。前の無期懲役は一体何処へ行ったのでしょうか。
再び人を殺したお陰で前の事件が結果的に無罪になったことになりませんか?


2001.6.28

先日福井県勝山市京福電鉄越前本線の長閑な田園風景の中で起きた電車の正面衝突事故は誰もが信じられない痛ましい事件でした。半年も待たず二度もの正面衝突は前回がブレーキの故障が原因だったのに対し、今回の事故は運転士が単線のため待避駅で下り電車を待避すべきを怠り、定められた発車時間より早く発車するという初歩的なミスが事故に繋がったのでしたが、田圃の中とは言え山合いのカーブで見通しが悪かったのでしょうか多くの怪我人を出す不幸を招きました。
運転士の信号見落しとかATS装置がなかったためとか噂されていますが、私は運転士の教育以前の問題であり本人の資質に欠陥があり、それを見落としていた会社の重大な過失だと考えます。皆様も車掌より運転士の方が身分が下なのはご存知でしょうが、恐らく人命を預かる要(かなめ)であるべき運転士を充分な適性試験を経ずに安易に起用した処に原因するのでしょう。
昨年雪印乳業の中毒事件は我々の記憶に新しいところですが、本社の現場軽視と言う点では全く同じではないでしょうか。
連結車もなくただの一輌だけで田園を長閑に走る姿はきっと周辺の人々のアイドルだったのでしょう。事故の前日、偶然とは言え“京福電車存続総決起大会”が地元で開かれたばかりであり、車体に落書きするイベントでは、一人の少女が『電車大好き』と書いたそうです。
こんなにまで皆に親しまれ愛されてきた電車であるのに京福電鉄の経営陣は、これらの人々の期待を全て裏切ったのです。
IT時代の到来などと言っても、それらを操作し判断するのは人間です。ATS装置をわざと外し事故を起したJRの事件などありましたが、頼るべき機器もない時代に“指先確認”“喚呼”など人間の注意力を高めるために先人が作り上げた安全への配慮と努力が段々忘れられつつあるよう思えてなりません。
皆様は“タブレット”をご存知でしょうか。昔は東海道や山陽本線以外は全て単線運転でしたから、この“タブレット”が大活躍していました。大きさは両手位の鉄のワッカで下部に財布(何が入っているのか子供の頃から謎でした)のようなものがついており、ある一定区間を走るためにはこの“タブレット”を持った列車しか運転できない仕組みとなっていました。通常は駅長さんが受け渡しをしていたのですが、無人駅では“タブレット”を引っかける金具が駅の端っこに立ててあり運転士さんが放り投げていたのをよく覚えています。IT化のせいでしょうか、最近は見掛けなくなりましたが、盛岡大館間の花輪線などまだまだ活躍しているところがあるそうです。東北地方花輪線の写真集に懐かしい“タブレット”の活躍振りのサイトが見られます。
作者の工藤さんにリンクをお願いしたところ快く承諾して頂きました。のどかな東北の田園風景が皆様の心の郷愁を和ませてくれることでしょう。
【花輪線探訪】
京福電鉄もCTC(列車集中制御装置)なんかに頼らず、“タブレット”受渡し方式を伝承していればひょっとして悲しい事故が防げたのではなかったでしょうか。

ところで、大橋巨泉が参議院選挙比例区に出馬するそうですね。芸能人(今は違うか?)が選挙に出るのは勝手ですが、発言に大きな問題がありましたね。
小泉総理の靖国神社公式参拝について『A級戦犯の分祀なくして参拝なしと言うなら分かるが、言えない総理は危険思想の持主だ!』とはよく言いますねえ。
A級戦犯は誰が決めたのですか?アメリカの陰湿な“できすぎた子へのいじめ”に耐え兼ね日本のため日本人のため己が身の危険を顧みずアメリカの挑発に乗った人達をアメリカとその取り巻き共が“陪審員なき軍事法廷”で勝手に決めたのではありませんか。あの方達は日本人にとって“ホタル”になって帰ってくると言い残して片道切符で雄々しく逝った少年飛行特攻隊と同じではありませんか。特攻隊員同様靖国神社に祀られるべきが残された我々日本人の務めであり使命であることを忘れてはなりません。
巨泉さん、自民党に擦り寄って行って断られたので民主党に鞍替えした腹癒せなのと違いますか?
いっそ共産党から出たらどうですか?そうでしょうね、不破議長さん始め皆貴方よりお金持ちだからプライドが赦さないでしょうか?


2001.6.19

動物と人間との関わりの多い民話から創られた“鶴の恩返し”で有名な『夕鶴』という戯曲がありましたね。日本各地にある民話を下地にした木下順二作で確か山本安英さんの当たり役だったでしょうか。命を救われた鶴が人間の女性の姿になって自分を助けてくれた男の妻となり、夫のために羽を抜いて布地を織り続け、身の上が分かってしまって去って行く美しくも悲しい物語でしたが、最近の日本人は何事にも自己中心となり“もの”への執着から“こころ”を失い、自然との共存や動物との交流などの心の機微にはトント不感症になってしまい子供達は童話も読まないでファミコンに夢中となり、民話などは年寄りの郷愁にされてしまっている現状です。日本中を訪ねて民話を集められた民族学者の柳田国男先生もあの世で慨嘆されていることでしょう。
何故急にこんな話が飛びだしたのか、そのわけは先週の男子プロゴルフツアーでの福沢義光選手のプロ12年目(25歳でプロになるのも珍しい)37歳遅咲き初優勝でした。福沢選手は初日8アンダー64の好スコアでのトップ発進でしたが、殆どの無名選手が自己の順位に耐えられず二日目以降大叩きし、大崩れするのが通例であるのに彼は三日目もしぶとく首位と3打差にしがみつき、最終日最終ホールで奇跡とも思えるイーグルを奪いプレイオフの末遂に大逆転の優勝を成し遂げたのでした。
A紙は福沢選手の18番でのマウンド越えのフックとなる難しい20メートルのイーグルパット(鳥肌が立つほどのパットであり、難易度は100回試みて成功1回程度と見ました。)が決ったことを“トンボの恩返し”と讃えました。
どうしてなら実は福沢選手が5年前のツアーでの最終日に自分の打ったボールが芝生に止まってくつろいでいるトンボのしっぽの上に乗ったため、そのまま打てばトンボは間違いなく空中分解の即死でしょうから2打のペナルティ―でボールを動かしトンボを逃がしてやった美談で有名になったことがあるのです。きっとご記憶の方も居られるでしょうね。
2打罰は賞金にして数十万円損になりますからトンボの命を救うことは並大抵の勇気でできることではありません。その優しい心根が評価されユネスコの日本フェアプレイ賞に選ばれるなどマスコミで話題になり一時有名になりましたが、その後ゴルフの方は相変わらずパッとせず離婚に加えて所属コースからのリストラや、メーカーからクラブの契約解除などの三重苦を乗り越えての今回の初勝利となったのです。
A紙は当時のそのことから今回の勝利は“トンボの恩返し”と夢多い表現となったのでしょう。100回に1回の奇跡が起きたのは、私は数十万円をフイにしても生き物を愛した彼の感性がトンボだけではなく、自然の生き物への愛情に好感したゴルフ場の芝達が歓迎して秘かに応援してくれたからではないかと思っています。
何の罪もない児童が8人も殺されるなど殺伐とした記事の多い最近には珍しく暖かいニュースでした。
1800万円の優勝賞金と副賞の高級乗用車のせいでひょっとして離婚した奥さんが帰ってくるのではないでしょうか。でも福沢選手、貴方はお金を目当ての奥さんなんて赦したらダメですよ!
暖かいニュースといえば先日幻の生き物“つちのこ”が見つかったことをお知らせしましたが、今朝5時のNHK“列島朝市”を聞いていたら面白いことを言っていました。何でも現在本物の“つちのこ”かどうかを専門機関に調査依頼しているそうであり、本物と決まれば発見した探検隊の人に美方町の土地が300坪貰えるそうです。
何処かの大学の爬虫類研究所がこの“生き物”のDNAなどを分析して調べるのでしょうが、はっきりと誰も見たことのない“つちのこ”を本物かどうかどうして判定するのでしょうね。蛇ではないということになれば“つちのこ”にされてしまうのでしょうが、悪さをするわけでもなく鼠なんか食べてくれてるようだし、自然に戻しそっと見護って欲しいと願うのは私一人でしょうか。いやいや岩波書店も同じ気持ちだと思いますよ。
どうしてなら同社の『広辞苑』では最新の改訂版でも“つちのこ”を【蛇の一種という想像上の動物】と定義しています。今更“つちのこ”くらいで再改訂もできないでしょうからネ。
ニュースついでに話は変わりますが、山形大学を始めとして最近突然でてきた入試の採点ミスは何故か何れも国立大学ですね。これらは極く氷山の一角であり、多くは霧の中となるでしょうが、採用したソフトが悪い訳ではなく明らかにソフトを入力した人間が犯した単純な初歩的なミスです。
優秀な人しかなれない筈の国家公務員がどうして?と思われるでしょうが、お役人が阿呆か賢いかではなくて、仕事に“誠心”が入っているかいないかです。国のお役人になれば一生涯安住の地が得られる安堵感から自己を高める意識を失い何事にもやる気のない怠惰と無気力が齋らした弊害だと私は考えます。
国家公務員になるためには、一度は例のうどん屋で五年位修行させてから採否を決めたらどうでしょうか。
国家公務員のなり手が何処にも居なくなったりして…


2001.6.17

先日関与先の決算のため預貯金の残高証明書などをチェックしていて気付いたのですが郵便局1000万円定額貯金の利息に税金が課せられてないのです。おかしいなあ、会社にマル優が適用される筈がないし、どうして無税扱いになったのか分からず郵便局へ電話して意外な事実が分かったのです。貯金の利率はたった年利0.15%でしたが、その僅かな利率であることにカラクリが隠されていました。
郵便局曰く『お問い合わせの定額貯金は1000万円の3年ものの2年目ですが一口千円のものを一万口入っておられます。利息の計算は1口を基礎として行うので年利0.15%は2年目で3円となり、20%の源泉所得税は円以下のため切り捨てられゼロとなります。』
成る程ゼロは何万口掛けてもゼロに違いありません。こうして3年目には目出度く45,000円の利息がマルマル頂戴でき、馬鹿正直に一口一千万円を預けた場合と9,000円も手取りが違う仕組みとなっていることが理解できました。
低金利時代だからこその発想でしょうがどうも腑に落ちず納得できないので、行きつけのF銀行の窓口で聞いてみると『定期預金は1万円からお預け頂けます』と即答されました。
1万円では利息は同じ年利0.15%として15円になり20%の税金は円未満になりませんから当然に控除されてしまうことになります。郵政省の一人勝ちが続いている預貯金争奪合戦のさなかで手取額の差は致命的です。銀行で認められないものが郵便局でOKなのは“官”の横暴ではないでしょうか。
金利競争のスタートラインに差があるのでは銀行が郵便局に勝てる道理がありません。
一口の金額は両者同額であるべきです。郵便局は貧乏人のためにあり、銀行はお金持ちのためだからと大昔一口に一桁の違いが生じたのが原因でしょうが、一口千円と言っても千円の証書を一万枚貰っている訳でもなく、口座番号は一つであり、預入金額一千万円の口数欄に一万口と記載されているだけですから、もし千円の定額貯金証書を一万枚呉れと客に言われたら郵便局はきっと困って通帳にしてくれというでしょうね。通帳でよいから千円を一万行印字してくれと言ってやったらどんな顔をするでしょうか。
身から出た錆とは言え不良債権で押し潰されそうになって青息吐息の銀行達を、郵貯と簡保資金だけで375兆円も持っての弱い者いじめはちょっとやりすぎではありませんか。国は公的資金の導入(実は我々の税金だ!)など美味しいことを言いながら、病人の蒲団を剥ぐような真似だけはしないで下さい。
国税庁さんこんなことでいいんですか?実質課税の原則が泣きますヨ。郵政省は治外法権でしょうから一度会計検査院に調べて貰ったらどうですか。
会計検査院の検査官さんが千円一万口の定額貯金の持主だったりして…


2001.6.9

最近ニュースアナウンサーがスポーツニュースの中で、プロ野球のことを“日本のプロ野球”と“日本”を付けるようになりました。それだけアメリカ大リーグでのイチロー選手を初めとする多くの日本人の活躍が目覚ましいからでしょうが、これらは全て本場で通用するかどうか案じられ誰もに反対されながら自己の意思を貫き、言葉のハンデキャップにもめげず7年前単身渡米し先駆者として成功した野茂投手の存在が他の日本選手の心を動かした結果だと考えます。野茂投手の功績はいろんな意味で計り知れぬものがあり、あの独特のトルネード投法と打者の前で60度は落ちる凄まじいフォークで大リーグの猛者共をきりきり舞させワンバウンドの球で三振を奪う様(さま)は第二次世界大戦以後50年を超えた現在に措いても何事にも牽強付会で迫るアメリカの意の儘になっている我が国の腰抜け政治家達や、裁判もしないで莫大なお金をすぐに支払って和解する不甲斐ない経済界と同じくアメリカコンプレックス土壌で育てられた我々国民の鬱憤やるかたない思いを吹き飛ばすものでありました。
戦時中の初等教育で反米思想を叩き込まれた私共戦前派にとっては“水泳の古橋”以来の快挙であり、毎晩NHKのニュースが楽しみで“イチロー選手3安打、新庄選手さよならヒット”などと聴くと”白鹿“の味が格別に違い只々快哉を叫んでおります。
然しその反面日本のプロ野球の人気はガタ落ちとなり、ニュースでは勝敗しか言って貰えず、来春は巨人のゴジラも渡米するとか、その凋落振りは目を覆うばかりですが栄枯盛衰は世の倣いであり、金に任せて戦力のバランスが巨人に偏ったのも原因の一つかも知れません。その内アメリカの大リーグは日本人だらけで、日本のプロ野球は外人ばっかりなんてことになりはしないでしょうか。
ところで兵庫県美方町で幻の蛇“つちのこ”が捕まったそうですね。昨夜の日経の夕刊のベタ記事でしたが、一般公開されて押すな押すなの大盛況であり、全国から問い合わせの電話でパニックとか、確か何処かから百万円以上の賞金が付いていたように記憶していますが、街の観光資源に使えば億単位の効果があるでしょうね。『キュキュキュ』と鳴くそうです。一度見てみたいなあ。


2001.5.20

ユニセフ(国際児童基金)は皆様よくご存知ですね。先日私宅へも何処で調べたのか昨年から送られてくるようになったユニセフの寄附申込書が今年も届きました。募金の趣旨そのものは飢餓による栄養不良と生活環境の悪化により次々と命を失ってゆく開発途上国の子供達を救うためであり、至極納得のゆくものでありますが、募金のの謳い文句に“3,000円で459人の子供達が救える”と記載してあり、20,000円送ると3,000人もの子供が助かるのか!と早速賛同して送金しようと思いましたが、ついこの間“週間新潮”に掲載された記事を読んでいた矢先でもあり、少し抵抗を覚えています。
その新潮誌によれば日本のユニセフは『日本ユニセフ協会』という名の財団法人であり、本物のユニセフ(国際児童基金)の単なる支援団体に過ぎないそうですが、何でも来月21日品川に25億円(そんなお金何処にあったの?)かけた1000坪以上の自前豪華ビルをオープンさせるそうです。
建設資金は国が出してくれるものでもユニセフ本部が呉れるものでもなく、全額がアフリカの子供達へと信じて我々から寄付された浄財が使われています。
最近ではフリーダイアルからインターネットやクレジットカードによる寄付など様々な方法をを駆使したのが功を奏し、寄附金が1990年の25億円から飛躍的な伸びを見せユニセフ協会(http://www.unicef.or.jp/rif/ri_6.html)によれば、1999年ではナント!年間100億円近い浄財が転がり込んできております。
処が誰が決めたのか(恐らく外務省あたりのお役人が自分達の天下り先にでもするために決めたのでしょうか)協会の規則で募金の25%は経費として遣ってもよいということになっているため、ユニセフ本部への送金は74億円に留まり、残りは12億円も使っている“募金資料配付関係費”など我々経理のプロにもよく分からない科目を初めとして怪しげな経費科目がずらりと並んでいます。
興味のある方は上記のURLを是非ご覧下さい。
100億円の寄附金の募集に“募金資料配付関係費”の名目で12億円も要する理由がまるで分かりません。資料の印刷なら “募集資料等作成費” 1億円なんてのが別にありますから、どう考えても胡散臭いと思います。“雉も鳴かずば撃たれまい”の類でつまらぬ智恵を出したばかりに外野にイチャモンを付けられることになるのです。
規則で決まっているものなら初めから諸経費25億円と書けば良かったでしょうが、科目を付けなければならぬのもこれ又規則なんでしょう。
そもそも寄附金収入が25億円だった10年前に6億円だった経費が、どうして25億円に膨らんでしまうのでしょうか。事業なら収入に比例して多額の投資や経費の支出を伴いますから分かりますが、寄附は対価を必要としないものであり、寄附金が増加してもそのために増加する経費はコンマ以下の数字で収まる道理ではありませんか。諸経費は膨らんだのではなく膨らませたのです。
寄附金の収入に応じて経費の額が決まるなど馬鹿馬鹿しいにも程があり協会の規則を皆様も言語道断だと思われるでしょうね。 10年前の6億円の経費も適正であったのかよく分かりませんが、私は寄附金を得るための諸経費は本来的に寄附金収入の5%を超えてはならないと考えます。25億円の経費なんてアフリカの可哀相な子供達を利用した詐欺ではありませんか。
昔、赤子のお尻を抓って泣かせ食べ物を恵んで貰っていた乞食を見たことがありますが、それよりもあくどい手口だと言えば言い過ぎになるでしょうから止めときます。
“決算書は公認会計士の監査を受けたものです”と会計士の氏名を挙げたURLのコメントがありますが、それは外為の送金記録でもチェックして済ませたのか、本部への75%についてのものだけであり、諸経費25%についてのものではありませんでした。
尤も諸経費を監査したくても、規則で25%と決められていては外務省の外交機密費同様開示義務がないでしょうから会計士が調べたくても治外法権で手も足もでないのでしょうネ。
競馬のテラ銭でもあるまいし、適当な経費科目を付けて25%を取り込み、裏預金など作っての氷山の一角が今回の豪華ビル建造のカラクリではないでしょうか。
それにしてもこの協会の会長を務めているのは、前職から察するに数字には誰よりも強い筈の澄田日銀元総裁ですが、一体25%の経費(収入か?)についてどう考えているのでしょうか。『規則を改めて経費を年間5億円にせよ』と何故言わないのでしょうか?『儂は名誉職やから何も知らんゾ』と言いたいのでしょうが、それなら澄田さんよもや報酬など受け取って居ないでしょうね!
1円の経費も遣わないで31億円の寄附を集められたユニセフ大使の黒柳徹子さんやアグネスチャンさんご存知ならどうして怒らないのですか?新潮誌はビルを建てる金があるなら、飢えて死んでゆく子供達をもっともっと救えるのではないのか!と怒っていますよ。
送金を受けたユニセフ本部がどれだけ経費を取っているかは知る由もありませんが、開発途上国側ののピンハネなどもないとも思えず、本当に可哀相な子供達には幾ら渡っているのでしょうか?せめて3%位は子供達の処へ届いていることを祈るばかりです。
ユニセフ協会は公益増進法人として認められていますが寄附金控除の対象となる受領証明書に寄附された全額を書かないで75%の金額を記載すべきでしょう。或いは25%は諸経費であり、ビルの建設資金も含まれていますと書くべきではないでしょうか。
国税庁さん、しっかりして下さいよ。国民の所得税をビルの建設費が喰っていてよいのでしょうか?
然し、つらつら考えてみたら、幼い小学生を動員しての“赤い羽根”や地域の役員の戸別訪問で断れない“共同募金”は浄財の使途が遙かに不透明であり、変な科目にしろURLで経理を公開するユニセフの方がまだマシな方なのかも知れませんネ。
こんな清潔をモットーにした世界にも、我々国民の善意を食い物にする魑魅魍魎が巣くっているようでは、KSDを初めうじゃうじゃある他の公益法人など推して知るべしでしょう。
合掌


2001.5.13

80%の驚異的な支持率を有し総理に就任した小泉純一郎ですが、ミ-ハー族ではあるまいに余りにも高すぎると思われませんか?恐らく密室で選ばれた森総理が余りに無策であり無能であったことの反動でしょうが、野中で“決まり”から、橋龍絶対有利!が暗転し、何処でどうなったのか僅かな期間でこんな風になってしまうのですから我々国民もウロウロするしかありませんでしたネ。
でもこれだけ支持率が高いと維持することは到底不可能であり、人気が先行し今後支持率が落ちるしかない処に小泉内閣の大きな不安があることは自明です。
総理の所信表明演説や代表質問への答弁を聞いていても身振り手振りが大きいだけで特に目新しい内容のものは何もなく、持論の郵政三事業の民営化を将来の目的とする公社化くらいのものであり、殆どが森路線を踏襲した政策論でありましたね。
一見意欲的な総論は兎も角、各論に措いては何も変わってなく、私が最も注目したのは民主党からの代表質問であり、党首鳩山由紀夫が自然破壊の公共事業の標本とも言うべき“有明海諫早湾の干拓”の中止を求めたのに対し、小泉総理は明言を避け、”検討中”ですという従来型の答弁に留まり何も述べることがなかったのでした。
この答えを聞いて失望した方も多かったと思いますが、所詮は総理も将棋の駒であり、指すのは党であり派閥だから仕方がありません。だから皆様も総理に多くを期待してはなりません。期待が大きいと失望も大きくなる道理です。
私は右寄り人間ですから、我々を常に苛々させている隣国やアメリカに対する政府の対応について、タカ派である総理の毅然とした態度と決断を実は秘かに期待していましたが、早くもその期待が早々に裏切られることとなりました。
それは最近のトップニュースとなった皆様もご承知の北朝鮮金正日総書記の息子らしき一家が不届きにも偽造ビザで不法入国しようとし、到着数時間前にCIAならぬイギリスの情報機関から通報を受けて、度肝を抜かれ狼狽した政府高官から知らされての総理の意外な対応でした。総理は自分の意思を全く表さず、官僚達に処置を“丸投げ”しました。つまり責任を回避したのです。
総理が意思表示しなければ、結論は簡単です。腰抜け外交で有名な官僚達は何事につけ“事なかれ主義”ですから、当然に金正日の報復を恐れ、何も考えずに飛行機賃も貰わず(全日空には外務省の機密費で払ったのか)彼等を慌てて北京へ送ってしまいました。そして我が国は拉致された横田めぐみさん達を取り返す重大にして貴重なカードを一瞬にして失ってしまったのでした。
どうして政府は『北朝鮮金正日総書記の息子と名乗る一行を偽造旅券で不法入国したので検挙した。我が国と友好関係を保とうとする一国の総統の子供がそんな非合法なことをするとは考えられないし、やくざの若頭風の不貞不貞しい態度はどう見ても品位の欠片も見えず、総書記の息子には相応しくないので息子の名を騙る偽物に違いない。金総書記への冒涜として許すことができないから、これから拷問にかけて極刑に処し、総書記に結果を報告するつもりだ』くらいのハッタリが言えないのでしょうか?
そうすれば、金正日総書記は今更『そいつは儂の子や』とも言えないので、裏から手を回し、拉致されて20年近い横田めぐみさん達を中国の何処かで迷っていたことにでもして、息子一家と交換できたに違いありません。
あり得ないことですが、若しも我が国の皇太子が偽造旅券で北朝鮮を訪れたらどうなっていたでしょうか。間違いなく金正日には不法入国した者を返すことはできないと突っぱねられ、我が国は何兆円もの大金を払うことになったでしょうネ。
何でもマスコミの報道によれば今回の腰抜け外交のシナリオは“中国の手先”とか陰で呼ばれている外務省の槇田邦彦アジア大洋州局長が書いたそうです。
槇田局長と言えば李登輝台湾前総督の医療目的の入国要請に対して、森総理からの再三のビザ発給の指示にも関わらず、『北京を怒らせては大変だから』と事なかれ主義では人後に落ちない河野外相を入国反対に引きずり込んで頑張った外務省高官ではありませんか、結局は医療目的の入国は人道上の問題だとする世論に敗れましたがこんな役人は早くクビにしなければなりません。
尤も、この局長さんの余りの腰抜け振りには、その後超党派の国会議員から“戦犯”と見なされ、島流しに遭うそうです。配転の先は皮肉にも台北とか、李登輝さんのお膝元になるのも皮肉な巡り合わせですネ。
槇田局長さん台湾では夜道を歩かないほうがいいですヨ。


2001.4.19

国民不在の密室で誕生した森総理が当然とはいえ身から出た錆でもろくも崩れ、国民不在での自民党の総裁選挙が慌ただしく始まりました。
何か何処かで1着から4着までの筋書きができた上での茶番劇に思われてなりませんが、我々国民が今円安、デフレ、金融機関の不良債権処理など日本経済の重大なる危機に直面しているにも関わらずその対応策を放置して、政治家達が自分らだけの縄張争いに血道を上げるなど言語同断です。政治家は一体誰のためにあるのですか。
又、親日派の李登輝台湾前総統が病気の治療に来日したいとの打診にも中国に気兼ねして外務大臣を初めとして政府の誰にも色良い返事ができないなど皆様恥ずかしいと思いませんか。どうしてこんな政治家を誰も怒らないのですか。
何ごとにも何んだかんだと理屈を付けてすぐ逃げ腰になる頼りない民主党、自民党が政権を維持できるのは我々の御陰だと威張って憚らない公明党、そして反対のためだけの共産党などなど、どの党も我々国民のことをまるで考えず、私利私欲に固まり自分達のことしか考えていないのです。もうこんな政治家にはうんざりです。
今日のWEBは、自民党の総裁選などつまらないことを槍玉にあげるためではありません。
諸外国にはおべっかばかりしては国民の血税を呉れてやっている日本政府が国内でも金のためにどんなあくどいことをして国民を欺いているかを知って頂くためにペン?をとりました。
昨日の日経を読まれた方はご存知のことと思いますが、有明海の養殖海苔の全滅で今年になってあれだけはっきりと諫早湾の水門を開けると約束した農水大臣谷津義男が、今になって準備作業に数年かかるとか、干拓事業の大幅見直しにつながるとか言い出して水門の解放に難色を示す態度を打ち出した記事を読んで私はあっと驚きました。
そもそもこの干拓事業は、熊本、佐賀、長崎、三県の漁業者からの猛烈な抗議で中止に追い込まれた“南総開発計画”の意趣返しであり報復手段だったのでしょう。当初は公共事業の金の使い道に困って考え出されただけのものであり、国は県からの要請に応えただけだと言い、県は国が決めたことだとお互い責任をなすりあいながら政治家とゼネコンと近隣の土木作業労務者以外、誰もが利益を得るものでなく自然破壊を承知でスタートしたことは誰もが知っている事実です。
漁民達も干拓を合意するのに恐らく充分過ぎる漁業補償金を受け取ったでしょうから、少しくらいの減収は覚悟でほくほくだったでしょうが、まさか海苔が全滅するとは考えても見なかったことでしょう。然し養殖海苔の全滅は実は4年以上前から分っていたことであり、1997年4月14日水門の閉じられたその年に諫早湾大浦地区の海苔が全滅した実例を挙げて警鐘を乱打しようとする干拓反対の人達の声が、水門とは無関係だとの賛成派によってかき消され、他の漁民達も他人事だと信用していなかったことが今回の悲劇に繋がりました。
有史以来人類を護ってきた干潟を干拓することは、人類の生存には不可欠の自然を破壊することとなり、神の摂理に背くものであることを100も承知していながら、金のために悪魔に魂を売り渡した結果行われたものです。
あの八郎潟の干拓の責任者であった人が、死の床で『干潟の干拓だけは止めろ、すべきではなかった』との遺言を残されたと、ご子息である前衆議院議員笹山登生氏が諫早の干拓反対の後援会で話しておられ、自身のURLで今も諫早湾の現状を憂いておられます。
現在干拓の予算は当初の1350億円から2400億円にも膨れあがり、更にこの先幾らかかるのかまるで解からないそうです。何せ豆腐の上での土木工事と謂われていますから、“砂上の楼閣”よりもっと始末が悪いそうです。諫早湾はかって有明海の子宮とまで謂われ、豊かな海の幸を育み、多くの海産物の宝庫の源でありましたが、水門の閉鎖と共に諫早湾の干潟が有明海の子宮どころか有明海浄化の本体であったことが立証されました。干潟の消滅は神を恐れぬ暴挙であり、あの八郎潟で充分懲りたはずだったのですが、喉元過ぎれば何とやらで金で悪魔に魂を売り渡した結果がこんな風になってしまったのです。
然し未だ遅くはありません、潮受堤防の内側は干上がってムツゴロウを初めとする膨大な海用生物が死んでしまい干拓地の農業用地の水資源という名目の調整池なる淡水湖は、浄化の助っ人を失っているため、生活用水で汚れる一方であり汚いドブ溜めと化し蠅や蚊など病原菌の発生源となっており淡水魚すら住めない状態になっています。然し今ならまだ50センチ掘れば未だ昔の干潟の土が残っているそうです。今すぐ干拓を中止して水門を開け、閉鎖後経過した期間と同期間を待てば、数年後には多くの生き物が帰ってくるに相違ありません。人間の犯した過ちに対しても自然は寛容にもやり直すチャンスを残してくれたのです。
アサリ1個が1時間に1リットルの水を浄化してくれることや、ゴカイが人間の排泄する尿や家庭排水を浄化してくれていることは昔からよく知られていることです。道は遠く果てしないものですが、水門が開いてからが本当の勝負だと口にされ反対運動の先頭に立って活躍されながら、昨年志半ばで農水大臣の言葉を聴くことなく急逝された山下広文氏とその同志達が巨大な国家権力を相手に素手で立ち向かう様(さま)を是非末記URLにてご検証下さい。そして人間が自然を征服しようと試みることが如何に愚かなことであるか、自然は征服するものだとする欧米人とは異なり、自然の恵みと助けがなければ人間は生きていけないことを知っている東洋人の考えが如何に正しいかを知って頂きたいと思います。
いさはやひがたネットを、どうか沢山のお知り合いに教えてあげ読んで貰って下さい。


2001.4.14

弱者は淘汰される。“セーフガード”発動要求は間違っていないか?
この間めちゃ暑い日に、仕事に出掛けた途中汗拭き用にと最近流行の100円ショップの店頭に積まれているタオルを1枚買ったら『2枚で100円ですヨ』と1枚余分に持たされ驚いてしまいました。
最近中国で生産されたタオルの輸入のせいで、国内の60%を生産する日本一の“タオルの街”今治(愛媛県)の火が消えようとし、緊急輸入制限措置(セーフガード)の発動申請をしようとしている記事がマスコミの話題になっていますが、折りも折り、4月16日号の日経ビジネス【安いモノにはワケがある。価格破壊の源泉】にタオルが取り上げられ、両国でのタオルの生産コストに大きい乖離があることが掲載されました。
今治では殆どのタオルメーカーが平均年齢50歳以上の従業員20名前後の典型的な老化した中小企業の零細工場であり、生産工程に手作業に頼る部分が少なくないのに比べ、上海郊外にあるタオル工場は7万㎡の敷地に4万4千㎡の工場と1700人の従業員に加え、最新鋭の大型織機が24時間フル稼働し、年間設備稼働日数360日、生産量は月間2400トンとこの工場だけで今治全体の生産量を上回る規模となっていました。日経誌が試みた11項目に分析された各コストの比較ではリードタイム(発注-納品)1項目を除き、中国の賃金は日本の10分の1(正社員20分の1)地価は20分の1など圧倒的な差があるものから、まさかと思いましたが日本の高速道路の料金が高すぎるのか、軽油代が高すぎるのか、東京までの輸送コストに至るまで中国が全て勝っていました。
これではまるで大人と子供の相撲であり、セーフガードくらいで“タオルの街”今治が生き返るとは到底考えられないものでした。
そして当然ながらこの工場は中国のものではなく、日本企業のものだったのです。(よかった!)
100億円近くを投じての工場の建設は、日本最大手のタオル卸業者であるこの会社の社長さんが85年のプラザ合意後の円高で、労働コストの高すぎる国内産地への依存に危機感を覚え、日本メーカーの世界での生き残りに疑問を持ち、諸外国の大手メーカーを訪ね、工場の中に鉄道の引込線まであるアメリカのタオル製造工場を見て家内工業的な日本メーカーとの落差の余りの違いに驚愕のカルチャーショックを味わっての決断だったのです。
日本固有の複雑な物流ルートからメーカーが問屋になれないように、問屋がメーカーになることも容易なことではありません。後進国には多くの日本企業が進出し現地工場を建設していますが、彼等は何れもメーカーであり、自社工場と同じ製造ラインを持つ工場を作り、ノウハウを現地人に指導すればそれでよかったのですが、問屋は、素人ですからさぞ大変だったことと思います。
一方“タオルの街”今治がセーフガードの発動申請をしようとしている真意は、発動により自分達が生き残れるなどと考えている訳ではなく、これまでことが起っても議員さんに陳情さえすれば通産省の役人がやってきて四国タオル工業組合に補助金を配ってくれましたから、今度もことを起したら何とかしてくれると考えているのでしょうか。
“タオルの街”今治が前時代的な生産方式をいつまでも引きずり、低コスト企業に脱皮できなかったのは、族議員の存在と国のお役所の保護政策が元凶ではなかったでしょうか、こんな体質の業界は淘汰されても仕方がありません。業界の訴えに対して聞く耳を持たず、金を配るだけで無策に終始した通産省のあり方そのものも非難されるべきでしょう。
子供に金をせびられては理由も聞かずに与え、勤労意欲の失った子供にしてしまったどこかの親みたいですネ。
保険、銀行を初めとし通信、電力と、日本は今や外国の巨大資本に土足で蹂躙されようとしています。日本経済の土壌を守り、日本企業全体が強くなるためには、弱者は淘汰されねばなりません。
ところでセーフガードと言えばネギや生椎茸や藺草の生産者の皆さん聞いていますか。外務大臣だけでなく日本のお役所はどこも中国にはメチャ弱いのを知らないのですか。これまでのように農水省が護ってくれると思ったら大間違いですヨ。
それにタオルだけでなく、ネギや生椎茸や藺草にしても何れも日本企業が出資者で、中国へのODAの借款の取り立てで賄っていますから、政府の作ってくれた700兆円(この間まで450兆円でなかったの?)の借金の穴埋めに貢献していることを忘れてはなりません。
今夜のニュースで言っていましたが、あのワドル艦長が海軍を馘になりそうですね。
クビになったら私はあの目立ちたがり屋の奥さんが退職金を慰謝料に貰って離婚するように思えてなりませんが、皆様どう思われますか?
え?凄腕のあの弁護士に退職金まで全部取られてワドル艦長は無一文になるから離婚できないですって?

確定申告の終り頃から疲れが出て体調が悪く、仕事をするのが精一杯で気に掛かっていたのですが集中力がなくURLを更新できませんでした。多くの方から更新催促のメールを頂戴しました申し訳ありません。


2001.3.25

原因は分りませんが、10数年前から医者から血圧が高い高いと言われて以来ずっと降圧剤のご厄介になっていました。
飲まないからといって血圧が上がった風でもないのですが、薬を止めたら“脳卒中”や“中風”で植物人間になるぞ!などと医者に嚇かされては仕方なく、副作用による内臓の不調に悩まされながら半ば惰性で薬を飲み続け最近に至っています。
ところが、文藝春秋4月号に掲載された【総力特集医療は今】の冒頭にある慶応義塾大学医学部の近藤誠先生の評論を読み唖然とし、以後降圧剤の服用をきっぱりと中止しました。
先生の評論では、昨年一年で我が国の“高血圧症”の病人がそれまでの倍以上2,100万人も増え3,700万人になったそうです。“高血圧症”の患者は98年の厚生省の調査で1,600万人だったそうですから余りにも異常な増加数ですが、これには当然不透明な“カラクリ”があるのです。
この10年程、減塩減塩と厚生省がマスコミの力を借りてまでPRに努めたお陰で、漬物屋さんや味噌メーカーを倒産させましたが、昔はダントツだった脳卒中で亡くなる人が急激に減少し、今や癌に一位を奪われ、二位の座すら心臓病に取って代わられています(この二位に進出した心臓病が曲者であり、犯人は降圧剤ではないか)。
これらの事実から日本人の血圧が下がることはあっても急に上がる筈もないのですが、病人が増えた理由は単純明解であり、高血圧の基準値が大幅に引き下げられた結果、病人の定義が広がっただけのことです。
何でも我が国には、大学の偉い先生達で占められている日本高血圧学会なんてものがあり、その学会が昨年高血圧の基準値の最高血圧ををいっぺんに20も引き下げたからです。
“20も?ウソー!”本当なのです。
最高血圧160最低95以上だった基準値が、いっぺんに140-90に変えられました。
この新しい基準を日本人に当てはめると実に30歳以上の成人の40%、60歳以上の60%が該当し、成人の二人に一人は“高血圧症”ということになってしまい、医者は血圧計一つあれば処方箋を書いて食べて行ける計算になり、製薬会社は注文殺到で左団扇になりましょう。
誰がこんな馬鹿げたことを謀ったかは皆様ご明察の通り、降圧剤で会社が成り立っている製薬会社と魑魅魍魎の巣くう日本高血圧学会との間で裏取引があったことがミエミエではありませんか。 学会は基準値を定めた“高血圧治療ガイドライン”なるものを昨年6月に公表し、不勉強な医者の道しるべとしたのですが、そのガイドラインたるや、日本人とは食生活も平均寿命も異なる欧米のそれをそっくりコピーしたものであり、ガイドライン作成委員長が序文で『欧米のガイドラインをそのまま適用する訳には参りません』と冒頭に注釈されて上でのことですから呆れてものも言えません。
近藤先生は、日本人の高血圧は『本態性高血圧』が圧倒的に多く、何処も悪くないのに血圧だけ高いのを本態性というが、正しくは『原因不明高血圧』と言うべき処、原因不明では専門家のプライドが許さないので難しい言葉でカムフラージュしていると書いておられます。
血圧には個人差が大きくそれを十把一からげに140-95のなどと決めつけるものではないのではないでしょうか。
それよりも程度ものですが血圧が高いことが健康な証拠であり、老人の場合降圧剤で血圧を下げることの方が心血管病の発症率が高まり、あの世行きの快速列車に乗ることになると警告されています。
大体血圧は低いより高い方が良いのに決まっており、低い血圧を高くすることが不可能なのでお分かりでしょう。
皆様も血圧が高いと医者に言われても、他が悪くなければ降圧剤など飲まないようにしようではありませんか。“高血圧症”の薬は先に言ったように副作用がヤケに強く無闇に服用すべきものではありません。150-90はあなたのベストコンデイションを表しているのかも知れませんヨ。
以前関与先の内科のN先生と世間話の中でで血圧のことを話していたら、『どこどこのAさんは200以上あるけどあの人は何処も悪くないし特別やから薬はいらん』と話されていたのをよく覚えております。
2年前のデータによると我が国医薬品の生産高は5兆8千億円であり、内トップはナント!降圧剤をメインとする循環器官用薬で9千8百億円あったそうですが、昨年の基準値の大幅な引き下げにより今年の降圧剤の売上は一体幾らに膨れ上がるのでしょうか。恐らく二兆円産業の一角となることでしょう。
私の個人的な独断と偏見ですが、この基準値の引き下げのシナリオのもう一人の黒幕はひょっとして我が国の厚生省であり、行方の知れぬ介護保険と健康保険の赤字に手を焼く政府が、健康な高齢者に降圧剤を飲ませて寿命を縮めようとしていると思えてなりません。
政治家には製薬会社からの政治献金という名のリベートは沢山入ってくるし、医者達は“高血圧症”の患者?達への投薬で繁盛し、一石三鳥とは正にこんなことを言うのではないでしょうか。


2001.3.8

先日来国会での予算委員会での質疑についてテレビのニュースを見ていて感じたのですが、これらを見ている諸外国から『お前らはホンマにド阿呆揃いやなあ!』と嘲嗤われているように思はれ恥ずかしくてなりません。
どうしてなら質問者も答える側もいつも乍らの自分の意思がまるで感じられない台本の棒読みで幼稚園の学芸会もどきであり、小学生でもずっとマシな“しゃべり”ができると思われます(小学生に悪いか!)。
質問側の野党議員達も自分で考えた質疑でしょうから、自分の作った質問くらい下を向いて原稿を読まずに総理の顔でも睨みながらできませんか? (ひょっとして質問も役人の作文した“やらせ”かも!) 。
又、答える総理側も、質問に対する答えを自分で作れと言っても才能の欠片すらない人なので到底無理でしょうからそんな無理は言いませんが、予め質問に合わせて準備された役人の作った原稿であっても、せめて一度位は自分の頭で覚え自分の言葉に置き換えて答弁してください。
人はそれぞれ自分の思想、理念というものがあるはずですから、時には原稿に“朱”を入れ自分の意見を役人に示し、抵抗すべきではありませんか。
役人に遠隔操作されたリモコンロボットの総理の答弁などもう“うんざり”で聞きたくありません。もし答弁の5分後に総理に同じことを聞いたら恐らく総理はさっき話した自分の答えを忘れているのではないでしょうか。
あの頭が良くないと謂われているブッシュ新大統領でさえ、殆ど原稿に頼らず自分の言葉で演説をしているではありませんか。
嘗ての名宰相石橋湛山は、総理就任時に慣例となっている役人の原稿を蹴って自分自身で考えた所信表明演説を行いましたが、戦後吉田茂と並び毅然として自己の意思を貫ける真の政治家でしたね。何故か昨今本物の政治家が居なくなって久しく、役人を“杖”代わりにする愚かな政治家ばかりの世界になってしまいましたが、国民の代表がこのざまでは情けなくて涙が零れます。こんなことでは政治家は益々役人に馬鹿にされ、役人が威張りのさばることになるでしょう。
日本経済をそこまで迫ってきた破綻から救うためにはまず省庁間の重複した予算の歪みをなくし、荒療治が必要であるにも関わらず、役人は縦割りで自分の省の利益のことしか意識になく、他の省庁のことや日本経済の総合的なバランスには全く無関心ですから、行政改革、省庁再編などが実施されても中身は単なる模様替えに過ぎず、愚かな政治家達が役人に丸め込まれてその実、役人の数が一人も減らず、一体統合されなくなった省庁の役人は何処へ行ったのでしょうか不思議でなりません。
国のお役人がリストラされたなどとは聞いたことがありませんから、きっと他の省庁へ引き取って貰って高額な退職金や年金付きの無駄飯を喰わせているのでしょうが、行政改革という錦の御旗が、何時の間にか新省庁の備品の調達費や省庁名の看板代など経費の無駄遣いだけに終わっているのは国民を欺く行為であり、誰かが声を大にして役人を糾弾すべきではありませんか。亡くなられた土光さんがきっとあの世で慨嘆されていることでしょう。
外務省の本年度機密費予算ではおかしなことに、前室長が遣い込んだ金額が減額もされずにそのまま含まれ前年通りの金額で可決されています。今年も誰かに遣い込まれる予定なのでしょうか、こんな盗人に追銭のような予算が可決される官僚の体質は野党の不甲斐なさにも一因するものでしょうが、諸外国から益々馬鹿にされ、ODAなどで金をたかられる原因になることでしょう。

ところで話は変わりますが、原潜衝突事件の査問会議に出廷したワドル艦長の奥さんと手をつないでのポーズには驚きましたね。儒教の教えを底辺に育った我々日本人には違和感が強くて、よい歳をした(艦長さん41歳とか)男が女々しいじゃないか!としか思えませんでしたが、公衆の面前で平気で男女が抱擁しあうアメリカでは当り前なのでしょう。
でも“えひめ丸”遺族の方々はどう感じられたことでしょうか、恐らくアメリカ人の思想が理解されなかったことでしょう。生活習慣の違いが日米間の対立にならないことを祈って止みません。


2001.2.18

最近の数年間に起ったいろいろなな事件を振り返ると、不思議な共通点に気付かされます。それは自分達の不注意やミスによって惹き起こされた事件の当事者や責任者達が何故か被害者に対して直接にも間接にも決して詫びようとしないことです。
一昨年の春、転んだときに綿菓子の割箸が喉に刺さり、杏林大学病院の当直医の誤診で亡くなった隼三ちゃんの事件では、1年後には私の怨念が叶い、漸く過失致死罪に問われることになりましたが、あの若い医師はとうとうお線香すら上げに來ませんでしたよね。
先日多数の怪我人がでたニアミス日航機の機長も事故直後雲隠れしてしまい、病院の見舞どころか自らが裁かれることになったことを想定しての対応策の相談に弁護士のところへ行っていたとか、人々の命を預かる者たるものでありながら、その鉄面皮な倫理観の欠如には呆れてものも言えません。
今回の原子力潜水艦による痛ましい事故に際しても、原潜の艦長はついに、“えひめ丸”の生存者や行方不明者(恐らく船の中でしょうが)の家族の前に姿を現わさず謝罪の言葉の欠片すらも聞かれませんでしたね。
何でも“緊急浮上”は招待した民間人に対するサービスだったとか、どうせ民間人の操縦指導に気を取られて“えひめ丸”の存在を見落としての事故だったのでしょうが、新大統領のブッシュさん、原子力潜水艦は遊覧船ではないのですヨ。一回の緊急浮上に要するエネルギーの費用は我々が想像できない莫大な額に上ると思われますが、一体誰が負担するのですか。16人の招待客が支払ってくれるとも思えませんが…。
東芝や大和銀行やブリジストンから搾り取ったた無茶苦茶な訴訟和解金を遣っているのではないでしょうネ。
閑話休題(それはさておき)謝罪に訪れない何れの場合も、被害者に膝詰で責められて、つい言ってしまった真実の言葉が将来訴訟の段階で自分達まで罪に連座することになることを恐れての上での上司や仲間達の配慮が働いた結果だと思いますが、その配慮に甘えて “人の倫(みち)”を疎かにする人間は“人”ではありません。“人”の顔をした“けだもの”です。
自動車事故を起こしておいて、救急車やパトカーを呼んだだけで自分は保険会社に全てを任せて怪我人の見舞にも行かない今の多くの若者とソックリではありませんか。
これは極力支払保険金を少なくするため、加害者につまらぬことを言われて保険金が増加しないように保険会社が加害者を被害者に近づけないように指導しているせいもありますが、これ幸いと便乗して謝罪に訪れない若者も若者です。世の中“金”が全てではないでしょう。
済んだことは仕方がありませんが、自らの過ちに対する謝罪は絶対にすべきであり、でなければ、天知る地知るで、自分自身が赦せないのではありませんか。
謝罪といえば森総理も事故当時事件を知りながら数時間ゴルフを止めなかったことについて、秘書官がゴルフを続けてくれと言ったとか、どうとか見苦しい弁解に終始していましたが、総理は秘書官のロボットですか?自分の意思はないのですか?
どうして『事態が読めなかった私が愚かでした。申し訳ありません』と素直に謝罪できないのでしょうか。
その後も何故か米国を弁護するような数々の発言が続き、私の期待したブッシュ新大統領に噛みつく素振りも見えませんでしたが、あなたは有事の際只一人の日本の国のスポークスマンであることを忘れているのではありませんか。
新大久保駅での転落事故を受けてあなたは亡くなられた韓国人李秀賢さんの葬儀に参列しましたよね。あれは隣の国に何故か弱腰の側近議員達の入れ知恵による韓国への“阿り”であり、若し李さんが日本人だったら総理は行かなかったと国民は全員思っていますよ、李さんの葬儀に行くなら関根さんの葬儀はどうして代役なのですか。世論に突き上げられ慌てて数日後関根さん宅へ弔問に行かれましたがそれを“証文の出し遅れ”というのですよ。
米ロサンゼルスタイムスが『原潜事故の報告後も森総理がゴルフを続けたのは米国にとって幸運だった、日本国民の怒りが森総理に向かったからだ』と皮肉な記事を掲載したそうです。瓢箪から駒の例えではありませんが、事件のお陰で借り物か貰い物のゴルフ会員権が次々にばれたりしてKSD問題や外務省機密費疑惑などで多忙な総理も四面楚歌となり、庇って呉れる議員も少なくなり大きな体の身の置き所がなくなりましたね、自業自得とはいえ私達はこんな無定見な総理を選んだ覚えはありません。
一体私達は誰に文句を言ったらよいのですか。
ここに至っては、森総理の退陣もやむを得ないと考えますが、その前に総理あなたは“えひめ丸”の引き上げだけはブッシュさんに約束させて下さいね。それが唯一あなたが“人”であるために為すべき国民に対する贖罪ではないでしょうか。
ところで話が変わりますが、あの事故で沈んだ船舶が若しフランスの船なんかだったら事件はどんな風に展開していたでしょうね。ブッシュさんが急遽特別機で海軍の全首脳と共に渡仏し、怒り狂うシラク大統領の前で全員土下座したりして…。
なんてことに成り兼ねなかったと皆様は思われませんか。
ブッシュさん“えひめ丸”が外国の要求にはどんなことにも泣き寝入りしてくれる政治家の沢山居る日本の船舶で本当によかったですね。


2001.2.10

『ALL NUTS AND A BUNCH OF WIMPS』
これは沖縄在米軍の最高幹部であるヘイルストン四軍調整官が、先日又々起った海兵隊隊員の沖縄少女に対するハレンチ事件に関連し、沖縄県議会による海兵軍削減を求める決議が可決したことに対し、知事達を批判し中傷するために十数名の部下達に送ったメールの一部です。
“WIMPS”など聞いたこともなくコンサイスを開いても載っていない言葉であり、フレーズ全体で“頭の悪い腰抜共”とか“馬鹿な弱虫達”とか人を罵るときに使う酷く卑しい俗語だそうですが、何でもニューヨークの黒人街で彼等に対しこの言葉を使ったら間違いなく殺されるとか、それほどまでに人を貶める低俗で野卑な言葉だそうです。
心ある部下の一人が公にしたことで発覚したことでしょうがこれを聞いた稲嶺知事の怒りは如何ばかりだったでしょうか。
暴言が表沙汰になったことで狼狽した調整官から電話による謝罪の打診に対し、これを断固と断り、直接本人が陳謝に出向くよう要請したことでも知事の怒りの深さが私達にもよく分かります。
自身の更迭要求決議案上程の動きを知って、一昨日渋々県庁を訪れた調整官は、口先だけで『不適切な言葉を使ったことを深くお詫びする』と席についたまま発言し、頭を下げる場面は最後までなかったそうです。
この調整官の横柄な態度から、彼が『本当のことを言って何処が悪いのか』と考えており、少しも反省していないことがよく窺えました。
調整官にとっては日本人は母国の無学な黒人以下の馬鹿の人間の集まりとしか写らないのでしょう。それはそれで調整官個人の欠如した品性と無教養さを世間に曝け出しただけのことかも知れませんが、問題はこの発言に対し、不思議でならないことは米軍がこの調整官を更迭等の処分を行う意思を全く持っていないことと、もっと不思議なことは森総理や河野外務大臣などの政府首脳が、アメリカに対し暴言に対する抗議を何もしようとしないことです。
どうやらアメリカは沖縄の米軍基地の存在について、『べらぼうに高い地代を払って沖縄を食わしてやっているではないか、日本を北朝鮮などの軍事脅威から護ってやっているではないか、少しくらいのことで文句を言うな!』と心底考えているのでしょう。
そして日本の政府首脳は米軍に沖縄に居て頂いていることに負い目を抱えているのでしょうか。
調整官はそこらのことを全て本国で教育された上での発言だと考えます。
確かにアメリカは現在の日本にとって親会社のような存在かも知れません。然し部下が親会社の社員に苛められたら上司が親会社に抗議するのは当然のことではないでしょうか。そんな当り前のことすらもできないなんて日本の政府は情けない上司ですね。
稲嶺知事さん、本当は無教養な調整官に対してより、自分達を庇ってくれなかった政府首脳に対しての怒りの方が大きいのではありませんか?
“王様の耳は驢馬の耳”ではありませんが、一度海岸から本土の国会の方を向いて『ALL NUTS AND A BUNCH OF WIMPS』と大声で言ってやったらどうですか。この数週間堪ったストレスが幾らか発散しますよ。
どうせ総理も外務大臣も普通の英語すら分からない人ですから大丈夫ですヨ。
処で、今朝の原子力潜水艦による惨い事件に対し、政府は一体どう収拾するつもりでしょうネ。
ブッシュ新大統領に噛みつくよいチャンスではないのですか。
オロオロするだけで、何もできなかったりして…


2001.2.5

あなたは怪我の乗客を見舞に行く気がないのですか
日航のニアミス事故機長殿

機長さん、警察の要請にも応えず行方をくらまし、多くの乗客の怪我人を放置しておいて、弁護士のところへ相談に行くなど、あなたは一体何を考えているのですか?
あなたは我が身の保全のための“緊急避難”と言いたいのでしょうが、事故の責任が何処にあるにせよ誰にあるにせよ、あなたは逃げずに胸を張って正門から姿を現し、誰からの質問にも正々堂々と自分の取った行動の説明ができないのですか、それが“恥を知る日本男児”として何よりも為すべきことではないのですか?
あなたの所在が分からなくなりやがて弁護士を訪ねたことが明るみにでた瞬間、下賎の我々だけでなく多くの国民から“あいつは自分のミスを咎められない詭弁を教わるため、相談に弁護士を訪ねた”と思われていましたヨ。
昨日、管制官のミスだと謂う結論が出たようですが、あなたの早過ぎる弁護士訪問は組合の意向があったにせよ、自己中心の貧しい己(おのれ)を世間に曝け出し致命的でしたね。
何より、多くの人命を預かる人達にとって一番大切なことは、自分のことなど考えずに預かった乗客の怪我の身を案じ、まっすぐに病院へ直行すべきが“人の倫(みち)”であり“ものの道理“ではありませんか。
あなたは機長どころか人間失格ですね。

ホテル代が如何して機密費なのですか?
森総理大臣殿

あなたの外国訪問のホテル代が外務省の機密費で支払われてるそうですが、スパイの情報活動費でもあるまいに、どうして正規の予算で決済できないのですか?
若しかして、あなたの知らない世界での処理かも知れませんが、そんなことだから我々の尊い血税を着服する手合いが一杯出てくるのです。
内閣官房の機密費が横領されたなど、白々しいことを言って、外務省の機密費にまでことが波及しないようにとの小細工は、我々愚かな国民にも丸分かりですよ。
如何して外務省のノンキャリに内閣官房の機密費を横領できるのですか、機密費の出所が外務省だからできたことではないのですか。
あなたは私達がどんなに辛い思いをし、借金までして税金を支払っているのかご存知ないのですか?
今後、是非あなたの外国出張の経費は公開しないまでも、正規の帳簿に記載し、会計検査院の監査をちゃんと受けて下さい。
下賎の我々ですから、ホテルの請求書が見せられない理由は、さては請求書の中に“コールガール”の出張代まで入っているのでは?などと誤解してしまいますヨ。いいんですか?
ところで、会計検査院の帳面は誰が監査するのでしょうネ。
自分達で監査して『適性だった』と言ったりして…。

あなた方は天地神明に賭けて潔白だと言えますか
野党の皆様へ

機密費だけでなく、KSD(K金でS政治家をD抱きこむの省略語だそうですね、今日国会の質疑で民主党の議員が言っていました)の問題を初めとして、自民党に対する国民の風当たりが段々強くなっていますが、野党さんあなた方は余り自民党を責めないで下さい。自民党あっての野党ではないのですか、あなた方も五十歩百歩で人のことを余り言えないのではありませんか、もっと大所高所に立って日本の国のことをよく考えて下さい。余り責めるとあなた達の足元が崩れることになりますよ。
中国や北朝鮮や韓国が“コップの中の嵐”を嘲笑っているのが聞こえませんか?又、いつもの例の手口で彼等に金(かね)を搾られる材料に使われますヨ。


2001.1.27

裁判所正面皆様“除権判決”と言う言葉をご存知でしょうか。
株券等有価証券や小切手約束手形などを紛失したときに、その無効を宣言する判決のことを言いますが、広辞苑によれば【公示催告手続を裁判所に申し立て、所定の期日までに催告の目的である請求又は権利の届け出がなされない場合、申立人の利益になるように法律関係の消滅又は変更をを行う判決】と難しく書かれています。
要するに『無くしてしまったから再発行してくれ』と言われて再発行したら、別の所有者が現れて『俺がほんまの持主や』と言われるとどっちも困るので、法律的に『もうそれは無効になっていますヨ』と第三者に言うために必要な手続きであり、官報に公告した上で、裁判を起こして判決を頂くということになっています。
何故こんなWEBになってしまったのでしょうか、実はひょんなことから懇意なHさんから株券をなくしたと相談を持ち掛けられ, 何となく私が紛失した株券の再発行手続きを仰せつかる運命に相成ってしまったのでした。
その公示催告の期日が書類を裁判所に出してから8ケ月後一昨日の午後1時30分にありました。弁護士に依頼しないでの本人申請の裁判ですから、当然に本人が出頭しなければならず、私も責任があるので一緒に付き添って裁判所に行きました。
昔は会社の組織変更などでよく通ったものですが、震災後法律が変ってから一度も行ったことのない裁判所は、よく見ると上半身洋風と下半身和風とへんちくりんな建物に様変わりしており、二階までが昔からの古めかしい煉瓦造りで三階から上が総ガラスのリクルートビル風になっているではありませんか。何度も近くを通っていました が、リクルートビル風は背後の別のビルだとばかり思い込んでおりましたが継ぎ足しだったのに初めて気付きました。裁判所は煉瓦造りが威厳があってよいと言う意見と、もうそんな時代ではないと言う意見と分れたため、侃々諤々の激論の末仕方なくの折衷案だったのでしょうが可笑しい建物もあったものです。
閑話休題(それはさておき)裁判所の中は昔と同じで広いばかりで受付も何もなく殺風景でがらんとしていて何処へ行ってよいのやら見当もつきません。そこで当日持参することになっている裁判所から送られてきた厳めしい“特別送達”( 軽いのに1000円以上もする書留の親分)の封書の表に神戸地方裁判所3階と印刷してあったので、3階に上がって廊下の長椅子に座って待っていたのですが、5分前になっても、何の動きもなくどうもおかしいので、おそるおそる事務局らしい処のガラス戸を開けてそこに居るお役人に催告期日呼出状を見せたら、『ここと違いますよ、それは2階ですよ』
仕方なくHさんと2階に降りましたが、2階には小さい法廷の部屋が幾つあるのか数え切れぬ位あるではありませんか。“そうや除権判決は裁判やから何処の法廷か探さなアカン!“と二人で一室一室捜していったら、やっと表札みたいなものに名前が書いてある法廷が見つかりました。それも何十人もの会社名や個人名の中に小さくHさんの名があるのです。 “あった!よかった!”再びおそるおそる扉(ガラスではなく外から全く見えない木の扉)を開けたら、ナント!中には人が一杯居て、部屋の様子はテレビでよく見る裁判所の法廷そっくりであり、違うところは大きさが20坪位のミニ法廷でした。黒い化繊の法衣(あれは制服か!)を着た中年の男の人と若い女の子が何やら沢山の書類を仕訳中であり、周囲に人が群がっています。Hさんと二人でポカンと見ていましたが、どうやら除権判決の書類と申立人との突合中らしく『Hさん早く印鑑と、この書類を持って行って!』と急かせて群の中に入れると、やがてHさんが呼ばれて受取書のようなものに判子を押さされていましたが、一段落した頃黒いコートの人が何処かに電話をしています。『作業完了しました』とでも言ってるような様子から、どうやらこの人は書記官らしく、いよいよ裁判官のお出ましかと息を詰めて待ち構えていたら、数分して初老の判事さんが奥から黒い法衣を着て眠そうな顔で現れ、書記官からの起立、礼の挨拶の後、立ったままで『皆さんの方に異議申立はなかったでしょうね、裁判所にもありませんでした』と早口で言った上で、申立人全員20数名の出欠を挙手でとりましたが、座ることもなく何が忙しいのか慌ただしくあっという間に居なくなってしまったのでした。
判事さんの出欠の問い掛けから我々以外全員が弁護士であることが分りましたが、中にアクションスター“スティーブン セガール”風の長髪後ろ束ねの若い弁護士さん(背は低くて格好悪く遊び人風で、あの“頭”でよく依頼人があるなあと呆れたり)が居たりして驚いたりしました。
脱線した話を元に戻しましょう。判事さんは除権判決など裁判の内に入らぬとでも思っていられるのでしょうか、一定期間に申立てのあったものを纏めて一回で済まそうとされているようであり、何だか呆気にとられている間の数分間の出来事でした。
小さいと言っても裁判は裁判ですから、裁判官が『皆の者、控えおろう』とまで言わないまでも小槌のトントン位期待していましたが、それもなく拍子抜けしてしまいました。
やがて書記官と女の子の二人から各自判決の正本が交付されて、それこそ本当に一件落着となりましたが、1年近く待たされた挙げ句が、数分間それも幾十人も十把一からげでの判決(?)ですから驚きより奇異な思いが先立ちました。
一人宛全員が判決文を読んで貰うことはおこがましいとしても、僅か1分か2分で済むことですから、判事さんは誰か一人の判決文を読み、後は“以下同文”くらいは言うべきではありませんか。
何がそんなに忙しいのでしょうか。法廷に現れた判事さんは眠そうでさっきの電話まで居眠りしていたような顔でしたから、自分の部屋に帰ってうたた寝の続きが待っているのでしょう。
最近の民事裁判は何故かせかせかして判決を迎えることが少なく、尼崎公害訴訟に見られる如く、一回か二回の審議だけで半ば強制的な和解勧告が常識となっていますが、これでは裁判の当事者同士不完全燃焼で遣り切れません。本当に判事さんはそんなに忙しいのですか。それとも判決を避ける理由は若しかして高裁に持ち込まれて逆転判決になると自らの左遷が待っているのを恐れてのことかも知れませんが、正義の味方である筈の判事さんが自己保身中心では、お上に縋るしかない我々庶民は一体どうなるのですか。
二月号の【新潮45】を読んでいると『“裁判官”気楽な稼業ときたもんだ』に5000万円の詐欺にあった被害者が提訴したら、『被告の行為が詐欺に当たるのは明白である、然し原告にも不注意があったから過失相殺で弁償額は7割が相当だ』と和解を迫ったという愚かな判事がいると書かれていましたが、泥棒を捕まえて盗ったお金を返せと言ったら、戸締まりを怠った方も悪いから3割は返さなくてよいと言う理屈と同じになりますよネ。この判事さんは原告の弁護士から抗議され、更に他の判事にも注意されて仕方なく訂正したそうです。
もう一件、夫から暴力を振るわれて離婚の慰謝料を請求した妻に、判決で夫の暴力が如何に非道いものであったを延々と述べながら離婚を認めても慰謝料を認めなかった理由に『夫からの耐え難い生活から開放される喜びが何よりの慰謝料になる』と言う可笑しな理屈を言って自らの誤りに気付かない思考回路の狂っている判事さんもいるとか、判事さんの頭の中には世の中の常識と六法全書の解釈がまるで違った世界なのでしょうか。昔、敬愛する関与先のA社長が、『法律は常識から造られるものだ』と言われたのを私は今もよく覚えています。
そうです。裁判所の世界は現実の社会のあり方と遊離した仮装社会の出来事であってはなりません。我々はあの黒い法衣に見られる権威主義に惑わされることなく裁判所が一般庶民の生活に根付き常識に馴染んだものになるように声を大にして叫ぼうではありませんか。
いつもの痩せ犬の遠吠えでした。


2001.1.18

年末からお正月にかけてのWEBを読んだ妻から『明るい話題はないの?こんな暗い話は聞きたくない、もうHPを閉じてほしい』とまで言われてショックから立ち直れず、年末調整の多忙もあり、WEBの更新ができずに20日近く経ってしまいました。
然し、亡くなった鶴田浩二の唄ではありませんが、右を向いても左を向いても真暗闇の世の中です。おかしいのは若者だけでなく、関西の多くの中小企業の業績もです。
我々の得意先も殆どが経営悪化の一途であり、私達の事務所も借金の返済がおぼつかなく、将来の見通しが全く立たなくなっています。
経済成長1%など政府の言う“景気の回復”が空々しく聞こえてなりません。大企業ばかりが企業ではないでしょう。NHKの先ほど6時のニュースで関西地方の倒産が前年より31%増と告げていました。
然し、どんなことがあっても妻には逆らえませんし、何よりHPを閉じることは私のボケ防止を阻害することになるので今回は明るい話題をお伝えすることにしましょう。
少し前の話になりますが、生態学(エコロジー)という学問が意外にも里山や森の自然環境の回復が人間生活にとって不可欠であることを説かれたことをお知らせしたWEBをリリースしたのをご記憶だと思います。今日はその続編として自然環境の回復を事業として成功された“たもかぶ”のことをご紹介したいと思います。
皆様は福島県只見町をご存じでしょうか。東京電力の発電所“只見ダム”でご記憶の方が居られるかも知れませんが、遠い関西にあっては知名度が低いのは仕方がありません。
この町は新潟県と福島県の県境にあり、一日3~4本のローカル鉄道以外は、積雪のため12月から6月まで車も通行止めとか、地元では毎年2mを超える豪雪の降ることで有名です。東京23区の1.5倍も面積がありながら“町”とは名ばかりで全体の96%が山岳地帯2%が川、残る僅か2%しかない川沿いの平地で住民が農業や林業を営んでおり人口が5800人、過疎の見本のような山村です。
その不便な不便な町に世界一を目指す125万部もの古本の図書館ができました。何故そこに図書館なのかにまず驚かされますし、何よりそれだけ沢山の本をどうして集めることができたのかがこれ又不思議です。
その種明かしは今回のWEBの主役である地元只見木材加工協同組合の組合長であり『本屋のない町に未来はない』という夢の持ち主でもある吉津耕一さんという方が奇想天外なアイデアから只見の森と本を交換することを提案され、町ぐるみで賛同した結果なのです。
この組合長さんは里山の自然環境を活かすために、豊富な木材資源を活用して地元住民の雇用の場を創設するために家具の部品生産事業を目的に設立された只見木材加工協同組合のあり姿に疑問符を投げかけられ、森を切って木材を生産することが果たして長期的に地域のために役立つのかと考えられたことがことの発端です。
急峻な山から危険な重労働で数百年以上掛かって育った森を伐りだしても僅か20年で育った東南アジアの外材とは到底戦えないし、100年以上も待たないと再生しない上に林地残材の問題などで、地元の副業である山菜取りやキノコ狩りもできぬことになるので、現在の林業は自然を破壊するだけに終わるのではないだろうか、地域の資源、景観、文化等を護るためにどうすればよいかと模索されたところからユニークにして素晴らしい発想がスタートしました。
その一つは、豪雪に耐えるため一尺角以上の梁や大黒柱を使った江戸時代からあるこの地域独特の巨大な伝統民家『曲がり屋』の再利用です。これらの大きな柱は建築資材が規格化された今となっては、天然記念物以上の貴重な値打ちがありますが、余りに大きすぎて物流の対象になり得ず、その土地で伐採されその土地でしか使えないものなのですが、これらの民家『曲がり屋』が次々と取壊されて新建材の住宅に変えられようしている処から、取り壊されようとしている民家を買い上げて都会の人達のセカンドハウスに再利用しようとされたことです。現在では100棟以上の伝統民家風セカンドハウスが建ち並び春から秋にかけて都会から沢山の家族連れが訪れ山川の自然を満喫して帰られます。
これだけならそんなに珍しい話でもありませんが、奇想天外なのは二番目の本と森の交換です。この地域には昔から人工林よりも薪炭を生産する“入合林”と呼ばれる集落共有の雑木林が圧倒的な面積を占めていましたが、化石燃料の登場以来放置されて藪になってしまっているので、この雑木林を手入れして山菜取り、キノコ狩り、木の実拾いなど大人達も子供達も一緒に遊べる森にして都会の人達に来て頂いたらよいのではないかと考えられ、それが7年前から始まった『あなたの本と只見の森を交換しませんか』運動でした。
当初は地元の人達や都会から只見を観光に訪れるお客さんに呼びかけて出資して頂き会社組織にして町の持つ山を買い集め、手入れをして出資者の方々にだけ会社の山に自由に出入りして山菜取りやキノコ狩りを楽しんで貰おうという創案でしたが、出資者が500名を超え資本金も1億円を超えるようになって所有地も40万坪にも達し、株主だけでは使え切れず手入れのコストも増えてきたので『入会権付き緑のオーナー』制度を始めたのがきっかけとなり、吉津さんの夢が実現しました。読んで不用になった本を定価の10%で買い取り、1670円で只見の一坪の森と交換できることになったのです。この運動は大きな反響を呼び、今では毎日毎日1000冊以上の本が段ボール詰めで送られてきて、延べ総人員1万人を遙かに超えたそうです。
300坪(1000㎡)に達したら登記簿上も正式に特定の土地の所有権者となれ、20年間の管理料と入会権がセットで手に入る仕組みになっていますが、現在6000坪もの森のオーナーができて、山菜取りなどに来られては図書館の本を読んで帰られるそうです。
吉津さんは『森を伐ってつくられた紙や本をその故郷である森に帰すことによって、本も森も大切に使っていきたい』と言っておられます。
ちょっと遠いけど、あなたも只見の森のオーナーになりませんか?
詳しくは下記ののHPをご覧下さい。
【吉津 耕一 著 『本 森に帰る』 】 【たもかぶホームページ】


2001.1.1

ミレニアム2001年初頭に際し首題についての私の思いを皆様に聞いて頂きたいと思います。
ここ数年毎日のように発生する少年や若者の犯罪を見聞きするにつけ胸が締め付けられる思いがしますが、何故このような事件が多発するのか、彼等が犯している罪は果たして彼等だけのものでしょうか、自分さえよければ他の者はどうなってもよい自己中心の少年や若者に育てた我々にも大きな責任があり、我々も若者が犯した罪を共有せねばならぬのではないかと考えます。
ずばり、結論から言うと現在の家族のあり方が間違っているのが原因だと思います。
戦後の高度成長による裕福な生活が永く続いたため、不幸にもそれ以前の “親の背を見て子は育つ” 家族環境が破壊されてしまいました。物余り時代の到来と共に世の中が食べるために家族皆で助け合い支え合う必要がなくなってしまったからです。
全て電化製品や機械化のせいで便利になり過ぎ、家庭では誰も工夫をしようとしなくなったため、子は親から学ぶものがなくなり、必然的に家族がタテ社会からヨコ社会に変って行きました。
好きなものを好きなときに好きななだけ与えられ、親に褒められることも叱られることも知らない子供達を大きくしたのは、誰でもありません私達です。
我々の幼いときの親というものは手を繋いで貰ったことすら記憶になく、いつも怖くて近寄り難い存在でした。何か聞いても“自分で考えろ!”と怒られるのがオチであり、何事にも全て自分自身で考え自分で解決をつける倣しでした。後に述べるように実はそれが真の“学ぶ教育”だったのです。
与えられることが当たり前になっている今の子供や若者にとって現代は学ぶ必要のない、範となるべき親を知らない、人生を遊び感覚で刹那的に生きる自分中心の心貧しい世界になってしまったのでしょう。
昔から諺に“親辛抱、子楽(らく)、孫貧乏”と謂うではありませんか。
仏教の輪廻転生ではありませんが世の中とて同じことです。戦前までは“親辛抱”でしたが、今の時代は“子楽”の時代が少し永過ぎて、“孫貧乏”がその極に達しているのでしょうか。貧しいのはお金ではなく実は心なのです。
昔の人は飢えと闘う極貧の生活であったにも関わらず何故か沢山の子供を産んでいます。6人8人などザラであり中には10人以上も生んだ人も数知れずでした。
避妊方法の無知や国が“産めよ増やせよ”と国力増強を叫んだこともあったでしょうが、私は昔の人が多く子を産んだ理由は未熟な医学のために幼児の多くをはやり病(やまい)で失ってゆく経験から子孫を残したい強烈な本能があったことと、産んだ子供が将来逞しい体力や精神力そして忍耐力を身に付けていないと世間の荒波を乗り切れないことを知っていて兄弟同士互いに競い合わせ切磋琢磨させるためだったのでしょう。
昔の人は子供を産めばそれでよいのではなく、自立できる人間に育てる使命観を持っていたのです。その代わりひ弱い子供はその子の先を思って容赦なく間引かれたことは想像に難くありません。
掃除機も洗濯機も保育園もなくてどうして育てたのか今の時代の人達には想像もできないことでしょうが、子供は6歳になると当然のように家での仕事の役割分担が決められていたのです。つまり1年生になれば学校から帰ると弟や妹の子守が待っていました。そして子供達それぞれが年齢体力に応じて掃除洗濯炊事から薪取り、水汲み、風呂炊き、肥担ぎなどの仕事が与えられ、どの子も一家に必要な存在となっていたのです。
頑是ない幼児達も兄姉の背中に負ぶわれてこれらをずっと見て育ちましたから、これらの仕事を引き継ぐことに何の抵抗も覚えず当然のように受け入れられたのです。
親達はその間子供には何一つ教えず、朝星夜星で一所懸命働いていましたから、子供達は親の後ろ姿を見て見よう見まねと自らの知恵で自分の仕事を覚えていったのでした。親が後ろ姿から子供達に無言で教えたのは “自分の力で自分自身で学べ”と云うことだったのです。
自分の力で自分の為すべきことを悟った子供達には自分達の労働が一家を支えるのに役立っていることを知っていましたから少しも苦にならず、それが喜びであり生き甲斐であり誇りでもあったのです。子供達は尋常小学校を卒業するとすぐに親兄弟と別れて見知らぬ土地へ丁稚奉公や機(はた)織り工に行き、身を粉にして働き親や弟妹の喜ぶ顔を夢にまで見ながら故郷へ仕送りを続けたのでした。
全ては家族への連帯感がなせる業だったのでしょう。中には尋常小学校にも行かせて貰えずに、農業や機織りの労働力となって家に尽くした子供達も数知れません。
皆様、こんな“唄”をご存知でしょうか。
『♪おっかちゃんけなるや(羨しや)子が泣くいうて添い寝しながら楽をする。♪わては早よから糸繰り仕事学校行きたや遊びたや』 『♪男はけなるや機屋の子でも学校へ通うて字を習う♪わては九つじきとうになるなあも知らんで年をとる』この唄は“世界”の2001年新年号から連載されることになった津村節子の『絹扇』の主人公当時数え9歳の少女“ちよ”が朝の4時から機場で糸を繰り乍ら寒さを紛らわすために唄う糸繰唄の一節ですが、貧しい家庭環境を受容し、勉学への夢を諦めてまで家のために懸命に尽くすのは昔では当り前のことであり、貧しさがかえって親子の連帯感を増幅させていったのではないでしょうか。タテ社会の構図は教えられることなく知らず知らずに生活の中から学んでいったのです。
『今の若者とは時代も環境も違うじゃないか!』などと言わないで下さい。もう少しの辛抱?です。
やがてあと10年も経たない間に日本はひたすら我が身のことのみにかまけて国の内外に目を向けずにいる愚かな政治家達のお陰で諸外国から見捨てられ、中国や北朝鮮からは“かつあげ”され、膨大な借金国に転落し食糧を輸入したくとも銭はなく、エネルギーや食糧の自給を怠った“つけ”を背負わされることになるでしょう。そして日本人には皆家族全員が支え合って行かなければ生きていけない苦難の時代が到来することになりましょう。
国が破綻しなければ、親子の絆が取り戻せないなど悲しいことですが、やがては“親の背を見て…” の家族環境と強い親子の絆が復活し、そこからが本来の“人”の関係の再出発が始まるでしょう。
“艱難辛苦汝を珠にす”の格言が脳裏を掠めますが、家族全員が少ない食べ物を譲り合って食べ互いに労り合い、いずれは親の背を見た心豊かな少年が立派な若者に育って行く未来が到来することを神に祈ろうではありませんか。

お気軽にお問い合わせください。 TEL (078) 704-5488 受付時間 9:30 - 17:00 (土日曜・祝日除く)

  • Facebook
  • Hatena
  • twitter
  • Google+
  • LINE

お気に入り登録

サーバを移転しましたので、アドレスも変わりました。ぜひお気に入りに再登録をお願いいたします。
  • facebook
  • twitter

岡本会計事務所

〒655-0025
神戸市垂水区瑞ヶ丘8番33号
岡本良英(税理士)
岡本 一(公認会計士・所属税理士)
TEL : (078) 704-5488
FAX : (078) 708-5488

カウンター

PAGETOP
Copyright © 岡本会計事務所 【神戸市垂水区】 All Rights Reserved.
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.