「セプテンバーソング」を幾らも聴かぬ間に9月が駆け足で通り過ぎようとしている(;;)。
この歌は「5月から12月までの時間は長いが、9月の声を聞くと残された日々は少なくなる、だから貴重な日々を大切に過ごしたい」と謂う人生の黄昏を擬(なぞら)えた曲であり、映画「旅愁」の主題歌だがマント・バーニーがお薦めだ。76歳と既にオマケの人生を過ごしている私に相応しい曲だな。
うちの土手の上に築30年もの賃貸用ボロハイツがあり、傍に火事に備えて家庭用風呂の三倍位の大きな防火用水があって、ハイツの屋根にある樋の水が全て其処に集約して堪るように作ってある。平成18年に帰天したが、火事の備えばかりでなく周囲に散在する植木や草花などの水遣りに水道を使わずに済み、節倹を座右の銘とし、出すのは舌でも厭と謂う明治人間の見本であった親父のしそうなことだった^^。
借家など不動産については家賃滞納のトラブルが多いことや店子が出居時に家賃の1年分を超す修復費が掛かることを仕事柄承知しているため私は決して乗り気ではなかったが他にボロハイツなど貰ってくれる姉弟も居らず自宅と地続きでもあるため仕方なく私が少なくない相続税を払って相続したが、震災の後遺症も少なくなく毎月彼方此方が不具合でリフォーム屋に修繕の手配に明け暮れ赤字続きに大弱りだが壊すにも入居者が住んでいる内は叶わず四面楚歌を託って居る(;;)。今日の話題はこの防火用水なのだが夏場になると蚊が発生するのに気付きボーフラ退治に春に金魚を放して居た。大きさと水の嵩からして万一幼児が嵌まると助からぬので蓋をしていたが、其れでは日光も空気も通り難く金魚が直ぐに死んでしまうため蓋の周囲を少し宛開閉できるようにして空気と風が通るようにしたら、金魚が死なぬようになった^^、処が生き物を飼えば偶には餌も遣らねばならぬ、仕方なく数日に一回ゼーゼー言いながら急な45度の階段を30段余り餌やりに上って居たが、先日餌を与えに行くと黒くて細い魚が飛び出してきて金魚が食べようとする餌を素早く引ったくって居るではないか!アレッと目を凝らしてみるとそれは紛れもなく「オイカワ」だった^^。「オイカワ」なんて人の苗字のようだ、語源は分からぬが正式な名称であり鯉科の魚で川の瀬に居て俗に「はえ」と呼ばれ、関東では「やまべ」と呼ばれる。宇治川では日本記録(22センチ)を目指して寒中に多くの釣り人が出る人気者の川魚だ。川釣りをしない人には水槽で見ても魚の名前は識別できないだろうが30年間川釣りをしてきた小生には水の表面からでも体型と泳ぎ方で「オイカワ」がしっかりと判別できる。小さくても戸口がある庭の中の防火用水に一体誰が「オイカワ」を放したのか不可解でならぬが、川の瀬を住処とする魚だから敏捷で捉まえることは不可能であって、住ませて置くしかなさそうであり、10cm近いのが1匹と5cm位のが3匹居るようだ。川魚なので風通しの悪い防火用水では酸素の溶存度が心配で雨と風を期待するしかないが、それも「オイカワ」の天命だろうかとゼーゼー言いながら毎朝餌の「冷凍赤虫」を運ぶのを日課として居る(;;)。

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日本の川魚は熱帯魚と違って地味で鑑賞に値するものではないと誰もが思っているが、「オイカワ」の雄は初夏になると雌を誘うために彩る婚姻色は見られる如く石垣島の熱帯魚も顔負けだ(゚ロ゚)。普段は鰯のような普通の魚だから、近藤真彦じゃないが「ぎんぎらぎんにさり気なく」とでも言ったらいいのか不思議な川魚だ^^。昨夜は台風接近とかで久し振りに旱天の慈雨であり樋からの水で「オイカワ」達は酸素が潤沢となったせいか今朝は何時もより敏捷で金魚は殆ど赤虫の朝食にありつけなかったようだ(;;)。
財テク失敗を理由に粉飾決算で逮捕された元オリンパス社長ら三名の初公判が先週行われた。彼等は裁判長に対し「ざんきの念に堪えない」と原稿を読み上げたが、「慙愧(ざんき)」が常用漢字でないため新聞では平仮名で書かれていた(;;)。仮名では学生が読んでも何のことか理解できないだろう。どうして漢字を用いてルビを付さないのか明らかに新聞社の怠慢だと思う。読者を啓蒙するのも新聞社の仕事ではないのか:-)。この字は「慙」も「愧」も「恥じる」と言う意味であり訓読みではどちらも「はじる」と読む。漢字なら読者も国語辞典と漢字辞典で意味が分かるが平仮名では学生も国語辞典すら開く気力が出ないだろう(;;)。
漢字に辛辣だったコラムニストの山本夏彦翁は大正の後半小学生の頃、家にあった明治時代の新聞を片端から読んでどんな漢字も読めて書けるようになったそうだ。その訳は明治時代の新聞には常用漢字の制限などなく全ての漢字にルビが振ってあったからカナさえ読めれば「罵詈讒謗」でも「魑魅魍魎」でも当たり前に小学生にでも書けたのだ。今の高校生は「薔薇」だって書ける奴は少ない。運良く書けた奴でも良く見ると殆どが山の下にある「一」を忘れて居る、此は常用漢字の「微」や「徴」が昔旧字体の頃、山の下に一が付いていたのが省かれた名残なのだが、此の一を忘れたために薔薇が書けなくなっているのだ(;;)。マスメディアが文部省の顔色を見て余程のことがないと常用漢字以外を使おうとしないのは良くないと思う。今更漢籍を学べと言っている訳ではないが、6万字ある漢字の1割位は読み書きできないと其れこそ日本人として「慙愧に堪えない」のではないか?因みに「はじる」と言う漢字は「慙愧」以外にも「忸怩(じくじ)」は両字共訓読みは「はじる」だし「羞」も「恥」もはじるだが、こんなに沢山「はじる」字があるのに日本人は「恥」しか書けないなんて恥ずかしいなあ。

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片やクール.ビズ、片や正装では此の写真を見て野田総理を知らぬ外国の方などネクタイの有無から左の貧相な男が総理だと思ってしまうよな(;;)。此は我等日本税理士会の機関誌9月号の第一面であり、お盆過ぎに税理士会の会長が何やら建議書を読んで貰うために総理を表敬訪問した際の写真だ。クール.ビズが一般に定着したと謂っても此は日常業務に限ってのことであり、苟(いやしく)も陳情目的で我が国の総理を訪問する際の服装としては余りにも礼を失したと言えるのではなかろうか?此の写真を見た会員から「一体から何様だ!」と抗議の声が上がるのではないかな。
官邸の秘書官からその辺の非礼について一言あったのではないかと考えたが、日本税理士会が毎年我々の会費から無断で10億円を各国会議員に寄附していることは周知の事実であり、非礼を責めて寄附金を昔のように自民党に厚くされては敵わぬので黙って赦したのではないかと思ったが、それにしても此の会長は無知蒙昧の上非常識な男やな。よしや、先方からクール.ビズを要望されても慇懃に断り正装して行くのが身分上下の理であり、人の倫と謂うものだろうが…:-)。一般紙にでも掲載されれば如何に人気にない野田総理であっても世間の顰蹙を買って抗議が殺到し、池田会長は無念にも辞任の已むなきに至ったであろうから、業界紙で幸いだったな^^。
レスリング吉田選手13連覇はお目出度い。でも片足を段に掛けて大股開きのガッツポーズはあれで女か?日本人として慙愧に堪えぬ:-)。
先週の常用漢字の表外読みの答え
備に)辛酸を嘗める、(つぶさに)でした
今週の常用漢字の表外読みの問題
彼はイヤだと(頭)を振った