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漢字を読めなくなった日本人

なでしこ

猛暑が続いて居るのに家の前のプランターでは何故か色とりどり秋の七草である撫子(なでしこ)が花を付けて道行く人々の目を和ませて居る^^。露地でないため水遣りが大変だが、溝に生えていた苔を剥(は)いでプランターの土の上に敷いて乾燥を防いだのが成功したのか酷暑の中で可憐な花を眺めるのはとても楽しい^^。特に白い花が可愛いね。それにこんなに清楚だと流石にペットボトルやコーヒ缶を捨てる不届き者でも遠慮するから助かるな^^。

先日NHKニュースホット関西で何かの事件について奈良の畝傍高校とかの先生が生徒達に「他人事ではない…」などと話しているのが字幕のテロップ付きで放映された。先生の言った言葉は(たにんごと)だった。待って、待って、どうして「たにんごと」なんて言うの?他人事を「ひとごと」と読むのは決まりじゃなかったの?どうして高校の先生まで誤った読み方をするの?又NHKもそれを検証しないの?
まさか間違って居たのが私では…と辞書を引いたが「たにんごと」で出ているのは僅かに三省堂国語辞典が「ひとごとから誤って生じた言葉」とあり、新潮国語辞典も広辞苑も「たにんごと」は入って居ない。新解さん第七版では「たにんごと」はなかったが「ひとごと」の項に「最近たにんごとと文字読みする傾向あり」となど注記されて居たから、「たにんごと」も使われるようだが此れは明らかに慣用読みではなく誤読だ。文庫本を読んでいると最近「他人事」に「ひとごと」とルビが付くことが多くなったが、ルビが付くということは読者に「たにんごと」と読まれることを作者が嫌ってのものだろう、されば世に「たにんごと」と読んで恬(てん)としている輩(やから)が闊歩してきたに違いない。最近漢字を読めなくなった連中が多くなったことはネットの書き込みに象徴されて居る。入力しても漢字変換の選択をしないから、意味の分からない漢字表記になって居るのに気づかない。ひらがななら未だ意味が取れるが漢字の熟語が変わると言葉の意味が全く異なるから変換時に辞書機能を活用しないんだろうな。それにしても漢字は全てパソコンでの検索を頼りにして国語辞典を引かない連中が多くなったのは嘆かわしいよね。

ネットを見ていたら「読み間違い漢字ランキング50位」なるものが出ていた。中学生程度の易しい字ばかりだった、500人が対象だったが出題の熟語を見て日本人も漢字が読めなくなったものだと呆れたね。1位から10位まで書いてみよう。

  1. 乳離れ(ちちばなれ→ちばなれ
  2. 貼付(はりつけ→ちょうふ
  3. 続柄(ぞくがら→つづきがら
  4. 礼賛(れいさん→らいさん
  5. 依存心(いぞんしん→いそんしん
  6. 漸く(しばらく→ようやく
  7. 早急(そうきゅう→さっきゅう
  8. 間髪(かんぱつ→かんはつ
  9. 代替(だいがえ→だいたい
  10. 一段落(ひとだんらく→いちだんらく
  11.  

左が間違いで矢印の右が正しい読みです。どうして間違えたのかわからないこともあるでしょう。たとえば誤って「貼付」を(はりつけ)と読むのは漢字の送り仮名がないのに訓読みするからであり、「漸く」を(しばらく)とは漢字自体が読めて居ないんだ。しかし「乳離れ」はうっかり間違うよね、何故か「続柄」だけは何処の区役所へ行っても「ぞくがら」と言って揺るがない、どの国語辞典にも「ぞくがら」とは読まない、分かっているのだろうが言い難いし長いから勝手に申し合わせて「ぞくがら」に決めているのだろうが金田一京助先生に背く不届きな役人や。新解さんが役人の用例で「融通の利かない役人根性」と書いたのがよく分かるなあ。
13番目に「他人事」が登場するが誤答率は20%だった。この中に高校の先生まで居ると思うとこれからの子ども達の国語力が案じられてならないね(;;)。

任天堂のスマホゲーム「ポケモンGO」が世界的なブームとなり、あっと言う間に株価が1万5千円から3万円台にまで駆け上り乱高下している。なにせ利用者が街を歩き回って隠れているポケモンを捕獲するゲームだから引き籠もりの遊びと言われたスマホゲームの健康対策として余りにも劃期的だ(^^)。昨年7月早世された任天堂岩田社長の発想が基だが泉下でさぞ喜んで居られることだろう。今後此のポケモン革命がどのように推移して行くのかとても興味深いが若い人達が仮想社会であるゲームに費やす凄いエネルギーを学業研究等に転嫁することができれば素晴らしい未来が到来するのではないかと思うがどうなんだろう。
そのうち道を歩く老人がポケモン探しのスマホ少年にぶつかられて怪我をするケースが続出しはしないだろうか?
処でポケモンGOのモンスター数は増えていて7月23日時点で世界中に152匹がいるそうだが全部見付けたら何か貰えるの?

舛添事件が終熄し、今度は都知事候補の鳥越俊太郎の淫行疑惑に週刊文春の集中砲火が浴びせられ、鳥越さん激怒の告訴となったが、選挙期間中なのに文春も良くやるよな、でも火のない処に煙は出ないと言うし野党連合鳥越さんの都知事は消えたね。自民の増田は影が薄いし、小池さんが同情票で当選するのではなかろうか?

三省堂国語辞典 
本音 本心からでた言葉
新解さん
本音 口に出しては言わない(言うことが憚られる)本心
両者正反対の答だ。「本音」は出すものか隠すものか難しいが、出さないで隠す処が「本音」の所以のようにも思える。然し、新潮国語辞典を見ると「本心から出た言葉」とあり、「―を吐く」と用例があるから矢張り出すのかなあ。

先週の読みたくても読めない字
雲の随(まにま)に洩れいづる月 (随は常用漢字なのに読めない方が多かったことと思う)

今週の読みたくても読めない字
(雅)と変わらぬ態度

「NISA」で蓄財しよう

紫陽花

今日は8ケ月振りに漢字検定日だ、早朝より東にある福田川の川べりを散策して公園の紫陽花などを愛でて気持ちを落ち着け体調を確かめた。少し風邪気味だが語りかけてくれる様々な紫陽花の花に励まされて何とか頑張れそうだ^^。此の処降り続いた雨も今日は何とか持ち堪えそうで10年間一度も傘を持参した記憶がないから僕は晴れ男だ^^。受験票に写真を貼って鉛筆に消しゴム眼鏡にルーペなど受験の七つ道具を確認して午後2時半にリュックで家を出よう、帰宅は5時半位になるだろう。今回も交通に不便な神戸市(学園都市)の会場を避けて会場が薄暗く問題が読み難いけど家から近い明石市の明庚殿にした、此処だと山陽電車の日新町駅から徒歩5分なんだ。写真は今朝近くの瑞穂公園のフェンスに植わっている数ある紫陽花から私の好きな白を選びました。花言葉は「寛容」です。

今日は久し振りで(でもないけど…)読書の話です。先日古市で買った湯本香樹実さん20年前の処女作である「夏の庭」を読んだ、愚娘に聞けばとても有名な作品だそうだ。三人の少年と戦争帰りの独り暮らしの老人との交流を描く心暖まるとても爽やかな作品だった、日本児童文学者協会新人賞を獲得して映画化され舞台化され更に10ケ国以上で刊行された作品だそうだが、戦争の悲劇が織り込まれて居り、私はこの小説の底辺に横たわるとても暗い影が私自身幼年時の戦争体験を思い出し深く考えさせられた。いい作家だな、と思って湯本さんの「西日の町」も買って読んだ。お母さんとお爺さんと一人称である少年の物語だ、これも良かった^^。此の作品は芥川賞の候補に挙がったが審査員の目が曇っていたのか選ばれなかった。その原因はどうやら「夏の庭」が日本児童文学者協会新人賞に選ばれて居たため、此の作者が児童文学畑の人だと審査員達の先入観があってロクに読まれもせずに芥川賞は畑違いだと蹴飛ばされたのだと思う。登場人物に子どもが居るからとて「夏の庭」も「西日の町」も決して児童文学ではない、我々高齢者の心の底を剔(えぐ)ったとても奥深い作品だ。日本児童文学者協会新人賞の方が勘違いじゃないかと思う。どちらの作品も貧しい時代を生き抜いてきた老人が主役で戦争の体験による人生の希望と絶望が織り綯(な)って居る。きっと絶望があるから希望が燦めくんだろう。この小説の深い部分は稚拙な私の筆ではとても表現できないから是非一度お読み下さい。作家であり精神科医でもある解説者のなだいなだ氏が「老人のことが此処まで分かる湯本香樹実はただものではない」と結ばれたのが印象深かったな、作品の題名が「夏の庭」とか「西日の町」なんてジミ過ぎて今風でないが、此の題名に納得された編集者もきっと「ただもの」ではないと思った。

証券会社のラップ口座が今年の3月末の一年間で3倍に膨らみ4月末には4兆円に達したと先日日経が報じた。「ラップ」とは包むことだから一紮(から)げに顧客のお金を証券会社が株式や投資信託に運用してくれる処から呼ばれている。最近では最低額が300万円から500万円程度にまで引き下げられたので富裕層だった顧客がゼロ金利時代にウンザリした投資の初心者である一般の人にまで客層が延びてきているが、ラップ口座の運用は証券会社委せになり、基本手数料と管理手数料が約2%掛かるし、此の手数料は大手銀行の大口定期預金金利である0.025%に比し篦棒に高い、此の手数料の額を凌ぐにはそれ以上の利回りや売却差益が必要だから私は薦めようと思わない。
又、証券会社と顧客との間に設定する目標利回りが高ければ必ずリスクの割合も高くなるから良いことばかりではなく損が出ても自己責任だし証券会社は投資元本の2%を取って少しもリスクを負わないから不公平だ。そんなことならラップ口座など止めてご自分でネット口座を開設して上場株式にでも投資されたらどうだろうか。自分で此と決めた銘柄なら損をしても納得だしね、特にNISA(少額投資非課税制度)などお薦めだ、NISAはネット証券なら手数料もタダだし配当金から譲渡益まで非課税だからとても魅力的ですよ。私ごとだが先月配当利回りがそのとき一番高かった(4%)三井物産をNISAの限度額である100万円ぎりぎりで600株買ったら一時は10万円以上も値上がりしていた^^。皆さんもどうですか?

私は毎夜眠る前に必ず蒲団の中で小一時間本を読む。仰向けだから重い単行本は腕が辛く、文庫本は片手で持てるからラクチンだ^^。読むものはホラーとSFとコミック以外は何でも御座れだ^^。
文庫本の難(なん)は文字が小さいことだが最近の文庫は昔の岩波より3倍も字が大きくなって行間も広く読み易くなっている。文庫本は作者の究極の終大成なのだが、単行本に拘って文庫本を二流に位置づける輩(やから)は最早時代遅れで、最近は何処の書店でも文庫本が横帯付きで華麗な装幀装画のカバーまで付いているから昔の岩波文庫しか知らない年配者は愕きだろう、傾向としては昔はあり得なかった書き下ろし文庫本などが増えてきたし本屋さんの店頭では文庫の平積みが圧倒し、重たいハードカバーが淘汰されて居る、重い本の時代は最早専門書以外去ったようだ。
文庫本は普通初版本より数年遅れるが、値段も単行本の半分以下と廉価だし持ち運びに困らないし何より作者が出版以来表現に長く悩んでいた校正ミスの個所がしっかりと匡(ただ)されており、オマケに必ず加筆訂正までされて「文庫のためのあとがき」まで書いてあるから単行本より良質な文章が期待できるのでお薦めだ。当初の単行本とは話の筋書きから登場人物まで変わるのがあるから愕きだ。
それは薬丸岳の「逃走」だった、文末にある大矢博子さんの解説を読んで愕いた、此の文庫は出版時のストーリーと記憶がまるで違うと書かれて居る。当初「逃走」は新聞小説でスタートしたが単行本に纏められる際に大きく改稿されたそうだから文庫化で2回目の大改稿になるそうだ、解説者が慌てて2年前の単行本を取り出して読んだら登場人物から筋書きまでガラリと変わって居たそうだ、全面改訂どころか「此では書き下ろしの新作だ」と書かれて居た。
「推敲を重ねる」とは良く言われる言葉だが、著者は絶えず自分の作品に対して思い入れがあり、読み返して居たら堪らなくなるのだろう。批評家の意見だって胸に刺さることがあるだろうし人生経験や心境の変化で書き直したい個所が出てくることは素人ブロガーの私にもよく分かるね、その意味では文庫本は著者に書き直し絶好の機会が与えられたことになる。私は「逃走」の単行本も読みたくてアマゾンを検索したが見付からなかった(;;)。
此の作品は殺人犯とその逃走が描かれているが、実はとても優しく心温まる小説だ、読後感はとても清々しい。皆様も一度「薬丸岳」の作品をお読み下さい、どの作品も圧倒的な筆力に魅せられ夜などに読み始めると眠りに落ちる機会を逸するから注意してね。

女子サッカー「なでしこ」は辛勝を重ねて決勝リーグに進出した、くじ運が好かったせいだろうな、でも初出場2試合で16点も取られたエクアドルに対し「1-0」だなんて何か寒いよね。予選リーグを通じて感じたが、か弱い日本人には連覇なんて到底ムリなように思う。前回はよくよく好運の女神が味方してくれたせいだろう。
「なでしこ」の彼女達は年収数億円の男子サッカー選手と相反して沢選手でやっと500万円しかなく同世代大手総合職女性の年収を下回るから信じられない。菅沢坂崎選手など嘱望される殆どの若手選手が月収20万円程度のパートで糊口を凌ぎ夕方から練習に参加して居る状態だから野麦峠ならぬ、ああ「なでしこ峠」なんだ、海外強化選手にシーズン中支給される1日1万円の滞在費もその少なさにも悲しくなるね、我が国にもきっとFIFAのような亡者が居て税金から支払われる女子サッカー強化資金の大半をなでしこ本部費用とかの名目でくすねて居るのじゃないの?

先週の書けないけど読みたい漢字
少(わか)くして学べば壮にしてなすあり

今週の書けないけど読みたい漢字
愕いて(後)込みした