風鈴は五月蝿いか

ブロックの傍らの雑草の間から今年も突然「昼咲き月見草」が花を咲かせました^^。この花はアカバナ科なのに何故かうちのは種が分からない不思議な花です。植え替えは根を移植することにして居ますが、此のように地続きでもない思わぬ処から花を咲かせて私を驚かせますからタネができるのかもしれません。一度花後の状態を具に調べてみたいと思っています。

風鈴はうるさいと言う外国人

先日の毎日新聞に登載された万能川柳です。うちの事務所の窓では東と南に2つの風鈴が下げられそよ風に乗ってはチロリンと私達の心を和ませてくれます。この川柳は私達日本人には信じられないことですが本当だそうです。何故か人間の脳は右脳と左脳とに分かれ右脳は音楽脳とも呼ばれ、左脳は言語脳とされているとか…。右脳は音楽や機械音、雑音を処理しますが西洋人は虫の音を機械音や雑音と同様に音楽脳で処理するに反し、日本人とポリネシア人だけが虫の声言語脳で受けとめるということを東京医科歯科大学の角田忠信教授の実験で明らかになったそうですよ。日本人は虫の音を「虫の声」として聞いていますが何故か西洋人には機械音のような雑音としか聞こえないそうです。だから外国人は風鈴の音を嫌がるんですって…(;;)。中国人や韓国人も西洋型を示すそうで、さらに興味深いことは日本人でも外国語を母国語として育てられると西洋型となり、外国人でも日本語を母国語として育つと日本人型になってしまうとか、音楽、機械音、雑音は右脳、言語音は左脳というのは、日本人も西洋人も共通ですが、違いが出るのは、泣き、笑い、嘆き、虫や動物の鳴き声、波、風、雨の音、小川の細流(せせらぎ)邦楽器音などは、日本人は言語と同様の左脳で聴き西洋人は楽器や雑音と同じく右脳で聴いていることが分かったことです。興味深いですね。小学校の頃文部省唱歌「虫の声」で♬あれ松虫が鳴いているチンチロチンチロチンチロリン、ああ面白い虫の声♫と歌いましたよね。この歌は日本人にしか理解できないなんて日本語の感性の素晴らしさが分かりとても感動します。でも最近の日本人は西洋型になったのか心の余裕がなくなったのか虫の声などに興味を示す人が少なく、うちの庭で鳴くコーロギキリギリスの鳴き声に耳を傾ける道行く人が全く居なくなったのはとても悲しいことです(;;)。でも何故ポリネシア人が虫の音を言語脳で聞き分けるのかその辺りを角田教授からメチャ聞きたいですよね。処で♬ ああ面白い虫の声♫の「面白い」の意味が「おかしい」ではなく源氏物語に言われるに「趣が深い」と言う意味であることは皆様勿論ご存知ですよね。

金銭目的で結婚するからと騙して青酸カリで次々と多くの男を殺した稀代の悪女筧千佐子容疑者が先週の公判で前々日の殺人罪を認めた供述をしたことについて、今度が裁判官に「覚えていません、私は認知症ですから」と応答したが、認知症の人は自分が認知症だなんて思わないし、先ずそんなこと言わないと思うけど?悪賢い女だな!

先週木曜日行きつけの眼科の先生から定期検診で「此のまま放置すれば目が見えなくなりますけど良いですか」と物静かに言われて私は物凄く動揺した。加齢性黄斑変性症と緑内障で前回5月に網膜に水が溜まっているから市民病院に言って検査を受けてくださいと言われたのを自覚症状がないことを理由に断ったのですが、今回ばかりは直線が歪んで見えるし、前述の殺し文句にはすっかり参りました。「放っていたら死にますけど良いですか」と聞かれたのなら従容として「いいですよ」と言えますが、盲目では家族に掛ける迷惑は計り知れず慌てて翌金曜日紹介状を持って市民病院行きとなりましたが、早朝ラッシュの中を7時半に出発し、午前午後と二度に渡っての瞳孔拡散と点滴をしながらの造影撮影は決して楽ではなく,瞬きをしないでまるで太陽を見るような眩しいカメラへの1分間凝視の連続には目玉が乾涸びないかと怯えました(;;)。検査検査で疲れ果て帰宅は午後8時となりなり、次回25日は検査結果と今後の治療の説明となりそうですが、「人事を尽くして天命を待つ」心境です。

先週の読めそうで読めない字 紺屋(こうや)の白袴

今週の読めそうで読めない字 事件の(踪)

紺屋の白袴

今年も庭の瓢箪池にトンボが来てくれました。シオカラトンボに良く似た黒いトンボで昨年まで来ていたムカシトンボとは少し違っています。近辺10kmには田圃も池もないのにどこから来たのかしら?池の水の香りって人間には分からないけどトンボには感知できるのが不思議でなりません。雑草に巣食っている蚊を食べたりして1時間ほど遊んで居てやがて居なくなりました。来年はどんなトンボが来てくれることやら^^。

先週、人間国宝の染色家志村ふくみさんの随筆「一色一生」を読みました。この方は大正生まれで戦争中に文化学園(広辞苑に唯一記載されている美術芸術専門学校)を卒業された才媛でとても教養が深い方で、30歳にして藍の道に入られた晩学の人ですが、それまでに培われた勉学が決して無駄ではなく藍の道を極めるための助走期間だったと思われ執筆された書物から溢れる教養の深さは驚くばかり、私には藍のことなど何も分かりませんがどんな世界に入って居られても一芸を極めた方は凄いと思いました。志村ふくみさんは「紺屋の白袴」と謂う故事の意味が間違っていると「一色一生」で指摘されて居ます。漢字検定問題の解答にも、「紺屋の白袴」とは「他人のことばかりにかまけて自分自身を構う暇がない」と書いてありますし、そのように学んできましたが事実はそうではなく、志村さん曰く、紺屋の作業は「白袴を履いて紺の甕に片足をかけては糸を浸してキリキリと捻り上げ敏捷に甕から甕へと軽業のように渡り歩いて捌く動作」と書いてありました。紺屋の仕事は幾つもの色に分けた藍の甕に瞬時糸を浸ける作業を延々と繰り返しながら、その間一度も白い作業着を藍の雫で汚さないのが匠(たくみ)の技であり格言の解釈は明らかに誤りだそうです。そうだったのか!紺屋の白袴は自分のことを構わないのではなく「匠の技」だったんだ!

志村さんは文筆に優れた才能を有する方でエッセイ「一色一生」で大佛次郎賞を受賞され、更に「語りかける花」で日本エッセイスト賞を得られた優れた文筆家であり、畑違いも甚だしい染織家との両刀使いですからもし染織家にならなかったら文筆家として一家をなされた稀有の才能の持主だったと思いました。

藤井聡太クン30連勝ならず…、残念でしたね、でも投了するときに、きちんと上着を身につけお茶を一口含んで駒台に手を置いて深々と一礼する姿は、周囲を魅了するものでした。「葉隠」の一節「武士道と云ふは死ぬことと見付けたり」を彷彿させましたね。好漢その姿ぞ良し、暗いイメージの将棋界を爽やかな世界に変身させた彼の功績は大いに讃えられねばならぬでしょう。日本将棋連盟には彼を只の広告塔と扱わずに大切に育てて行く義務があると思います。でなければ、東大が推薦入学で彼を獲得し学者にすることだって想定されるのではありませんか?

処で対局中途に昼食の注文があり彼は好きな「冷やし中華の大盛り」などよく注文していますが、いちいち小銭入れから千円札を出してお釣りなど小銭入れにしまっている処をTVカメラに撮影されているのは笑止です。対局中なんだから注文は連盟職員が受けてお金の精算など後で良いだろうに…、旅館でのタイトル戦になるまで食事は個人負担なのかなあ?

森友学園の書類は廃棄したとトボケを貫いた近畿財務局長が目出度く国税庁長官に抜擢されましたが、此れって論功行賞の見本でしょう。「佞臣」って言葉はこんな奴に対して使われるのです。一方確認できない筈の加計文書が出てきた文科省では事務次官等三人が厳重注意されました!此の落差は一体から何だろう?

先週の読めそうで読めない字 梅桃(ゆすらうめ) 楊梅(やまもも) 桜桃(さくらんぼ)

今週の読めそうで読めない字  (紺屋)の白袴

30連勝なるか藤井少年

昨年より少し花の数が少ないけど、今年も風蘭が可憐に咲いてくれました(^^)。97歳になる近所に住む花好きなおばあさんから5年前に頂戴したものですが、一昨年まで決して咲かなかった頑固者でしたから、漸く私に心を許してくれたのだと思います^^。育てて来た甲斐があったと嬉しくてご紹介しました。

信じられない新記録29連勝藤井4段の快挙で、囲碁の井山裕太に押されて卑屈になっていた将棋界ですが、今では沸きに沸き返っています。三日間で2回も朝刊のトップ記事トップ写真なんてことは早々あることではありません。扇子もクリアファイルも何でも日本将棋会館の売り出す藤井少年のものは全て即日完売だそうで扇子がオークションで7万円で出品され落とされましたよ^^。世は将棋ブームで将棋教室は何処も子供で満員だとか…^^。そんな天才藤井少年も昨年までは周囲から「将棋指しなど食って行ける筈もないのに、一体から親は何を考えているのか」と非難の声囂々だったそうでうが、此処に来て賞賛の声に変わってきました。人間って得手勝手なものですね、然し好きなことをして生きて行くのは人間にとって一番仕合せです。藤井少年は14歳にして世の中の表裏と人の心の浅はかさを思い知ったことでしょう。どうか此の儘すくすくと育って欲しいと切望して居ます。今日対戦する強敵の佐々木5段に勝てば30連勝となりますが、節目の勝利だから是が非でも勝ち抜いて欲しいと日本人は誰もが思って居ます、然し若し敗れることがあるとすればそれは藤井少年が30勝の数字に拘ったときでしょう。意識さえしなければ今の彼の棋力では負けることはないと信じています。

多くの患者が何時とはわからないが微かな希望とともにその時を待ち焦がれている臓器移植ですが、移植の申し出を受けた病院が、拒絶したケースが12件あったことが判明したと新聞が発表しました。移植しか助かる術がない患者に取って藁に縋る儚い命への希望ですが、病院側の拒絶理由が「マニュアルがない」「手術室の空きがない」「手術室を長く使っていない」など病院として到底信じられないことばかりです。医者のホンネはそんなにややこしい手術は失敗したときの自分の立ち位置を考えて逡巡するのに違いありませんが、人の命を救うために医者を目指したのではなく、お金目的で医者になる手合が少なくないことを暴露しました。医は仁術なんて大昔の言葉で現在では医は算術と言われる所以でしょうか。

先週の読めそうで読めない字 ふとしたことから好(よしみ)を通じた

今週の読めそうで読めない字 梅桃 楊梅 桜桃

本日の毎日新聞健康川柳より

「初孫に将棋教える爺と婆」

将棋や囲碁を嗜む人は認知症になりません。

 

 

恐るべき藤井聡太くん

ひと月前にご紹介したキリギリスの赤ちゃんが随分大きくなりました^^。2センチを優に超えていますから一月で倍以上に成長したみたいです。お尻に小さな突起が見えるのでひょっとしたらメスかも知れませんね。人間と違って昆虫は総じてメスのほうが大きいようです。キリギリスを見付けてスマホを向けても視線が変わると草色が同化してすぐ場所が分からなくなっており再度探す羽目になるのは私の隻眼のせいです、ツバメに見つからないように保護色だからそれでいいんですね。

勝星が増えるごとに増加する報道人を究極100人まで動員させ、号外まで出た藤井聡太4段の28連勝は凄かった。普段はひっそりしている閑静な関西将棋会館もガードマンなど配置して前例のない交通整理をしたことでしょう^^。毎日新聞朝刊勝利の笑顔付き6段抜き第一面には誰もが度胆を抜かれました。新幹線の架線断線事故による京都博多間75本停止も聡太くんの笑顔に紙面左端に押しやられて影薄く、彼は愈々今週新記録に挑むことにになりますが彼聡太くんの強さは誰もが充分に納得したことだし学校の勉強のこともあるしそろそろ一休みさせてやりたいなと私は思います。此処数ヶ月間のプレッシャーある試練は彼をきっと香車一枚(囲碁ならコミ6目半)間違いなく強くしたと思うし、今年の勝利数、勝率ともに将棋連盟トップになるのはもう決まりでしょう。夜のニュースで佐藤康光日本将棋連盟会長が彼の着手について特別の手を指さないのが印象的だと評されました。本当に強い人は誰もが想像もしない鬼手や妙手などを指すのではなく普通の手を指して勝つのだと私は納得したのです。私は、相手がまだ中盤戦だと思っている早い段階から彼には終盤戦の詰将棋の世界になっているのかもしれないと思っています。何せ彼は詰将棋日本一ですものね。勝利インタビューで藤井少年は「僥倖としか言いようがない」と語りましたが「僥倖」なんて難しい言葉(僥は一級の配当漢字であり、倖は準一級の配当漢字)は高校生でも知らないし百人に一人も書けないでしょう。この言葉から普段彼が将棋の研究ばかりでなく教養高い読書にも精進していることを知らされました。毎日新聞の記事では聡太4段の談話にある(僥倖)にルビが打たれ、その後に「思わぬ幸運」と解釈まで入れられていたのは笑止です。まるで「負うた子に浅瀬を教えられ」でしたね^^。

先週の漢字検定は案ずるより産むが易し…であり、仮名付け40問、書き取り20問、誤字訂正5問に故事成語諺の書き取り10問全て完璧に書けたと思います。四字熟語に対義語、類義語で少し書けない問題がありましたが、生来の悪字から多少採点機械に落とされることも過去の経験から許容範囲であり、180点はクリアできた感じです。10年間の弛まない努力の累積は1年間のブランクをビクともさせなかったようであり、「継続は力なり」をつくづく実感しました。発表は来月ですが10年以上も受けていると大体自分の得点がイメージできます。それでこの試験を最後に準一級を卒業したことにし、漸く次回から検定1級に挑戦してみようと決意しました。1級は完全にオタクの世界で問題集をチラ見しても殆ど答えが分かりませんが、龜の執念で1歩宛歩んで最終100点(200点満点で合格は160点以上)を目指したいと考えております。勿論100点では不合格ですが私にとっての合格点だと決めました。体力気力そして視力がどこまで維持できるか分かりませんが、先ずは次回10月のテストは50点を目標にチャレンジするつもりです。

今週の読めそうで読めない字 真実を陽(いつわ)ってはいけません

今週の読めそうで読めない字 ふとしたことから(好)を通じた。

この問題は先週の漢検出題から常用漢字の表外読みです。

城狐社鼠

 

 

北にある庭では今年も狂い咲きのコスモスが咲き誇っています^^。三年前夏の終わりに蒔いたものですが、翌年から初夏に咲くようになりました。コスモスは「秋桜」と書きますから明らかに秋の花です。この赤い秋桜は我々が普段想像している秋桜と違って何故か扇情的です。でも日本人には秋桜はやはり山口百恵の曲を思わす淡いピンクが良いですね。

悼ましい福知山線事故から早や12年、最高裁は現場を訪れることもなく元社長ら被告三人に無罪を言い渡しました。遺族は誰も遣り切れない思いだったでしょう(;;)。企業の最高責任者という者は自らが事件に携わっているかどうかに関わらず、遍く全ての責任を負うべきだと私は思います。然し被告の内、誰一人として「加害企業の最高責任者として罪の一端を担いたい」と申し出た者は居ず、最高裁は事件の最高責任者は鉄道本部長だったと述べて元社長達を無罪としましたが、初代社長の井手正敬は三人の中で院政を敷いていた諸悪の根源であったにも関わらず、自宅での記者団からの問いかけに顔も見せずに不機嫌な声でインターフォン越しに「何も話すことはない」との一言で終わりでした。彼等がATSを敷設しなかったのは当時JR各社では利益競争が峻烈であり、西日本社長達三人はJR東海JR東日本に追いつけ追い越せの号令を掛け、経費を減らすためにATSを敷設しようとしなかったのでしたが、鉄道本部長が上からの諸経費節減の声に押されてATS敷設を具申できなかったことを読めなかった最高裁の判事達は余りにも愚かと言うべきでした。

広田弘毅は戦争当時近衛内閣の外相として南京事件での残虐行為(不当にでっち上げられた)を止めなかった不作為の責任を持って軍人を除けば文民として唯一人絞首刑に処せられましたが、彼が戦時中常に戦争反対を述べてきたことは誰もが知る事実です。然し彼は絞首刑の判決に対し一言も抗弁せず黄泉の世界に旅立ったことを知らぬ人はありません。彼は自分の政治家としての立場上、戦争を止められなかったことに深い反省と悔恨に自らを責め、莞爾として死を選んだのです。

彼は当時としては異例であった平民から宰相にまで進んだ異端児でありましたが死刑の宣告に対し一切抗弁せず「すべては無に帰して、言うべきことは言ってつとめ果たすつもりで自分は来たから、今更何も言うことはない。自然に生きて自然に死ぬ」と言いました。この言や良し、井手正敬達が彼の生き様を知らない訳はなく彼等が福知山線事故の責任逃れに終始したことは万死に値するものであって、企業の責任者として全くの失格者でありました。

漢検によく出題される「城狐社鼠」の諺は権力者達が自分達の権威に酔いしいれている間に、悪事を働く者共が出没することを謂います。一分遅れで尼崎の新快速に接続できなかっとき運転手や車掌に過酷なペナルティーを課した上司たちはまさに城狐社鼠でした。そして彼等の越権行為を見過ごした社長達等三人もその城狐社鼠を教唆した悪者なのにどうして彼等だけが無罪だったのかよくわかりませんが、どうやら内閣官房の意向でも法務省が忖度したのかもしれませんね?

城山三郎著「落日燃ゆ」にて広田弘毅の実像が描かれて居ますから、是非ご一読下さい。人の上に立つべき人とは井手正敬ではなく彼のような人を指します。

藤井聡太くん昨日は東京大学の学生名人を粉砕して27連勝まできました。あと二人ですが次が難敵だと思います。ガンバレ!藤井聡太。今日午後明石の明康殿で漢字検定です、どうか合格できますように…m(_ _)m。

先週の読めそうで読めない字 雉の距(けづめ)は立派な武器だ

今週の読めそうで読めない字 真実を(陽)ってはいけません

今週の毎日新聞万能川柳投稿句

(山手線 防カメ 安堵の男増え)

迫ってきた漢字検定

 

 

先週久しぶりに良い雨が振りましたね。30度の酷暑も一気に24度まで下がり夜などカーディガンが必要なくらいでしたが旱天の慈雨とはこのことでしょう。今日は一筋向こうの公道に面したの月極駐車場で車の前輪に挟まれて可愛い母子草が咲いているのを発見し、しゃがんで写しました。アスファルトの割れ目から発芽したものですが、雨の降らなかった昨今よく育ったものだと感心しました。まるでド根性大根です^^。中央に咲いていなかったら車庫入れ時に潰されていたろうし幸運な母子草でした.多幸を祈っていますm(_ _)m

愈々来週日曜日は昨夏まで10年間皆勤だっ漢検テストを昨秋は移植手術のため無念にも行けなかったので間隔が丸一年となる検定になり、昨日今日と一夜漬けの俄勉強をして居ます。1年間のブランクは見事なくらい脳味噌の皺が減ったようで、音読みの熟語は「跳梁跋扈」など何とか書けても連想能力が減退したせいだと思いますが訓読みの「したたる」とか「うやうやしい」とか平易な常用漢字が全く書けなくなっているのに魂消ました(;;)。脳の記憶回路が壊れてしまったのかしら?勿論常用漢字と準一級配当漢字の区別などすっかり忘れて居りテスト結果を想像するのも恐ろしく、例えば5画「母」と言う字は女の字形に両乳を加えたものだと白川静先生が自著「字統」に記して居られますが、この字が常用漢字に用いられる場合「母」を除いて何故か母の乳房を表すチョンチョンが「毎、悔、梅、海、敏、繁、侮、毒」とは縦棒に変えられて居るのですが、準一級以上では「栂、晦、誨、拇、姆」など乳房の附いた正しいチョンチョンの「母」を用いるのが決まりなのです。チョンチョンか縦棒か書き取りには結構神経を使い常用漢字を周知して居ないとかなり難しくて困りますね。縦棒をチョンチョンしてマイナス2点はメチャ悲しいです(;;)。話変わりますが、全然別の意味の4画「毋(ぶ)」と縦棒の字が実は存在します、音読みは「ぶ」で訓は「毋(なか)れ」と否定の意味です。部首は母も毋も何方も「毋」であってややこしくこの「毋(ぶ)」という字が存在しなければ国語審議会のバカ共も母を用いた当用漢字を縦棒にしなかったと思いますが何故こんな字があったのか泉下の白川先生にでも聞かないと分かりません。一年振りに問題集を解いて見た感触では加齢に加えて漢字から離れていた期間が長すぎ、昨年よりかなり書けなくなって居るようでどうやら合格は怪しいようです。でも落ちても構わないから挑戦しようと思っています。

ところで12行上に出てきた「拇」という字をご存知ですか?分からないよと言う方が多いことでしょうね、この字は「おやゆび」と訓読みし、音読みの場合「拇(ぼ)」であり、判子に変えて親指で捺印する拇印(ぼいん)」に用いられます。あれ?「母印」じゃなかったの?「母音」は「拇」が1級の配当漢字のため書き換え字であり、正しくは「拇印」と書きます。そうです、親指の印なんです。親指は指達のお母さんなんです。漢字って面白いですね^^。

「友あり遠方より来る」一昨日中学高校と一緒で親友だった松尾博くん(さんちゃん)が遥々大塩から訪ねて来てくれました^^。一昨年5月中学校同級生の傘寿の会の帰りに二人で傘寿の会をしようと舞子ビラからわざわざ徒歩で訪ねてきてくれて以来2年振りの再会です。お互い久し振りでの久闊を叙することができました。別れの際帰ってゆく彼の後ろ姿を眺めお互いもう81歳、或いはもう会えないかも知れぬと思うと思わず涙が滲みました。

先週の読めそうで読めない字 椿象(かめむし)は臭い

今週の読めそうで読めない字 雉の(距)は立派な武器だ

椿象(かめむし)って誰が付けたんだろう?身分不相応な字だ!

藤井聡太くん20連勝!

 

 

紫陽花の季節が近付きました。この花は他の花と違って気温によって早咲きすることもなくマイペースで咲きますが、紫陽花には雨が付きものでそぼ降る雨の雫が一番似合います。最近は紫陽花から連想するカタツムリを見掛けなくなりましたね。この両者がセットだと思っていた私が時代後れでしたね。そう言えば一緒に良く居た雨蛙だって居なくなりましたよ。門柱の上に座って往来を眺めていた彼奴が懐かしいな^^。プランターでは真冬に一本だけ狂い咲きしご紹介した白い撫子が一面に咲き誇り、一緒に植えた桃色の撫子と華を競っていますが、わたし的には此の白花が大好きです。

毎日唯一の楽しみである夜の読書の時間はいずれ近い将来右目も見えなくなる日を予想してBGMとしてCDのムードミュージックかフォークや叙情歌などを小さい音にして聴いていますが、土曜日の夜だけは8時からNHKラヂオを聴く習慣です。読者投稿或いはナマ電話での視聴者参加型の青春番組で私も若返ります^^。トークのジョッキーは八乙女光と平成ジャンプのメンバーですから、当然にファンは中学高校生の女子が圧倒的に多く、何故かおばあちゃんと一緒に聴いている子どもが多いので健全な番組のようです。投稿がとても面白く吹き出してしまうことしきりです^^。先週も視聴者からの質問コーナーで山口県のさる中学女子生徒から学校での決まりについて三択の質問があり、1.学校の正門から登校してはならない、2.何れかの部活に所属せねばならない、3.自転車通学は認めない、と言うものでジョッキーが自転車通学と答えて美事にずっこけました。正解は正門からの登校だったのです^^。少女曰く、昔は正門から出入りできていたが何時の間か中途が住宅地になって田圃の持ち主が道まで売ってしまったらしく、今では私有道路となって生徒達が通れなくなり全員遠回りして裏門から学校に入っているとか…(;;)。昔は大らかな時代だったから私有地であっても皆田圃の畦道など登校通路だったと思います。私も戦争中姫路の白国へ疎開していた折、小学校への通路は畦道でしたよ、畦道はお百姓さんが泥を練って懸命に作ったものですから崩れるのを防ぐ為に本来は持ち主以外は通行禁止ですが、仕事中のお百姓も田圃からニコニコして見送ってくれてました^^。田圃でなくなったことだし例え私有地でも子ども達の通学路になる方がずっと楽しい道になると考える人達が今の若い人達には居ないのでしょう。何処でも保育園建設反対だとか何とか…(;;)、何時やら住み難いギスギスした厭な世の中になりましたね。人口が減って行くのは案外こんな処に遠因が潜んでいるのではないのでしょうか。次回変わった話が出ればご紹介しましょう、でも直接ラジオを聴いて貰った方が早いかな?毎週土曜日夜8時からのNHK第1放送「らじらー!サタデー」ですからお楽しみに^^。

将棋の藤井聡太4段(中学2年生)が遂にプロ入り20連勝を達成しました^^。そして渡辺明棋王への挑戦トーナメントへの参加を決定しタイトル奪首も夢ではなくなったのです。凄いですね^^。次回の対局である今月7日は3局戦うことができますから23連勝も可能です、そうなれば羽生さんたちを抜いて一挙に連勝記録歴代三位になります。多くのTVクルーに囲まれて将棋会館に入る彼はリュックを背負った小さくあどけない少年ですが、いざ対局に臨んだときの相手をねめあげる目力の強さは不敵な面構えであり、流石は勝負師の風格です。羽生三冠も既に次代の後繼者を渡辺明でなく藤井少年だと覺悟をきめたことでしょう。将に将棋界の井山裕太ですね^^。ガンバレ!聡太くん

先週の読めそうで読めない字 世界平和を幾(こいねが)う

今週の読めそうで読めない字 「椿象」は臭い

「忖度」と書けない常用漢字

 

 

雨も滅多に降らずに暑い暑い毎日でウンザリしています。夕刻の水遣りが欠かせません。野鳥の群れが朝晩喧しく早くも真夏の到来です、自宅前のプランターでは5年前加古川の土手で採取して庭に植えたキツネのボタンの種が10mも飛んできて咲いています^^。種が風に乗ったものと思います、買ってきた花の苗はすぐに消えてしまうのに雑草って逞しいですね。雑草と言えば長く植えたことを後悔し、庭中絨毯のように跋扈していたへび苺が何故か今年に限って生えてきませんでした。不思議でなりません、それはそれで大喜びなんですがキリギリスの好物でもあったので少々複雑な心境です。

何時か分からない位前から未だに森友学園の事件の追及が止まず、毎夕ニュースでは森友問題が採りあげられて居ますが、今回の事件では財務局の職員が昭恵さんに気に入られて我が身の出世を試みようとしたことが原因であり、人の心を推し測る意である「忖度」と言う言葉が多用せられ、国民誰もが難しいこの言葉の意を知る機会を得ました。「忖度」ばかり繰り返すのも芸がなく最近では同等の意である「慮(おもんぱか)る」が少し宛増加傾向です^^。「忖度(そんたく)」の「忖」と「慮」の訓読み「慮(おもんぱか)る」の訓読みは常用漢字ではありませんから学校で教わりません、然しこの言葉は結論を「ノー」とあからさまにしない控えめな日本人らしいとても良い言葉です。文科省もこの際この二つの言葉を常用漢字にしたらどうでしょうか。新聞の見出だしに大きな字で「そんたく」なんて書かれて居るのを読むのはかなり恥ずかしく、白川先生も泉下できっと嗤って居られることでしょう。皆様も是非この機会にこの二つの言葉を憶えましょうね。

熊本市は2016年度赤ちゃんポストの預け入れが5人だったと発表しました。08年の25人をピークに減少の一歩を辿っているとか…(;;)、此れって庶民の経済事情の好転を喜ぶべきでしょうか、将又子どもが生まれる環境が失われつつあるのではないでしょうか、とても恐ろしいですよね。考えさせられますよね。

46年前東京渋谷で中核派の学生400名が機動隊と衝突し機動隊の巡査一名が鉄パイプで殴打された上にガソリンを掛けられ火炎瓶を投擲、焼き殺されましたが、その鬼畜の犯人早稲田の学生大坂正明が先日広島で捕まりました。46年も前のことだけど執念の警視庁では犯人が別人だと否認されたときのため用意周到に死亡した母親のDNAまで保存していました。公訴時効15年が廃止されたことから懸賞金300万円まで付けて警視庁公安部決死の追跡でしたが、皮肉にも逮捕したのが大阪府警だったから警視庁は面目が潰れ此れから当分大阪府警に頭が上がらなくなりました(;;)。でも捕まって良かった、良かった^^。府警の捜査員が中核派の協力者を大阪市内から三日間も尾行し広島にある大坂のアジトをを突き止めたそうですが、渋谷事件に係わった警察官は今では全員が定年退職しているから46年は長かったね!警察は警察官が被害者になると目の色が変わりますね。大坂正明も警官さえ殺さなければとっくに時効扱いで警察からも誰からも忘れ去られていたと思います。今年の3月自宅から行方不明になった警官を60人体制で捜索したのは静岡県警でしたよね。留置場の係員は究極警官だから警官に暴行した罪の犯人は誰も拘置所で変死させられるんじゃないかしら?だけど大坂正明は警視庁の法務省への手回しが完了しているから死刑が既に確定したも同然だし拘置所から出られるよね。獄死させられないように願っています。ひょっとして死刑執行最短記録を更新するかも…、将に警察庁の意地だろうね。焼き殺された当時21歳の中村恒雄巡査もこれで浮かばれることとなりました合掌m(_ _)m。 処でこの犯人を3日追い続けてアジトを突き止めた大阪府警の刑事は当然大阪府警本部賞は頂けることでしょうが、少し物足りなく、全国広域調査事件だし特別に警察庁長官賞ってないのかな?それより2階級特進させて貰ったら給与が昇進し家族が喜ぶと思うよ^^。現在巡査部長なら警部だし、警部なら警視正だもんな。

天下り問題で辞職した前川文科省前次官と菅官房長官が加計学園の文書を巡ってそれぞれ記者会見で鍔迫り合いだ.「今、一番恐れているのは、マスコミが官邸側に遠慮し、報じるべきことを報じないことだ。これは国民の知る権利の大きな危機と考えます」と述べた前川前次官の方に分があるよね。次官の方は退職金は貰ったしもう捨て身だもんな…。

欲を(掻く)

三省堂国語辞典 欲を(掻く) 用例なし

新明解国語辞典 欲を(掻く )いやが上にも欲張る

新潮国語辞典 欲を(掻く) 用例なし

明鏡国語辞典 欲を(掻く) 欲を露わにする

岩波国語辞典 欲を(掻く) 用例なし

広辞苑 欲を(掻く) 用例ない

「欲を掻(か)く」 とは良く謂われる言葉だが、意味も漢字も分からない方が案外多い、手近な辞書を調べると上の通りであり多くが結構不親切だ。新解さんと明鏡以外は意味を示さず、「掻く」の字を捜すのも牴牾(もど)かしい。

「掻く」とは通常ものをこすることを言うからちょっと思いつかないし「欠ける」と連想するから欲がないようにも感じられる。昔の言葉だと思うが慣用句だから辞書もちゃんと書いて呉れなきゃ困るね(>_<)。

先週の読めそうで読めない字  戸を閉(た)てる

今週の読めそうで読めない字 世界平和を(幾)う

昔は「戸を開け閉(た)てする」と言っていました。

1年半続いた辞書の語釈比較もマンネリで人気がないため、今月でお仕舞いにします。長い間のご愛読を感謝しますm(_ _)m。

全文𦾔字体の小説

五月も半ばを過ぎれば何時とはなく夏の日差しとなり、一昔前と比べてひと月半くらい季節が早まったようです。毎年6月1日からと決められて居た学校の夏服も暑さの到来から今年は前倒しとなり松蔭女子学園では先週月曜日から白い制服になったと夕刊が彼女達の姿を報じました^^。その姿は旧套墨守で昭和の臭いをプンプンさせる 60数年前私の学生時代に憶えていたダサい服の儘であり、こんなとこにも昭和が残って居たんだと愕いたものです。庭ではカラーの花が満開です、カラーって水芭蕉の仲間だと思いますがファンタジックな花ですね^^。

先週私小説の元祖である嘉村磯多の書いた昭和初期の作品「秋立つまで」を読みました。この作品は岩波文庫で初版が昭和28年で平成13年に5版を迎えた長寿の復刻短編集ですが全編が原文に忠実で𦾔字体の儘印刷されて居り、常用漢字が一字も存在しない不思議な作品です。彼の本を読むことになった動機は彼の作品が梶井基次郎中島敦などと共に始終漢字検定の文章題に登場するためであり勉強のために買い求めたのでしたが、岩波文庫の字は何時も小さくて1行に43字もあって私の儚い目ではルーペが必要であり、133頁を読了するまで3日を要しました。最近の文庫は活字が大きくなって読み易く1行30字くらいの大きさなのまでありますから43字はとても辛くて困りました。でも旧字体と当て熟語に鏤められた作品は私にはとても目新しく漢和辞典を捲りながらの読書は楽しいものでした^^。印象に残ったのはこの時代の作品には口偏と足偏の字が多く使われていることです。最近の小説では口偏と足偏も随分少なくなって居ますね。当時の庶民の躰を使ったアナログ生活が偲ばれて興味深く感じたものです。参考までに彼の使用した旧字体当て字を幾つか列挙します。皆様読めますか?答は文末に載せて居ます。

欷歔、吩咐ける、嬌垂れる、微塵動、徒跣靠れる 羸弱い 国鄙語 蟀谷

三菱東京UFJ銀行が商号を三菱UFJ銀行に変更すると発表しました。思えば20年前、金融国際化に備えて我が国唯一の外為専門銀行である東京銀行のノウハウを獲得すべく巧言を用いて合併し東京三菱銀行となったものでしたが、三菱にとって質は格上でも資産総額の少ない「東京銀行」を冠に頂くことは20年間の屈辱だったようです。然しあの当時の三菱は三顧の礼を尽くして名家の令嬢を迎えたような状況でしたから三菱東京ではあまりにも世間体が悪かったのでしょう。然し今回悲願であった東京の名を漸く消し去ることが出来て三菱は目の上のたんこぶが取れた想いだと思います。然し東京銀行のOB達の無念を思い遣ると万感迫りますね。私が思うに三菱財閥の成すべきことは「東京」を葬り去ることではなく、早く出資金を返して三菱UFJモルガンスタンレー証券(この株屋は早くに東京の冠を消した)の「モルガンスタンレー」を消す去ることではありませんか!このカタカナが存在する限りこの株屋は何時までも国内の顧客にハゲタカのような下衆な株屋だと思われることでしょう(;;)。

天下の東芝が5400億円の債務超過を出して上場廃止の危機に瀕しています。30年前最高値1500円を付けた国内電機最大手でしたが、今や232円と株価が20分の1以下に下がり、代々家の財産として保有されている多くの株主が株価の暴落と迫り来る上場廃止にどんな思いをされているでしょうか(;;)。パナソニックやソニーを顧客に抱えるPwCあらた監査法人から今期3月期の決算について「意見差し控え」の引導を渡され、未だ決算が完了しない為体はどうしたことでしょう。東芝は業界最大手の新日本監査法人に毎年10億円もの監査報酬を支払っていました。そして不正会計を何年も続けていたのに何も言われなかったので、東芝は監査を馬鹿にしていました。平成27年春に東芝の不正会計が発覚し新日本監査法人は責任を取って辞任、新たな監査人としてPwCあらた監査法人が就任しました。いまや女性初の日本公認会計士協会会長を擁するPwCあらた監査法人が東芝に厳しく対応するのは、いつまで経っても東芝が旧態依然として監査法人を舐めていること、さらに怒らせた相手が女性であることもあります。日本の監査報酬が廉すぎるとの声も世界から発せられますが、監査法人が監査会社からお金を貰うから四大監査法人でさえ舐められるのです。監査報酬は株主に変わって国が徴収し監査人は国が公募すべきだと私は思います。

「貴(あて)やか」

三省堂国語辞典  なし あでやか 下品にならない程度に艶めかしい様子

新解さん なし 艶(あで)やか 人の注意を集めるほど綺麗な様子

明鏡国語辞典  なし あでやか 容姿仕草や花などが艶めかしく美しいさま

新潮国語辞典 上品で美しいさま あでやか 貴やかの転で華やかで艶めかしい意

岩波国語辞典 なし あでやか 華やかに美しくで艶めかしいさま

「貴やか」を記し「艶やか」に転じたことを記したのは新潮だけでした。「貴やか」は上品で「艶やか」は格下を意味していたのです。昔は誰もが「貴やか」と言って居たのが時代の変化と共に「艶やか」に移ろうて来たのでしょう。50年前三浦洸一が歌って大ヒットした「踊子」の歌詞にある「貴やか」は喜志邦三の渾身の作詞でありましたが、言葉が高尚過ぎて、世に知られずTVのテロップでは「あでやかに」と書かれることが決まりとなり、この美しい言葉がこの世から消えていったのは悲しいことでし(;;)。

先週の読めそうで読めない字 ♪絵のように貴(あて)やかな♬

今週の読めそうで読めない字 戸を(閉)てる

旧字体での当て字の答え すすりなき いいつける うなだれる みじろぎ

はだし もたれる ひよわい くになまり こめかみ

キリギリスの赤ちゃん

 

 

連休明けに庭の手入れをして居たら、何か小さいものがピョンピョン飛んでいる。追いかけるると狽えて私の服の袖に止まったところをスマホでパチリ、キリギリスの誕生でしだ^^。未だ1cm足らずですから動いてくれないと分かりません。誕生してひと月くらい経ったものでしょうか。3月末にシルバーセンターに頼んで草刈りをして貰ったため庭には未だ充分に雑草が生え揃っていないので幼虫の生育が心配ですが、雑草が生い茂るまで燕に見付けられないことを神に祈るばかりです。袖の幅からキリギリスの小さいことがお分かりでしょうか^^。

今日も漢字の話ですが、先週松本清張さんの漢字の精通振りに誰も愕きましたよね。小学校しか出ていないであれだけ書けるのですから我々現代人の懶惰が露わになり恥ずかしい限りです。

難しい漢字と謂えども易しくなければ…と誰かが言って終戦後当用漢字ができる際多くの漢字の画数が減らされたことは皆さまご存じでしょう。壓が圧、𦾔が旧、辭が辞、廳が庁、醫が医など字画が随分減ってとても書き易くなったものもありますが、元の字体が失われていますから此れは減らし過ぎとの意見も多くあり、幾らか旧字体の面影を残すべきだったでしょう。中にはどうして変られたのか意味が分からない字も少なくありません。例えば「隣」と言う字の旧字体は「鄰」と扁と旁(つくり)が左右に移動し「群」は[羣]と扁が上に付いていました^^。字は変えれば良いというものではなく、変えねばならぬ字数にノルマでもあったのでしょうか。逆に変えられて良かった見本が「亀」です、この旧字体は「龜」であり16画もある難解字です、皆様も一度書かれたら愕かれることでしょう。良く似た字に「鼈(すっぽん)」がありますが、此の方が25画もあるのに亀よりずっと書き易い字です。亀も鼈もよく似た両棲類なのに漢字の構成が微妙に異なるのが不思議ですね。尚、鼈は何故か旧字体の儘で放置されて居ます。この辺の国語審議会の動向は興味津々ですね、何処かで何か特別の力が動いたものと思われます。尚、旧字体については来週も触れたいと思います。

先月の初めにご紹介した大岡信の歌会初めで「マドンナの幸ちゃん」をご紹介しましたね、あの歌の中にあった「Eメイル来る」に違和感があったと思われた方が居ました。私もそう思いました。普通「メール」って言いますよね、書きますよね。でも調べて見たら正しい日本語で書けば「メイル」でした。天下の碩学大岡信が「メイル」と書いたのは正しかったのです。

その理由は何時ものように昭和61年内閣告示を見れば分かります。エ列の長音はエ列の仮名に「え」を添える、とあり、随って「メール」は「メエル」と書きます。ア行なら「おかあさん」の類いです。英語だから「メール」で良いんじゃないの?いいえ、英和辞典Mailの発音記号にもちゃんと[meil]と書いてありますよ^^。

「いれる」

入れる 淹れる 容れる 煎れる 納れる  炒れる と沢山ありますが私達は正しく使っているでしょうか?

三省堂国語辞典

煎れる 炒れる 炒(い)ってできあがる

入れる 中へ移す 息子を大学に入れる 中の方まで動かす 詫びを入れる お茶を入れる新解さん 入れる

湯を注いだり湯で煮立てたりして飲めるようにすることを「淹れる」とも言う

他人の主張を聞いてその意見に理のあることを認めることを「容れる」とも言う

明鏡国語辞典 入れる 容れる 納れる 淹れる

外にあるものを一定の枠の中に移す、この辞書には20個も細かく用例が示されて居るが特に特定の漢字を指定していないから読むものは「入れる 容れる 納れる 淹れる」のどれを用いるか判断を委ねられるから少し辛い。

新潮国語辞典 入れる 容れる 外から中へ移す 物陰に引っ込ます、収容する、(淹れる)とも書いて飲めるようにして差し出す、

岩波国語辞典 いれる 入れる 容れる 外部から特定の範囲に移す お茶を入れる「淹れる」とも書く

同じ「いれる」でも解釈がいろいろあって目紛るしいですね、淹れる 煎れる 炒れる が常用漢字でないから余計覚える機会に恵まれません。処で「お茶をいれる」と言う場合、どの漢字が適切かご存じですか?①お茶の葉を急須にいれる②お茶っ葉の入った急須に湯をいれる③お茶を湯呑みにいれる。①は入れる②は淹れる③は入れるであり、水で浸す(掩う)のは②だけであり、器にものを入れる場合は「淹れる」は使えない。世の作家どもは誰もが③に「淹れる」を多用して気取っているが間違いです。でも「淹れる」の字は着物姿の女性が左の袂(たもと)を押さえて急須のお茶を注ぐ風情が日本語の侘び寂びを偲ばせますから是非常用漢字に昇格して欲しいと思います。尚、「煎れる」は御濃茶(抹茶)を点てる際に用いる言葉ではないでしょうか。私は大学1年のとき囲碁に資するため精神修養で一時裏千家のお点前を習っていましたが、「女の中の豆拾い」と揶揄され恥ずかしい想いをしました。当時はお花の未生流と並んでお茶の稽古は縫い物と共にお嫁入り前女性の欠かせない素養の一つでしたが、今ではどうなったのでしょう、高度成長期に入る昭和40年位までは事務所の女性が昨夜手習ったお花を事務所の花瓶に飾ってくれるのが恒例でしたが、何時とはなくお花やお茶の先生の看板を見掛けなくなりましたね。お得意先のA社が作業用のミシン掛け要員をハローワークに依頼しても殆ど反応なく、あっても高齢者に限られるそうです。今では花嫁道具からミシンが外されたのかしら。

先週の読めそうで読めない字 花の苗を芸(う)える

今週の読めそうで読めない字 ♪絵のように(貴)やかな♬