先月の終りから今月に入って日中の暑さは孟夏のそれを急に通り越して真夏に近づいたようで、こんなに早く暑さが訪れるのでは先が案じられます。梅雨のせいもあって湿度が高く、暑さの増幅はエアコンの使用頻度が高くなり必然的にCO2の発生が増加し地球温暖化(熱帯化?)が進むことでしょう(;;)
梅雨が訪れてから庭の蛙達も途端に元気になって、雨の中を大合唱して居り、私など幼き頃の虫取り少年時代を思い出して感無量です。溜池も田圃も喪失した過密な住宅街では蛙の鳴き声を聴くなど全く以て希有なことですが、現代の都会の方々には蛙の鳴き声など何の感慨も湧かぬようで、大人に倣って子供達まで無関心なのには呆れ果てます。自然との共生なんて言葉は何処かへ消えてしまって死語になったのではないでしょうか(;;)
昨年は小指の先位に小さく可愛かった雨蛙も冬眠から目覚めて何処かから現れましたが何時の間にか今年はがっしりと大きくなって余り可愛気がなくなりました。(;;)雨蛙は青い葉っぱの蔭に、田蛙は土色の場所を選んで縄張りを作っていますから、きっと鳥を警戒してか保護色の場所を離れないようにしているようです。本能とは謂え生き物は賢いですね。我々が自然から見習わねばならぬことを彼等から多く学ばされます。
何時だったか何か動物の生体誌で読んだのですが、松尾芭蕉の有名な句“古池や蛙(かわず)飛び込む水の音”は想像の産物であって、蛙は水に飛び込むときは余程愕いたとき以外は決して音を立てずに平泳ぎの選手の飛び込みのように静かに入るとのことです。そう言えばうちの田蛙達も注意深く見ていると池に入るときは決して音を立てずに水平にすっと入ります。考えてみれば段差のある処では蛙は岸に上がれない筈であり水面と高低差の少ない処で虫などを食べて居り、危険が近づくと相手に分からぬようそっと水に潜り暫く潜水をしてからあらぬ処からポコッと顔を覗かして居ますが、此も天敵の鳥達を意識しての本能的な保身行動ではないかと思われます。池の傍に居る蛙を見付けると蛙は決して池に入らないで草叢に隠れますから、蛙も芭蕉から水泳の高飛び込みのように言われるのは心外でしょうね。静寂を際だたせた芭蕉の名句が想像の産物などと思いたくありませんが、300年以上も誰もが疑わずに信じていたと謂うことは、此の句の言わんとする処が水の音(Sound)ではなくて静寂(Silence)であったのでしょう。
先週医学博士になるのにお礼さえ用意すれば極く簡単だと申し上げましたが、調べてみるとその数は文学博士の100倍にも上るようであり、同じ博士であっても中身がまるで違うようです。嘗て東京大学、早稲田大学等で教鞭を執った夏目漱石が明治44年当時は国からの勅令であった文学博士を断ったことは余りにも有名な話です。
国からの謂わば命令である勅令を辞するには明治時代でもあり、職を剥奪され獄に繋がれても巳むを得ぬ程の勇気を必要としたと思いますが、彼漱石曰わく『博士制度は学問奨励の具として、政府から見れば有効に違いない。けれども一国の学者を挙げて悉く博士たらんがために学問をするというような気風を養成したり、または左様思われるほどにも極端な傾向を帯びて、学者が行動するのは、国家から見ても弊害が多いのは知れている。余は博士制度を破壊しなければならんとまでは考えない。然し博士でなければ学者でないように、世間を思わせるほど博士に価値を賦与したならば、学問は少数の博士の専有物となって、僅かな学者的貴族が、学権を掌握し尽くすに至ると共に、選に洩れたる他は全く一般から閑却されるのを結果として厭うべき弊害の続出せん事を余は切に憂うるものである』理路整然として将に成る程と頷ける正鵠な理論であり、現代数多の博士号願望者には是非とも聞かせてやりたい言葉です。片や国が授与しようとするに対し信念を貫いて辞退し、片や袖の下を持参して博士号を貰って金の蔓にしようとするなど此の大きな落差は明治の終わりから現在までの100年間に日本人の多くが志を失って俗物人間に堕落したことを意味するのでしょうか。夏目漱石も泉下で憂国の悲哀に涙されて居られることでしょう(;;)。
次期総理の座を狙っているのか鳩山邦夫総務相が一向に進展しない“かんぽの宿”の売却問題(凍結以来“かんぽの宿”の赤字が何十億円増えたことやら…(;;))を蒸し返し西川社長の首を差し出せと強面で迫って居ります。恐らく本音は仲の悪いお兄さんに総理の座を渡したくなくてこの際精一杯目立って置く人気取り作戦に出たものと思われますが、西川社長にも言い分があり民営化以前から決まっていたものを実行しようとして待ったが掛かったもので郵政省からの引き継ぎ事項なのに如何してこうなったのか腑に落ちぬ話やと思って頑強に抵抗の構えです。鳩山総務相もメディア相手に西川社長の再任を許さんなどと吼えてみても仕方ありません。西川氏が再任するなら自分は総務相を辞任するとか一度は言っておきながら翌日になって前言を翻す慌ただしさですが、卑しくも一国の大臣が軽々しく自己の進退について言及すべきではなく誰かに注意されての撤回であったものでしょう。最近村上ファンドの登場以来“物言う株主”が多くなりましたが、鳩山さんも文句があるのであれば株主総会で決着を付ければ済むこと(政府が全株保有)ではありませんか。
一方の西川社長も又住友銀行頭取時代から定評のあるド狸の寝業師であり、身分は総務相より下でも役者は此方が上と見ました。何せ此の社長はさくら銀行と合併後太陽神戸銀行、三井銀行出身者を殆ど関係子会社か僻地に飛ばして住友出身者ばかりが栄達した阿漕が浦は有名な話であり、穏和な神戸銀行や三井銀行が三井住友に変わってから、融資条件がメチャ厳しくなり、融資先の内財務内容に問題がある会社からは取れる処から取れるだけ取って搾る処がなくなれば後は潰してしまうサラキン顔負けのあくどい商法に豹変し、うちの得意先もその毒牙に掛かり彼等の管理下に置かれ乾いた雑巾を絞るが如き酷(むご)い仕打ちを受けている会社が少なくなく全ては西川路線の踏襲が招いた悪弊でありました(;;)。
今回斯うして“罷めろ!”“罷めない”と啀(いが)み合っている二人をよく比べてみると狐と狸の化かし合いでありきっと好勝負となることでしょう。今月の日本郵政株主総会が待たれますが…と謂っても株主はたった1名ですから与謝野財務大臣でも出て来てどんな結果になるのでしょうか?西川社長解任ともなれば後任も必要だし、それも相当の大物でないと務まりませんからそちらの人選もあることだし、どちらにしてもこれからが楽しみですね。
鳩山総務相は文化財として保護しろなど無理難題を持ち出した郵便局の改築問題にまで口を出して日本郵政の収益を減少させる遠因を作っていますが、総務相としては少々越権行為で遣り過ぎであり、かんぽの宿の問題と併せこれらは何れも麻生首相自身の直轄案件ではないのですか?
この総務相も鳩山家と謂う名門に生まれながらも、妾腹だったばかりに仮面ライダーでタレントをしていたハーフの高見エミリーと結婚するなど名門鳩山家としては凡そ考えられず誰が見ても名家の名を汚したことは事実ですから、この人何処か世を拗ねたアウトローな部分があるようですね。こんな男が総理になろうなんて、クワバラクワバラ(;;)
21年前4歳の女児殺害事件の犯人として無期懲役を科せられた菅家さんの再審請求が実を結んで無罪が確定し、彼は晴れて娑婆の土を踏むことになりましたが、17年半もの永かった入獄を解かれた菅家さんの心境は如何ばかりであったでしょうか。今となっては全てが霧の中となりましたが、当時のDNA鑑定が最新の技術に比べて遙かに劣っていたとは謂え、あの当時は物証として指紋の次に此に勝るものはなく警察当局が鬼の首を取ったと思い込んだことも当然だと思うし、又取り調べに当たった警察官達の直感も正鵠を得たものであったかも知れません、然し時代の推移と共に科学の進歩が著しくよもや当時のDNA鑑定が覆されるとは誰も思わなかったことでしょう。こんな冤罪事件が起こると死刑廃止論者が劣勢を覆して再びのさばって来るのではなかろうかと私は危惧を覚えると共に、菅家さんは果たして本当に冤罪であったのか疑問を感じます。菅家さんの家族が依頼した梅沢弁護士との接見3度目で“やったのかい?”に対し菅家さんは素直に“うん”と頷いたそうです。然し人の心と謂うものは複雑であり、現在進行中のTVドラマ木村拓哉主演のMR.BRAIN(脳みその意)では脳波の読み取りによる頭脳の解析で真犯人の嘘を暴(あば)く場面が出て来ますが、早急に脳波の科学的な解析による嘘真の解明が望まれる処であり、さもなくば現在のDNA鑑定が更に精度を増し、将来数十年後に再び今回の鑑定結果が誤りであったと謂うことが起こる可能性があるのではないかと私は憂えて居ります。(;;)
今週のリゾートトラスト橫峯さくら選手は連戦の上の先週優勝の疲れが出て11位タイと低迷しました。本当は来週のサントリーオープン(メジャー大会)のためお休みしたかったのでしょうが人気者の辛い処でスポンサーのお許しが頂けなかったものと思われます(;;)
人気者は辛いぞな(;;)