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あきらめなかった村木厚子

桜草

近年暖冬になってからお正月と言えば「桜草」の開花だ、清楚なこの花は日本人好みで可憐で楚々としたところが西洋花にない特長です、散歩の途中に撮りました。此れから寒さに堪えて健気にも花の数を増やして行きます。「桜」が咲く頃には此の花が見られなくなり5月には休眠期に入ります。花言葉は「青春のはじまりと悲しみ」ですから早春に咲く花の命が短いところから付けられたと思われます。可成り日本人的な花と謂えるでしょう。
よく似た花にプリムラオプコニカがありますが此れはサクラソウ属でも洋花で我が国古来の「桜草」ではなく私の好まない花です。又寒いときにはパンジーやデイジーがよく見られますが此奴も私の嫌いな花で植えたことがありません。きっと戦時中の幼い頃に見たことがない花のため潜在意識が拒否するのではないかと思って居ます。

曾て郵便不正事件で逮捕され世の中をあっと言わせたあの村木厚子厚労省事務次官が昨年10月60歳で退官された。そして今春より日経新聞夕刊「明日への話題」のレギュラー執筆者として半年間毎週登場されることになった。どんなことを書かれるのかとても楽しみだ^^。
彼女は8年前厚労省局長時代に凜の会郵便不正事件で障害者団体割引制度の証明書を発行した廉(かど)により大阪地検より逮捕起訴され164日に渡って勾留され腰縄を打たれ手錠姿で取り調べを受けたが一貫して否認を貫き遂に無罪を勝ち取った猛女だから知らぬ人は居ない。並みの男なら恐らく連日検察の恫喝に屈し罪を認めただろうが、彼女は高知の生まれで土佐のハチキンだから堪えられたんだろうね。辺鄙な高知大学出なのに事務次官まで上り詰めたのは安倍総理の人気取り異例の人事だったと言う説もあるがきっと彼女の揺らぎない信念と実力の賜物だろうね。
彼女の「明日への話題」第一声は、結婚しても子どもを産んでも絶対に辞めさせられない職場に付きたいと思って役人になったと書かれた。そうだよね、結婚しても子どもを何人産んでも辞めないで居られるのがお役人だ、キャリアでありながら当時は男女雇用均等法などなく国家公務員の同期800人中女性は僅か22名でそれも事務系に限ってはたった5名であり、女は採用しないと公然と言う役所も少なくなかったそうだから現在とは大違いだったのだ。
東大以外は先ず出世が望めない中央官庁に何故彼女が入ったのか、彼女の著書「あきらめない」によると初め彼女は高知県庁に入りたくて地方公務員試験に合格するつもりでその予行演習として第一種国家公務員試験を受けたら両方パスしたので高知県庁の採用試験に臨んだら「キャリアの女性はちょっと困る…(;;)」の雰囲気がムンムンだったので已む無く諦めて中央官庁に切り替えたが事務職では労働省に唯一女性枠があるだけで選択の余地なく労働省に入省されたそうだ。
入省後はキャリアでありながら30名の同僚職員にお茶を配るのが朝の仕事だったが、理解ある上司の判断でお茶配りの労役が免除されるまで延々と3年間も続けられたそうだがキャリアにお茶を入れて貰うノンキャリは針の筵でありその心裡は複雑だったと思うね。
50歳になり局長にまで上り詰めての青天の霹靂である郵便料金割引公的証明書不正発行交付の疑いによる逮捕と起訴、そして特捜検事からあの手この手の恫喝に堪えての無罪に至る1年半のドラマは彼女にとって「災い転じて福となす」であり、安倍総理の人気取り人事と言われるが事務次官にまで上り詰めることができたのは才能だけでなく彼女の持つある種の魅力のせいだったろう。事件当時マスメディアに掲載された彼女のトレードマークである引詰め髪は戦時中私の母親達の定番ヘアスタイルだったから懐かしかったね^^。
彼女の仕事でのモーレツ振りは勤務時間がメチャ長いため、幼い子どもを預けた保育ママ宅への朝夕送迎のタクシー代が当時の年収相当額である300万円にも上ったことだ。生活費は職場結婚した夫の給与で賄えたからよかったが10時に仕事を終えられることが希有であり、夜中の3時4時はざらで残業時間は月200時間を優に超えるが、申告は男が90時間女は50時間が決まりだったそうだから将にブラック企業顔負けであり、中央省庁の勤務は想像を絶するね。我々の近くに介在する区役所や年金事務所などのお役所では鼻糞を穿(ほじ)って所在なげに座っているお役人のノンビリムードとの落差は一体から我々はどう考えたら良いのだろう?彼等を中央省庁に廻せば仕事のハカが行くと言うものでもないしね…(;;)。昔小生の愚息がどうしても嫌がって中央省庁へ行かなかった理由がどうやら分かったような気がするな。彼処は頭の中身だけでなく人一倍タフでモーレツ人間でないと務まらないんだ。
キャリア資格と勤務時間の差は役職で補完されて居り、彼女が31歳で初めて地方へ出されたとき島根労働基準局の課長職だったが、1年半勤めて本庁に戻されたときは初めて課長補佐に任命されたそうだから本庁と出先では役職のランクが比較にならないと分かるね。因みに本庁で課長になったのは41歳だ。
島根ではキャリアの女性が夫を置いたまま単身?東京から子連れで赴任して来ると言うので大評判になり、社宅では同局の主婦達が2歳の幼児を構ってくれ、後年裁判のときは島根労働基準局ぐるみで大挙して援軍となって彼女を励ましてくれる戦力になったとか…^^。村木さんの人徳の賜物だろう^^。当時は外部の人から地元採用の事務員と間違えられるのでどんなに暑くても夏ではスーツの着用が欠かせなかったそうだ。警察や防衛庁のように勲章などないもんね^^。如何に女性のキャリアが少なかったか分かるような気がする。
読書好きの彼女は勾留される際、拘置所内に佐々木穣と今野敏の本を持参されたそうだが164日の勾留期間に読破された書名149冊が「あきらめない」の末尾にリスト化されている。佐々木穣、今野敏以外にも獄中なのに重松清や畠中恵などいろんなジャンルを読まれており読書傾向から彼女が検事の尋問に怯えず平常心で「明鏡止水」の心境に居られたことがよく分かる。権力の権化のキャリアでも私の好きな重松清なんて読むんだね^^。
週一回だが此れから半年間彼女の「明日への話題」を楽しみに読もうと思う。

偽の血液製剤を作ってボロ儲けしていた一般財団法人「化血研」に対し厚労省は110日の業務停止処分を科したが、ナント此処の殆どの製品について他のメーカーに代替品がなく業務停止の間も製造出荷が続けられるそうだ。「作らへんで…」と嘯(うそぶ)かれて困るのは国やったんや、何のための業務停止処分や!企業は業界でのシェアさえ確立してしまえば怖いモンなしなんだ(>_<)、昔、ミドリ十字が悪いことをして指弾されたが此方は会社と違って一般財団法人だから潰すわけにもいかんし大して税金の懲罰も科せないし法律の盲点を突かれて厚労省も困ったね。村木さんは今では外部の人となったが化血研をやっつける良い知恵を授けて遣って下さいね。

ところで北朝鮮の「核実験」に対しアメリカは一部の北朝鮮船舶の入港禁止を国連安保理事会に諮るそうな…。恐る恐る、怖々、と言う感じだから中国に協力が得られないアメリカの持て余している様子がよく分かる。実はアメリカも北朝鮮が怖いんだろうな(;;)。

先週の読みたくても読めない字
咲いた花が窄(つぼ)む

今週の読みたくても読めない字
咲いた花が(萎)びる

自動運転車(ロボットカー)は合流できるか

月見草

師走が駆け足でやって来た、先月末まで我が世の春を咲き誇った石蕗も漸く枯れ、残るはランタナと此の月見草だけとなって、間もなく庭はピンクと白のカタバミ一色の世界がやってくるだろう。彼女達は寒さを待っているのだ。そうなればもうお正月だね、私のような年寄りは早い月日の経過に唯途惑うばかりだ。

先週仕事の目的地がそごうの傍で阪神三宮駅が近いから山陽電車で行って見た。相互乗り入れのため特急は阪神と山陽が交互に来るがそ運悪く山陽だった、山陽はシートが沈んで腰に悪いのを知って居たが寒空に15分もホームで待つのも辛いのでその儘乗車したが、運悪くこの電車は何故か発車時と停車時に必ずガックンと衝撃が来て腰に響き思わず前のシートに縋ってしまう、シートが横6人掛けでなく前向き二人掛けだったので転けずに済んだ。此の電車は須磨から阪神三宮まで各駅停車だったのでガックンは数え切れないくらいだ(>_<)。腹が立ったので最後尾だったし下りるとき車掌に「何や!、へたくそやな、ゴツンゴツンと腰が痛いやんか」と文句を垂れると、車掌に「すんません、新人が研修中なもんで…」と頭を下げられた。電車は車と違ってアクセルとブレーキだけやから運転など簡単やと思って居たが、そうでなくレールにも車輪にもゴムが使われて居ない関係か車体にショックを与えず発着進するのは可成り熟練が必要のようだ、停車位置の関係や乗車人員の重量でついガックン停車になるかと思ったが、発進時にもスムースに出られずにガックン発車するのは力の入れ加減に可成り難易度があるのではないかと思った。車が自動化の時代を迎えているのにずっと前に自動化できてなければならぬ筈の電車がこんなことでは困ったもんだ(;;)。どうしてコンピュータに運転させないのかな、念のため運転席に見張りでも座らせて置けばそれで良いと思うがきっと頭の固い国交省が認めないんだろうね。腰が痛くなった分、運転手の運転研修中は少しは料金を割引しろ!

電車に先掛けて車の世界も愈々自動化に入り真の意味での「自動車」となり、早くも高速道路を無人でテスト走行されていると新聞に書かれていた。実現すれば2020年頃から世界中の自動車会社(トヨタは販売しない予定)で発売が開始され、運転席は不要になり乗っているのは乗客乃至は荷物だけとなる、然しドライブが趣味でハンドルを握って居ないと楽しめない人だって少なくないし、運転の上手な人には自動運転はきっとまどろっこしいに違いない、それに信号が黄色になった瞬間、自動運転車(ロボットカー)がそれを感知して横断歩道直前で止まれば現在我が国の交通事情では先ず後ろの車に追突されるだろう、と言って黄色で交差点に入れるようなソフトも国交省の認可の手前組めないよね、どうすんだろう?自動運転に切り替える前に車の前後に周囲からよく確認できる自動運転を示す旗の掲示でも義務づけるべきだろう。新聞社の車と間違えられたりして…^^。
自動走行にしても神様ではないからどんなことで事故が起こるかわからない、子供が走り込んできたり、赤信号で車が突っ込んできたりすれば矢張り事故の回避は難しいだろうと思う。そのとき「私は運転を自動にして居た」とドライバーが証言すれば事故の責任はだれが負うのだろう。
それより私はロボットカー・メーカーが自動運転車にドライバー同志のマナーである「サンキューハザード(どうぞお先に…)のパッシング」と「そこ退けのパッシング」などの区別を認識させる能力を授けて居るなんて思えない、そして此の自動運転車に高速道路の合流が上手くできるなんて到底思えないね、本線を走りながら合流車に合流させてやろうと優しい心遣いの「サンキューハザード」の好意が自動運転車に気付かれなかったりして…(;;)。

「化血研」(正式名称:一般財団法人化学及血清療法研究所)と公立研究組織のような紛らわしい名前を付けた熊本の民間製薬所は悪い奴だ(>_<)。20年前薬害エイズ訴訟で訴えられ損害賠償させられたのに又懲りずにこっそりと悪事を働くとは不届きである。厚労省は業務改善命令など生温いことは省いて殺人罪で直ちに刑事告発して悪事に荷担していた全員を検挙して拘置所に入れたら良いのだ。我が国は出生児が少し宛減少して行く中を彼等のせいでエイズに冒され更に減ってゆく危機的状態を迎えているのに何が業務改善命令や!

昨日の朝刊で報じられたが東京都の葛飾区で5000世帯分のマイナンバーが印刷漏れであることが発覚した。配達区域の葛飾郵便局が不審に思って区役所に問い合わせて判明したそうだ。総務省は全月末までに全部の印刷を終えたと説明していたため窮地に立たされることとなった。まるで泥縄だ、きっと他にも印刷未済があるに違いないだろうね。

今朝の朝刊の毎日新聞にて保険各社が高齢になった保険契約者と連絡が取れなくなったり受取人が亡くなったり(追跡調査せず?)で20億円の保険金が未払いになって居ると報じられた。
保険業界は10年前に病気の告知義務違反などを理由に保険金支払いを拒んだ保険金不払い問題で国会において追及され已む無く1100億円もの保険金を支払った前科があるが、その後は悔い改めたらしくその種のセコいものではなく今回発表されたものは本人或いは相続人から保険請求がなされない儘になっているケースが続発していることを踏まえたものだ。核家族の悲劇の一つだろうと思う。
死亡保険も各種あってややこしく、今年1月にお亡くなりになった94歳のお得意先の遺族には3500万円の保険金が支払われたが私は過去10年以上確定申告にて生命保険金控除をした記憶がなく、疑問に思って私が保険会社に問い合わせたらこの保険は70歳で掛け止めになり以後何時亡くなっても3500万円が支払われる契約だったと聞かされた、保険会社は保険金に対する24年間の利子配当をネコババしていたものだろうが保険金が貰えたのは遺族が保険証書を探し出せた功績の賜物だ。証書が見付からなければ保険料引き落としがないのだから保険金の事実が分からず其れまでだったろう。
保険会社ばかりが俎上に上がっているが、実は銀行預金は保険の比ではない。本年の三井住友銀行のバランスシートだけを見ても睡眠預金払戻損失引当金が200億円もある、これは出し入れが行われなくなって10年を超えた預金を銀行が雑収入で利益に計上し取り込んだ金額だ、「通帳や判子と本人或いは相続人の身分確認ができたら返してあげますよ」という意味での損失引当金だが千に一つも返還依頼の可能性はない。通帳は本人の意思で誰にも見付からない処に隠したまま永眠されたものだろう。親の面倒も見ぬ子どもに遣るくらいならゴミになって捨てられることを希望されたのだろうが昨今悲しい親子の断絶だね。他の銀行や郵便局を加えるとこの手の睡眠預金は数千億円にも達することだろうな(;;)。皆様もお年寄りには孝を尽くして銀行や保険屋を喜ばせないようにしましょうね。

先週の書けないけど読みたい漢字
危急存亡の秋(とき)

今週の書けないけど読みたい漢字
襖が(弊)れる