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学校も共犯者でないのか!


冬眠から目覚めた雨蛙が庭でケロケロと鳴き始め、風薫る五月のゴールデンウイークを目前に控えて居ます。今年は不景気のためとは謂え4月25日から5月10日まで16連休の会社まで出現しましたが、給与面で正社員とアルバイト社員では天国と地獄程の違いとなり、こうまで較差が付くと“こんなことで良いのか!”との想いを強く抱いてしまいます(;;)。
然し、聞けば最近では世の中には一つ処に縛られるのが厭でアルバイトが気楽だから一生その儘で良いなどと考えている極楽蜻蛉の若者が男子にも少なくないそうですから呆れ果てますね。
現在毎日新聞に連載中の林真理子著『下流の宴(うたげ)』では、サラリーマン家庭に育ち、ぐれた訳でもないのに学校を中退した二十歳の息子がオンラインゲームで知り合ったバイトの女の子(高校に入って直ぐ初体験を済まし、彼が4人目とか…(;;))と2週間で同棲し、二人して結婚したいと両親に承諾を迫って来て親を愕かせ、更には職に就かなくても一生バイトで良いと主張するなど、赤ちゃんができて成長して行く過程での経済的なことなど先のことを何も考えない短絡的な価値観の違いと、連れてきた女の子が敬語も使えずお世辞にも美人とは言えない顔や、言葉の端々から窺える教養のなさに両親が仰天して言葉も出ずに混乱し絶望に取り乱す修羅場が林真理子さん特有の冴えた筆とユーモラスなタッチで描かれ進行中ですが、平成も20年を経てこんな若者達が何時の間にか少し宛蔓延(はびこ)って来ていたとは全く情けない世の中となりました。(;;)
親が悪かったのか世間が悪かったのか或いは両方共悪かったのか、変てこりんな世の中に我々世代人間は到底付いて行けない思いです。(;;)
何時もの悪い癖で話は飛び火したので戻しましょう。GWはうちの事務所は何時もの様にカレンダー通りの勤務となりますが、私は例年なら漢字の勉強に集中する絶好の機会なのに今年はテストの実施すら定かではなく、イマイチ勉強に力が入りそうもなく如何したものかと思案投げ首です。(;;)それにしても漢検とファミリー会社の資産が併せて100億円とは魂消ましたね(;;)
清水寺の貫主さんが漢検の理事を辞任されましたので“今年の漢字”の揮毫が危ぶまれていますが、私は漢検今年の漢字に“慾”を採用したいと思います(^^)

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庭の牡丹が満開となりました。小さい樽プランターに昨年に続いて植え放しですが、肥料も遣らないのに健気に大輪の花を三つも付けてくれました。(^^)流石は花の王者と謂われるだけの貫禄があり、道行く人に“アラ大きいわねえ…(^^)”と声を掛けられ自然に目尻が下がります(^^)。花が終わったらタップリとお礼肥を差し上げましょう。
大阪市西淀川区の小学校4年生松本聖香ちゃん失踪事件は、意外にも肉親達による倫理的には完璧な殺人事件と謂える死体遺棄事件に展開し、世の親達や子供達を震撼させることとなりましたが、事件の経緯を検証すると児童に対する学校の態度が3年前岸和田で起こった中学生虐待事件と良く類似しており、あの事件の発生が今回何の教訓にもならなかったことが判明しました。(;;)然も3年前の事件は学校側が何度も児童相談所に実情を訴えていたにも関わらず相談所側は、“相談を受けただけや”と動こうとせず、相談所の対応や在り方に世間の非難が集中しましたが、今回は学校も担任も聖香ちゃんの顔に痣があることに気付き、本人から“お父さんに叩かれた”と聞きながら、母親の“あの子はあちこちぶつける癖があるからや”との馬鹿馬鹿しい返答を鵜呑みにして無理矢理一件落着させ、更には3月から学校へ不登校になった時も、“田舎のお祖母さん宅に居る”と言われて追求もせずに其の儘放置するなど学校は家庭訪問は疎か、一度も児童相談所を訪れることなく(児童相談所はさぞホットしていることでしょう(;;))、聖香ちゃん失踪事件の発表されるまで学校側が何の手も打たずに傍観していた事実が明るみに出ました。此は偏(ひとえ)に学校と謂うものが児童を主人公として存在して居る筈であるにも関わらず、実情は児童達は脇役であって主役であるのは校長副校長らの先生であり、児童のことより優先する自らの勤務評定に影響することを懼れて市教育委員会や児童相談所への報告を怠ったに違いありません。
これは由々しき問題であって本末転倒も甚だしく、現在の教育制度の縦割りを根幹から見直さないと第二第三の聖香ちゃんが現れるものと考えられます。
児童と毎日接する先生は子供の目を見れば真実が読める道理ですが、それが読めないと謂うことは先生が子供達を見乍ら、自らの心の目で児童達を見て居ないのではないでしょうか。聖香ちゃんは学校の先生に対して小さい身体から必死に救いを求めるシグナルを出していたに違いありません。如何して誰もそのサインに気付かなかったのか!学校の在り方と自己中先生の事勿れ主義が産んだ悲しい事件でありました。学校も共犯者ではないのか!
世間では最近“地デジ(地上デジタル)”なる言葉が良く出てくるようになり、何でも2年後には全てのテレビがデジタル化して今のテレビでは見られなくなるそうです(;;)現在TVの右肩に小さく出ているアナログの文字の上からデジタルと紙に書いて貼ればよいなどと、馬鹿馬鹿しい冗談を言う手合いまで居て我々アナログ人間を悩まして居りますが、少しばかり映像がシャープになるからと如何してちゃんと写っているテレビを有料粗大ゴミにまでして地球環境を乱し、新しいテレビを買わねばならぬのか我々年寄りには到底理解仕兼ねるところでありますが、聴けば総務省に吸収され存在感のなくなった旧郵政官僚達が電波を独占する公益法人を設立して彼等の天下り先を確保したいための復権を目指す隠謀であるそうです。
霞ヶ関の中でどんな勢力争いをしようと我々の関知する処ではありませんが、そのための迸(とばっち)りで国民に大きな犠牲を強いることは論外であり、我国でデジタル化したテレビは現在50%にも達せず、更なる上に100年に一度の不況の到来とテレビ処ではない世相であるのに一体からお役人は何を考えているのでしょうか。
ま、世界の流れからして何れはテレビのデジタル化は避けられないでしょうが、アメリカだってオバマ大統領の一声でアナログ放送停止とデジタル放送への完全移行が延期されましたから、我が国もアナログ放送の停止を暫時見送り国民所得や経済情勢の安定そして高齢者の理解が十二分に得られるまで“痩せ馬の先走り”は避けて頂きたいと考えます。
我が家も先日地デジ対応のアンテナ設置で10万円近く電器屋さんに支払いましたが何故にこんな費用を負担せねばならぬのか腹立たしい思いです。“地デジ”は誰のためでもない旧郵政官僚のためにだけあることを是非国民全員に知って頂きたいと思います。
時は奇しくも地デジのCM出演を12万8000回も熟し、更には地上デジタル放送普及推進キャスターを務めていたSMAPの草彅剛が先日都心の公園で深夜全裸の儘奇声を発して走っている処を住民の通報により警察官に公然猥褻罪の容疑で逮捕される不祥事が起こり、慌てたNHKではCMの取り止めを決めたそうですが、同じ決めるなら験(げん)の悪い地デジの方も取り止めて頂きたかったですね。日本国民は全員地デジ化に反対せよ!旧郵政官僚共全員くたばれ!
それにしてもタレントの中では好感度も高く草食系男子の見本と思われ、日常生活に於いて先ず食み出し運転の危険度の少ない良識ある若者と思われてCMに起用されて居ただけに関係方面のショックは大きく現在NHKを初め6社以上のスポンサーが右往左往して居ります。中止されてもスポンサー料の支払い義務が残りますが契約したジャニーズ事務所に損害賠償の請求が行くことになり、最後は草彅剛が負担することになるでしょう。(;;)
惟うに、彼が何時も何処に居ても常に草食系男性であって良い子を演じていなければならないことは彼自身にとって大変な心の負担となりストレスとなったでしょうから偶には羽目を外して爆発したくなる心境は分からなくはないですよね。事件は此等諸般の事情を考慮して起訴猶予となり一件落着することと思いますが、彼には女性ファンが多く、事件が事件だけにそちらの後遺症が大変でしょう。(;;)
それはそうと削られたCMタイムは空白にもできず何処かがディスカウント料金で買い取るのでしょうか?
女子プロゴルフツアー富士サンケイレディースは恒例の静岡県で行われましたが、我等が橫峯さくら選手は、2日目の豪雨3日目の風にスコアを乱し2アンダー3位タイに留まりました。小さくて細い選手は風の日は損ですね。(;;)

疑わしきは罰せず


桜も漸く終わって戸外では半袖姿の方を見掛けるようになり、町並みの緑も初夏の佇まいを見せているこの頃ですが、もう既にGWの陽気を思わせますから初夏が一ヶ月程早く到来した感じです。
うちの庭も苧環(おだまき)に一輪草に梅花からまつ草と沢山の初夏の花が満開となり、牡丹や姫林檎も負けじと蕾が萌み始めています。瓢箪池の周囲ではトカゲも冬眠から醒めて餌を求めてチョロチョロと走り回って居ますよ(^^)
今日はお得意先のYさんがお花見に行かれて送って頂いた平安神宮の枝垂れ桜の写真をご覧頂きましょう。
貴賓館と栖鳳池を配した枝垂れ桜が一幅の絵になっています。此のように荘厳な情景は日本庭園の粋とも謂うべきであり京都ならではで他所では先ず味わえませんね。(^^)
先週は丁度枝垂れ桜が満開であり平安神宮もラッシュアワー並みの大変な人出だったとこととお察し致します。

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近年日本語も段々粗雑に扱われるようになり、次回新設の常用漢字には邂逅(この2字は1級の配当漢字であり2点之繞(しんにゅう)の見本として記載しました)などに見られる2点之繞が“3字も登場するなど教育界に新たな混乱を招こうとして居ります。之繞は元々全ての字が2点之繞であったのが、当用漢字更には常用漢字の登場により1点之繞に簡素化されたものでありますから、常用漢字=1点之繞に統一すれば問題は簡単に解決するのですが、『漢字表記の豊かさと複雑さは表裏一体であり、両者のバランスを取らねばならない』と謂うのが文化庁の説明であり、何か良く意味が分からないけど国語の教科書や出版社の回し者のようなこんな話は聞きたくありません。準1級のテストでも現在2点之繞を1点之繞で許容されますから、1級の配当漢字のみ2点之繞に限定すれば非常に分かりやすく明解なのですがどうしてこんな簡単な結論が得られないのでしょうね。文化審議会の役人や委員の先生方は漢字が複雑になればなる程裏でソフト屋さんや何処かから収入が得られるようになっていることでしょうか(;;)ええ加減にせい!
先週痴漢とされた男性が勇気を奮い最高裁まで駆け上って無罪を勝ち取り、冤罪(私個人的には痴漢で捕まった男性の内50%以上は女性の作為或いは勘違いで冤罪ではないかと考える者です。)に泣く世の多くの男性の溜飲を下げることとなりました。(^^)憲法違反の疑いのある事件の他は量刑が死刑に値する事件以外原則門前払いの最高裁が何故に痴漢事件如きに門戸を開いたのか訝しく思ったものでありましたが、私は被害者の意見だけに耳を傾けた1審2審が予断に充ちたものであり、且、被告が防衛医大の教授であったことが“学校の先生と坊主は助平や”などの偏見を持つ警察や検察の心証を悪くしたものであり、警察官が自分達の劣等感を裏返して事件に臨んだものと思いました。
被害者とされた高校生の少女も一度降りた車輌に再度乗り込み教授のネクタイを掴んで痴漢呼ばわりしたことや教授の手から少女の下着の繊維が発見されなかったことから、この少女は示談金の小遣い稼ぎでも目的にしたヤンキーな不良ではなかったでしょうか。この辺も最高裁の判断に大きな影響が与えたと思いますが、掴むならネクタイではなく腕にしておけば裁判官の心証を大きく左右して居たでしょうね。
真の犯人が実在したかどうかはこの少女の良心に訊ねるよりありませんが、若し嘘だと言ってしまえば今度は誣告罪に問われることとなり、今少女が真実を述べるとは思えませんから、この事件の真相は神のみぞ知ることとなりましたが、私が感じたことは若し加害者とされた男性が防衛医大の教授などでなく、一介のサラリーマンであったらどんな結末が訪れていたかとの思いです。先ず最高裁が取り上げずに2審で実刑が確定して居たのではなかったかと思いました。最高裁の判事は警察官とは逆の考えであって彼等と知的な水準では引けを取らない教授の犯行が如何にも腑に落ちず彼を罪に落とせば判事さん明日は我が身の予感があったのではないでしょうか。
又、この事件から嘗ての早稲田大学大学院の植草教授盗撮事件が思い起こされますが、彼には数回同じような前科があり、又犯行の目撃者が警察官でありましたから逃げられず、人間の業の恐ろしさを思い知らされましたが、今回の事件は少女の証言以外に物証も何もなく、“疑わしきは罰せず”の刑法の基本理念がものを謂いました。
幾度も申し上げますが、真実は五里霧中であり“神のみぞ知る”でありました。
メディアでは連日漢検事件が紙面を賑わせ国民の関心を煽って居ますが、文科省の調査団に対し何とか理事長と副理事長の座を死守したい大久保親子は復権を果たさんものと懸命に凌ぎを謀りましたがその願いも空しく、事態は急展開して彼等が自ら創設した漢検から放逐されようとして居ります。文科相としては事務方からの強い要望でこの際大久保色を払拭して漢検を完璧な天下り先公益法人化する千載一遇のチャンス到来でありましたから、文科省の役人の野望に対し大久保派がどの程度反発できるのかその辺の鬩(せめ)ぎ合いが見物だったのですが泣く子と地頭には勝てぬの喩え通り強力な調査団を配した文科省の完勝となりそうです。大久保前理事長としては40年前に独力で漢検を築き上げ20年前に財団法人として当時の文部省のお墨付きまで頂いたものであり、平成4年には年間たったの12万人だった受験者を昨年は3歳から97歳までの年齢層から総勢290万人にまで増加させた自負心がありますから、無念遣る方無く容易に理事長の座を手放せない処でありその心情は十分理解できますが、財団を私物化し利益隠しにピンハネ会社の多数介在には私憤に駆られます。財団法人には税務署の力が及ばないことを十分承知しての荒技でしたから結果的には脱税も同様であり世間巷間の風当たりは一段と強く今回の合戦は理事長の身から出た錆であって文科省の寄り切り勝ちとなって結末を迎えることになることでしょう。
思えば漢検の事業が軌道に乗りかけたとき多額の税金に愕き、税金対策に財団法人化(財団になれば原則法人税住民税等が非課税)し、更にはペーパー会社を経由して一族の私腹を肥やしたことが浅慮であり、免税の見返りに文部科学省の干渉に従わねならぬこととなりましたから、策士策に溺れるでありました。(;;)
死んだ子の歳を数えたとて詮ないことですが、大久保理事長が財団法人になどせずに同族会社の儘で居て税金を払っていたら文科省から何一つ干渉されることがなかったでしょうから、人間欲を搔けば碌なことがないことの見本でしたね。(;;)
昨日のニュースでは京都地検が遂に背任容疑で捜査に乗り出したことが報道され、更には文科相の意向で6月の試験すら実施が危ぶまれて参りました。何しろ92年以降漢検と大久保ファミリー企業との取引は250億円にも上るそうですから、背任罪が成立すれば大久保家は全財産を失っても償いきれない追徴金を背負い込むことになりますが自業自得とは謂え大変な事態に追い込まれて参りました。今後事件はどのように展開して行くことに成るのでしょうか。250億円からすれば僅かではありますが私の支払った4500円の受験料は一体どうなるのか!
女子プロゴルフ第4戦ライフカードレディースは熊本で行われ、我等がさくら選手は2日目2位タイと好位置に付けましたが、渡米疲れと先週の優勝疲れが出たのかで最終日73と精彩なく惜しくも2週連続優勝を逸し1打差の2位に留まりました。(;;)

潰れた会社から賞与を盗るな!


確定申告も受験シーズンも遠くへ去って、後は本物?の春の到来(とっくに来ているか?)を待つばかりとなりました。(^^)春は選抜からと謂いますが、新しく装った甲子園では昨日から熱戦が繰り広げられて居ますが、今日は折角の日曜日なのに雨で残念です(;;)再度の改装により両翼1mとバックスクリーン2mが短くなったとかホームランが出易くなったようですから、此って絶対に阪神タイガースに有利ですよね。(^^)
2月に庭で掴まえた“馬追い”も幾らか痩せて来ましたが、熱帯魚屋で買ってきた小さいヨーロッパ蟋蟀を食べてくれて何とか生き存えています。(^^)もう一ヶ月寿命があれば推定生誕満一年でしょうから人間にすれば150歳超となりそうです。天気の良い日は日光浴などさせて居ますが、果たして無事生き延びることができるでしょうか。(^^)
アメリカ政府に見捨てられ倒産したリーマンブラザースに比べ、1700億ドル(17兆円弱)もの気の遠くなりそうな公的資金を受けて経営再建を進めることとなった保険大手のAIGが08年分のボーナスの一部として幹部400人に160億円(内37名には一人当たり100万ドル以上)を支払ったと報じたのには魂消ました。このボーナスは幹部達に対し既に前年12月に5500万ドルが支払われて居り今回は追加支給となるそうですが、幾ら何でも公的資金が入ったからと幹部に賞与を支払うなど、世間一般の常識を覆す呆れ果てた出来事でありました。おまけにボーナスはリスクの高い金融商品に手を出して会社に巨額の損失を齎した資産運用部門の幹部向けが大半であったそうですから、盗人に追銭とはこのことであり、誰もが開いた口が塞がらぬ話です。ガイトナー財務長官が慌てて高額ボーナスの支給の3日前に会社側に再考を求めましたが、会社側は経営危機に至る以前の契約で決まったものであるため、支給しないと訴訟を起こされると説明されてそれ以上突っ込めなかったそうですが、此の頓馬な財務長官も或る意味で共犯者と言えるかも知れませんね。玄関先のプランターに蹴躓(けつまず)いただけで莫大な訴訟を起こされるなど訴訟王国のアメリカですから、訴訟を恐れていては生きていけません。こんな連中は普段からメチャ高い俸給を貪って居ることだし賞与の支給などもっての外であり、逆に先手を取って会社に損害を齎した廉(かど)により、遡って3年分の報酬の返還訴訟でも起こすべきではなかったでしょうか。オバマ大統領も公的資金の導入に際して資金の使途を厳しくチェックすべきであったのを怠った罪は少なくなく、今後の支持率にも大きく影響することでしょう。(;;)
幾ら契約社会のアメリカであっても裁判官や陪審員達は世論に背を向けることはできませんから、貰った賞与は返さぬとAIG幹部が訴訟で幾ら抗辯しても会社側の勝訴に終わるに決まっていますが、以為(おもえらく)訴訟を懼れた振りをしている会社側の連中も一つ穴の狢(むじな)であって4000人の幹部の中に入っているに違いありません。賞与の支給はAIG再建のための有能な人材を確保するためと会社は弁解したそうですが、有能と謂われた人材が如何して斯うまで巨額な損失を出すに至ったのか説明もなく、内11人は賞与を貰ってさっさと辞職したそうですから食い逃げも良いとこでありメチャ腹立たしいですよね。19日下院の公聴会に出席したAIGのリディーCEOは傍聴の多くの市民から“GIVE OUR $ BACK(私達の金を返せ!)”“AIG→JAIL(監獄へ行け!)”とプラカードを突き付けられてタジタジとなったその顔付きはどう見ても狢(むじな)顔でしたから、どうやらこの男もどうやら会社を食い物にした一人に違いありません。

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日本人の感覚からすれば公的資金の導入などとんでもないことであって企業の経営悪化は企業の経営者並びに幹部の責任であり国が介入すべきものではなく、経済界の法則により成績が恢復しなければ社会から淘汰さるべきが自明であるのに、それを血税で賄いおまけにその血税が赤字の張本人である企業幹部の懐を潤したなど神をも懼れぬ不届きな行為と言う他ありません。如何してアメリカ国民は写真の小母さんのようにもっともっと怒らないのか!
連邦議会では2500万円以上年収の社員に対してボーナスに90%の税金を課して回収する立法措置(年収2499万円の社員が全額貰えるのか!)が下院を通過し今後上院で審議されるそうですが、そんな生微温いことをしている内に彼等に他国へ逃げられて取り逸れてしまいます。斯くなれば個人情報など糞食らえであり、公的資金導入でAIGの筆頭株主となった連邦政府は職権で即刻賞与を返還しない奴の住所氏名と顔写真をメディアに公表すると言ってやれば夜道も昼間も歩けず最も効果的な回収方法になるのではないでしょうか。
彼等4000人は会社の大小の差のみの理由で倒産させられたリーマンブラザースの従業員の怨念を思うべきでありました。(;;)
あろうことか、今回の賞与課税を巡って米金融大手シティーグループのCEOは金融界では既に報酬は大幅にカットされているとして公的資金を受けた金融機関の賞与への高額課税に反対の意向を示しました。語るに落ちるとはこのことであり、それなら賞与を廃止して報酬の大幅なカットを解除すれば済むことですが、反対の根拠はどうやら賞与の額がカットされた大幅な額の比ではないことを暴露した如くでしたね。(;;)
不法滞在とは云え20年近く前に来日し、地域社会に融け込んで無事平穏に暮らしていたフィリッピン人親子に対する無情な強制国外退去命令により2万人の署名嘆願も空しく最高裁で国外退去が決定し、先週森法務大臣が在留特別許可を蹴飛ばし両親二人の国外退去処分を最終決断(実は法務官僚の判断)をして世界に悪名を轟かすことになりました。過去には中学生になった子供を持つ家族に在留を認めた例がありますが、判決当時長女がまだ6年生であったことがお役所の前例に固執した硬直的な扱いにより親子が国に帰国するか親子が別れて暮らすことの選択を迫られる暗い結末となったのですが、人を殺めても15年で時効になる我が国も不法滞在には事情の如何を問わずに時効が適用されないとは不可思議であり、家族三人市井の住民として平穏に暮らし子供は学校まで行けて居たのに法律と謂うものが如何に酷(むご)いものであるかを思い知らされました。(;;)森英介法務大臣は年一回両親との再会を約したり、子供の入学式まで両親の国外退去を日延べする配慮を示しましたがこれらは全て小手先のまやかしであって、其処まで譲歩できるのなら何故今の生活の儘ではいけないのかとの疑問が起こりますが、全ては我が身の疚(やま)しさを取り繕うための世間体とメディアに対する阿(おもね)りであったものでしょう。(;;)
不法入国しては如何わしい場所で如何わしい連中を相手に春を鬻ぐ連中を野放しにして置いて、平穏な生活を送っている善良な者を捕まえては規則々々と柔軟性を失った硬直な日本政府の遣り口は海外メディアも関心を示しているとか…(;;)人類は全て平等であるべきであり、日本国民だけが法の下に平等であると謳う日本国憲法は人道的な見地からあまりにも傲慢に過ぎると考えられ、是非国連の人権理事会辺りに動いて頂きたいと思います。
それにしても我が国はそんなに驕り高ぶれる程尊大で立派な国なのか!諸外国に対して少しでも恥ずかしく思わないのか!
世の中なんて皮肉なものであり、法務大臣は決して官僚の操(あやつり)人形であってはならず、常に自分の人気取りを優先して行動する前の法務大臣鳩山邦夫であったなら此の3人の家族の運命はひょっとしたら薔薇色に変わっていたのではないでしょうか。日本郵政も鳩山邦夫にかんぽの件で古傷を触れられることもなかったでしょうに…(;;)
3年前の2月に0.22mgの酒気帯び運転で捕まった60歳の男性が、拳(こぶし)大の奈良漬けを食べたと主張して無罪を主張しために譲らず裁判になった事件で、審議が紛糾したためか警察の署員が5名全員奈良漬けを食べて呼気検査を行い全員共にアルコールが検出されなかったとの実験結果を証拠として裁判所に提出し、先週目出度くこの男は裁判官から”被告の弁解は信用できない”と言い渡されて罰金25万円の有罪が確定したそうです。“悪名”の八尾の浅吉じゃあるまいし、今東光さんもあの世で笑って居られることでしょう。
道路交通法上酒気帯び運転の定義は定かでありませんが、危険運転の可能性さえあれば0.22mgの結果が全てであり、その原因が例え奈良漬けであっても酒饅頭であっても罪を遁れることはできないと考えますが、この署員達は捕まえた男性の嘘に我慢がならなかったものと思われます。それにしても5人揃って水も呑まずに拳より大きい奈良漬けを食したそうですから辛くて大変だったでしょうね。それともご飯も沢山召し上がったのでしょうか(^^)日本って平和な国ですね。(^^)
先週の漢字の問題の答
傅く=(かしづく)=世話をする
跼る=(せぐくまる)=屈(かが)む
找す=(さおさす)=棹さす
彳む=(たたずむ)=佇む
立ち徘徊る=(たちもとおる)=行ったり来たりする
皆様は幾問おできになりましたか?え?一問だけですって?一問でも解ければ立派なもので殆どの方がゼロ問解答であったと思いますよ(^^)日本語って難しいですね。(;;)
こんな難しい字でも漱石や鏡花辺りの文学者は、日常の言葉として頻繁に使っていますから、昔の人の漢字力は凄いなと思ったものです。
期待の女子プロゴルフツアー第二戦ヨコハマタイヤPRGRは南国土佐で行われましたが最終日の今日大雨で中止となり、二日目トップの上原彩子選手が2勝目を挙げ、横峯選手は初日調子が悪く無念にも6位タイに終わりました。優勝した上原選手は可愛い顔をしてるのにラウンド中は濃いサングラスを外さずヤクザの情婦志願者のようで不愉快です。女子プロの人気は実力より容姿に頼る処が大きいので協会もズボン非着用など規制強化に乗り出して下さい。大根足でもミニスカートなら結構男性ファンを呼ぶと思いますよ。(^^)

夜のプラットフォーム


漸く確定申告の提出期限を明日に迎え、うちでは先週半ばに電子申告の送信と税務署提出分全てを終了しました。電子申告に税務署持参書類とはハテ?面妖な話ですが、青色申告決算書などで添付書類が様式の行数に入り切れない場合は従来ならエクセルなどで作成した書類を青色決算書に挿んで提出していましたが、電子送信ではエクセル書面など当然受け付けられないため、わざわざ一枚か2枚の書類だけ申告書等送信票(兼送付書)に添付して所轄税務署へ持参又は郵送することになりますが、受け取った税務署も16桁の利用者識別番号と20桁の受付番号を入力して電子送信された申告書と識別番号などの突合する作業がさぞ大変だろうなあと同情してしまいます。何せ識別番号等のフォントが約7フォントと小さいために私などどんなに目を凝らしても読み取れませんから税務署員もさぞ大変でしょうね(;;)怨むなら持参した納税者や税理士ではなく電子申告制度を創設した国税庁をどうぞ…(^^)。
確定申告が済んだら済んだで1月決算が待ち構えて居ますが、酷使した老体も労って遣らねばならず、残業続きでトゲトゲした気持ちも休息させねばならず、この歳にもなると休息には頭脳を酷使するネットの囲碁対局より幼い頃から青年時代までに親しんだ懐かしい歌に接することが何よりも効果的でありこの週末は夕べの一刻に走馬燈のように巡る若き日の情熱を掻き立てて身心のリフレッシュを図って居ります。(^^)好きな作曲家はモーリス.ラベルの“ボレロ”から山田耕筰の“赤とんぼ”まで何でも御座れとまるで節操がありませんが、皆様は“夜のプラットフォーム”と謂う曲をご存じでしょうか。ご存じない方は是非一度聴いて下さい。この歌は戦後間もない混乱期に登場して瞬く間に日本中を席捲した恋の歌でありましたが、この歌は実の処、戦前に反骨の作曲家服部良一によって作られ淡谷のり子によって歌われ乍ら、兵士の士気を削ぐと軍部に糺弾されて直ちに発禁処分された悲しい過去を持って居ります。
【夜のプラットフォーム】
歌詞をよく聴かれたら頷けると思いますが、此の歌は恋人との再会を約束した別れの歌などではなく、御国のために死地に向かおうとする兵士の新妻がプラットフォームの陰で涙を抑えて“愛しの君いつ帰る”と奇跡を祈っている惜別の歌でありました。(;;)
幸いにも歌詞が軍部を意識して曖昧だったことが幸運であり、戦後アルトの名手二葉あき子によって恋の歌としてリバイバルを果たすことができましたが、私はこの曲に特別の思い入れがあり中学二年生の時、神戸にラジオ関西が発足した記念公演に新開地の松竹劇場(今はパチンコ屋(;;))で彼女が歌ったこの曲が何故か忘れられません。此の曲の前奏部分の心(うら)悲しい汽笛の音色が堪らなく好きでオンチの癖にわざわざアコーディオンを買ってきてまで一所懸命弾いたものですが、生まれ付きの左ギッチョが災いし、リードボタンは上手く?熟(こな)せるのに右手の鍵盤が覚束なくてとても人前で聴いて貰える代物ではなく、大学で囲碁部が忙しくなった頃この楽器とさよならしました。(;;)
二葉あき子と謂えば“水色のワルツ”なんて素晴らしかったですね。私が高校一年生の時ヒットした名曲でありましたが、格調が高くて伴奏がアコーディオンでは品位を損ねる位であり、学生時代大阪北のOS劇場の横にあった喫茶“田園”に彼女がよく来演されましたのでわざわざ神戸から聴きに行ったものです。舞台と違って喫茶店ですから歌われる姿は目前3mであり、彼女の巨体と声量には唯唯圧倒されたものでしたよ。(^^)
数年前に黄泉の国の住民となられましたが、50年前信州で小学校の音楽の先生をされて居た私にとって忘れられない女性が“水色のワルツ”の作曲をされた高木東六先生のお弟子さんであったために此の曲への私の感慨はとても深く、死んだら東京ソフィア合唱団の“水色のワルツ”のCDをかけて葬送して欲しいと愚娘達に申し伝えて居りますが果たして憶えていて呉れることやら…(;;)
二木紘三さんの“うた物語”によれば、高木東六先生は実はクラシック専門の作曲家で、47抜(よなぬ)き(音節のうちの4番目のファと7番目のシを入れない曲で日本的メロディーの特徴)が多い歌謡曲を“乞食節”と呼んで品がないことを嫌って居られ歌謡曲とは無縁の存在の方であったそうです。クラシックの作曲家が47抜(よなぬ)きを無視した歌謡曲を作られると斯くも美しい曲になるのかと驚嘆してしまいますね。
処で今の若い方には“♪君に逢う嬉しさよ…♪” “♪君いつ帰る♪”の“君”の意味が万葉の世界から現在まで慕わしい男性への憧憬の言葉だとしっかりと理解できているのでしょうか?
久し振りに年寄りの昔話を聞かせてしまいました。又此からも折に触れて出てくると思いますが、どうかご容赦下さい。<(_ _)>
大阪のおばちゃんは逞しいとは何処ででもよく謂われる言葉ですが、逞しいなどとっくに通り越して超人的なおばちゃんが先週現れました。大阪生野区で朝の8時頃自転車に乗っていた71歳!のパートのおばちゃん?が前籠のバッグを自転車で近づいた若い男に引っ手繰られ乍らも怯まずに350m追い掛けて、最後は自転車を捨てて走って逃げた男に追い付いて腕を掴んで男を取り押さえたそうです。(^^)おばちゃんに怪我はなく最近の若い男が如何に軟弱で且つ不甲斐ないかをいみじくも立証する事件でありましたが、このおばちゃん?は“腹が立ったので絶対掴まえてやろうと思った。若い子やったので気の毒やわ”と余裕で語ったとか…(^^)犯人は32歳の無職の男性で、近くで引ったくりが2件発生しており、警察ではその事件との関連を調べているそうですが、71歳と謂えば幾ら何でもおばちゃんよりおばあちゃんに分類される年齢であり、32歳の若者を掴まえた膂力は半端ではなく普段から足腰を鍛え力仕事のパートでもされている方と見ました。取られかけたバッグの中のお金は110円だったのも大阪人らしくて愉快でしたね(^^)泥棒さんも逃げ果せてバッグを開いたときのショックの方が大きかったでしょうから、おばちゃんに捕まって却って良かったのかも…(;;)
何時だったか戦前の小説を読んでいたら“52歳の老婆が…”なる記述がありましたが、今や52歳は女盛りの熟女であって子供だって生める方も少なくなく、戦後60数年を経過して71歳のおばさんが32歳の若者を超える体力の持主とはいやはや恐れ入りました。実(げ)に女は強しでありました。この方きっと警察署長より犯人逮捕の感謝状が手渡されることでしょう。一昔前なら免許証の裏に犯人逮捕など記載して頂いて、スピードや駐禁など人身事故以外の軽微な違反は全て大目に見て貰えたのですが、この頃はどうなんでしょうか。(^^)
先々週の漢字の答え
巨と謂う字は本来“工(たくみ)”の中棒の真中辺の右側に“⊃”のような“把手(とって)”が付いて居て矩形の定規を表す字でありました。その後段々と中棒が左に移動して現在の巨に至って居ますが、旧字体の巨の上下の横棒が僅かに左に突きだしていることから、この字の部首が”工”であることが理解できます。(白川静著”字統”より)
今週の問題
傅く 跼る 找す 彳む 立ち徘徊る
この五つの“読み”が全部できれば漢検1級楽勝です。(^^)
来週より愈々女子プロゴルフツアーが本格開幕のため漢字の出題は本日が最後となりますので少し骨のある問題と致しました。

“変“なのは”漢検“だった!


2月の半ばと謂えば何時もなら一番寒い時期なのに、暖冬と謂う言葉を通り越したポカポカと暖かい小春日和が続き、週末少し雨が降っても気温だけ高く寒がり屋の小生でもストーブの必要がない位でしたから気味が悪く将に異常気象と謂えるでしょうか。
異常気象と謂えばうちの事務所の畑では御正月前に花を付けた苺(いつだったかご紹介しましたね)がその後の寒さにも耐え忍んで結実し漸く色付いて参りました。現在10個近く実を結んで居ますがヒヨドリに見付からないか気掛かりでなりません(;;)又秋に播種した空豆が成長しナント!先週には花を付けるに至りました(^^)

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空豆の花はご覧のように紫色で豌豆の花を大きくした感じで将にお豆さんの王様の風格です。然しこれから激寒期を迎えることだし、今夜から寒の戻りとか…ラジオで言っていましたからまさか此の儘結実するとは到底思えず哀れ徒花となりそうですが、肝心の成熟期の4月には体力を消耗して花が咲かなくなるのではと憂いて居ります。地球温暖化も此処まで進むと植物の生態系が乱されるのが恐ろしく、蟋蟀の食用並びに孫のお弁当のサラダに使うレタスも早や薹立ちの気配ですからお百姓さん達の作られる露地物の野菜達の運命はこれから一体からどうなることでしょうか。(;;)
教育業界では善玉の筈だった財団法人漢字能力検定協会なる所謂“漢検”が内部告発から悪役となって世間を騒がせて居りますが、大久保理事長親子の経営する会社が下請けとなって公益法人の利益隠しに一役も二役も買っていたことが暴露されて彼等は四面楚歌に陥りました。文部科学省は管轄の財団法人であっても天下りの居ない法人には普段から関心がなく放置していましたから、出来るだけ立入り検査などしたくなかったでしょうが、“漢検”のテストは国のお墨付きでもあり、此処まで事件が大きくなりメディアまでが動き出したために已むなく重い腰を上げざるを得なくなったようです。(;;)
当初は670名しか受験しなかった“漢検”が年に300万人もの受験者を集めた理由は漢字ブームに乗って大学の推薦入学や就職活動に有利になるためであり、理事長の先見の明があったとでも謂えるでしょうが、公益法人は文字通り公益を目的にしている見返りに法人税、消費税、固定資産税とあらゆる税金を免除されている特権があり、そのため少しは窮屈な縛りがあっても至極当然でしょう。
“漢検”は受験者が100万人に達しない時でも充分過ぎる利益を上げていましたから、300万人では受験料は一人平均2500円(一級5000円から10級1500円で就活や大学の推薦入学の必要な大多数の受験者層の2級は4000円)としても年收は80億円近くに達しますから変動費が数%の用紙代と会場関係費だけでは儲かるのが当たり前であり、理事長達の報酬を獲るにも一応文科省の目はあるし又相場と謂うものがあり、然も無税と謂っても源泉所得税だけは一般企業並みに獲られますからこうまで規模が大きくなると大阪国税局から源泉所得税調査が必須となり、領収書や使途の判然としない支出は全て理事報酬とみなされて源泉税課税の対象とされ、法人税、消費税の調査がないため兎角丼勘定になりやすい学校法人や宗教法人など公益法人が国税局源泉所得税部門の良いお得意先なのです。そこで彼等が考え付いたのが、専門の業者を排除しての下請け会社の創設であり家族名義で株主や役員を構成したペーパーカンパニーを通して広告費や印刷費を専門業者に丸投げしてはピンハネして差益を稼いで大久保家の所得の分散を図り、理事長亡き後の相続税に備えたものであることは我々税理士から見れば一目瞭然です。
年に一回開かれる評議委員会(会社なら株主総会にあたるもの)では評議員の殆どが難しい漢字は分かっても数字は苦手の学者ばかりであったそうですから、どんな議案も“議長一任、異議なし”で可決されたことは想像に難くありません。今回の事件を受けて講談社の社長である野間佐和子氏が決然と評議員の座を辞したのは誠に潔く他に同調する評議員が続出することでしょう。(;;)
事件の行方に不安を憶えた大久保親子は13日何を血迷ったのか大阪府の橋下知事に“漢字調査事業”なる名目で府内の小中学校142校の生徒約3万人に対し来年2月までに2回無償で“漢検”を受験させると申し出たとか…(^^)大阪府の学力低下は全国的に著しく低く、知事をして“クソ教育委員!”と言わしめたのはつい先日のことでありましたが、その大阪府の児童達が只で“漢検”受験ができることについて、申し出を了承したものの橋下知事も学力低下の実情から“漢検”の申し出を素直に喜べない複雑な心境であったことでしょう。(;;)
問題として残るのは今後の措置について他の都道府県からテストの依頼があれば例え学力テスト最高点の秋田県であっても断る理由はなく、全国津々浦々まで小中学生の無償テストを行わないと公平を欠くことになりましょうから、その辺まで大久保親子の読みに入っていたのでしょうか?大阪府の児童だけで受験料は約1億2千万円となりますから、全国から申し出があれば金額は優に40億円にも達するでしょうから“漢検”の売上は一挙に半減することになりそうですね、それでも身内の下請けやペーパーカンパニーなどを整理させられたりして“漢検”が赤字になることはないと思いますが、何より恐ろしいのは文科省のお裁きでしょう。此の事件を奇貨とし千載一遇のチャンスとばかり天下り役人をゾロゾロ送り込んできて理事長より沢山の報酬を獲って赤字法人になったりして…(^^)
思えば昨年の世相を表し漢検が選んだ”変“の字はいみじくも日本漢字能力検定協会自らを当てた字そのものだったとは皮肉なことでしたね(^^)
先週日経新聞下欄の広告の中に“会社を潰すテキトー税理士”なる書物の広告が登載されていました。現職の税理士によって書かれた書物でありますが、更には顧問税理士がどれだけテキトー(悪意に充ちた表現ですね)なのかチェックをしてみようとの副題があり、テキトー税理士の特徴が列挙されていましたので、その内うちの事務所ではどれに当て填るのかトクと思案して見ました。
会社を潰すテキトー税理士には 1.記帳転記を専業にしているコピー税理士 2.年に数回しか訪れないご無沙汰税理士 3.“税務調査は不可避”と言うイイワケ税理士 4.“I T会計は面倒だ”と言う化石税理士 5.経営助言を一切しないダンマリ税理士 6.コンサルタントを紹介してくる紹介税理士 7.顧問料の安さを売りにしている激安税理士 ウーン此処まで書かれると税理士にも色々あるんだなあと感心させられたのでありましたが、此の税理士の言いたいことは“税理士を選ぶには関与先に対して税務や経営に対する助言を積極的に与える者を選ばねばならぬ”と言いたいのであろうかと察しましたが、さて自分がこの中の何処に入っているかと考えてみると結構難しく、うちでは税務申告書の作成は元より経営分析を中心に税務コンサルタントを行い昨年よりE-taxにも移行しているために1.4.5.6は問題外としても2と3については反論があります。関与先の訪問は年に数回でも電話やメールやFAXで頻繁に情報やデータ交換が出来ていれば40年昔のように月一回わざわざ訪問しなくても充分にコミュニケーションが取れて居ると思われますから2番については時代錯誤でありましょう。更に3番の“税務調査は不可避”でありますが、税理士が如何様に完璧な決算申告を仕上げてもその会社の業績の変化と調査省略期間が5年を経過すれば零細不動産賃貸会社などを除き、当然に税務調査は避けられません。反って税務調査によって税理士がより信頼を得られ、顧客との絆が強くなるケースが多いので私は税務調査を特に歓迎しないまでも税理士の有り難みと顧問先の帳簿類に対する緊張感を高める意味に於いても必要ではないかと考えて居ります。7番は税理士の資質と品格の高低が問われる箇所であり、安かろうは悪かろうであって、充分なサービスが受けられず死に金となることでしょう。数年前日経新聞に税理士の報酬が高すぎるとデカデカと書かれて、世の税理士達を震撼させましたが、此の記事が原因で安い料金の税理士に乗り換えた経営者は多かったと思いますがきっと後で後悔された方が多かったかも知れませんね。幸い私達の事務所では顧問料が高すぎると言われた関与先は皆無でした。(^^)
麻生総理が洩らした “あのとき郵政民営化には賛成ではなかった”のたった一言に逆ギレした前小泉総理の麻生総理への悪意に充ちた暴言は誰もが聞き苦しく余りと言えば余りでしたね。(;;)中曽根さんなどの超大物を除き、引退を表明した者には公式にコメントなどすべき権利などありません。メディアも記者会見を断固拒否すべきでした。自らが惹き起こした郵政民営化が渦中とあっては気が揉めるのは当然でしょうが、後のことは後任者に任せるべきであり、自らの言動が自分の株を下げ、国民の目が麻生総理を判官贔屓の立場に変えるのが読めなかったとしたらそれこそ此方が嗤ってしまいますよね。(^^)
前総理が師であり唯一の味方であるべき小泉チルドレン達も見捨てられた自分達の選挙への悪影響を恐れて、冷ややかな態度に終始していたのも宜(うべ)なるかなでありました。(;;)此の事件で麻生総理可哀想に…と少しでも人気が恢復出来れば良いのですが…(^^)ムリでしょうかねえ。
先日の問題と解答
犬の点は耳を表しているそうですが、“弱”の四つの点は何を表しているでしょうか?
昔は弓の中にサンズイが入っていたそうですが、此は弓の飾りを意味しており何時とはなくサンズイが点になりましたが此の弓は飾り弓なので実践的でない処から“弱い”と謂う意味になったそうです。
今週の問題
“太”の字の点は何故付いているのでしょうか

当てのないレールを走っていた


冬も遂に本格的となり今朝など冷たい霙(みぞれ)雪が潸潸(さんさん)と降り愕きましたね。愈々各所轄税務署から確定申告書の郵送が始まり愈々毎年恒例の申告繁忙期に突入しました。昨年と異なる処は今回の確定申告から税理士が税務署に半強制的に命じられて電子申告(所謂e-Tax)の代理送信に移行することとなったため、我々の関与先に送られてくる申告用紙が納税者控用しか使えず提出用が電子送信のため不要となることとなり、国税庁も申告用紙の印刷代の多くをムダにすることとなりますが、アメリカのようにe-Taxが定着するまでは当分は已むを得ぬ措置でしょうか。(;;)
事務所では10月に誕生した蟋蟀が成人し昼夜通して鳴き声が喧(かまびす)しく、同居させられている三角バッタも蟋蟀の集団の中で生活環境が全く変わったために戸惑いを見せる様子でしたが、漸く馴れたようで共に仲良くレタスを食べて暮らしていましたが何時とはなく見掛けなくなったのでどうやら弱ったところを蟋蟀達に襲われて食べられてしまったようです(;;)。某理学博士監修の昆虫の書物では蟋蟀は草食と記載されて居りましたが、まだまだ学者の研究は伝聞に因るもので実験が充分に為されず初心の域を脱せぬようです。(;;)蟋蟀が脱皮中の仲間を食べることも知らぬなど何が理学博士じゃ!
元阪急や巨人で活躍し、10年前72歳で逝去した青田昇選手が今回漸く野球の殿堂入りを果たしました。この方は小さい身体(170cm)で本塁打王を5回(打点王1回と首位打者1回)も獲得し第2次世界大戦の兵役を挟んで16シーズン活躍した選手ですから殿堂入りが遅きに過ぎた感がありますが、現役引退後解説者になって辛口の解説は多くのファンの共感を呼ぶと同時に、球界関係者が苦々しく思う毒舌をも含んでいたことが受賞を送らせた原因かと思います。間近でお顔を拝見すると映画俳優かと思える程ダンディーでハンサムであり、私が中学3年生のときの想い出ですが甲子園球場の選手入口付近で待っていて同じ巨人軍の山川選手と二人で歩いてきたところを見付け並んで写真を撮らせて頂いたことがあります。シャッターを押すとき運悪く風が吹いてきて青田選手のダブルの背広が開いた儘写ったことまで未だよく憶えています。“君のカメラは何てカメラだ?”と聞かれましたから彼は当時カメラファンだったのでしょう。余談になりますが、垂水と舞子の間にある歌敷山と謂う山陽電車の駅(今はなくなっており舞子ヴイラの北側です)の近くに当時青田選手のお妾(当時は誰もそう呼んでました)さんが住んでいたことは有名であり、当時はお妾さんを持つことは男の甲斐性と思われていましたから、人から羨まれこそすれ誰からも非難されることのない長閑(のどか)な良き時代でありました。(^^)
華やかな芸能生活を送り、昨秋5億円詐欺に問われた音楽プロジューサー小室哲哉先週の初公判で検察側から彼の拘置所で綴った反省の手記『音楽家というレールから少し宛車輪が狂い、当てのないもう一本のレールを走っていた…空の暴走列車は皆様に急ブレーキを引いて頂いて停まった…』が読み上げられました。流石は作曲家でありながら作詞家も肩書きの内に入っている理由が分かりました。並みの人では拘置所の中と謂う極限の状態でこんなキザで洒落たセリフは一寸考え付かないですよね。(^^)
この人97年には申告所得国内第4位であり23億円も稼いで居り当時は現在と違って税率も高く払った税金は15億円にも上りましたが、納税資金を別個管理していたとも思えずこの辺(あたり)から税金を払うための借入と借換の繰り返しで資金繰りが少し宛悪化して行き、自分のお金と返済すべき借金の区別が付かなくなったのではないでしょうか。当時は時代の寵児ですから銀行が幾らでも貸してくれたことも徒(あだ)となったと思われます。人間誰しも一度甘い生活を経験するとそれが忘れられずに昔に戻れないと謂われますが、彼の場合その典型的なケースでありました。(;;)
99年に小室哲哉と破局した歌手華原朋美が先週奇しくも薬物中毒(睡眠薬の飲み過ぎ)でメディアを騒がせましたが、彼女も此の事件に心を傷めることがあっての出来事だったことでしょう。(;;)
先週お知らせしたキャリア警視の空港での暴言暴行事件を受けて千葉県警は事件がメディアに暴露されたためか、千葉地検に書類送検し警察庁も同警視を停職三ヶ月の懲戒処分に附し、この課長補佐は同日依願免職したそうです。
雉(きじ)も鳴かずば撃たれまいと謂いますが、“県警本部長を呼べ!”など余計な一言さえなければ、事件は表沙汰にならずに隠蔽された儘終熄していたものと思われますが、目上の者を呼びつける発言など空港関係者への威嚇であり示威行為とは謂え余りにも非常識であり本庁幹部の逆鱗に触れたものでありました。明らかに勇み足の言い過ぎでしたね。
こんな無礼極まる警察庁の権威を貶める男など庁も横滑りの職場を用意してくれるとも思えず、嵩高い経歴がこの人の今後の人生の進路の大きな妨げることに違いありませんが全ては己の虚像を実力と錯覚したものであり自業自得でありました。(^^)
それにしても警察と謂う処は不祥事が起こると微罪であっても他の役所と違って必ず依願退職させますが、此は警察庁の体質的なもので上からの半ば強要であって、逆らうと停職後も一生仕事と出世のない窓際族の運命が待ち構えているからでしょう。(;;)
春の甲子園に21世紀枠として九州大分県の大分上野丘高校が選ばれました。(^^)此の学校は甲子園出場には数少ない公立校であって九州では屈指の進学校として有名です。著名な卒業生数多ある中を一万田登、三重野康と二人の日銀総裁を輩出していることから此の学校がそんじょそこらの高校でないことがよくお分かりでしょう。昨年は野球部員が現役で東大入試に合格し、今年のキャプテン露口選手も帰宅後素振りの傍ら毎日自習を行って東大を目指しているそうです。部員41名は公立高校としては多く“野球をやりながらでも勉強はできる”と入部者は文武両道を目指して切磋琢磨しているそうですから頼もしいですね。昔東京の国立(くにたち)一高のバッテリーが甲子園出場後一浪して東大へ入学し再び東大でバッテリーを組んだことは有名ですが、露口君にも現役合格を目指して頂きたいですね。
大分上野丘高校先ずは出場おめでとう。(^0^)/
先々週の答え“母”と“毋”について
“母”と“毋”は元来同じ字でしたが、何時しかチョンが縦棒に変わった“毋”の字が分家されて現在では異なった字として認識されています。チョンが二つ入った方はご存じの通り正真正銘お母さんの“母”であり、縦棒の入った“毋”は“なかれ”と否定形や禁止に用いられます。
“母”は“女”の字形に両乳を加えた字形であると白川静先生の“字統”に書かれていますからチョンは乳房を意味するのでしょう。一方“毋”は“母”が否定や禁止の意味にも使われていたために紛らわしく何時しか別に縦棒の字として独立したようです。
上記のように此の二つの字は“母”の方が文字通りお母さんなのですが、何故か此の二つの字共に部首は分家の方の“毋(なかれ)”とされていますから話はややこしいですね。
因みに“毎”とか“侮”など辞書では縦棒になって居ますが、全て旧字体はチョンが二つとなっていますから、矢張り“母”が本当のお母さんであることがお分かりですね。
私見ではありますが、母に禁止の意味が附されたのは母は神聖なもので奸(おか)すべからずとの意から出たものではないかと考えます。
今週の出題
犬のチョンは耳を表しているそうですが、“弱”の四つのチョンは何を表しているでしょうか?

“綸言汗の如し”


松の内も後4日となりました。昨年秋以来各企業の唐突なリストラや契約社員の首切りなどを原因とした雇用の不安定を原因とした不景気が世の中にじわじわと浸透し、そのせいか年の瀬からお正月に掛けてタクシー強盗など血生臭い事件の連続であり、お正月らしい話題には少しも恵まれない暗いお正月となりました。(;;)
大阪府高槻市では先週タクシーが襲われ取り掛かりの人の一喝で未遂に終わり逃走したものの挙げ句翌日逮捕されましたが、“止めろ!何してんねん!”の一喝がなければこの運転手さんきっと殺されていたことでしょう。奇しくも一喝して犯人を追跡したのが毎日新聞販売所の職員で逃走し翌日逮捕された犯人が朝日新聞の販売所の職員だったとは皮肉なお話でした。小生毎日の読者ですから“止めろ!何してんねん!”が五段抜きには納得でしたが、朝日は犯人逮捕後どんな風に紙面をあしらったのでしょうね。今が旬の事件ですから頬被りもできずどんな紙面になったことでしょうか(;;)
暗いできごとばかりの中で少しは明るい話題はないものかと新聞を見ていて、心が癒される話題に巡り会ったのでご紹介しましょう。少子化が嘆かれる世の中となって久しいのですが、お正月の新聞にとっても微笑ましい家族が報道されて居りました。それは大阪府寝屋川市に住まれるTさん(51歳)と奥様(49歳)であり、このご夫妻にはナント!11男4女の子宝が授けられ、上は31歳でおトンボは7歳とか…(^^)現在の年齢から逆算すればTさんご夫妻のご結婚は成人前であり、民法上の最低年齢を待ち焦がれたような結婚だったでしょうからきっと恋愛結婚なのでしょうね。(^^)今から30年も前ではありますが、その頃でも江戸時代お殿様のお世継ぎのような早婚は珍しく又子供を15人産んで育てられた奥様は子育てに、お父さんは生活費の稼ぎ出しにさぞ大変だったことでしょう。上の子と末っ子は24歳も離れていますから、戦争前には良くあった家族風景宛(さなが)ら、貧しかったであろう分上の子が下の子の面倒を見る代りに下の子はお兄ちゃんのお下がりを着て逞しく皆が助け合って心を一つにして暮らして居られたことと思いました。こんなご夫婦こそ国民栄誉賞を与えられるに相応しいのではなかろうかと思った位です。(^^)
15人も兄弟姉妹が居ればご両親も子供の名前を呼ぶのに“おーい、そこの七郎ちょっと来い” “僕は七郎と違うで、八郎やんか!”などとまごつかれることがあったでしょうね。(^^)このお正月にはお孫さんも入れて25人が集まられるそうですからお家の床が抜けないかと心配してしまいます。(;;)理想ばかり高くて吾が身勝手が故に伴侶にも恵まれず30歳40歳過ぎても親掛かりの親不孝者が多い暗くて拗ねた世の中です。前世紀の遺物とも言うべき貴重なこのご家族の皆様方の前途に幸せが訪れることを深く願いました。
もう一つ此も新聞からですが、お正月明け5日の夕刊“明日への話題”に載せられていた含蓄ある記事をご紹介しましょう。お正月のお飾りに用いられる蜜柑の橙(だいだい)が鏡餅に用いられる理由など浅学非才の小生には当然知らぬことでありましたが、橙(だいだい)が縁起物の元祖に由来する理由は、此の蜜柑は木に生った儘にしておくと橙色に色づいた儘落果せずに寒空を越冬し、春には不思議なことに再び青くなり更に愕くべきことには此を数年繰り返すことにあるそうです。私は果実と謂うものは全て春から夏に花を咲かせ夏から秋に結実し摘果若しくは落実することが世の倣いと思っていましたが、こんな不思議な果実があって不死鳥であるために縁起物とされる所以であることを教えられ又一つ賢くなりました。橙(だいだい)は次代の胄(よつぎ)となるために種が熟すのに数年を要することを知っていて、春に再生するために摘果されないよう身を護る手段として、到底鳥類や人間の味覚に適さない過剰な酸っぱさを内蔵しているのではないでしょうか。南天などあの酸っぱさでヒヨドリなどの大好物として食べられていますがあれは実が小さいので噛まずに飲み込めて酸味がお腹に入ってからでは胃酸と混じって分からず、橙(だいだい)を啄(ついば)んで食べるのでは流石ヒヨドリも酸っぱくて辟易するのでしょう。(^^)さすれば人間様がお正月の縁起物だと橙(だいだい)をもぐ(“もぐ”と謂う漢字は手偏に宛と書き送り仮名に“ぐ”を加えますが、アホなエイトクでは変換できず漢検辞典を見ても載っていませんでした(;;)なんでや?)ことは、橙(だいだい)に取っては甚だ迷惑なことであったでしょう。聖書には“魚は人に食べられるためにある”と書かれて居りその類(たぐい)かと思いますが、人間様って何でも自分の都合の良いようにばかりで聖書だって随分手前勝手ですよね。いろいろ考えさせられるお正月明けでした。
毎日の“発進箱”によれば暮れから年始に掛けて東京タワーの聳え立つ霞ヶ関日比谷公園の一隅に設けられた“年越し派遣村”で職や住まいを失った大勢の人達を支えたのは、行政などではなく1700人にも上るボランティアによる実行委員会の皆様であったそうです。開村中の6日間全国から野菜や米が届き資金カンパは2300万円を超えたとか…(^^)労働、医療、生活相談から散髪コーナーまで設けられたそうですが、きっと阪神淡路大震災の被災者の方々もあの時の恩返しに多くボランティアに参加されたことと思いました。(^^)
路頭を迷う人達に対し、一番に率先して救いの手を差し伸べねばならぬ政府や自治体が手を拱(こまぬ)いているばかりで全く動こうとはしなかった姿が改めて浮き彫りにされ巷から批判の嵐が沸き起こりましたが、行政は100年に一回と謂われる経済恐慌での非常事態であるにも関わらず、今後オンブに抱っこの前例となって何れ踏襲を迫られることへの恐怖感が彼等を金縛り状態にし無策に終始したものと思いましたが、全く役人の頭の柔軟性に乏しいのには呆れるよりありません。こんな時こそ行政の出番ではないのか!
又、職も家も理不尽な会社に奪われ、糧を求めて藁にも縋る思いで派遣村へ辿り着かれた人達に対し、総務省の坂元哲志総務政務官の如きは不遜にも“本当に真面目に働こうとしているのか?”とは、派遣村の住民達の心を逆撫でする余りにも酷(むご)い言葉でありました。確かに幾人か便乗組があったかも知れませんが、それは何処の世界でもあることで、“それを言っちゃお仕舞いよ”
“綸言(りんげん)汗の如し”(天子の言われた言葉は身体から出た汗のように取り返しが付かぬものだ)とは発言を撤回できないことを意味する古来からの有名な格言でありますが、政務官は謂わば政府のスポークスマンであって昔風に謂えば天子の言葉ではありませんか。
このように事態の深刻さを自覚しない政府の発言は、非常識極まりないものでありますが、9時から5時まで只何となく机に座ってさえ居れば定年まで俸給が与えられるお役人こそ“本当に真面目に働いて居るのか?”と問いたくなりますね。麻生総理の謂う“政務官は発言を撤回したからいいじゃないか”で到底赦されるものではありません。と言って、総理に“綸言汗の如し”と進言しても理解されずにキョトンとされるばかりでしょう(;;)、如何して誰も怒らないのか!
先週の答え
“黙す”この字は“もだす”と読みます。古文に堪能な方ならご存じだったと思いますが、字の通り“黙っている”ことを昔はこう言っていました。白川静先生の“字統”には“黙”は“だまる”“もだす” “しずか“と書かれており、送り仮名が”す“であれば”もだす“が正解となります。万葉集では“辱(はじ)を忍び、辱を黙(もだ)してこともなく、もの言わぬ先に我は依りなむ”又、徒然草では”世の人逢いあうとき暫くも黙(もだ)すことなし、必ずことばあり…”のように用いられて居ました。
白川先生の訓読み編辞典“字訓”によれば“黙”(もだ)を動詞に活用したものであり、“黙る”(もだる)とも謂うそうです。小生の愚考する処では“黙(だま)る”がものを言っていて中途から言わなくなりことであって、“黙(もだ)る”は始めから沈黙を守ることを意味するのではないかと思いました。
或る意味で常用漢字の表外読みと謂えるでしょうから、漢検辞典には登載されていない“読み”でもあり、準1級のテストに出題されれば今の大学生なら国文科の生徒でも古文を専攻していなければ正解率は10%を割るでしょうね。(;;)
来週の出題
“母”と“毋”は同じ字でしょうか?

蟻が巨象を斃(たお)す


新年開けましておめでとう御座います。元日の朝は幸い晴天に恵まれ、暗雲が垂れ込めた今年一年の日本経済も斯くありたいと願いました。
拙(つたな)いブログではありますが、本年も宜しくご愛読をお願い致します。
愈々明日から仕事始めとなり年末調整の後始末に当たる諸官庁への提出書類の作成に掛かることになります。本年よりこれら書類の提出が電子申告とされて送信が煩雑となり、我々戦前派のアナログ人間には少し宛住み難いデジタル環境が訪れようとしていますが此も時代の推移であり享受せねば生きて行けなくなりました(;;)
皆様のお正月は如何でしたか。極端な円高で何時もより超安上がりの外国旅行となりましたが、それでも不景気のせいで例年より出国者は数万人少なかったとか…(;;)昨年秋から我が国の経済情勢の極端な悪化による多くの失業者が続出し、職だけでなく寒空の中を宿舎まで追い出されホームレスにまでなった方が多い世相の中をまるで他人事(ひとごと)のように我関せずの海外旅行など私など到底信じられぬ思いです。零細中小企業は当然として大企業まで大赤字が予想され周章狼狽の越年となって居ますが、旅行者の彼等には明日への不安がないのでしょうか、日本人と言う人種はもっと他者(ひと)の痛みの分かる人種かと思っていましたがこんなに刹那主義の人達ばかりだとは情けないですね。それとも自分の勤めている会社だけは…などと楽観している手合いが多いのかも知れませんが、こんな人に限って近く明日は我が身であることを思い知り、海外旅行で虎の子の貯金を失ったことを後悔することになるでしょう。(;;)

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昨年暮れに事務所玄関前のレタス畑に水を遣っていると、何やら葉に止まっているのでよく見ると三角バッタではありませんか。懐かしやこの三角バッタは毎年夏になるとうちのレタス畑の招かれざる客人として私を始終悩ましましたが、自然の摂理でキリギリスの餌として貴重な蛋白源となって彼等を長寿へと導いて呉れることとなりました。11月半ば以降見掛けなくなり爾後玉葱だけではキリギリスも段々体力が落ちて先月17日最後の一匹が儚くなったことは前にお知らせしましたね。その三角バッタの雌が一匹レタスに止まっているのです。何処から来たのか彼女(雄は小さくて雌の1/5)に聞いても答えられる筈もなく、よくぞ寒空を年末まで生き存えてきたものだと感心し、此の儘では凍死するのも時間の問題であり、弱っているようなので早速蟋蟀のアクリル容器に移し蟋蟀に与えるレタスのお相伴をさせることとなりました。夜間暖房のお陰で今朝も元気に蟋蟀と仲良く?レタスを食べています。
然し考えてみれば師走にバッタが飛んでいるなど地球温暖化も此処まで来ると背筋が寒くなりますね。その内蛙もトカゲも冬眠しなくなったりして…(;;)
歳末恒例の有馬記念で1番人気牝馬ダイワスカーレットがスタートからゴールまで一度もトップを譲らずに逃げ切り勝ちで圧勝し、2位には最低14番人気のアドマイヤモナークが入ったため三連単は100万円近くとなり、ワイド、3連複を併せ有馬記念の記録となりました。牝馬の優勝も有馬記念では37年振りとか…、皮肉にも女性上位の時代到来を予感させるものでありましたが、ここ数年来競馬界の人気は衰頽の一歩を辿り、本年は5%も昨年の売上から減少し一般景気の低迷を象徴するものでありました。武豊老いて競馬界の前途も愈々危ぶまれて来ましたね。
先月16日逝去した友人のS君が自分達関西相互銀行の職場の同僚1350名を救うべく数少ない仲間と共に日本一阿漕な住友銀行を向こうに廻して身を挺しての乾坤一擲の勝負を挑み、見事日本の金融市場稀に見る“大叛乱”が成就して、世間から『蟻が巨象を斃した』、『鰯が鯨を呑んだ』と称讃されたのは今から30年も前のことでありました。今週は皆様にこの事件で住友銀行が如何に卑劣な行動を取ったかについて、その全貌並びにS君達の活躍振りの詳細をお知らせする予定でありましたが、S君の奥様から彼がこの事件に関して家では何も喋らなかったのでそっとして置いて欲しいと仰られた言葉を1週間考えて私は筆を折ることに致しました。きっと彼は此の事件について家族を気遣い心配を掛けたくなかったことと思います。そして私に対しても彼が生前此の事件について触れたがらなかったことにも気付きました。彼の苦闘の1年間は人には明かせぬ傷つきと苦悩と共に戦場での10年にも匹敵する過酷な時間ではなかったでしょうか。日露戦争で難攻不落の203高地を陥落させた乃木希典の心境ではなかったかと思いました。近い内にあの世で逢えるでしょうからそのときにじっくりと彼の話を聞いてみたいと思います。
皆様もご年配の方は30年前のこの画期的な事件についてご記憶をお持ちだと思いますが、興味のある方は当時実業の日本社から出版された『“大叛乱”ドキュメント住友銀行VS関西相互銀行』角間隆著(アマゾンで購入できます。又神戸市の図書館で1冊保存されています。)をお読みになれば、如何に当時の住友銀行(三井住友になった今でもそうですが)が悪辣な銀行であるか改めてお分かりになることでしょう。彼等は合併によって関西相互銀行が大阪の底辺地帯を歩き、文字通りドブ板を踏みながら集めた3000億円余の預金を奪い取って富士銀行を抜いて第一勧業銀行に次ぐ業界第2位に浮上する野望に燃えており、大蔵省の認可を要する支店数も労せずに46店増加する魅力は大きい反面、京大出で固めた住友とは学歴の劣る不用な1350名の従業員は切って捨てる予定でありましたから、関西相互銀行の従業員達の叛乱は当然ではありましたが、S君達にとってはそれこそ我が身を捨てて巨象に立ち向かう蟻達の心境であったことでしょう。
恒例の箱根駅伝は下馬評になかった東洋大が往路復路を共に制して完全優勝を果たし、優勝候補の筆頭駒大は13位と沈みシード権すら失いました。東洋大の優勝は偏(ひとえ)に5区天城越えならぬ箱根越えで9位から4分58秒の差を覆して8人を抜き区間新トップでゴールする奇跡を齎した無名の1年生柏原選手でした。(^^)
それにしても何時も思うのですが、多寡が地方大会である箱根駅伝がTV放映1日8時間ぶっ通しで二日間、新聞は5段抜きトップでの扱いは異様であり、さすれば試合結果が新聞の片隅に辛うじて登載される伊勢の全日本大学駅伝や出雲駅伝には有力選手を温存し若手の登竜門としか考えていない関東有名大学との差は一体何だろうかと考えました。全国には多くの大学がありそれぞれ多くの陸上選手を勧誘していますが、関東地方以外の大学には箱根駅伝への参加資格がないために高校駅伝の有名選手が関東に流れるのは自明の理であり、有名選手の偏在は他の一般学生にも影響を及ぼすこと必然であって、箱根駅伝を主催する関東学生陸上競技連盟も既得権に胡座をかくことなく、全日本学生陸上競技連盟にバトンを託す時代がとっくに到来していると思いますが、少子化の時代を受けて上武大学、城西大学など箱根駅伝でもないと誰にも憶えて貰えぬ学校のPRには千載一遇のチャンスであるために、こう謂う世界は放映権やゼッケン広告など役員達の利権に繋がった柵(しがらみ)に包まれた美味しい処であり、立命館や大体大が参加できる日は先ず近くないと思われます。
常勝駒沢大学のシード落ちは此の学校が本業を疎かにして証券運用に失敗し、学舎が金融機関の150億円の借金の担保とされたことが選手達の志気に大きく影響したに相違ありません。一方優勝した東洋大は昨年12月に長距離部員が電車内でハレンチ事件を起こし、練習自粛までして出場すら危ぶまれていましたが、今回の最優秀選手柏原選手を発掘した川島監督が切腹(引責辞任)することで出場が認められた経緯があり、此の事件が与えた選手達への緊迫度がよもやの優勝を齎したものでありましょう(^^)
先週の問題の解答
柿“かき”と柿“こけら”
“かき”と“こけら”(木の削り屑の意)は元々異なった字でありその証拠に字画が違っており、“かき”は9画で“こけら”は8画です。筆順を調べてみると柿(かき)は旁りの筆順が鍋蓋の次に巾を書きますが、柿(こけら)は鍋蓋が一でありチョンを併せて縦棒が一本になる処から8画となる所以です。因みに柿(こけら)は漢字検定1級の配当漢字にも入らない難しい字ですが筆順を除いて同じ字体なのでパソコン上は環境依存文字(JIS第3水準乃至第4水準の漢字を呼び、他の機械に送信した場合、文字化けする可能性が高い字)にもされず異端児となっています。
今週の問題
“黙す”
仮名付けの問題です。意味も同時に答えて下さい。漢検辞典では載っていませんからテストで出題されると狼狽えるでしょうね。(;;)

銀行は狡いぞ!


愈々年の瀬を控えて慌ただしく、師走と云うのは何故か昔からおかしな言葉であって走り回っているのは未だ内定の取れぬ学生とよもやの内定取り消しの学生達であり、先生は学校がお休みとあってはのんびり自宅で寛がれ、我々零細企業達が月末支払いの資金繰りに逐われ東奔西走の大晦日を迎えようとして居ますから全く割が合いませんよね。(;;)
100年に1回と謂われた地震が私達の住む神戸や周辺地域を悪夢のように訪れたのは確か14年前でしたが、今年は世界中が100年に1度の津波と謂われる経済恐慌に襲われることになりました。(;;)
昔アメリカが嚔(くしゃみ)をしたら日本は風邪を引くと揶揄されたことがありましたが、今や自動車大手ビッグ3の破綻を迎えてアメリカが肺炎になって死地を彷徨(さまよ)うが如くであり、その結果日本は90円を割ろうとする凄まじい円高に追い込まれる羽目となって我が国を支える輸出産業は致命的なダメージを受けていますが、愚かな政府は第二次補正予算案の国会提出を見送り、怒濤の如く我が国を襲おうとしている景気と雇用の不安に対し、狼狽える術(すべ)しか知らぬのは痛恨の極みと言わねばなりません。それ故国民の全てが物価高による生活苦、そして派遣切りによる自殺者や食べて行くための犯罪者の急増と三重苦が年末から新春に掛けて延々と続きそうです。比較的貧富の差が少なかった我が国ですが、お正月には年末年始を家族連れ海外旅行の楽しげな人達と会社を解雇されて路頭に迷い家族一家心中など暗いニュースの両極端が明暗併せて報道されると思われます。何処でボタンを掛け違ったのか突然起こった此の深刻な社会不安に対して一体我々はどう対処して行けばよいのでしょうか?他人事(ひとごと)と思っていた不幸も明日は我が身かも知れません。こんな時代に貧しい人の心根も察せられないお金持ちの御曹司が総理大臣だなんて世の中皮肉です(;;)♪どう咲きゃいいのさこの私、夢は夜開く♪と藤圭子のナツメロ演歌でも捨て鉢に歌ってふて腐れるしかありませんよね。(;;)

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1年前コープの片隅で売られ枯れ掛けていた小さなセントポーリアを値引価額120円で買い求め、冬は昼間窓辺で暖を取り激寒の夜は蟋蟀の電気座布団にお相伴し、春に葉挿しして事務所の玄関のカウンターで育てた苗が大きくなり、お正月を前に見事に花盛りを迎えましたのでご覧頂きましょう。(^^)僅か巾横8cm縦が4cmのミニ鉢ですが現在花が7つと蕾が6つ付いています。こんなに花を付けると株(根)が負担に耐えかねてダメになりそうですが、葉挿しで幾らでも増殖できますので、此の儘咲き続けさせて行こうと思っています。(^^)
二つ目の写真は葉挿しをして新芽が出たものです。新芽がもう少し大きくなると葉挿しの葉は我が身を削って子に尽くし、新しい新芽に蓄えていた栄養を全て与え終わると満足気に軈(やが)ては枯れて行きます。子を虐待したり殺したりが日常茶飯事となっている昨今ではありますが、世の中の親達もセントポーリアを倣って斯くありたいですね。
20年前に亡くなった鶴田浩二の“傷だらけの人生”の歌の文句ではありませんが、右を見ても左を見ても希望のない真っ暗闇の世の中じゃありませんか。せめて可憐な花でも愛でて暗い浮世を暫し忘れることに致しましょうか。(^^)
師走の或る日、みずほ銀行に置いていた半年定期が満期となったので、三井住友に移しました。理由はみずほ銀行の株価が20万円(50円株として200円)台と低調であり、株価300円以下の会社は一般的にボロ会社と謂われているし、一株30万円を超え40万円に達している三井住友の方が少しはマシかと思ったものですが、三井住友で定期にしようと利率を聴いたらナント0.17%と篦棒に低く世界的な金融恐慌の結果が何処の銀行もこんな数字になったようです。(;;)
余りに酷い数字だし普通預金の金利を聞いたら0.12%と余り大差なく、腹が立ち“それなら普通預金に置いときます”と言ったら女子行員の態度が急に掌を返したように変わってパソコンの画面を見ながら“お客様はみずほの預金からで御座いますね、他行からの預金を定期にされる時は当行では特別優遇金利が適用されることになって居りますので0.7%の6ケ月定期が御座います”と宣われました。“それならそうと早く言わんかい!”と内心思いましたが、こんな時代でも定期預金を増やすことで行員にも若干の成績が付くらしく、私から普通預金云々の言葉を出さなかったら定期の金利を0.17%にされる処でした。銀行ってメチャ狡いぞ(;;)
後でみずほ銀行に聞いたら矢張り他行からの預金振替に対しては優遇金利が適用されるとか…(;;)此からは少し煩雑ではありますが、半年ごとに三井住友とみずほの定期を交代させることで我が家の恒常的な経済不況を少しでも補って行きたいと思いました。それにしても他行の預金で優遇金利など金融機関の他行を蹴落とそうとする足の引っ張り合いはせこくて見苦しいですね。我々も他行の預金を振り替えた証拠になる手数料840円の支出もバカにならず、結局銀行だけ儲けているのではないのか!(;;)
先々週の金曜日将棋の渡邉明竜王24歳が竜王タイトル戦で天下の羽生善治4冠(名人棋聖王座王将)38歳に3連敗後4連勝と将棋界では初の快挙を収め、史上初となる永世7冠に王手を掛けた羽生善治の野望を挫くと共に自身5連覇で永世竜王の資格を獲得致しました。
渡邉明竜王は昨年史上最強のコンピュータソフトと公開対局を行い苦戦の末辛勝しましたが、此の勝利によりプロ棋士の意地を見せたことで有名になりました。彼はコンピュータソフトとの対局に際し誰と指すより遥かに緊張したことであろうと思います。将棋の場合囲碁と違って狭い81路ですから何れはソフトがチェス同様プロと対等に戦える日が来ると予想されていましたが、ソフトを作っているのは羽生名人ではなくアマチュアですから、本来ならソフトの勝てる道理がないのにどうしてそんなことが可能なのかと熟(つらつら)考えてみるとプロの負ける原因は人間の持つ煩悩にあると思いました。ソフトは常に局面に応じて無機質に最善手を指しますが、棋士の方はどんな聖人君子であっても家庭の問題や金銭問題、健康問題など幾つかの煩悩を抱えて居ますから、それらが無意識に着手に対する判断に影響を与えて煩悩のないソフトが互角に戦えるのではないでしょうか。然し人間独特の感性である右脳の働きがコンピュータソフトには全くありませんから、勝負の分かれ目はプロが自己の煩悩を押さえて余りある右脳の働きが発揮できれば勝ち、さもなくばコンピュータソフトの勝ちとなると考えられましょうか。
芸事も学問もどの世界でも似通ったものですが、音楽で身を立てるにはそれなりの音楽大学に入りそれなりの先生に師事して門下生となる処からスタートしないことには本場所の土俵に上がれない封鎖社会であることは世間の常識であり、以前お知らせしたワンチャンスのポールポッツの様な方は例外とされている特殊な社会でありますが、今回『合格者はニューヨークのカーネギーホールで一流演奏家と競演ができる!』と銘打った斬新な試みが発表されました。主催者は米検索エンジン最大手のグーグル傘下で動画投稿サイトを運営する当ブログでお馴染みの“you tube”でありネットを通じて世界の逸材を発掘する試みとなりました。
応募資格は満14歳以上であれば、学歴など問われずに誰でも良くて参加希望者はバイオリンやフルートなどの管弦楽器を用いて中国の現代音楽家タン.ドウン氏の書き下ろした交響曲の楽器指定パートと課題曲に関する単独演奏風景を各5分間録画して専用サイトで投稿するだけでOKとされています。
第一次選考はニューヨーク フイルハーモニックやロンドン交響楽団が担当し、世界で3億人を超す“you tube”利用者の投票を加えて80名の合格者が決定する運びとなっているとか…(^^)此まで独学で学んだ音楽家がどうしても開けることができなかった扉が今回“you tube”の大英断でこじ開けるチャンスが到来しましたから素晴らしい試みですよね。最終審査委員長のサンフランシスコ交響楽団を率いるテイルソン トーマス氏は”ネットを使った捜索環境に注目したい“と今回の実験的取り組みに大きな期待を寄せられたそうです。
皆様の中で興味のある方は応募或いは審査に参加されたら如何でしょうか。第二第三のポールポッツの誕生が待ち遠しいですね。(^^)
先々週の解答
胄(よつぎ)と冑(かぶと) この二つの字は部首が違って居り、世継ぎの胄は部首が月(にくづき)であって、兜の冑は(どうがまえ)で円の中の鍋蓋がない字が部首なのです。違う人が作った字が偶々同じ文字になったものかと思われますが、厳密に謂えば此の二つの字は細部が異なって居り、胄(よつぎ)の(にくづき)が中の二本線が縦棒に接しているに反し、冑(かぶと)の(どうがまえ)の中の二本線は横の(どうがまえ)の縦棒に接していません。漢検のテストでは引っ付いている字と少し突き出た字(例えば浄と隠など)は採点機が容易に判別するでしょうが、はたして此の僅かな接点の有無を判読できるのでしょうか?又こんな字は前後の文章がないと仮名付けもできません。漢字って難しいですね。麻生さんには想像を絶する話であろうかと思慮致しました(^^)
今週の問題
柿(かき)と柿(こけら)“材木を削っできた木片(削り屑)のこと”
此の二つの字は胄同様違う字なのです。胄と違って部首はどちらも木偏です。胄と違って引っ付いている処も離れている処も全く同じです。それではどこが違っているのでしょうか。どう見ても同じに見えますよね?
今年のブログは今週が最終回となります。どうぞ皆様良いお年をお迎え下さい。来春は4日新春号を更新する予定ですので、宜しくご愛読下さい。

定額給付金を白紙撤回せよ!

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先週偶然取り上げた“グー”の小母さんエドはるみの“グー”が今年のユーキャン新語流行語大賞(現代用語の基礎知識選)の一人に選ばれたとか…20年の辛酸が報いられて良かったですね。この人こそ真の“アラフォー”であったでしょう。反面辞任会見の最後の言葉“あなたとは違うんです”と在任中初めてメディアに逆らった言葉が皮肉にもトップテン入りした元福田総理はさぞ複雑な心境だったことでしょう。世間から嗤い者にさたことを察して流石に受賞を辞退されましたが、この人が自身の意見を何も示さなかったのは言うべき意見を何も持たなかったからであり、言うべき言葉を何も持たないのに思いつきの発言をしては失言を繰り返している現総理よりは少しはマシだったでしょうか。
いろいろの事件があった平成20年も愈々後3週間と少しで終ろうとして居ます。漢検も例年の如く今年を象徴する文字を募集していますが、車で刎ねた通行人を数キロも引き摺るなど悪質な轢き逃げ事件の多発した年でもあり私は“轢”にしましたが、この字は一級配当漢字でありどうも難しすぎてハズレでしょう(;;)
定額給付金については各地からいろんな意見が寄せられています。神奈川県の松沢知事からは”定額給付金は即刻廃止すべきだ”との意見が日経に寄せられました。この碩学の知事は先ず”不況の度に定額給付を繰り返すと国民は政府に依存しモラルハザード(倫理観の欠如)が起こる。今回の給付金は一過性で天下の愚作、撤回すべきだ“と極論されています。
又、給付金支給の実施に伴い膨大な事務や数百億円にも達する経費が掛かり、猶且つ更に世帯の把握が不透明では当然に住民からの非難が出て公平な給付金の支給など実現不可能であるから、2兆円の給付金は即刻廃止した上で環境対策に用いることとして、その資金で緊急性のある老朽化した公立学校の補修や立替費用に支弁すべきだろう。と述べて居られますが、実(げ)にその通りであり何処かの国では地震で学校が潰れ数百人の児童が死傷したのはつい先日のことではなかったですか。少子化の流れを受けて国の為すべきことは先ず子供達の安全を確保することに尽きると思いますから、老朽した学舎の補強や補修には私も大賛成であり多くの有識者も賛意を表されるのではないでしょうか。
定額給付金交付の趣旨は税金控除では税負担のない貧困家庭に不公平だとの観点からの発想でありましたから、それなら税負担のない困窮家庭の自己負担分の国民保険料や介護保険料などを国庫負担とすることだって可能な筈であり、国は為すべきことを尽くさずに安易な方法に拠ったことになり、充分な考慮を払わずに交付を定め支給の細部を含めて各市町村に丸投げした政府は咎められて然るべきでありましょう。
どうせ年内支給が不可能になったことだし今からでも遅くはありません。麻生総理は地方自治体を騒がし、国民の多くに期待を持たせたせめてもの罪滅ぼしに定額給付金の支給を白紙撤回し、国民の誰もが納得できる新たな法案を慎重に模索して頂きたいと思います。
先日遂に文化審議会国語分科会の漢字小委員会で新しい常用漢字191字が決定された様子です。常用漢字には10級から2級までと学年毎の配当漢字が定められて居ますが、新しい常用漢字には準一級を飛び越えて一級の字が20近く選ばれ、二級に格下げされ漢字検定の受験生を悩ますことになりましたが、準一級以上の漢字には旧字体の字が多くそれらをどう処理するのか今後の課題となっております。
例えば以前にも触れましたが“箸”や“賭”のチョンが省かれ簡易慣用字体に変えられるでしょうし、また“葛”も正字が旧字体に後退させられると思います。“喩”などは一級の漢字であって簡易慣用字体がありませんから“愈”のように旁(つくり)の波が消されることになるのでしょうが、“比喩”(たとえる)位しか使い道のない字がどうして常用漢字に変えられたのか疑問に思えてなりません。又今回選ばれた“嗅”は匂いを嗅ぐ意味ですが、この字の本来の字の”臭“は既に現在二級の配当漢字であって簡易慣用字体になり犬のチョンが省かれていますから、“嗅”に使われている”犬“のチョンは一体からどうなることやら興味深いですね。(^^)此の儘では明らかに二級の受験生泣かせとなることでしょう。(;;)
このチョンが省かれた字は結構多くてよく誤りやすいのが“涙”です。旧字体は涙の大が犬でありチョンが付いていましたから見るからに目から溢れた泪を連想させて呉れましたが、常用漢字になってから俄に今流行のドライアイになりました(;;)
昇格する漢字の中から難易度の高い漢字を捜すと“喩”以外にも“諧”や“鬱”や“璧”などがあり“諧”や““璧”は“喩”同様余り日常用いられず如何して昇格したのか詳(つまび)らかでなく不可解でなりません。“鬱”など使用頻度はあっても字画が多くて書くのが本当に憂鬱ですね。(;;)
漢字小委員会も常用漢字を少しでも増やすことで、学生の国語力が増加すると思っているのでしょうが、常用漢字を増やす前に常用漢字の中で殆ど使われることのない字を準一級乃至は一級配当漢字に格上げする努力も尽くして頂きたいと思います。下の10字は小生の独断と偏見で選んだ常用漢字です。
韻 閲 謁 虞 繭 璽 爵 髄 遷 朕 虜
“朕惟うに我が皇祖皇宗國を肇むること宏遠に…御名御璽”この教育勅語の文言など我々戦前派以外の方は殆どご存じないと思いますが、朕など未だ常用漢字の中では立派に威張っています。此って時代錯誤も甚だしいですよね。日教組はどうして怒らないのか!
愚娘に教育勅語について聞いたら、朕の字は犬の種類と同じじゃないの?と謂われてしまいました。慌てて調べたら犬の方は“狆”でしたから“朕とは誰のことや?”と訝っていられた天皇陛下もさぞホッとされたでしょうね。(^^)
話は何時ものことでガラリと変わりますが“You Tube”は皆様よくご存じの世界動画共有サイトですよね。我々はお陰でCDを買わずして大抵の曲が聴けますから重宝していますが、業界では“You Tube”は法律で保護された音楽や映像を著作権者に許可なく利用者から投稿され掲載すると謂う所謂著作権侵害の最たる悪の温床と謂われて居ります。日本ではTV番組のシーンが投稿されるケースが圧倒的に多く、アナウンサーのトチリやハプニングなどは容赦なく投稿されアナウンサーは天下に恥を曝す結果となっていますからTV局も自局の映像を見付けては“You Tube”側に削除を求めての鼬(いたち)ごっこが続いています。一方此の削除要請を一番熱心に実行していたのが、700万曲の楽曲を管理するのが“JASLAC”(日本音楽著作権協会)でありましたが、日経新聞に拠れば此処に来て“JASLAC”の様子が変わり、幾ら削除しても土竜(もぐら)叩きであって違法動画が増えこそすれ根絶することがないので、いっそ発想を転換して“You Tube”を利用して動画共有サイトでの音楽や映像の流通を促し映像商品のPRに資した方が得策ではないかと考える意見が主流派となるに至ったそうです。その動機となったのは、角川グループが昨年TVアニメのDVDを北米で発売した処、“You Tube”で違法動画を流され続けたお陰で現地ではTV放映されていないにも関わらず予想もせぬ数が販売できたからですが、そこで“JASLAC”や映画会社も“You Tube”を利用して楽曲や動画を“触り”だけ見せて客の購買欲を誘う方法を思い付き、1分以内の掲載を認めることなどで“You Tube”と共存することで潜在的なネット利用者の需要を喚起できると意識革命に乗りだし、“You Tube”から一定の料金を徴して楽曲の利用を認めることになった模様です。
然しメディア界から敵視され続けて来た“You Tube”からお金を貰ってのプロパガンダには誰もが愕きですね。角川は既に“You Tube”にアニメチャンネルを登載させて協力体制を取っていますから、楽曲だけでなく映画やTVドラマなども今後競って同調するものと思われます。例え盗人に追銭でも自分ところが儲かればそれで良い論理でしょうが、こんな謂わば泥棒の片棒を担ぐ遣り方は長い目で見れば庇を貸して母屋を取られるが如きであり、何れは己が墓穴を掘る結果を招くのではないでしょうか。“You Tube”と著作権業界との闘いは今後どんな風に展開して行くのか楽しみですね。(^^)著作権業界が“You Tube”にお金を払うことになったりして…(;;)
女子プロゴルフもオフシーズンに入りましたので、暫く休ませて頂きます。その代わり来春の開幕まで毎回漢字の勉強を致しましょう。
今週は先ず助詞を総称する“てにをは”を漢字で書けるかどうかの問題をお出しします。
皆様如何ですか?解答は来週へのお楽しみとしましょうね。