年の瀬が迫り早くも年末調整の時期が到来した。愈々戦闘開始だ、バブルの熾火がすっかり消え去ったのが平成16年であり、以来の不景気が続く昨今小規模企業では慣例だった賞与の支給がなくなった処が多くなり、我々も事務量が減ったものの此は決して喜ばしい傾向ではない。盆前と暮れにそれぞれ給与の2月分宛賞与を貰って居た昔が夢のようだ:-)。銀行などボーナスが3回あり、給与の総額より賞与の総額の方が多かったのだ^^。今、役所は何処も財政赤字で喘いでいるが公務員の賞与は昔通り4.2ケ月なのかな?不公平だな:-)。

先日散髪に行った。髪の多い中高生より料金が高い理不尽に耐えて残り僅かな頭髪を刈って貰って居たら隣の席に幼稚園児か小学校低学年の男の子が母親らしい女性に連れられて来た。この子は散髪をされている間、一度も鏡の方を見ることなく切った髪の毛が手に掛かるのにも頓着せず一心不乱に俯いて両手でゲーム機を操作して居た。職人は仕事が仕難いのに母親は何も言わず素知らぬ顔だ。此では家でもきっとゲーム機から離れられないことだろう、大切な幼児成長期にモニターばかり見ているときっと目を悪くするに違いなく母親は無知で子どもの視力の低下について何も考えて居ないんだろうな:-)、勉強で目を悪くするのは已むを得ぬとしても、できるだけ遠くを眺めて凝(こ)った眼球を休める時間を与えてやらないと此の儘では間違いなく眼鏡組となりコンタクトなどに憂き身を窶し、自業自得とは謂え不自由な一生を過ごすことになる。最近パソコン眼鏡の安売り(3990円)で全国大展開「JINS」の創業者田中仁が持株の極一部を売り出して27億円を手に入れたと報道された。此などゲーム世代の連中と無知な母親達が彼を大金持ちに仕立て上げるお手伝いをしたことになったんやろね:-)。

何時だったか紹介しましたね、日経新聞夕刊のエッセイ「プロムナード」本年下半期週一回執筆者火曜日の担当は唯一作家である辻村深月さんだが、先月半ばに「東京會舘の思い出」を記された。彼女は29歳で結婚、意識的に結婚式を直木賞授賞記者会見の行われる会場に決められている丸の内の東京會舘で挙げられ、席上大胆にもウェディングプランナーに「何れ直木賞のときに帰ってきます」と公言し(本人曰く軽口を叩いたそうだが)実際4年後の昨24年公約通り33歳で直木賞を受賞して東京會舘へ帰ってきたと書かれて居る。60歳で授賞の佐々木譲さん52歳授賞の白石一郎さんなど直木賞に到達するため作家人生の殆どを費やした人達が多い中で作家になって8年での彼女は物凄い実力者だったんだ、筆力がある人は自分のレベルが察知できるのかな、此までも2回直木賞候補に上がったが、それは何れも結婚後であったから結婚式場での「直木賞で帰ってくる」発言は大衆文学作家として一流になるべく自己暗示を掛けて不退転の覚悟で天下に示し自らの退路を断ったものであったろう、偉いな^^、この言葉を吐いて居なければ彼女は未だ直木賞には届いて居なかったのでは…と私はつくづく思った。直木賞授賞の記者会見では東京會舘の支配人もプランナーも4年前の彼女の言葉をしっかり覚えて居てくれて「お帰りをお待ちして居ました」と祝福してくれたそうだ^^。「故郷へ錦を飾る」とはよく謂われる成句だが、彼女にはある意味東京會舘は故郷だったんだ、彼女は感慨に胸が迫ったろうな^^、「為せば成る」やなあ^^。
彼女の作品はミステリー風だが作品の根幹が紛いもなくホラーであり、どの作品も原点から抜け出せず恐がりの私はどうしても好きになれない、登場人物の心理描写が巧みで筆致がとても素晴らしいから恋愛小説を書かれたら小池真理子に少しは近づくと思うが「三つ子の魂百まで」と謂うから先ずムリだろうね:-)残念だな。

この間玄関先で雑草に水撒きして居たら中学生位の可愛い女の子が彼女に相応しい可愛い子犬を連れて家の前を散歩されていた。見ると子犬のリードを持つ反対の手に大きいペットポトルを持って居る。「なんでペットボトルやろ?」と眺めていたら、角の電柱に子犬が片足を上げてピッとオシッコを掛け、犬が片足を降ろすや間髪を入れず少女がペットボトルの水を電柱にバシャとぶっ掛けた。そうなんや、此が本当の手動水洗トイレやったんや^^、犬のウンチもうちの玄関前に放置して憚らない手合いが多い昨今とても気持ちの良い晩秋の光景だった^^。

先週の誤字訂正の答え
多忙とは怠慢者の頓辞である、(遁辞)でした

今週の誤字訂正の問題
岩礁に打ち寄せる怒騰は凄い迫力だ、

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「打ちっぱなし」→「打ちっぱなし」安藤忠雄の設計のゴルフ練習場