50数年前同じ事務所で働き乍ら互いに税理士試験を競い合い謂わば戦友であった一歳年上のO氏が癌で闘病の末26日黄泉の国に旅立たれ、先週水曜日小雨の中を姫路で行われた告別式に参列した。若い頃に辛酸を共にした仲間が少し宛欠けて行くのは寂しく私にも愈々終着駅が近づく跫音(あしおと)が感じられ、明日は我が身と身辺整理に追われることになりそうだ(;;)。
告別式には時間摩れ摩れ(すれすれ)に到着したが、薄暗い中を後ろから3列目が空席だったのでそこに座りコートを脱いだり傘を畳んだりと忙しなく一段落して落ち着いたとき後部より『よしひでチャン』と小さく声が掛かった(^^)、思わず振り向くと7つ違い父方従兄妹のトミちゃんがニッコリと微笑んで居た。再会は父の実家の法事に行った15年振り位だったから懐かしく、心は瞬時にして幼き頃60数年前にタイムスリップし童心に帰ったから不思議だ、彼女はすぐ後ろの席まで移動してきて導師様の読経が始まるまでの僅かな時間お互いの無事息災を労り合ったが、周囲の人に聞こえたとすれば76歳の老耄(ろうもう)と70間近の老女が交わすチャン付けの会話は怪訝しかったろうな?ボケ老人同士の会話と思われたことだろう(;;)。終戦後、戦時中の疎開で姫路に住まいして私が小学5年生で、彼女が幼女であった頃からの付き合いだったからチャン付けの呼び掛けは極(ごく)自然でありお互いに違和感がなかったが傍に控える夫君はどんな気持だったろうな。心が純で何時逢っても心和まされるトミちゃんとも、もうこの世では会う機会もないのかな?などと考え乍らご夫君の車で姫路駅まで送って頂いて別れたが、窓から笑顔で別れを告げるトミちゃんの姿は私の目には少しも歳を取らない50年前10代だった頃の溢れる笑顔の絶世の美女としか映らなかった。
告別式と云えば先月往年の宝塚歌劇団トップスターだった女優淡島千景さんが87歳で亡くなり、先月26日告別式が東京都文京区の護国寺でしめやかに営まれたそうだ。美人だったが演技派でもあり、50年近く前のことだが森繁久弥との駅前シリーズは絶品だったな、伴淳三郎、フランキー堺等喜劇の大御所に囲まれてのお侠(きゃん)なマドンナ役が懐かしい。生涯独身であり財界か政界の大物のお妾さんだったとの噂があった。俗に謂う小股の切れ上がった芸者さんの役が板に付いた俳優だったからそんなデマ?が飛んだのかも知れない。
学生の頃早朝の人気ラジオドラマ(TVは未だなかった)「うっかり夫人とちゃっかり夫人」で淡島さんがテンポの早い喋りでちゃっかり夫人(うっかり夫人は久慈あさみ)を演じて居られたが、とても面白くこの番組を聴いてから学校へ駆けて居たことを思い出す(^^)。翌年当時松竹の二枚目若原雅夫と共演の「お景ちゃんのチャッカリ夫人」なんて映画までできたからこの番組は可成り人気が高かったのだろう(^^)、昭和28年私が18歳であった頃の懐かしい想い出だ。
代表作と謂えば森繁久弥と共演した「夫婦善哉(めおとぜんざい)」になるだろう。実家を勘当されただらしない男と、それを支えるしっかり者の水商売の女は、黄金コンビの名に相応しかったなあ。何より彼女が凄かったのは最後まで現役女優だったこと、女優は年の取り方が難しいが淡島さんは老いを隠さずむしろ表面に出して現役を貫いた。こういうタイプのスター女優はもう出ないのではないだろうか。
その彼女は過去高額納税者名簿に常連であったから、財産も潤沢でさぞ仕合わせな生活を送られて居たと思ったら、何故か都民税まで滞納されて居て今回の入院費用は借金だったとか…(;;)、何がどうなって居るのかまるで分からないが、帝国ホテルで悠々と暮らしている山田五十鈴との落差は何だろう?独身だったから集(たか)ってくる係累も居ない筈なのに面妖な話だ。生涯現役を貫き扶養家族とてなく、滞納が都民税だとなると所得もかなりあった筈なのだが、一体から稼いだお金は何処へ消えてしまったのだろうか、ドラマではチャッカリ夫人でも実生活ではウッカリ夫人ではなかったのかな?
告別式では嘗て共演した司葉子(77)や八千草薫(81)ら約350人が参列したほか、一般ファン用の祭壇にも弔問客が多数訪れたそうだ。葬儀会場の祭壇には、美しい淡島さんの遺影が飾られ、棺の中には青いドレスと共に、出演したNHK大河ドラマ「花の生涯」など5作品の台本も納められたとか…。弔辞は俳優の淡路恵子(78)が述べたそうだが、葬儀の費用は後輩であった彼女達共演者のカンパによるものだったのではなかろうか(;;)。
大阪市交通局が橋下市長の発言を受けて市バス運転手の平均年収(740万円)を4月から38%減の460万円とする給与カット案を検討し、市長の承認を得て労使交渉を開始させる見通しとか…(;;)、市長の考えは「赤字なのに民間より高いのは怪訝しい」の一言に尽きるが、直接収支が分かる部署の現業部門だけが目の敵にされ赤字償却に見合う38%カットは余りに惨い:-)、道路事情も道路交通法も弁えぬチャリンコや信号無視するおばちゃん達に気配りしながら大型バスを混雑と雑踏の極みである大阪の街中(まちなか)転がすのは大型二種を持って居れば良いと言うものではなく、長期間の経験が必要な特殊技能だと思うし、バスが赤字なのは敬老パスなどのせいであり運転手のせいではなかろう。それよりも仕事柄偶に訪れる固定資産税課などへ行くとガランとした窓口の遙か後部にふんぞり返って、日中(ひなか)所在なげに鼻毛を毟っている係長達こそ38%カットされるべきだと思うがどうなんだろう?ま、市長も38%の発言はゼスチャーであって真剣にやる気などなく、ローンが払えなくて首を括る運転手など出れば大変だから7%位の適当な処で折り合うために先ず38%は脅かしの先制パンチだろうな。初めから7%と言い出すと1%もカットできないことを察してのことに違いない。権謀術数の市長には労働組合も此までと向き合う役者が違って戸惑っていることだろう。
私は、役所と謂う処は給与が高いばかりでなく仕事の割に働く人間が多すぎると思う。市役所へ勤めていた友人が昔自慢げに話した言葉は「一月の仕事はやろうと思えば三日でやれるんや…」だった(;;)。そればかりか次の一言にむかついた:-)、それは「三日の仕事を一月掛けてするのは大変なんやで…」早く済ますと協調性がないと周囲から圧力が掛かるのでノロノロするらしいが、どんなに優れた素質の人間でもこんな環境で三月も過ごせば周囲に同化してダメ人間になるしかなかろうな:-)。
直接市民と接触する窓口業務だけは、市民の目を意識して一見忙しそうだが市民の目の付かぬ部屋では和気藹々(あいあい)と何も仕事をせずに冬ならプロ野球のストーブリーグ夏ならタイガースの不甲斐なさなどが話題となり、まるで井戸端会議なのをご存じだろうか。橋下市長も現在の書類の決裁方法について5個必要な判子なら3個位に減らせば相当な人員削減が可能だと思う。橋下さん、判子を付くことだけを仕事にして居る役人の数を一度数えてみたら?
先週、先々週とチョコから帝国ホテル大阪の話題に触れることになったが、仄聞する処に拠ればこの帝国ホテル大阪はそこらのホテルとは格段に違い、最上階にVIP用スイートルーム(一泊食事なし115000円)が設けられ、この部屋に行くには特別なカードを差し込まないとエレベーターが開かない仕組みなどになって居て、100㎡もある部屋はぐるりと一枚ガラスを張り巡らした窓が全て防弾ガラスで、ヘリコプターから狙撃されてもびくともしない作りであり、エリザベス女王やアメリカ大統領が幾人泊まられても大丈夫な物凄いセキュリティーになって居るそうな…などなど、数年前ノンフィクション作家の上坂冬子さんがこのホテルのスイートで台湾前総統李登輝氏と対談されたときに書かれた体験記事をふと思い出した(^^)。
処が、このスイートが最もよく使われるのは意外にもそうそう来ないVIPより適齢期の男性からのプロポ-ズ用が多いそうで、此処で一泊すると大抵の女性は結婚を承諾するそうだ…(^^)、然し、よく考えて見ればスイートに訪(おとな)うことを彼女が頷いた段階でプロポ-ズへ答えが得られたようなものだから、115000円は高かったのか、それとも廉かったのか微妙だよな。それよりこのスイートで結婚を決断した女性は新婚旅行へは余程豪奢なホテルでないと満足できないのでは…と興味深く、旅行先であのスイートへの郷愁を裏切られ関空離婚の確率は決して少なくないのではなかろうか(;;)。
帝国ホテル大阪に就いて2週に渉って近くのラブホテルと大差がないような発言をしたことを深くお詫びしますm(_ _)m。
今週の常用漢字表外読みの問題
(坐ら)にして天下の情勢を知る。
先週の常用漢字表外読みの答え
彼等は(同胞)なのに仲が悪い (はらから)でした。
(はらから)は母親を同じくする兄弟姉妹のこと