円高のせいもあったと思うが、ガラガラゴロゴロと表の通りを朝早くから夜遅くまで重いキャリーバッグ(音で分かる)を引き摺って道路のアスファルトを傷めて心なく、ついでに私の心も傷め乍ら多くの人が我が国にダブついたドルを減らしに国外に行き帰りされたことか(;;)、長かったGWも今日で終わり明日から何時もの忙しない生活が帰って来るので漸くホッとした気分だ。
私のGWは今年も例年と変わらず、何処へも行かずに事務所で3月決算法人の決算と申告事務の傍ら漢字検定の勉強に明け暮れ、疲れるとネットの碁で「弱いもの虐め」(と謂っても相手は8段位)をして気分転換とストレス解消に心掛けた。休日前半は2級のお復習いの確認作業で、後半は準1級の熟語書取りの予定だったが、今年の検定から昨年改正された新常用漢字が採用されるため、急遽変更して今回新たに発行された新常用漢字を採用した2級の問題集を購入し、新たに常用漢字に選定された196字のうち準1級を通り越して1級から舞い降りた「曖嘲慄傲喩羞惧緻摯憚諧彙聘憬訃」など28字についての二字熟語と四字熟語を辞書を繰って徹底的に習熟することとなった。常用漢字は準1級にも可成り出題されるので油断がならず此奴を落としては勿体ない。「語彙」の「彙」など書く気にならない位変な字で嫌だな(;;)。
だからと言って新常用漢字ばかりでなく旧常用漢字も侮れず「繭璽爵薦髄慶」など、間違い易い字が未だに鎮座して居るから油断がならず「朕」なども居る、何でこんな難しい字や使われない字が常用漢字なのか分からんが、何故か「只之卜云巳」など簡単な字が常用漢字にならずに未だ準1級に留まって居るのも訝しい。「繭」なんて字は服飾界で化学繊維が主流となり、絹が用いられなくなった昨今殆ど使われず化石のような字だ。この字は虫が糸になるからと左に虫を書くと×になるから要注意であり文字縦書きの書き順通り右側が先と考えれば間違わない。
6年来準1級合格を目指す私は28字だけで良いのでラクチンだが、常用漢字に追加された196文字を含めた約1割増しの合計2136文字全てを消化せねばならぬ今年の2級の受験者は大変だろうと思う。2級の問題集を繰ると書き取りの問題など準1級の出題かと思える位の難易度であり愕いた:-)、出版社もその辺を慮ったものか、仮名付け問題には「憧(しょう)憬」や「曖昧(まい)」或いは「挨(あい)拶」など熟語の双方が新常用漢字の場合片方の字にルビが振ってあるのが異例であるとは謂えご愛敬であり、きっと初回の受験者の負担を少しでも軽減するための苦肉の策だろうが、この三つの熟語には他の適当な熟語が見当たらないことが不幸だったようだ(;;)。然し教科書と違って本試験ではそんな甘ちょろいものではなくルビなど探してもないだろうからきっと厳しいテストになりそうだな。
それにしても29画もある「鬱」が常用漢字に降格してきたことは2級受験者にとってきっと衝撃であり文字通り憂鬱だろう。2級には部首が10問出題されるがこの字の部首など出問されたら憶えて居ない生徒は戸惑うだろうな?「鬯(ちょう)」なんて見たこともない部首にアッと魂消るぞ(;;)。
例の大久保事件以来毎年漢字検定の応募者が伸び悩んでいるが、何と言っても大学推薦入学に加点される2級の受験者数がドル箱だが、新常用漢字196字の登場で合格点獲得が(200点満点中160点)が絶望となり受験を諦める学生が少なくないと思われ漢字検定協会も文科省が怨めしいだろうな。
反面15%も配当漢字を新常用漢字に取られた準1級は本来なら易しくなる筈だが、此まで過去問題を多く出題して難易度を緩めていたのを辞めるに相違なく、逆に知らない熟語、四字熟語を探し出してきて受験者を惑わし、きっと合格率は以前の10%程度に下がる(最近は15%位)のではないかと思う。
皆様は「大言海」をご存じだろうか。この辞典は江戸時代の儒学者大槻文彦(本名清復)が著された「言海」を世に知らしめた国語辞典であり、明治8年文部省の命により大槻文彦が編纂に着手し、10数年を経て我が国初めての国語辞典が完成したが、大槻文彦死亡後も後継者により改訂し編纂され「大言海」と名付けられ現在に到っている。

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この辞典は小生予てから垂涎(すいぜん)の図書であり、入手するのが永年の念願であったがそのボリューム(重たい!)と価格から長く手が出なかった処、先日アマゾンで格好の中古本(平成4年発行)の出品を見付け通販なので持ち帰る必要もなく価格も5000円弱(定価18600円)と格安であり勇んで入手した(^^)。
厚みが10cm2300頁もある重い辞書の末尾を捲ると、懐かしくも50年位前から見掛けなくなった著者の認め印のシール(シールの覆いまでまで付いて居た)が貼られており、その印が今は使われなくなった楕円形の判子(現在は円の直径が何れも1cm以上ないと認められない)だったのも懐かしく頬笑ましかった。
昔は印刷された冊数により印税が支払われたため用いられる倣わしだったが、何時とはなく版権が買取制に移行したため売上冊数は発行所の損益を左右し作者はリスクを背負わなくなったが、天下の「大言海」ともなれば大槻氏が譲らず歩合制を主張されたものであろう。
繰ってみて言葉の説明文の活字の大きさ(小さいのに)に愕いた。恐らくページ数を減らすためボリュームのでかい種本の原稿を幾度も縮小したものだろう、文字の大きさが昔の文庫本の三分の一位しかなくて、近年目が悪くなった私にはルーペを当てて漸く1字が読める程度の情けない有様であり、此では辞書を繙(ひもと)く楽しみすらなく、泣く泣く座右の書を諦め、今春から高校三年生になった孫に譲る羽目となったが、返す返すも入手がもう10年早かったらと悔やまれてならない(;;)
今日は連休中の勉強の名残りで難しい漢字の話ばかりでしたゴメン。m(_ _)m
先月末仕事で明石に行き、帰り際明石駅のバスターミナルを通ると大勢の乗客が並んでいるバス乗り場を大きな巨体を揺らせた神姫バスが、乗客達大方の期待を裏切って、止まりそうで止まらず前を過(よ)ぎって行った。西神中央駅行きだと早合点した乗客が下に置いた荷物を持ち上げたりして居るので、私は何気なくバスのフロントグラスの上部にある行先表示欄を見るとナント!「すみません 只今回送中です」とあるではないか、此までは何時も回送車には「Out of Service」(業務終了)とそっけない表示に決まっていたから、「すみません」から始まる日本語表示は目新しく「Out of Service」の理解できないお年寄りの方にもよく分かって納得だろうと頬笑ましく思ったものだ(^^)。この会社はケチなことで有名な会社だからこのコピーはきっと社内で作られたもので発案者は金一封でも頂いたのではなかろうか。
先週の常用漢字の表外読みの答え
経と緯 (たていと)と(よこいと)でした
今週の常用漢字の表外読みの問題
我が娘を(愛おしむ)