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向田邦子没後40年

暑い暑い選挙も終わって自民党の圧勝となり、命を賭けて自民党の票を支えた安倍さんもあの世で安堵して居られるでしょう。然し現世では安倍さんの柵(しがらみ)から抜けた自民党が憲法改正問題をどう考えるのか、ロシアからの露骨な嫌がらせと北朝鮮の核威嚇そして中国海軍の尖閣諸島侵略等に一体からどう対処するのか山積した難題からどう切り抜けるか岸田総理の真価が問われます。彼の力からしてどう考えても難しく、自民党は早急に河野さんにバトンを渡すか、或いは後継者の育成を急がねばなりません。気概のある若手も見当たらず案じられてなりません。
対する野党各党というと各党乱立ドングリの背比べは情けなく、嘗て安倍総理にソーリ、ソーリと食らいついていた辻元議員が漸く帰り咲いての立憲民主党ではどう仕様もなく、故土井たか子さんもあの世で泣いて居られるのではないでしょうか?

一度は根から全部抜いて根絶したはずのランタナの根っこの欠片がしぶとく生き残っていたらしく雌伏三年、東の庭から道路に顔を出して花を付けました(::)。本当は可愛い花なんですが繁殖力の旺盛さからどこでも嫌われる花です。昔10年くらい前に駅前東口バス発着場のコンクリート割れ目から咲いている花の生命力に感動し先っちょを10cm程失敬して挿し木をしたのが過ちのもとで庭中飛び火して私の大きな後悔となったのですが、その後懸命に撤去に務めたが未だに根っこの端が残っていての発芽でありました(;;)無念!

 

私の好きな作家の一人である向田邦子さん(直木賞受賞)が飛行機事故で亡くなって早いものでもう40年が過ぎ去りました。 彼女の作品は昭和の家庭を描いたホームドラマが殆どですが今も色褪せることなく沢山の読者を魅了し、印税が遺族を支えています。長寿だったお母さんが邦子さん没後27年になる100歳迄(2008年没)も生き存えられたのも彼女の遺産のお陰が多かったろうと思いました。売れっ子作家の逝去ですから相当の相続税が掛かったと思いますが、没後の作品の売上傾向を見ると向田邦子の人気は全く衰えることなく寧ろ上がってきましたから相続税なんか短期間で払い終えたことでしょう。最近では作品の解説も妹さんが務められて居られます。持つべきものは作家の姉、否、没後も本が売れる作家で幸せでしたね^^。向田邦子さんはシナリオライターが本職ですが、こちらは何本書いても使い捨てでその時の原稿料以外にお金は貰えません。印税が貰えるのは本の出版時に売上に対し頂ける10%の稿料です。彼女は元々シナリオライターでしたが途中からエッセイや本の執筆に手を染められたのは正解であり誠に幸運でした。「寺内貫太郎一家」などはTVドラマのシナリオであり、小林亜星さんを主人公に据えたことでお茶の間の人気者になりましたが後日彼女がシナリオを本に書き直されたお陰で今も向田家が潤っています。彼女のドラマには何時も出てきますが、茶箪笥のある4畳半の部屋で折り畳み脚の丸いちゃぶ台を囲んで家族が序列に従って正座しご飯と味噌汁を食べて居る定番の光景は今ではサザエさんの漫画くらいしか見掛けなくなりましたが我々昭和の人間には懐かしい郷愁そのものです。横座りも胡坐もない昭和の家庭を象徴する典型的な秩序ある懐かしい光景でしたね。洋式生活が浸透した平成になり令和になり、若い人で30分正座できる方は和風の芸事を極められる方以外先ず居なくなりましたが悲しいことです(::)。
シナリオはその儘では決して本にはなりません、何故なら役者さんの動作を記した「ト書き」が多くて本にはなれないのです。どうして?「ト書き」があるの?「ト書き」ってなあに?「ト書き」は配役の動きを記したもので「…と言って歩き始める」などの動作がセリフが本文に続いて書いてあるので俳優さんはその前の動作の後、歩き始めることなんです。鎌田敏夫というシナリオライターが居られます。著名なシナリオライターですが著作も少なくなくて名作も出版される小説家でもあり、本職が「ト書き」のシナリオライターであるため文章にト書きもどきがよく出てくるので本職がよく分かる作家です。もうひとり一生懸命と書かずに一所懸命と書かれる北川悦吏子さんも書かれた小説には矢張り「ト書き」が多いので本職はシナリオライターだろうと思ってネットを調べたらやはりそうでした。そして此の二人に共通した処は二人共にシナリオで向田邦子賞を貰って居られましたよ^^。向田邦子没後40年の懐かしい回想でした。

 

先月末だったと思いますが毎日新聞に準強制性交の罪毎日放送社員逮捕と小さく報じられました。毎日新聞が身内の罪を明かすのは断腸の思いであっことでしょう。でも他新聞に報じられては身贔屓と思われるので止むなく掲載されたと思いますが、ネットによれば容疑者は京都市上京区の自宅で、男子大学生に酒を飲ませ、酔いつぶれて抵抗できない状態にして、性的暴行を加えた疑いだそうです。罪名に「準」がなぜ付くのか不思議に思っていましたが、毎日放送の社員は恐らく男性だろうし、バイセクシュアルのようでした、準が付くと謂うことは男女間の場合より罪が軽いのかしら?ワタシ的には被害者の心情や屈辱感を考慮すれば此方のほうがずっと重い罪に問われるべきではないかと思ったものですが…💢。

先週金曜日仲邑菫(なかむらすみれ)さん弱冠13歳が、一部上場の総合物流会社センコー提供の扇興杯女流最強戦準決勝で最多女流タイトル保持者の藤沢里菜女流名人に1目半勝って牛栄子との決勝に進みました^^。今、決勝戦が行われて居ますが、勝負が付くのは夕方になります。菫ちゃん頑張れ!

 

先週の読めそうで読めない字    彼はとても初(うぶ)な男だ

今週の読めそうで読めない字    「。」は(句点)で「、」は(読点)です

猪瀬直樹の嘘を見抜いた男

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年末調整の最終チェックにお得意先相続税財産評価の計算とお正月ボケなどして居られず、あっと言う間に10日間が過ぎていった。
自宅の畑で採れた1本3kgもある大根2本を痛い腰に我慢して必死で持ち挙げている愚生です。本年数えて81歳になりましたが、頭の毛が限りなく心細くなり透かして見ないと見えなくなっているのに我ながら仰天した(゚ロ゚)。散髪屋に行って整えてきたばかりなのに…(;;)

脚本家の久世光彦には先週触れさせて頂いたが、私は彼と向田邦子の大のファンだ、彼女の生前は勿論亡くなってからも毎年お正月にTBSから向田作品をお茶の間に送り続けてくれたTBSプロデューサー兼脚本家久世光彦との名コンビはとても有名で皆様もよくご存じだよね。古いことになるが昭和45年に始まった「時間ですよ」は下町の銭湯を扱った異色のドラマで当時は女性の裸体が写ることに抗議の電話が絶えなかったそうだが、番組は好評で第二編第三編と続けられ20年もの間再演されたから、恐らくドラマの日本記録ではないかと思う。偏(ひとえ)に久世さんのプロデュースと森光子さんの魅力と健康の賜物であったろう。
このドラマで松山英太郎が演じた長男にお嫁さん(松原智恵子)が初めて家に入った晩にお母さん役の森光子が「息子が嫁を貰うってことは家族が1人増えるんだと思っていたら、減るってことだったんだね」と嘆くシーンがあったが、この言葉に久世さんはほとほと感心されたそうだ。シナリオを書いた橋田壽賀子の名台詞だ、そっか、家族ってこんなに昔から核家族化が始まって居たんだ、同居の核家族化は別居よりもっと悲しいかもな(;;)。

上述の久世さんは東大文学部の出で文筆に長けシナリオだけでなく小説も沢山書いているが、彼の小説はどれを読んでも何故か自虐主義なのか何れも内容が暗くて少しも面白くない、然し彼のエッセイとなると途轍もなく歯切れが良く、レベルは恐らく山本夏彦翁に次ぐランクではなかったかと思う。
彼のエッセイを読むと向田邦子の思い出話などに思わず引き込まれてしまうよ。久世さんは私と同じ昭和10年生まれで9年前に急死されたが未だ未だ活躍して頂きたい惜しい人だった、佳人薄命だね、その彼が今から20年程前59歳のとき日本経済新聞に半年間連載され、更に中央公論社から上梓された「ひと恋しくて」は彼の周囲の文化人の人物像を彼独特の解釈で描かれたもので76人も登場するが、この中で彼の卓越した洞察力を示した一文を今日は皆様にご紹介したい。その文化人の一人は昔作家であってあの東京都知事だった猪瀬直樹だ、この人と久世さんは昭和天皇に関して同志であって対談会などされ知己となられたそうだが、猪瀬直樹の印象について久世さんの眼力の鋭さに驚嘆した、「彼は当初怨みがましく炯(ひか)る目だったのが、この頃幾らかあの当時の怨念が薄れてきて心配だ、日当りの良い表に出てきて気負って居るのが気になってならない、無双窓の蔭で目を炯らせて居るのが彼の真の情熱だと私は思っている」と評されていた。鋭い洞察力だね^^。人は自分の器に過ぎたことはすべきでないのだ。書かれた時期から恐らく猪瀬直樹が小泉内閣の行革断行評議会の道路公団事件の委員長として道路公団の藤井総裁を糾弾して居る頃だ、その彼を見て久世さんは「此の人は変わった、表へ出るなどとんでもない、こんな人じゃなかった」と危惧されたんだ、見る人は見ているんだなと私は膝を打った。批評家は役者にはなれないし、なってはいけないんだね、「評論家に小説書けぬ」とは古くからの言い習わしだ。猪瀬直樹は「ひと恋しくて」をしっかり読んで居た筈(久世さんから本を寄贈さられたと思う)だから、道路公団事件以後無双窓の向こうの作家生活に戻るべきだと久世さんは暗に仄(ほの)めかしたと思うが、猪瀬直樹が愚かにも気付かなかったんだろう (>_<)。処で彼を東京都副知事に据えた石原慎太郎は日本経済新聞を読んで居なかったんだろうか。
(注) 無双窓=格子があって中から外が覗ける窓(昔の櫺子窓)
久世さんの思いを借りると胡散臭い人には二通りあり良い方が向田邦子にあの胡散臭さが堪らなく好きと言わしめた久世さんの大師匠である森繁久弥であり、良くない方が猪瀬直樹ではなかったろうか、人間身の丈に合わせて生きて行かないと猪瀬直樹のようになるんだろうな。猪瀬都知事5000万円事件のとき久世さんはとっくにこの世の人ではなかったが、久世さんは此の事件を知らなくて良かったね。
因みに久世さんは「光る」と書かないで決まって「眼光炯々(けいけい)」に使われる炯(ひか)ると書かれる。恐らく自分の名前が光彦なので「光る」を用いることに烏滸(おこ)がましい思いがされたのではなかろうか。でもとても難しい字だから読む方は大変だね。

彼方此方で異物混入の大合唱だ、社長が参議院議員のため新聞報道はされないが、僅か二月間にワタミの宅配弁当に草の茎から毛髪にネジまで混入していたと内部告発があったと週刊誌が報じプラスのネジ写真入りの分析報告書まで添付されていたからビックリだ。先週大阪でマクドナルドのフライドポテトに「人の歯」が入って居たり、福島県でソフトクリームにプラスチック片が入って居て子どもが口に怪我をしたりと中国の工場で期限切れの鶏肉使用が昨夏発覚して業績が低迷しているマクドに追い打ちの暗雲が立ち籠めている。「廉かろう」は「悪かろう」だもんな。プラスチック片は兎も角「人の歯」は気持ち悪い(><)。一方ベビーフォードの大手和光堂で肉じゃがの袋に「コオロギ」が入って居たと通報があり調べているそうだが、ゴキブリじゃなくコオロギとは可愛いね^^。幼い頃コーロギを炒(い)って食べたことがある、食べたって良いんじゃないの?戦争中は少なかった蛋白源でイナゴより柔らかくて美味しかったね、あの頃は絶えず空腹で食べられそうなものは雑草でも食べたし、白粉花の花を抜いてチュッと蜜を吸うと甘かったな^^。話が飛んでゴメンm( _)m。

昨日の朝刊に朝日の元記者が週刊文春などを相手取って名誉毀損による賠償を求める訴訟を提起したと書かれた、でっち上げの慰安婦報道を否定されたことへの腹いせだが、彼曰く「憲法が保障する言論の自由」だそうだ(>_<)。盗っ人猛々しとはこのことだ。これを牽強付会と言わずして何を言うか!朝日新聞は亡国の徒の集団だな、国民の味方を装って居る分だけオーム真理教なんかより悪質なんではないの?

先週から書けないけど読みたい漢字のコーナーに変わりました。
先週の答え
檸檬(レモン)と薔薇(ばら)でした。
木へんで「ねいもう」と憶えておくと書き易い、薔薇は「しょうび」だ、草冠にけちんぼの嗇と微か(かすか)の「微」のπの上に一本棒を忘れないことだ。旧字体には「微」にも山の下に一本棒が付いて居たことを知る人も少なくなったね。

今週の書けないけど読みたい漢字
孑孒
「こんな字は知らん」なんて言わないで…