一番の寒季である筈の昨日今日と小春日和のポカポカ陽気はどうしたことでしょうか。愈々確定申告も峠を越えて終盤戦に突入して居りますが、昨年度から本格採用された電子申告について必要な住基カードへの電子認証に関し、税務署側の強引な押し付けがあったことと、加えて受け皿である区役所係員の不適所不適材による無理解と非協力的な態度により折角の住基カードが正しく入力されず、申告入力時にカードリ-ダーで読み取り不能となるケースが目立って増えてきて我々税理士を困惑させて居ます。(;;)
街に出れば何処も税務署の確定申告e-TAX慫慂の看板が目立ちます。一昨年3%未満だった申告率が19年度は5000円税額控除の恩典創設により18%まで利用率が上がり、20年度は30%を超える利用率となるようです。国税庁では2010年度までに50%以上の申告に漕ぎ着けて申告書類整理の省力化に努めようとして居ますが、本年で5000円控除の恩典が打ち切られるため新規申告者の増加は来年以降最早望めないと思われます。(;;)19年実績から見れば電子申告を自身のネット経由で申告されている方は電子申告者全体の1%にも満たず、申告の半分以上が税務署のパソコン経由であり、40%強が税理士経由となっています。20年度は我々税理士が税務署からの強烈な人海作戦で関与先の電子申告を強要され“泣く子と地頭には勝てぬ”の諺通り已むなく関与先全員の電子申告開始届を提出しましたが、住基カードと電子認証の取得を巡っては上に述べた如く、税務署と自治体側の連携プレーに不備があり、絶えず“暗証番号を入力した”“入力されていない”のトラブルの渦中(“うずちゅう”ではありませんよ中川さん)に我々が引き込まれて貴重な時間を無為に過ごす愚を繰り返して居りますが、税務署も税理士による納税者確定申告の代理送信を認めている以上、住基カードと暗証番号の代理取得の権限も是非付与して頂きたかったと思いました。(;;)
住基カードの取得は本人自身が出向いて本人確認ができないと申請できない仕組みのために我々税理士が代理申請をすることができないことがもどかしく、税金や器械に無知なお得意先のお年寄りの方にはご苦労をお掛けしていますが、住基カードの窓口が電子認証と住民票などを取得するための暗証番号の申請場所が同じ処であって暗証番号入力器が二つもあることが紛らわしく、区役所の吏員達がお年寄りに対して何の心配りもなく何らの勧奨や指導をしないために極く手近な目の前にある住民票等入手の暗証番号の方を入力させられる方が後を絶ちません。先日もカードが読み取れずエラーになるケースが数回あり、私自らが垂水区役所へ出向きその原因を確かめようとしたのですが、“暗証番号が違う”の一点張りで相手にして貰えず、すったもんだの挙げ句入力されていたのが電子認証の暗証番号ではなく住民票交付の暗証番号であることが判明しました。(;;)然し、私の問い掛けに対して窓口の対応が余りに御座なりで杜撰であり、次々とバトンタッチで出てくる吏員の誰もが電子認証に疎い連中ばかりで、嘗ての社会保険事務所(今の社保事務所の方ご免なさい<(_ _)>)の対応宛(さなが)らであり、年寄りにはパソコンの操作はムリだから電子申告などできる筈もないとの予断があったものでしょうか、どうやら安易に住民票等取得の暗証番号入力に慫慂された如くです。然し一枚の住基カードに二つの暗証番号は訝しく、吏員に対し、“一言(ひとこと)位確定申告にお使いですか?”と言葉が掛けて上げられぬのか!と一喝すると、”うちは電子申告の係りではありません。あれは税務署が自分の処がラクをするために自治体に押しつけているもので、電子申告したら5000円貰える代りに申告に必要なカードリーダーと申請手数料の代金が5000円より高くて損になります“とヌケヌケ反撃され、”カードリーダーは税理士が代理送信するから不要や!“と言ったら”税理士には申告の手数料を取られるから損です“と見事な返し技を喰って私の完敗となりました。(;;)これらの遣り取りから口下手な私では所詮敵う相手でないことが分かったので、その場は一旦引き上げ翌朝8時半の始業時に須磨税務署の個人課税一部門統括官に電話を入れて昨日の経緯を縷々と説明し我々税理士に電子申告を慫慂しながら、税務署と市役所、区役所などの連係プレーは一体からどうなっているのか!と苦言を呈し、無礼で不遜な吏員をきつく叱責するように区長に言って欲しいと文句を言ったら、ひどく愕いた統括官は直ぐ垂水区役所へ電話して責任者を呼び叱ったらしく後でお詫びの電話が掛かりました。そして偶々その日の昼休みにうちの女子職員に自身の電子署名の申請に行かせたら区役所の吏員の態度は”確定申告にお使いですか?“とえらく低姿勢だったそうです。(^^)きっと前日の担当者は上司からきつくお叱りを受けたせいかと思われましたが、或いはお昼の訪問者が可愛い女の子であったことが原因だったことかも知れず、その後も同じようなトラブルが続いて居ります。(;;)
聞くところに拠れば、本年1月末現在での電子証明書の発行枚数は僅か90万枚だそうであり、確定申告者数は約300万人にも達しますから2010年50%の達成は先ず不可能であり、海老で鯛を釣る如くに20年度で廃止となった電子申告5000円控除に替えて、新たな控除を1万円程度創設せねばならぬと同時に病床に居る人でも税理士等を介して容易に電子認証が受けられる制度に是非変更して頂きたいと思ったものでありました。
このようなことでは此から実施されるであろう定額給付金の交付についても本人確認と預金口座の有無等についてもっと厳しい修羅場やバトルが窓口で繰り広げられるものと思われ案じられますが、税務署にしろ区役所にしろ弱者への思い遣りに欠けた強者の論理に終始して居ることは鬱陶しく何とも遣り切れない気持ちでありました。(;;)
先週ワシントンで誰も期待していない?日米首脳会議が開かれ、直接麻生総理とオバマ大統領の意見交換が行われましたが、大統領は初の議会演説を直後に迎えて心其処にあらずであり、共同記者会見や昼食会は抜きでありました(;;)。恒例とは謂え日本の存在感は歴代総理の交代毎に会談内容が薄れて只のセレモニー化して行っているように思えてならず情けないですよね。(;;)特に待遇に付いて言えば、小泉さん安倍さん共に最初はキャンプデービッドを訪れて歓迎され、福田さんはプレアハウス(迎賓館)だったのが、麻生総理はワシントン市内のホテルでの寂しい宿泊でありましたから時代時代に応じて日本の総理が少し宛差別されてるのが容易に分かりますね。
更には、麻生総理に対してCNNTVから“1時間の会談のために1万1千キロの長旅”と皮肉られるなど米メディアの反応は冷ややかでありTV電話で充分でなかったかと言いたかったのでしょう。共同会見の代りに会談の冒頭部分だけが公開されましたが、総理の英語が拙く“聴取できず”とされた部分が多かったとか…(;;)首脳会談閉会後にはカメラ記者に対して発言する時間が設けられていたにも関わらず両者共に一言も喋べらず、首脳会談の中身が時間の浪費に終り如何に空虚なものであったかを示していましたが、最後に仕方なく大統領はカメラの前で麻生総理と肩を組むと小声で何事か囁いただけで執務室を後にしたそうですが、彼は総理に一体何と言ったのでしょうね。囁いたと謂うことは他の者に聞かれてはならぬ言葉であったのでしょう。(;;)私は彼が何と言ったのか想像して見ました。
“君の話した言葉は日本語ではないように思うが何処の言葉かい?”此では余りに麻生さんをコケにした言葉ですから、“君も英語が喋りたいのなら、もう少し英文法を学ぶ必要があると思わないかい?”位言ったのではないでしょうか。
麻生総理の何時にも増しての渋面が浮かびますが、総理は大統領の言葉が理解できなくて“you are welcome(どう致しまして…)”などと言ってお世辞笑いしたりして…(;;)
TV電話なら内緒話も出来なかったでしょうから、渡米しての会談は麻生さんにとって幸運だったかも知れませんね(^^)とは言え麻生総理は政府専用機で国民の税金をムダ遣いして恥を曝しにワシントンを訪ずれた結果となったことには違いなく期待などまるでされていなかったこととは謂え、誠に恥ずかしい出来事でありました(;;)。
“冬来たりなば春遠からじ”とは昔のことで、今では冬も来ぬのに春だけやって参ります。昨日の28日から瀬戸内海のいかなご漁が解禁となり、垂水のお魚屋さんは昼網を待つ客が早朝より長蛇の列となりましたが、本年は昨年3月5日明石海峡の衝突事故により油が流出した報いなのでしょう、初日は例年の10%の水揚げとなり、いかなご漁に暗雲が漂って参りました。昨日は一人当たり2kgの販売制限となり、聴けば1kg辺り1080円とか…早い間に買わないと昨年のように1300円の声が掛かるのではと憂いています。(;;)郵便局も沢山の容器を無料サービスしてエクスパックの売り込みに余念がありませんが在庫の容器が昨年同様再度来年廻しとなることでしょう。(;;)
先週の答
匂 働 椛 の三つの字の共通点はこの字が何れも漢字ではなく我が国日本の国字だったのです。
国字は漢字に対して我が国で製作された字であることを示しますが、峠とか雫や凪などのように音読みがなく一見して外来ではなく国字と分かるものから、働など音読みのあるまるで漢字っぽいものまであり、働など現在では中国でも使われて活躍していますから拘らなくても良いように思いますが漢検の準一級以上では国字の問題が出されますからどうしても憶えておく必要があります。“毟(むし)る”と謂う字も国字ですが、誰が考えたのか将に言い得て妙ですね。(^^)
今週の問題
読売巨人軍の“巨”と謂う字は他の良く似た“はこがまえ(匚構え)”(匠や匡など)や“かくしがまえ(匸構え)”(区や匹)と部首が“異なっています。部首の名を答えてその所以を述べて下さい。
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野中広務の無念
暖かい毎日が続きますが2月も早や最終週に突入しました、現在の処電子申告事務も順調に進んでいますがこれからが胸突き八丁であり、申告期限まで後一月足らずとなりましたから、うちから再三確定申告資料の催促をしている方も漸く重いお尻を上げて頂けて、そろそろ書類が出揃うことでしょうから愈々確定申告も終盤戦に突入することとなりそうです。
先週から露地苺の結実や空豆の花など暖冬異変の話題続きですが、今日はその中でも飛び切りの写真をお見せしましょう。(^^)
先日裏の畑で雑木の剪定作業をしていたら、突然ピョンと虫が飛び出し愕いて掴まえるとナント!此の虫は最近殆ど見掛けなくなった“馬追い”であって、俗に鳴き声からスイッチョと呼ばれるキリギリス科の昆虫でありました。何でも鳴き声が昔馬子が馬にかける掛け声に似ている処から命名されたそうですが真偽は定かでありません。我々は子供の頃から“馬追い”とは呼ばずにスイッチョの名で通ってきました。昔歌人であり名著“土”で有名な小説家でもあった長塚節(たかし)が”馬追ひの髭のそよろに来る秋の眼(まなこ)を閉じて想い見るべし“なる名歌がありましたが、夏の虫が晩年の秋を過ごし寒さと空腹の中を如何して真冬まで生き存えていたものでしょうか。淡緑色とでも謂うのでしょうか草色の翅(はね)が色褪せて痛々しく、掴まえたものの春に生まれ夏に育つ昆虫にとっては此の寒さと食糧難では春までの凌ぎが到底難しいと思われ、連れて帰って蟋蟀の容器に放してやりましたが、この虫は何故かレタスなど食べない肉食のため、可哀想ではありますが先住者の蟋蟀を食べて頂こうと思って居りますが果たしてお口に合うことやら(;;)ジージーと羽を震わせている処から雄だと分かりましたが、老齢のため切れの良いスイッチョの鳴き声が聞かれないのは物悲しく何時まで生きてくれることかと毎朝アクリル容器の蓋を取るのが躊躇(ためら)われるこの頃です。(;;)
今日は少し変わった話題を日経新聞から借用してお伝えしましょう。フランスでは女性社員や労働者の出産に16週間もの休暇が保証されており、通常でも10週間は休むそうです。我が国でも産前産後最大14週間の休暇が労働基準法で定められていますから幾らかフランスの方が長いのですが、女性であるフランスのラシダ.ダチ司法大臣は先月2日に帝王切開で出産し、ナント!僅か5日後に勤務を再開し話題となっています。この大臣は43歳で初産、然も父親は不明であることについては動ずる処もなく湛然とされて居り、その意外性に富んだ処は倫理観の隔たりが大きくて我々日本人にはちょっと付いて行けない感じです。(;;)
私は高齢出産であり且つ初産であるにも関わらず、早くに元気で働けて結構だとは思うのですが、後で述べるように混血のアラブ系の移民は人種的にも世界的に優位であって強靱な肉体の持ち主なのでしょう。
このダチ大臣の行動に対してフランスの女性権利団体は“雇用者側として今回の例で女性労働者の出産休暇に圧力を掛けるつもりだ”と猛反発し、産婦人科医も産後数週間は休養すべきだと猛反対しています。
話題の主ラシダ.ダチ法務大臣は貴族的社会の粋とも謂われ人種差別の強いフランスでニコラ.サルコジ大統領に選ばれて07年司法大臣に選任されたものであり、おデコで魔法使い風のライス国務長官などと違いとてもチャーミングな女性ですが、お父さんがモロッコ、お母さんがアルジャリア出身のアラブ系移民であって12人兄弟の2番目であり、幼少時は貧しくて低家賃集合住宅で過ごし16歳では看護助手として働きながら夜学に通った苦労人だそうです。ご年配の方ならご記憶かと思いますが♪此処は地の果てアルジェリア、どうせカスバの夜に咲く…♪明日はチェニスかモロッコか、外人部隊の白い服…♪と貧民街で春を鬻(ひさ)ぐ女達をエト邦枝が哀愁を籠めて唄った退廃的なラブソング“カスバの女”がヒットしたのは今から35年位前でしたよね。此の歌に唄われたような蟻地獄の貧民街からエリートの最たる国フランスの女性大臣が這い上がってくるなんて日本流で言えば被差別部落住民と在日の混血が大臣に出世したどころでなく、被差別部落出身者であるばかりに総理大臣になれなかった野中広務元自民党幹事長との比較に於いてフランスは何と心の広い不思議な国だと思いました。
何時もの段で話が少し飛び火します。野中広務の逸話は可成り有名ですが、“現総理の麻生太郎が過去に野中に対する差別発言をしたとして、03年9月11日麻生も同席する自民党総務会において、野中広務は麻生太郎を激しく批判しました。「総務大臣に予定されておる麻生政調会長、あなたは大勇会の会合で『野中のような部落出身者を日本の総理にはできないわなあ』と仰った。そのことを、私は大勇会の三人のメンバーに確認しました。君のような人間がわが政党の政策をやり、これから大臣ポストについていく。こんなことで人権啓発なんかできよう筈がないんだ。私は絶対に許さん!」
野中の激しい言葉に総務会の空気は凍りついた。麻生は何も答えず、顔を真っ赤にして俯いた儘だった。”参考文献 URL 魚住昭『野中広務 差別と権力』より
その後間もなく野中広務は無念の引退をしましたが、彼を引退に追い込んだ元凶が現総理であることは明らかであり、世評の通りに野中広務が総理になっていれば麻生の如きボンクラは今頃生き恥を晒さずに済んだでしょうから世の中って皮肉なものですね。(;;)
こんな愚かな偏見の持主が総理大臣をしているようでは我が国の前途が真っ暗闇なのも至極当然でしょう。古来“名将の下に勇卒あり”と謂いますが、親玉が暗愚では部下の大臣も大同小異、差し詰め“愚将の下に勇卒なしの酔卒あり”では洒落にもなりませんよね(;;)
話を元に戻しましょう。どんな育ちや環境からでも学歴や国籍に囚われず実力さえあれば立身出世ができるフランスに対し、財力や学歴とキャリア試験オンリーでその人の運命だけでなく国家の運命まで決まる我が国の官僚共や政治家達に挙ってダチ大臣の爪の垢でも頂戴して呑ませなければなりません。
ダチ大臣は昨年9月に妊娠が公表された際“マスコミに話すことができるのは、わたしの私生活は混み入っているということだけよ”とは恐れ入りました。(^^)日本でそんなことを口にしただけで“そんな不しだらな女は大臣をクビにしてしまえ!”と全国民から総理が突き上げられ内閣総辞職までも避けられそうもありませんが、フランスでは産休の短いことにはイチャモンが付いても父無し子の誕生や私生活の乱れなどに対し誰もが無関心なのには愕いてしまいます。プライバシーとオフィシャルを明確に区別にて間然しない国民性の違いと言ってしまえばそれまでですが、日本人のカルチャーが誤っているのではないかとふと考えてしまったものでした。(;;)
野中広務もフランスだったら間違いなく総理大臣になれたことでしょうに…と野中広務の無念に心を馳せた一刻(とき)でありました。(;;)
先週の問題と答え
“太”の字の点は何故付いているのでしょうか
昔この字は大の下に二が付いていたものであり、二は繰り返しを意味しており、とても大きいところから“太”になったそうです。
来週の問題
少し変わった問題です。
匂 働 椛 この三つの字に共通するものは何でしょうか?
“変“なのは”漢検“だった!
2月の半ばと謂えば何時もなら一番寒い時期なのに、暖冬と謂う言葉を通り越したポカポカと暖かい小春日和が続き、週末少し雨が降っても気温だけ高く寒がり屋の小生でもストーブの必要がない位でしたから気味が悪く将に異常気象と謂えるでしょうか。
異常気象と謂えばうちの事務所の畑では御正月前に花を付けた苺(いつだったかご紹介しましたね)がその後の寒さにも耐え忍んで結実し漸く色付いて参りました。現在10個近く実を結んで居ますがヒヨドリに見付からないか気掛かりでなりません(;;)又秋に播種した空豆が成長しナント!先週には花を付けるに至りました(^^)
空豆の花はご覧のように紫色で豌豆の花を大きくした感じで将にお豆さんの王様の風格です。然しこれから激寒期を迎えることだし、今夜から寒の戻りとか…ラジオで言っていましたからまさか此の儘結実するとは到底思えず哀れ徒花となりそうですが、肝心の成熟期の4月には体力を消耗して花が咲かなくなるのではと憂いて居ります。地球温暖化も此処まで進むと植物の生態系が乱されるのが恐ろしく、蟋蟀の食用並びに孫のお弁当のサラダに使うレタスも早や薹立ちの気配ですからお百姓さん達の作られる露地物の野菜達の運命はこれから一体からどうなることでしょうか。(;;)
教育業界では善玉の筈だった財団法人漢字能力検定協会なる所謂“漢検”が内部告発から悪役となって世間を騒がせて居りますが、大久保理事長親子の経営する会社が下請けとなって公益法人の利益隠しに一役も二役も買っていたことが暴露されて彼等は四面楚歌に陥りました。文部科学省は管轄の財団法人であっても天下りの居ない法人には普段から関心がなく放置していましたから、出来るだけ立入り検査などしたくなかったでしょうが、“漢検”のテストは国のお墨付きでもあり、此処まで事件が大きくなりメディアまでが動き出したために已むなく重い腰を上げざるを得なくなったようです。(;;)
当初は670名しか受験しなかった“漢検”が年に300万人もの受験者を集めた理由は漢字ブームに乗って大学の推薦入学や就職活動に有利になるためであり、理事長の先見の明があったとでも謂えるでしょうが、公益法人は文字通り公益を目的にしている見返りに法人税、消費税、固定資産税とあらゆる税金を免除されている特権があり、そのため少しは窮屈な縛りがあっても至極当然でしょう。
“漢検”は受験者が100万人に達しない時でも充分過ぎる利益を上げていましたから、300万人では受験料は一人平均2500円(一級5000円から10級1500円で就活や大学の推薦入学の必要な大多数の受験者層の2級は4000円)としても年收は80億円近くに達しますから変動費が数%の用紙代と会場関係費だけでは儲かるのが当たり前であり、理事長達の報酬を獲るにも一応文科省の目はあるし又相場と謂うものがあり、然も無税と謂っても源泉所得税だけは一般企業並みに獲られますからこうまで規模が大きくなると大阪国税局から源泉所得税調査が必須となり、領収書や使途の判然としない支出は全て理事報酬とみなされて源泉税課税の対象とされ、法人税、消費税の調査がないため兎角丼勘定になりやすい学校法人や宗教法人など公益法人が国税局源泉所得税部門の良いお得意先なのです。そこで彼等が考え付いたのが、専門の業者を排除しての下請け会社の創設であり家族名義で株主や役員を構成したペーパーカンパニーを通して広告費や印刷費を専門業者に丸投げしてはピンハネして差益を稼いで大久保家の所得の分散を図り、理事長亡き後の相続税に備えたものであることは我々税理士から見れば一目瞭然です。
年に一回開かれる評議委員会(会社なら株主総会にあたるもの)では評議員の殆どが難しい漢字は分かっても数字は苦手の学者ばかりであったそうですから、どんな議案も“議長一任、異議なし”で可決されたことは想像に難くありません。今回の事件を受けて講談社の社長である野間佐和子氏が決然と評議員の座を辞したのは誠に潔く他に同調する評議員が続出することでしょう。(;;)
事件の行方に不安を憶えた大久保親子は13日何を血迷ったのか大阪府の橋下知事に“漢字調査事業”なる名目で府内の小中学校142校の生徒約3万人に対し来年2月までに2回無償で“漢検”を受験させると申し出たとか…(^^)大阪府の学力低下は全国的に著しく低く、知事をして“クソ教育委員!”と言わしめたのはつい先日のことでありましたが、その大阪府の児童達が只で“漢検”受験ができることについて、申し出を了承したものの橋下知事も学力低下の実情から“漢検”の申し出を素直に喜べない複雑な心境であったことでしょう。(;;)
問題として残るのは今後の措置について他の都道府県からテストの依頼があれば例え学力テスト最高点の秋田県であっても断る理由はなく、全国津々浦々まで小中学生の無償テストを行わないと公平を欠くことになりましょうから、その辺まで大久保親子の読みに入っていたのでしょうか?大阪府の児童だけで受験料は約1億2千万円となりますから、全国から申し出があれば金額は優に40億円にも達するでしょうから“漢検”の売上は一挙に半減することになりそうですね、それでも身内の下請けやペーパーカンパニーなどを整理させられたりして“漢検”が赤字になることはないと思いますが、何より恐ろしいのは文科省のお裁きでしょう。此の事件を奇貨とし千載一遇のチャンスとばかり天下り役人をゾロゾロ送り込んできて理事長より沢山の報酬を獲って赤字法人になったりして…(^^)
思えば昨年の世相を表し漢検が選んだ”変“の字はいみじくも日本漢字能力検定協会自らを当てた字そのものだったとは皮肉なことでしたね(^^)
先週日経新聞下欄の広告の中に“会社を潰すテキトー税理士”なる書物の広告が登載されていました。現職の税理士によって書かれた書物でありますが、更には顧問税理士がどれだけテキトー(悪意に充ちた表現ですね)なのかチェックをしてみようとの副題があり、テキトー税理士の特徴が列挙されていましたので、その内うちの事務所ではどれに当て填るのかトクと思案して見ました。
会社を潰すテキトー税理士には 1.記帳転記を専業にしているコピー税理士 2.年に数回しか訪れないご無沙汰税理士 3.“税務調査は不可避”と言うイイワケ税理士 4.“I T会計は面倒だ”と言う化石税理士 5.経営助言を一切しないダンマリ税理士 6.コンサルタントを紹介してくる紹介税理士 7.顧問料の安さを売りにしている激安税理士 ウーン此処まで書かれると税理士にも色々あるんだなあと感心させられたのでありましたが、此の税理士の言いたいことは“税理士を選ぶには関与先に対して税務や経営に対する助言を積極的に与える者を選ばねばならぬ”と言いたいのであろうかと察しましたが、さて自分がこの中の何処に入っているかと考えてみると結構難しく、うちでは税務申告書の作成は元より経営分析を中心に税務コンサルタントを行い昨年よりE-taxにも移行しているために1.4.5.6は問題外としても2と3については反論があります。関与先の訪問は年に数回でも電話やメールやFAXで頻繁に情報やデータ交換が出来ていれば40年昔のように月一回わざわざ訪問しなくても充分にコミュニケーションが取れて居ると思われますから2番については時代錯誤でありましょう。更に3番の“税務調査は不可避”でありますが、税理士が如何様に完璧な決算申告を仕上げてもその会社の業績の変化と調査省略期間が5年を経過すれば零細不動産賃貸会社などを除き、当然に税務調査は避けられません。反って税務調査によって税理士がより信頼を得られ、顧客との絆が強くなるケースが多いので私は税務調査を特に歓迎しないまでも税理士の有り難みと顧問先の帳簿類に対する緊張感を高める意味に於いても必要ではないかと考えて居ります。7番は税理士の資質と品格の高低が問われる箇所であり、安かろうは悪かろうであって、充分なサービスが受けられず死に金となることでしょう。数年前日経新聞に税理士の報酬が高すぎるとデカデカと書かれて、世の税理士達を震撼させましたが、此の記事が原因で安い料金の税理士に乗り換えた経営者は多かったと思いますがきっと後で後悔された方が多かったかも知れませんね。幸い私達の事務所では顧問料が高すぎると言われた関与先は皆無でした。(^^)
麻生総理が洩らした “あのとき郵政民営化には賛成ではなかった”のたった一言に逆ギレした前小泉総理の麻生総理への悪意に充ちた暴言は誰もが聞き苦しく余りと言えば余りでしたね。(;;)中曽根さんなどの超大物を除き、引退を表明した者には公式にコメントなどすべき権利などありません。メディアも記者会見を断固拒否すべきでした。自らが惹き起こした郵政民営化が渦中とあっては気が揉めるのは当然でしょうが、後のことは後任者に任せるべきであり、自らの言動が自分の株を下げ、国民の目が麻生総理を判官贔屓の立場に変えるのが読めなかったとしたらそれこそ此方が嗤ってしまいますよね。(^^)
前総理が師であり唯一の味方であるべき小泉チルドレン達も見捨てられた自分達の選挙への悪影響を恐れて、冷ややかな態度に終始していたのも宜(うべ)なるかなでありました。(;;)此の事件で麻生総理可哀想に…と少しでも人気が恢復出来れば良いのですが…(^^)ムリでしょうかねえ。
先日の問題と解答
犬の点は耳を表しているそうですが、“弱”の四つの点は何を表しているでしょうか?
昔は弓の中にサンズイが入っていたそうですが、此は弓の飾りを意味しており何時とはなくサンズイが点になりましたが此の弓は飾り弓なので実践的でない処から“弱い”と謂う意味になったそうです。
今週の問題
“太”の字の点は何故付いているのでしょうか
水上の格闘技
2月に入り立春を迎えて気温も安定し暖かい1週間でしたね。6日金曜日には恒例の確定申告応援で浜風の厳しい漁港の水産会館でしんどい1日を過ごしましたが、2月16日を待たぬこの時期に来所される納税者?は殆どが年金申告や医療費などの還付申告者でしたから昨年のように消費税の計算や事業所得の必要経費の区分などの苦労がなかった分少しは楽だったかも知れません。(^^)
唯この時期に申告に来られる方々が年々高齢者が多くなってきたことと、持参される医療費の領収書の量が毎年少し宛多くなってきたことに愕いたものでありました。此の水産会館の会場(2階)には昇降設備がなく36段の階段が腰や膝の悪いお年寄りを半ば拒絶していますが、税務署にはお年寄りへの配慮の欠片も感じられず“厭なら直接税務署へ行け”と謂う態度には情けなく、又私は9時5分前に到着しましたが既に沢山のお年寄りが寒空の中を階段に数珠繋ぎで開門を待って居られ、せめて10分位前には扉を開けて納税者を室内に誘導する思い遣りができなかったものかと弱者への労りの感じられない役人共通の心ない仕打ちに腹立たしく感じたものでありました。
多くの医療費控除申告の相談者の内医療費が税務署所定の袋に入りきらず二袋に入れてガムテープで繋ぐなど応急処置で凌ぐ方が2名も居られましたから、今後も此の状態は増えることはあっても減ることがないことを深く憂い、我が国が医療亡国であることをつくづく感じたのでしたが、そうかと思うと80代の矍鑠としたご主人と美しく老いられた上品な奥様が来られて、年金の税金還付だけでお二人共に医療費が全くないと仰られるのです。初めは聞いていて羨ましく思ったものでしたが、この方悲しいことには横に座ってニコニコされとても良い顔色のダンディーなご主人が数年前から認知症とかで此の病には薬がないそうなのです。(;;)事実私が今日は何日ですか?何曜日ですかと問うても唯ニコニコされるだけで何の反応も帰ってこず、私のような素人にもこの方の認知能力が充分でないことが認識できました。申告終了後奥様に促されるとその辺りは良く分かるようでニコニコと仲良く一緒に帰って行かれましたが、悪くなることはあっても良くなることのない認知症に薬がないなんてとても悲しいことだと思い、医療費の節減にあの手この手を繰り出している厚労省も、医療の術(すべ)がないために高い後期高齢者保険料だけ獲り上げて医療費のないこんなご夫婦にこそせめて金一封を贈り日常の労苦を労わって頂かねばならぬと思ったものでした。
舛添厚労大臣、あんたは官僚に媚びるだけが仕事ではありませんよ。聞いているのか!
年にたった一回のことではありますが確定申告応援は、将(まさ)に我が国の下流に住まいされる方々の生活の縮図を見る思いであり、又己が将来をまざまざと垣間見たのでありました。(;;)
皆様は女子のアスリートで一番ハードなものは先ずレスリング或いは柔道だと思われるでしょう。いいえ一番大変な競技はボートだそうです。ボートと謂っても並みのボートではなく男性に混じってハンディーキャップなしに闘う公営競技である競艇の世界です。
身体を使うものはどんな競技でも男子と女子の膂(りょ)力には大きな開きがありますから、男女別々に競技が行われ短距離からマラソンまで男女のタイムには相当な開きがありますが、こと競艇に関してはその世界が狭いために男女別の試合がなく共に同じ条件で勝負に臨むことになり体力膂力に劣る女性には過酷過ぎると思われます。それにも関わらず何故か現在公認の競艇選手1491名の選手の内161名と1割以上を女子選手が占め、年間平均獲得賞金は1134万円(男女全体で1680万円)とか…(;;)日の当たる女子プロゴルフなどに比べて遙かに人気が劣り、裏社会のイメージも強く、危険度の大きさと収入のバランスがとれない分(ぶ)の悪いスポーツだと思いますが、先月、日経紙の特輯“駆ける魂”に二日間に亘り掲載された『競艇選手.日高逸子』を拝読して厳しい競艇の社会の内情に触れて唯唯驚嘆致したのでありました。
先ず、最初に愕いたことは此の日高選手が現在47歳にもなって競艇選手の格付け最上級の“A1”に君臨していることでありました。そして通算勝率が女子歴代の1位を誇っていることも凄いなと思いましたよ。(^^)
競艇は或る意味でカーレースF1に等しい危険な競技であり、時折尼崎競艇場で開催されているのを阪神電車の車窓から見掛け、昔よく行われていたサイドカーレースのように身体半身でターンしている姿を“格好いいな”と思ってはいましたが、現実には水上の格闘技と謂われるだけに船首や舷をぶつけ合い、相手の進路を争奪しなければ勝利が得られない過酷なゲームであり、時速80kmで走りながら全身の力で水面を跳ね上がろうとするボートを押さえつける筋力がなければならず、将(まさ)にF1を超える世界です。
その男達の世界の中で2女を支える母として、生活のためとは謂え90年代に競艇の帝王と謳われた植木通彦の大レースを見て女性には危険だと謂われたモンキーターン(競馬のモンキー乗りのようにお尻を高く持ち上げる不安定な体勢を艇の上で保ちながら180度進路変換する方法)と呼ばれる高速旋回技術を独力で学び女性として初めてこのテクニックを使い熟(こな)したのは彼女が最初だったのは彼女が此をマスターしなければ男性に勝てないと心に決めて、他の選手に頼み込み、あちこちぶつけて身体中痣(あざ)だらけになり転覆を繰り返し、漸く取得されたものだったそうです。
競艇選手は公正確保のために試合前日から身柄を拘束される約束ごとがあり、彼女は子育てに母乳に拘ったため授乳の手段として試合開催中は宿舎で搾乳した母乳を冷凍保存し、パック一つ一つにメッセージを添えて自宅に送られたそうです。自宅では結婚してから14年間サラリーマンを止めて専業主夫に徹した同じ歳のご主人が母乳を解凍して赤ちゃんに与え子育てされたそうですから、お子さん二人にとってはお父さんがお母さんであり、全国24箇所にある競艇場に移動するため福岡の自宅に月の内10日も居れないお母さんは宛ら単身赴任のお父さん役だったことでしょう。(^^)
独身時代には自炊の経験すらなかったご主人が今では鰈(かれい)の5枚おろしができるそうですから人間やろうと思えば何でもやれるものなんですね。(^^)
彼女は現役生活を後10年続けられるつもりだそうですが、私は人生の荒波と競艇場の荒波の両方を乗り越えて行こうとするこの親子4人の絆と前途に幸多からんことを願いました。(^^)
5日の新聞紙上で掲載されましたが、4日千葉県船橋市での公営競馬第7レース(ダート1200m12頭立て)で競艇競輪を含む公営競技史上最高の大穴1911万円が出たそうです。勿論三連単ではありましたが、購入された全馬券1320通の中で的中馬券はたったの1通それも在宅投票で100円だったそうです。(^^)三連単はギャンブル性が強くて嵌ると罷められず、私は公営賭博に採用すべきではないと常々思っていますが、7年前愚息が入院した折、付き添いのヘルパーさんが競艇のファンで給与を全て三連単に投じて年中スッカラカンだったことで良く憶えていますが、一度でも大金を手に入れるとそれまでの投資(捨て金?)を全て忘れて更にのめり込ませる魔力があるようです。(;;)
此のラッキーな方は100円の馬券だったのが幸運であり、当たり券は1枚だけでしたから100円ではなく若し10万円でも投資されていたらテラ銭の25000円分儲けが減るところでしたよ。(;;)通常当たり券は沢山買った方が儲かるとしたものですが、1枚だけが当たり券であったところがミソであり、当たり券を多く買えば買うほど儲けが日本競馬会を潤わせるだけでこの方の儲けが減ることになるとは不思議なことでしたね。(^^)
競輪競馬の類は税法上は一時所得として課税されることになっていますが、馬券は非課税とされている宝籤と違って課税対象なのをご存じの方は寡いでしょうね。(;;)
当たり券の換金に本人確認を求められないため誰も申告する人は聞きませんが、今回は電話投票であることでもあり新聞にも載ったのできっと課税捕捉されることでしょう。所轄の税務署が職権で競馬場から投票者の電話番号を聞き出し来年の今頃お家に税務署への呼び出しの葉書が舞い込むものと思われます。(^^)処が控除して貰えるのは100円と精々電話代だけであり、その日に購入したハズレ馬券ではない処が辛いですよね(;;)
この方が無職であったとしても税金は約230万円(住民税込見)にもなり、来年の国民保険料が最高額になるのに再度魂消られることでしょう。(;;)
昨年末に神戸商大囲碁部で同期だったS君が帰天したことをお知らせしたばかりですが、今年になってお正月に同じ囲碁部の副将を勤め私の片腕となって活躍して呉れたK君が亡くなったことを先週確定申告の用件で事務所に来た元アマ名人の西村修君から聞かされ愕きました。彼とは何時しか賀状の遣り取りもなく自宅も知らず20年以上疎遠であり、数年前に兵庫県名人になったとか新聞で読む位でありましたから誰かから知らせて頂かないとその儘になる処でした。西村君の伝聞ではネット上で碁を打っていてマウスに手を添えた儘の大往生であったとか…彼が昔から心臓に疾病を抱えていましたから、ひょっとして勝ち碁を確信した直後に相手に思わぬ鬼手でも打たれてのショックが原因だったかも知れませんが、例えそうであっても私も是非肖(あやか)りたいものだと心秘かに思ったものです。彼が亡くなり京大、東大を相手にして五分に戦った50年前の神戸商大囲碁部全盛期の正選手5名の内4名までが帰天しましたから、今では“憎まれ者世に憚る”の喩え通り残るは私一人となりました。(;;)
K君のご冥福を心からお祈り致します。<(_ _)>
先々週の問題と答え
紙面の都合上来週に日延べさせて下さい<(_ _)>
“渡り”の旨みは税制だった
寒かった1月も終り今日から2月を迎え今週水曜日には暦も大寒から立春と変わりますがそのせいかとても暖かい週末になりましたね。(^^)
確定申告も納税者へ税務署より用紙の送付が終り、我々の事務所もお得意先からの書類(医療費の領収書がダントツ!)で足の踏み場もない状態になって居ります。(;;)又、今月6日の金曜日には税理士として恒例の確定申告無料相談所へ駆り出されることになって居りそのためとてもブルーな気分です。港に迫(せ)りだした垂水漁港水産会館はこの時期底冷えがして吹き曝しの浜風がとても寒く、年に一度の行事とは謂え税務署も選りに選ってこんな場所を選定しなくても良さそうなものだと毎年恨めしく思います。例年愚痴って居ますが、区役所のあるレバンテ大ホールなら広いし駅から近いし納税者も我々も助かるのですが何故か水産会館なのは如何した訳でしょうか、使用料なら少し位高くても神戸市の所有であるレバンテの方が地方交付税のようなものですから国も腹が立たぬと思いますが、此の寒い相談所は年金や医療費などの還付申告者が圧倒的に多いので来所されたくないための税務署の対抗策かと深読みしてしまいますが強(あなが)ち当たらずとも遠からずでありましょう。真相はレバンテホールの場合交通に便利な余り板宿辺りからも大勢が押し掛けては雑踏警備に自信がないことにあるようです。(;;)それが証拠に何処にも開示しないけど3月2日から5日まで区役所の3階会議室で税理士による申告相談所をこっそり開いていますから一度覗いて見られたら如何ですか。税理士が二人所在なげに座って欠伸でもして居ると思いますよ。(^^)
私など須磨支部の会員約150名の中で税理士登録は古い方から3番目であり、然も今年数え年では後期高齢者ですから老兵を優先的にレバンテでの相談当番にでも当てて呉れれば良さそうなものを、須磨支部に転入して10年ずっと水産会館であり一度もレバンテでの恩恵に浴したことがありません。(;;)ま、支部の会合や親睦会など嘗て一度も出席したことがない“はぐれ鳥”の一匹狼であり支部への完璧な被協力者ですから貧乏籤も当然ではありました。
大阪の東部に嘗て“お染久松”で有名であった“野崎参り”の野崎観音があり、その野崎(現大東市)周辺に位置する大阪産業大学と謂う学校があります。今から45年位前1965年に大阪交通大学として発足した学校で、決して有名でもなく又とても学力の高い学校とも謂えずこの辺でも近大や大経大にはとてもムリと謂った学生が通う学校のようです。昔はベビーブームであり同じ頃に森裁縫女学校から大学に昇格して今は神戸学院大学と名乗っている学校などもその部類でしたが、神戸学院は最近30年来頓(とみ)に学力が上がり薬学部など難関とされるようになりましたから、学校さえ努力すれば幾らでもグレードが上がってくるようです。此の学校は舞子と明石の中間の辺鄙な山間部にありますが、第二神明道路ができたとき道路が丁度此の学校の運動場の南端と接していたために学校名の大きな看板が道路から見えるように設置され誰からも周知されるようになったことが幸運の女神との邂逅に恵まれたものでしょう。30年前私が本職税理士の傍ら土日と平日の夜間ボランティアで朝霧の朝霧囲碁道場の道場主を務め、各地から訪(おとな)ってくる道場破りをバッタバッタと薙ぎ倒して居た(ホンマか?)頃、通って来られる客の一人に神戸市立夜間高校の先生が居られましたが、此の先生曰わく“昔はよく神戸学院の先生が生徒を廻して下さい、成績の如何を問わずに入学させますから…、と菓子折を持って来ていた時は、誰も見向きもしなかったが、最近では此方から菓子折を持って推薦枠のお願いに行っても、『本試験を受けて下さい』と突慳貪に言われるんや”と苦笑されていたことを思い出しました。(;;)
話は横道に逸れたので元に戻しましょう。大阪産業大学は傘下にある大阪桐蔭高校の方がラクビーや野球で有名であり、著名な選手は皆他所の大学に引き抜かれて学校に残ってくれませんから三流大学の悲哀をさぞ味合われたことと思います。
この大産大が先月週間東洋経済にて『杜撰な資産運用で今全てを解約すれば100億円近い損失が出る…』と特ダネ記事をすっぱ抜かれて大慌てで記者会見を行い、昨年末現在で60億円の含み損を蒙る可能性に言及しました。
つい昨年末に駒沢大学がデリバティブ取引で150億円の損失を出しキャンパスを抵当に銀行から110億円の借入れで凌いだことは箱根駅伝を取り上げたブログでお知らせしましたが少子化の影響で経営に困っている筈の大学が100億円単位の貯蓄(投機?)資金など保有していること自体ハテ面妖な?です。大産大の運用資産は300億円だそうですから三流大学にして此では一流の早稲田や慶応などきっと数千億円以上の金融資産を保有しているものと想像されます。私学は学生数に応じて多額の私学助成金が国庫(我々の血税)より支払われ、学生からは高額な授業料を徴し、更には運用資産の利息に課せられる源泉所得税20%が公益法人のため例え収益事業から為された預貯金であっても非課税とされており、勿論法人税や消費税は勿論、固定資産税までが非課税なので、お金が貯まるのも宜(むべ)なるかなでありますが、預金や債券の利息から天引きされる源泉税は国の財源として想定済みのものであり、私学は資産運用に関わる利息相当額の20%相当額を私学助成金支給の際に、その金額より控除されるがスジと謂うものだと考えます。それにしても経営不振を謳ってあの手この手と学生の獲得に狂奔している大学がこんなに沢山の運用資産を隠し持っているとは意外でしたね。我々も学校法人と同じように税金が何もかも無税なら50歳で3000万円位貯蓄が持てたかも知れないと思うと複雑な心境です(;;)
国は学校のあらゆる税金を免除している代りに私学助成金を廃止したらどうだ!
麻生内閣の支持率がじりじりと下がって居ますが、原因は総理の漢字の読み間違いなど些細なことではなく官僚に阿(おもね)って公務員改革の中心である天下り再就職斡旋禁止を事実上骨抜きにした政令を閣議決定したことにあります。
一度ならず二度三度の天下りを謂う“渡り”については野党は勿論自民党内部からも批判の声が高まっています。今日の日曜討論ではあの悪役顔のゴマスリ細田幹事長が野党全員から吊し上げられ返答に窮していましたが、何事にも官僚の配膳がないと国会答弁すら覚束ない総理ですから官僚にソッポを向かれるとどうにもならず、彼等を敵に廻せないため不本意ながら政令の改正に応ぜず自分が総理の間だけは渡りを承認しない言質に留まりましたから、泡沫内閣の消滅と同時に“渡り”が復活することが自明となり、此は麻生総理が器量不足を見抜かれて官僚の罠に嵌ったものであり、総理自らの首を絞めるプロローグとなってしまいました。(;;)
中央省庁の官僚が退職した官僚達の天下りの斡旋をするのは先輩への親切心と謂うより“明日は我が身”であって自らも二度三度の天下りをするためには、前例を作っておかねばならぬので何は扨(さて)措き華麗なる老後生活を賭けての総理への働きかけが効を奏したものでしたが、我々国民に対するイメージはメチャ悪く一般サラリーマンが60歳定年を迎えて再就職できても、或いは嘱託で首が繋がっても給与が60%程度に下がることは常識でありますが官僚の場合天下りする公益法人での待遇が、報酬は勿論公用車に秘書付き、その上接待費の枠無制限と省庁でのそれを遙かに上回るものである処にあり、更に2-3年後の退職金が数千万円ですから何とも堪(こた)えられません。官僚が定年を待たずの退職勧奨はこれ以上の出世がなくなったことを意味しますから勧奨を受けて58歳で嬉々として辞めて行く理由が我々にも良く分かりますね。初回の天下りについては定年前退職を理由に官僚が拘泥することについて認めるとしても、更に2度3度の勧奨は過度であり、そんな小細工を弄さなくても65歳までの7年間を同一法人で過ごさせれば、判子を付くことと元の古巣へ助成金獲得に赴くだけが仕事と謂っても幾らか仕事の効率が良くなると思いますが、“渡り”の旨みは2度3度の退職に際する高額な退職金にあると思われます。日本の税法は退職金について年40万円(20年超は70万円)の特別控除以外に1/2課税を採用していますから、天下り役人にとっては40万円控除など取るに足らぬものであっても1/2課税の魅力は大きく、給与で貰うより退職金で貰う方が遙かに税負担が少なく美味しいものです。
然も高額な報酬とは切り離された分離課税でもあることから数年分一度に貰うより年を替えて貰う方が累進税率の適用を免れて税負担の軽減が厚く、仮に退職金の税額計算をすると、7年間1箇所に居て7000万円貰った場合と“渡り”で3箇所年1000万円計7000万円貰った場合とでは1箇所の場合が1100万円弱(住民税を除く)3箇所では650万円と大差です。
若し1/2課税がなければ全者も後者も税額は約3000万円となりますから、その差は優に1年間の年収に匹敵しますよね。その辺(あた)りに“渡り”が慣習化した由来があるのかと思いますが、私見ながら勤続10年程度の退職金については特別控除だけにして1/2課税の恩典は廃止すべきではなかろうかと昔からずっと思って居ます。何故なら民間では10年未満働いて400万円もの退職金を貰える人はごく稀でしょうから1/2課税は天下り役人のために作られた法律だと言っても過言ではありません。
それにしても公用車付きの身分は運転手の給与や車のコストや維持費を数えると先ず1000万円は要するものと思いますが、これらが全て官費であって我々サラリーマンが通勤にマイカーを走らせても2km以上10km未満で月額通勤手当がたったの4100円支給ですから涙がちょちょ切れますね(;;)。
先週の漢字の答と今週の問題は紙面の都合上来週にさせて頂きます。<(_ _)>
当てのないレールを走っていた
冬も遂に本格的となり今朝など冷たい霙(みぞれ)雪が潸潸(さんさん)と降り愕きましたね。愈々各所轄税務署から確定申告書の郵送が始まり愈々毎年恒例の申告繁忙期に突入しました。昨年と異なる処は今回の確定申告から税理士が税務署に半強制的に命じられて電子申告(所謂e-Tax)の代理送信に移行することとなったため、我々の関与先に送られてくる申告用紙が納税者控用しか使えず提出用が電子送信のため不要となることとなり、国税庁も申告用紙の印刷代の多くをムダにすることとなりますが、アメリカのようにe-Taxが定着するまでは当分は已むを得ぬ措置でしょうか。(;;)
事務所では10月に誕生した蟋蟀が成人し昼夜通して鳴き声が喧(かまびす)しく、同居させられている三角バッタも蟋蟀の集団の中で生活環境が全く変わったために戸惑いを見せる様子でしたが、漸く馴れたようで共に仲良くレタスを食べて暮らしていましたが何時とはなく見掛けなくなったのでどうやら弱ったところを蟋蟀達に襲われて食べられてしまったようです(;;)。某理学博士監修の昆虫の書物では蟋蟀は草食と記載されて居りましたが、まだまだ学者の研究は伝聞に因るもので実験が充分に為されず初心の域を脱せぬようです。(;;)蟋蟀が脱皮中の仲間を食べることも知らぬなど何が理学博士じゃ!
元阪急や巨人で活躍し、10年前72歳で逝去した青田昇選手が今回漸く野球の殿堂入りを果たしました。この方は小さい身体(170cm)で本塁打王を5回(打点王1回と首位打者1回)も獲得し第2次世界大戦の兵役を挟んで16シーズン活躍した選手ですから殿堂入りが遅きに過ぎた感がありますが、現役引退後解説者になって辛口の解説は多くのファンの共感を呼ぶと同時に、球界関係者が苦々しく思う毒舌をも含んでいたことが受賞を送らせた原因かと思います。間近でお顔を拝見すると映画俳優かと思える程ダンディーでハンサムであり、私が中学3年生のときの想い出ですが甲子園球場の選手入口付近で待っていて同じ巨人軍の山川選手と二人で歩いてきたところを見付け並んで写真を撮らせて頂いたことがあります。シャッターを押すとき運悪く風が吹いてきて青田選手のダブルの背広が開いた儘写ったことまで未だよく憶えています。“君のカメラは何てカメラだ?”と聞かれましたから彼は当時カメラファンだったのでしょう。余談になりますが、垂水と舞子の間にある歌敷山と謂う山陽電車の駅(今はなくなっており舞子ヴイラの北側です)の近くに当時青田選手のお妾(当時は誰もそう呼んでました)さんが住んでいたことは有名であり、当時はお妾さんを持つことは男の甲斐性と思われていましたから、人から羨まれこそすれ誰からも非難されることのない長閑(のどか)な良き時代でありました。(^^)
華やかな芸能生活を送り、昨秋5億円詐欺に問われた音楽プロジューサー小室哲哉先週の初公判で検察側から彼の拘置所で綴った反省の手記『音楽家というレールから少し宛車輪が狂い、当てのないもう一本のレールを走っていた…空の暴走列車は皆様に急ブレーキを引いて頂いて停まった…』が読み上げられました。流石は作曲家でありながら作詞家も肩書きの内に入っている理由が分かりました。並みの人では拘置所の中と謂う極限の状態でこんなキザで洒落たセリフは一寸考え付かないですよね。(^^)
この人97年には申告所得国内第4位であり23億円も稼いで居り当時は現在と違って税率も高く払った税金は15億円にも上りましたが、納税資金を別個管理していたとも思えずこの辺(あたり)から税金を払うための借入と借換の繰り返しで資金繰りが少し宛悪化して行き、自分のお金と返済すべき借金の区別が付かなくなったのではないでしょうか。当時は時代の寵児ですから銀行が幾らでも貸してくれたことも徒(あだ)となったと思われます。人間誰しも一度甘い生活を経験するとそれが忘れられずに昔に戻れないと謂われますが、彼の場合その典型的なケースでありました。(;;)
99年に小室哲哉と破局した歌手華原朋美が先週奇しくも薬物中毒(睡眠薬の飲み過ぎ)でメディアを騒がせましたが、彼女も此の事件に心を傷めることがあっての出来事だったことでしょう。(;;)
先週お知らせしたキャリア警視の空港での暴言暴行事件を受けて千葉県警は事件がメディアに暴露されたためか、千葉地検に書類送検し警察庁も同警視を停職三ヶ月の懲戒処分に附し、この課長補佐は同日依願免職したそうです。
雉(きじ)も鳴かずば撃たれまいと謂いますが、“県警本部長を呼べ!”など余計な一言さえなければ、事件は表沙汰にならずに隠蔽された儘終熄していたものと思われますが、目上の者を呼びつける発言など空港関係者への威嚇であり示威行為とは謂え余りにも非常識であり本庁幹部の逆鱗に触れたものでありました。明らかに勇み足の言い過ぎでしたね。
こんな無礼極まる警察庁の権威を貶める男など庁も横滑りの職場を用意してくれるとも思えず、嵩高い経歴がこの人の今後の人生の進路の大きな妨げることに違いありませんが全ては己の虚像を実力と錯覚したものであり自業自得でありました。(^^)
それにしても警察と謂う処は不祥事が起こると微罪であっても他の役所と違って必ず依願退職させますが、此は警察庁の体質的なもので上からの半ば強要であって、逆らうと停職後も一生仕事と出世のない窓際族の運命が待ち構えているからでしょう。(;;)
春の甲子園に21世紀枠として九州大分県の大分上野丘高校が選ばれました。(^^)此の学校は甲子園出場には数少ない公立校であって九州では屈指の進学校として有名です。著名な卒業生数多ある中を一万田登、三重野康と二人の日銀総裁を輩出していることから此の学校がそんじょそこらの高校でないことがよくお分かりでしょう。昨年は野球部員が現役で東大入試に合格し、今年のキャプテン露口選手も帰宅後素振りの傍ら毎日自習を行って東大を目指しているそうです。部員41名は公立高校としては多く“野球をやりながらでも勉強はできる”と入部者は文武両道を目指して切磋琢磨しているそうですから頼もしいですね。昔東京の国立(くにたち)一高のバッテリーが甲子園出場後一浪して東大へ入学し再び東大でバッテリーを組んだことは有名ですが、露口君にも現役合格を目指して頂きたいですね。
大分上野丘高校先ずは出場おめでとう。(^0^)/
先々週の答え“母”と“毋”について
“母”と“毋”は元来同じ字でしたが、何時しかチョンが縦棒に変わった“毋”の字が分家されて現在では異なった字として認識されています。チョンが二つ入った方はご存じの通り正真正銘お母さんの“母”であり、縦棒の入った“毋”は“なかれ”と否定形や禁止に用いられます。
“母”は“女”の字形に両乳を加えた字形であると白川静先生の“字統”に書かれていますからチョンは乳房を意味するのでしょう。一方“毋”は“母”が否定や禁止の意味にも使われていたために紛らわしく何時しか別に縦棒の字として独立したようです。
上記のように此の二つの字は“母”の方が文字通りお母さんなのですが、何故か此の二つの字共に部首は分家の方の“毋(なかれ)”とされていますから話はややこしいですね。
因みに“毎”とか“侮”など辞書では縦棒になって居ますが、全て旧字体はチョンが二つとなっていますから、矢張り“母”が本当のお母さんであることがお分かりですね。
私見ではありますが、母に禁止の意味が附されたのは母は神聖なもので奸(おか)すべからずとの意から出たものではないかと考えます。
今週の出題
犬のチョンは耳を表しているそうですが、“弱”の四つのチョンは何を表しているでしょうか?
お母さんの傍がいい(^^)
例年になく巷の佇まいが異なり、玄関の松飾りも車の注連(しめ)飾りも殆ど見掛けることのなかった寂しいお正月も終わって景気も気温も寒々と冷え渡った真冬が到来しました。昨日は阪神淡路大震災から14年目に当たり各地で慰霊祭が行われましたが、震災後に生まれた所謂“震災を知らない子供達”も中学生となり、あの忌まわしい災害も少し宛風化しようとしています。(;;)然し災害と謂うものは忘れた頃にやって来ると言いますから、我々は常日頃から充分な対処策を考えて不時の来客に備えて居なければならぬと強く感じました。
今日はお馴染み芦屋のNさんから頂いたお庭の白梅をご覧頂きましょう。
白梅と謂えば泉鏡花の名作“婦(おんな)系図”が想い出されますね。『切れるの別れるのって、そんな事は、芸者の時に云うものよ、私にゃ死ねと言って下さい。』の名台詞(せりふ)は、早瀬主税に対するお蔦の有名な言葉です。
何かと世知辛い昨今、打算なしで男に本気で惚れるこんな女性が居なくなって久しくなりました。(;;)
法が不備だったせいで強者のエゴの犠牲者となって職も寝床も失った失業者で氾(あふ)れた日比谷公園年越派遣村の混乱に対して、自立生活サポートセンター所長である湯浅村長が此の儘では暴動が起こると直感し、偶々日比谷公園に隣接する厚労省に対しロビーの使用許可を文書で求めたのでしたが、“正月休みだ…前例にない…これらは自治体の仕事であって中央省庁の仕事ではない、戦後の混乱期でもなかったことだ…”と何時もの逃げ口上で拒否し続けたKYの最たる厚労省は、民主党議員から“麻生政権が潰れても良いのか!”と一喝されても官僚の幇間である厚労相舛添要一はしぶとく難色を示し続けましたが、究極副厚労相の大村秀章が1940年ナチスの迫害に対しリトアニアから脱出しようとするユダヤ人に対し外務省の命令に反してビザを発給し続けた杉原千畝の前例でも思いだしたのでしょうか、政治家に珍しく人道的な決断をし、彼の一存で厚労省の講堂を開けることになりました。若し大村秀章の決断がなければ、彼等の為そうとしたことは火事に追われて逃げようとする避難民に対し、規則にないから此処は通さないと役所が逃げ道を遮断して門を閉ざした如くでありましたから、国民を護るためにある行政が規則や前例を盾として国民の命を危機に曝すことは如何様(いかよう)に考えても赦すことができません。
彼等エリート官僚にとってはクビになった派遣などはどうせ社会の余り物であってクズだと思ってのことでありましょう。然し人の命に貴賤はなく、驕り高ぶった偏見を持った彼等官僚こそ人間のクズに違いありません。
派遣、派遣と人材派遣業ばかりが労働者の生き血を吸って大きくなりましたが、厚労省は一度でも派遣労働者について真剣に考えたことがあるのでしょうか。年休も退職金もない派遣労働者を護れない労働基準法なんてザル法ではありませんか!
麻生総理は今になって内心後悔していることと思いますが、矜恃(総理の好きな言葉ですが総理に此の漢字が書けるの?)とやら自分の面子(めんつ)に拘って国民全員への給付金交付に固執しています。然し今一番お金に困窮しているのは年末に派遣契約をバッサリ切られて家と生活を失った多くの人達ですが、住居不定で住民票も定かではないこの人達に給付金を交付する手立てが全く見付かりません。一体からどうやって彼等に給付金を渡すつもりでしょうか?野党の誰か一人でも年越派遣村の人達に給付金を手渡せる手段が失われていることについて総理の矛盾を厳しく糾し“今一番お金を必要としている人に渡せない給付金など止めろ!”と言ってやればどうなんですか。
予てから暴言の多い鳩山総務大臣が、公正な競争入札を得て“かんぽの宿”70施設を一括して落札したオリックスに対し、“出来レースだから譲渡を認可しない”と横槍を入れました。此の大臣は鳩山一郎をお祖父さんに持つ毛並みの良い家柄に生まれ乍ら、ハーフの女優と結婚するなど若いときから兎角軽弾みな行動が目立ち、現在大臣の座を占めているのが不思議に思える人であり、お父さん(威一郎)とお祖父さんの七光りのお陰以外何物でもないと思います。
それにしても党派が違うとは云え、できの良い腹違いのお兄さんよりできの悪い弟が何時も日の当たる場所に居られるのが何とも不思議ですよね。
発言の真意はオリックスの宮内氏が小泉内閣時代に規制改革.民間開放推進会議の議長を務め民営化議論を主導していた処にあるようですが、公正な入札手続きを得て落札された物件に対し“落札者が小泉派だからダメだ!”は筋が違うと思います。彼は所詮人間が小者(こもの)ですね、大臣たる者はどんな場合でも大所高所に立って物事を公平に判断せねばならぬのを、私的な遺恨から国家財政を忽せにすることは赦せないと思います。何故なら“かんぽの宿”は毎年40億円もの赤字を垂れ流していますから、民営化されたと謂っても株式全株が現在国有では、早く金遣いの荒い娘を嫁にやらないと間接的に国民の税金の無駄遣いになることがこのアホな大臣には分からぬのでしょうか。オリックスは現在施設に勤める3000人の雇用を維持すると明言していますから、国は1日でも早く譲渡契約を履行して赤字の進行を食い止めて頂きたいと思います。
然し、オリックスは赤字の施設を108億円も出して購入する限りは、黒字化するために何れほとぼりが冷めた頃を見計らって施設の職員達は淘汰されると思いますが、その淘汰される職員は管理職と謂う座に胡座をかき9時から5時まで机の前に座って新聞や雑誌を読むだけを仕事とした高い給与泥棒に違いありませんから自業自得です。ひょっとしたら “かんぽの宿”売却反対で鳩山総務相に泣きついたのは案外此等の連中かも知れませんね(;;)
宮内さんガンバレ!
先週の東京体育館全日本卓球選手権女子ジュニアの部でナント!小学校(中学校の誤りではなく)2年生8歳の少女平野美宇ちゃんが高校2年生の代表選手を破り福原愛選手の持つ最年少記録を更新しました(^0^)/。卓球は、3年前浅田真央選手が年齢不足で出場できなかったばかりに金メダルを逸したフイギュアスケートと違って高校3年生以下としか定義されていないので昨日生まれた赤ちゃんでも出場可能ですが、実際には連盟は中学生以上を想定しており、特に深く考えていなかった処へ10年前福原愛ちゃんが10歳で決勝戦まで進んだ時誰もがアット愕いたものでした。
此の8歳の平野美宇ちゃん残念ながら2回戦では敗れましたが、1回戦で負けた高校2年生について紙面では武士の情けで名前は伏されましたが、此の敗北に発奮して来年強くなって再び出場するか、或いは自分の不甲斐なさに落ち込み周囲の目もあることだし卓球の世界から去って行くのかどちらでしょうね。勝負の世界では常に敗者の方が得たものが多い筈ですが、問題はその得たものを糧としてどう生かせるかがその人の歩む人生街道の岐路だと思います。
この少女美宇ちゃんが卓球を憶えここまで強くなったのには微笑ましい動機があり、彼女が3歳の時に元卓球選手であったお母さんが自宅の近くで卓球センターを開いた折、お母さんと一緒に居たいばかりに選んだ道だったそうですから可愛いですね。(^^)
年末成田空港国際線の手荷物検査で警察庁のキャリア官僚が規則を超える容量の男性用化粧水(頭が変なんじゃないの?)持ち込みを女子検査員に止められて、検査員に暴行していたことが警察庁での取材で先週分かったとか…(;;)このキャリア官僚は人事課課長補佐を勤める入庁8年32歳のヒヨッコ警視であり乍ら『県警本部長を呼べ!』などの暴言を吐いていたそうです。国が定めた規則を破るなど実に怪しからんバカ役人ですが、人事課では職務倫理の指導担当とは開いた口が塞がりません。(;;)如何に役人の配置が不適材不適所であるかよくわかりますね。以前にも倫理を指導する職にあり乍ら電車内で痴漢行為をして捕まった警官が居ましたが、此処数年警察官と学校の先生の不祥事の多さには呆れるばかりです。何時も頭を下げられている職種の人間は相手が頭を下げているのが肩書きに対してであることを忘れてしまい自分個人が偉いのだと錯覚するのでしょうか。それにしても『県警本部長を呼べ!』とはよく言ってくれましたねえ。本部長は同じキャリア組でも本庁の課長クラスの上位で年齢も一回り違いますから、さも本部長が自分より目下(めした)の職位であるように思わせる発言は明らかに人を欺くものであり、駆け付けた空港配属の警官は意地でも千葉県警の東川本部長に電話して空港まで来て貰ったら良かったでしょうに…(^^)此のバカ役人は駆け付けた千葉県警本部長にどんな言い訳をしたことでしょう。(^^)警察に限らずこんな官僚が我が国にはうじゃうじゃ居て、日本を少し宛蝕んで居るのかと思うと情けなくて涙がでますね。(;;)
今朝の朝刊でメタボの基準が変わることが掲載されていました。それも女性に限って腹囲90cmが75cmとめちゃハードルが高くなり、mm単位で努力されている世の中年女性共は誰もが絶望感に打ち拉(ひし)がれて居られることでしょう。腹囲の基準値と謂うものは身長や体重を勘案して求めねばならぬと考えますが、単に75cmと短絡的な発表は製薬学会と医師会の隠謀でしょうか?
漢字の解答と出題は紙面の都合上来週廻しとさせて下さい。{%一言・ペコhdeco%}
“綸言汗の如し”
松の内も後4日となりました。昨年秋以来各企業の唐突なリストラや契約社員の首切りなどを原因とした雇用の不安定を原因とした不景気が世の中にじわじわと浸透し、そのせいか年の瀬からお正月に掛けてタクシー強盗など血生臭い事件の連続であり、お正月らしい話題には少しも恵まれない暗いお正月となりました。(;;)
大阪府高槻市では先週タクシーが襲われ取り掛かりの人の一喝で未遂に終わり逃走したものの挙げ句翌日逮捕されましたが、“止めろ!何してんねん!”の一喝がなければこの運転手さんきっと殺されていたことでしょう。奇しくも一喝して犯人を追跡したのが毎日新聞販売所の職員で逃走し翌日逮捕された犯人が朝日新聞の販売所の職員だったとは皮肉なお話でした。小生毎日の読者ですから“止めろ!何してんねん!”が五段抜きには納得でしたが、朝日は犯人逮捕後どんな風に紙面をあしらったのでしょうね。今が旬の事件ですから頬被りもできずどんな紙面になったことでしょうか(;;)
暗いできごとばかりの中で少しは明るい話題はないものかと新聞を見ていて、心が癒される話題に巡り会ったのでご紹介しましょう。少子化が嘆かれる世の中となって久しいのですが、お正月の新聞にとっても微笑ましい家族が報道されて居りました。それは大阪府寝屋川市に住まれるTさん(51歳)と奥様(49歳)であり、このご夫妻にはナント!11男4女の子宝が授けられ、上は31歳でおトンボは7歳とか…(^^)現在の年齢から逆算すればTさんご夫妻のご結婚は成人前であり、民法上の最低年齢を待ち焦がれたような結婚だったでしょうからきっと恋愛結婚なのでしょうね。(^^)今から30年も前ではありますが、その頃でも江戸時代お殿様のお世継ぎのような早婚は珍しく又子供を15人産んで育てられた奥様は子育てに、お父さんは生活費の稼ぎ出しにさぞ大変だったことでしょう。上の子と末っ子は24歳も離れていますから、戦争前には良くあった家族風景宛(さなが)ら、貧しかったであろう分上の子が下の子の面倒を見る代りに下の子はお兄ちゃんのお下がりを着て逞しく皆が助け合って心を一つにして暮らして居られたことと思いました。こんなご夫婦こそ国民栄誉賞を与えられるに相応しいのではなかろうかと思った位です。(^^)
15人も兄弟姉妹が居ればご両親も子供の名前を呼ぶのに“おーい、そこの七郎ちょっと来い” “僕は七郎と違うで、八郎やんか!”などとまごつかれることがあったでしょうね。(^^)このお正月にはお孫さんも入れて25人が集まられるそうですからお家の床が抜けないかと心配してしまいます。(;;)理想ばかり高くて吾が身勝手が故に伴侶にも恵まれず30歳40歳過ぎても親掛かりの親不孝者が多い暗くて拗ねた世の中です。前世紀の遺物とも言うべき貴重なこのご家族の皆様方の前途に幸せが訪れることを深く願いました。
もう一つ此も新聞からですが、お正月明け5日の夕刊“明日への話題”に載せられていた含蓄ある記事をご紹介しましょう。お正月のお飾りに用いられる蜜柑の橙(だいだい)が鏡餅に用いられる理由など浅学非才の小生には当然知らぬことでありましたが、橙(だいだい)が縁起物の元祖に由来する理由は、此の蜜柑は木に生った儘にしておくと橙色に色づいた儘落果せずに寒空を越冬し、春には不思議なことに再び青くなり更に愕くべきことには此を数年繰り返すことにあるそうです。私は果実と謂うものは全て春から夏に花を咲かせ夏から秋に結実し摘果若しくは落実することが世の倣いと思っていましたが、こんな不思議な果実があって不死鳥であるために縁起物とされる所以であることを教えられ又一つ賢くなりました。橙(だいだい)は次代の胄(よつぎ)となるために種が熟すのに数年を要することを知っていて、春に再生するために摘果されないよう身を護る手段として、到底鳥類や人間の味覚に適さない過剰な酸っぱさを内蔵しているのではないでしょうか。南天などあの酸っぱさでヒヨドリなどの大好物として食べられていますがあれは実が小さいので噛まずに飲み込めて酸味がお腹に入ってからでは胃酸と混じって分からず、橙(だいだい)を啄(ついば)んで食べるのでは流石ヒヨドリも酸っぱくて辟易するのでしょう。(^^)さすれば人間様がお正月の縁起物だと橙(だいだい)をもぐ(“もぐ”と謂う漢字は手偏に宛と書き送り仮名に“ぐ”を加えますが、アホなエイトクでは変換できず漢検辞典を見ても載っていませんでした(;;)なんでや?)ことは、橙(だいだい)に取っては甚だ迷惑なことであったでしょう。聖書には“魚は人に食べられるためにある”と書かれて居りその類(たぐい)かと思いますが、人間様って何でも自分の都合の良いようにばかりで聖書だって随分手前勝手ですよね。いろいろ考えさせられるお正月明けでした。
毎日の“発進箱”によれば暮れから年始に掛けて東京タワーの聳え立つ霞ヶ関日比谷公園の一隅に設けられた“年越し派遣村”で職や住まいを失った大勢の人達を支えたのは、行政などではなく1700人にも上るボランティアによる実行委員会の皆様であったそうです。開村中の6日間全国から野菜や米が届き資金カンパは2300万円を超えたとか…(^^)労働、医療、生活相談から散髪コーナーまで設けられたそうですが、きっと阪神淡路大震災の被災者の方々もあの時の恩返しに多くボランティアに参加されたことと思いました。(^^)
路頭を迷う人達に対し、一番に率先して救いの手を差し伸べねばならぬ政府や自治体が手を拱(こまぬ)いているばかりで全く動こうとはしなかった姿が改めて浮き彫りにされ巷から批判の嵐が沸き起こりましたが、行政は100年に一回と謂われる経済恐慌での非常事態であるにも関わらず、今後オンブに抱っこの前例となって何れ踏襲を迫られることへの恐怖感が彼等を金縛り状態にし無策に終始したものと思いましたが、全く役人の頭の柔軟性に乏しいのには呆れるよりありません。こんな時こそ行政の出番ではないのか!
又、職も家も理不尽な会社に奪われ、糧を求めて藁にも縋る思いで派遣村へ辿り着かれた人達に対し、総務省の坂元哲志総務政務官の如きは不遜にも“本当に真面目に働こうとしているのか?”とは、派遣村の住民達の心を逆撫でする余りにも酷(むご)い言葉でありました。確かに幾人か便乗組があったかも知れませんが、それは何処の世界でもあることで、“それを言っちゃお仕舞いよ”
“綸言(りんげん)汗の如し”(天子の言われた言葉は身体から出た汗のように取り返しが付かぬものだ)とは発言を撤回できないことを意味する古来からの有名な格言でありますが、政務官は謂わば政府のスポークスマンであって昔風に謂えば天子の言葉ではありませんか。
このように事態の深刻さを自覚しない政府の発言は、非常識極まりないものでありますが、9時から5時まで只何となく机に座ってさえ居れば定年まで俸給が与えられるお役人こそ“本当に真面目に働いて居るのか?”と問いたくなりますね。麻生総理の謂う“政務官は発言を撤回したからいいじゃないか”で到底赦されるものではありません。と言って、総理に“綸言汗の如し”と進言しても理解されずにキョトンとされるばかりでしょう(;;)、如何して誰も怒らないのか!
先週の答え
“黙す”この字は“もだす”と読みます。古文に堪能な方ならご存じだったと思いますが、字の通り“黙っている”ことを昔はこう言っていました。白川静先生の“字統”には“黙”は“だまる”“もだす” “しずか“と書かれており、送り仮名が”す“であれば”もだす“が正解となります。万葉集では“辱(はじ)を忍び、辱を黙(もだ)してこともなく、もの言わぬ先に我は依りなむ”又、徒然草では”世の人逢いあうとき暫くも黙(もだ)すことなし、必ずことばあり…”のように用いられて居ました。
白川先生の訓読み編辞典“字訓”によれば“黙”(もだ)を動詞に活用したものであり、“黙る”(もだる)とも謂うそうです。小生の愚考する処では“黙(だま)る”がものを言っていて中途から言わなくなりことであって、“黙(もだ)る”は始めから沈黙を守ることを意味するのではないかと思いました。
或る意味で常用漢字の表外読みと謂えるでしょうから、漢検辞典には登載されていない“読み”でもあり、準1級のテストに出題されれば今の大学生なら国文科の生徒でも古文を専攻していなければ正解率は10%を割るでしょうね。(;;)
来週の出題
“母”と“毋”は同じ字でしょうか?
蟻が巨象を斃(たお)す
新年開けましておめでとう御座います。元日の朝は幸い晴天に恵まれ、暗雲が垂れ込めた今年一年の日本経済も斯くありたいと願いました。
拙(つたな)いブログではありますが、本年も宜しくご愛読をお願い致します。
愈々明日から仕事始めとなり年末調整の後始末に当たる諸官庁への提出書類の作成に掛かることになります。本年よりこれら書類の提出が電子申告とされて送信が煩雑となり、我々戦前派のアナログ人間には少し宛住み難いデジタル環境が訪れようとしていますが此も時代の推移であり享受せねば生きて行けなくなりました(;;)
皆様のお正月は如何でしたか。極端な円高で何時もより超安上がりの外国旅行となりましたが、それでも不景気のせいで例年より出国者は数万人少なかったとか…(;;)昨年秋から我が国の経済情勢の極端な悪化による多くの失業者が続出し、職だけでなく寒空の中を宿舎まで追い出されホームレスにまでなった方が多い世相の中をまるで他人事(ひとごと)のように我関せずの海外旅行など私など到底信じられぬ思いです。零細中小企業は当然として大企業まで大赤字が予想され周章狼狽の越年となって居ますが、旅行者の彼等には明日への不安がないのでしょうか、日本人と言う人種はもっと他者(ひと)の痛みの分かる人種かと思っていましたがこんなに刹那主義の人達ばかりだとは情けないですね。それとも自分の勤めている会社だけは…などと楽観している手合いが多いのかも知れませんが、こんな人に限って近く明日は我が身であることを思い知り、海外旅行で虎の子の貯金を失ったことを後悔することになるでしょう。(;;)
昨年暮れに事務所玄関前のレタス畑に水を遣っていると、何やら葉に止まっているのでよく見ると三角バッタではありませんか。懐かしやこの三角バッタは毎年夏になるとうちのレタス畑の招かれざる客人として私を始終悩ましましたが、自然の摂理でキリギリスの餌として貴重な蛋白源となって彼等を長寿へと導いて呉れることとなりました。11月半ば以降見掛けなくなり爾後玉葱だけではキリギリスも段々体力が落ちて先月17日最後の一匹が儚くなったことは前にお知らせしましたね。その三角バッタの雌が一匹レタスに止まっているのです。何処から来たのか彼女(雄は小さくて雌の1/5)に聞いても答えられる筈もなく、よくぞ寒空を年末まで生き存えてきたものだと感心し、此の儘では凍死するのも時間の問題であり、弱っているようなので早速蟋蟀のアクリル容器に移し蟋蟀に与えるレタスのお相伴をさせることとなりました。夜間暖房のお陰で今朝も元気に蟋蟀と仲良く?レタスを食べています。
然し考えてみれば師走にバッタが飛んでいるなど地球温暖化も此処まで来ると背筋が寒くなりますね。その内蛙もトカゲも冬眠しなくなったりして…(;;)
歳末恒例の有馬記念で1番人気牝馬ダイワスカーレットがスタートからゴールまで一度もトップを譲らずに逃げ切り勝ちで圧勝し、2位には最低14番人気のアドマイヤモナークが入ったため三連単は100万円近くとなり、ワイド、3連複を併せ有馬記念の記録となりました。牝馬の優勝も有馬記念では37年振りとか…、皮肉にも女性上位の時代到来を予感させるものでありましたが、ここ数年来競馬界の人気は衰頽の一歩を辿り、本年は5%も昨年の売上から減少し一般景気の低迷を象徴するものでありました。武豊老いて競馬界の前途も愈々危ぶまれて来ましたね。
先月16日逝去した友人のS君が自分達関西相互銀行の職場の同僚1350名を救うべく数少ない仲間と共に日本一阿漕な住友銀行を向こうに廻して身を挺しての乾坤一擲の勝負を挑み、見事日本の金融市場稀に見る“大叛乱”が成就して、世間から『蟻が巨象を斃した』、『鰯が鯨を呑んだ』と称讃されたのは今から30年も前のことでありました。今週は皆様にこの事件で住友銀行が如何に卑劣な行動を取ったかについて、その全貌並びにS君達の活躍振りの詳細をお知らせする予定でありましたが、S君の奥様から彼がこの事件に関して家では何も喋らなかったのでそっとして置いて欲しいと仰られた言葉を1週間考えて私は筆を折ることに致しました。きっと彼は此の事件について家族を気遣い心配を掛けたくなかったことと思います。そして私に対しても彼が生前此の事件について触れたがらなかったことにも気付きました。彼の苦闘の1年間は人には明かせぬ傷つきと苦悩と共に戦場での10年にも匹敵する過酷な時間ではなかったでしょうか。日露戦争で難攻不落の203高地を陥落させた乃木希典の心境ではなかったかと思いました。近い内にあの世で逢えるでしょうからそのときにじっくりと彼の話を聞いてみたいと思います。
皆様もご年配の方は30年前のこの画期的な事件についてご記憶をお持ちだと思いますが、興味のある方は当時実業の日本社から出版された『“大叛乱”ドキュメント住友銀行VS関西相互銀行』角間隆著(アマゾンで購入できます。又神戸市の図書館で1冊保存されています。)をお読みになれば、如何に当時の住友銀行(三井住友になった今でもそうですが)が悪辣な銀行であるか改めてお分かりになることでしょう。彼等は合併によって関西相互銀行が大阪の底辺地帯を歩き、文字通りドブ板を踏みながら集めた3000億円余の預金を奪い取って富士銀行を抜いて第一勧業銀行に次ぐ業界第2位に浮上する野望に燃えており、大蔵省の認可を要する支店数も労せずに46店増加する魅力は大きい反面、京大出で固めた住友とは学歴の劣る不用な1350名の従業員は切って捨てる予定でありましたから、関西相互銀行の従業員達の叛乱は当然ではありましたが、S君達にとってはそれこそ我が身を捨てて巨象に立ち向かう蟻達の心境であったことでしょう。
恒例の箱根駅伝は下馬評になかった東洋大が往路復路を共に制して完全優勝を果たし、優勝候補の筆頭駒大は13位と沈みシード権すら失いました。東洋大の優勝は偏(ひとえ)に5区天城越えならぬ箱根越えで9位から4分58秒の差を覆して8人を抜き区間新トップでゴールする奇跡を齎した無名の1年生柏原選手でした。(^^)
それにしても何時も思うのですが、多寡が地方大会である箱根駅伝がTV放映1日8時間ぶっ通しで二日間、新聞は5段抜きトップでの扱いは異様であり、さすれば試合結果が新聞の片隅に辛うじて登載される伊勢の全日本大学駅伝や出雲駅伝には有力選手を温存し若手の登竜門としか考えていない関東有名大学との差は一体何だろうかと考えました。全国には多くの大学がありそれぞれ多くの陸上選手を勧誘していますが、関東地方以外の大学には箱根駅伝への参加資格がないために高校駅伝の有名選手が関東に流れるのは自明の理であり、有名選手の偏在は他の一般学生にも影響を及ぼすこと必然であって、箱根駅伝を主催する関東学生陸上競技連盟も既得権に胡座をかくことなく、全日本学生陸上競技連盟にバトンを託す時代がとっくに到来していると思いますが、少子化の時代を受けて上武大学、城西大学など箱根駅伝でもないと誰にも憶えて貰えぬ学校のPRには千載一遇のチャンスであるために、こう謂う世界は放映権やゼッケン広告など役員達の利権に繋がった柵(しがらみ)に包まれた美味しい処であり、立命館や大体大が参加できる日は先ず近くないと思われます。
常勝駒沢大学のシード落ちは此の学校が本業を疎かにして証券運用に失敗し、学舎が金融機関の150億円の借金の担保とされたことが選手達の志気に大きく影響したに相違ありません。一方優勝した東洋大は昨年12月に長距離部員が電車内でハレンチ事件を起こし、練習自粛までして出場すら危ぶまれていましたが、今回の最優秀選手柏原選手を発掘した川島監督が切腹(引責辞任)することで出場が認められた経緯があり、此の事件が与えた選手達への緊迫度がよもやの優勝を齎したものでありましょう(^^)
先週の問題の解答
柿“かき”と柿“こけら”
“かき”と“こけら”(木の削り屑の意)は元々異なった字でありその証拠に字画が違っており、“かき”は9画で“こけら”は8画です。筆順を調べてみると柿(かき)は旁りの筆順が鍋蓋の次に巾を書きますが、柿(こけら)は鍋蓋が一でありチョンを併せて縦棒が一本になる処から8画となる所以です。因みに柿(こけら)は漢字検定1級の配当漢字にも入らない難しい字ですが筆順を除いて同じ字体なのでパソコン上は環境依存文字(JIS第3水準乃至第4水準の漢字を呼び、他の機械に送信した場合、文字化けする可能性が高い字)にもされず異端児となっています。
今週の問題
“黙す”
仮名付けの問題です。意味も同時に答えて下さい。漢検辞典では載っていませんからテストで出題されると狼狽えるでしょうね。(;;)
銀行は狡いぞ!
愈々年の瀬を控えて慌ただしく、師走と云うのは何故か昔からおかしな言葉であって走り回っているのは未だ内定の取れぬ学生とよもやの内定取り消しの学生達であり、先生は学校がお休みとあってはのんびり自宅で寛がれ、我々零細企業達が月末支払いの資金繰りに逐われ東奔西走の大晦日を迎えようとして居ますから全く割が合いませんよね。(;;)
100年に1回と謂われた地震が私達の住む神戸や周辺地域を悪夢のように訪れたのは確か14年前でしたが、今年は世界中が100年に1度の津波と謂われる経済恐慌に襲われることになりました。(;;)
昔アメリカが嚔(くしゃみ)をしたら日本は風邪を引くと揶揄されたことがありましたが、今や自動車大手ビッグ3の破綻を迎えてアメリカが肺炎になって死地を彷徨(さまよ)うが如くであり、その結果日本は90円を割ろうとする凄まじい円高に追い込まれる羽目となって我が国を支える輸出産業は致命的なダメージを受けていますが、愚かな政府は第二次補正予算案の国会提出を見送り、怒濤の如く我が国を襲おうとしている景気と雇用の不安に対し、狼狽える術(すべ)しか知らぬのは痛恨の極みと言わねばなりません。それ故国民の全てが物価高による生活苦、そして派遣切りによる自殺者や食べて行くための犯罪者の急増と三重苦が年末から新春に掛けて延々と続きそうです。比較的貧富の差が少なかった我が国ですが、お正月には年末年始を家族連れ海外旅行の楽しげな人達と会社を解雇されて路頭に迷い家族一家心中など暗いニュースの両極端が明暗併せて報道されると思われます。何処でボタンを掛け違ったのか突然起こった此の深刻な社会不安に対して一体我々はどう対処して行けばよいのでしょうか?他人事(ひとごと)と思っていた不幸も明日は我が身かも知れません。こんな時代に貧しい人の心根も察せられないお金持ちの御曹司が総理大臣だなんて世の中皮肉です(;;)♪どう咲きゃいいのさこの私、夢は夜開く♪と藤圭子のナツメロ演歌でも捨て鉢に歌ってふて腐れるしかありませんよね。(;;)
1年前コープの片隅で売られ枯れ掛けていた小さなセントポーリアを値引価額120円で買い求め、冬は昼間窓辺で暖を取り激寒の夜は蟋蟀の電気座布団にお相伴し、春に葉挿しして事務所の玄関のカウンターで育てた苗が大きくなり、お正月を前に見事に花盛りを迎えましたのでご覧頂きましょう。(^^)僅か巾横8cm縦が4cmのミニ鉢ですが現在花が7つと蕾が6つ付いています。こんなに花を付けると株(根)が負担に耐えかねてダメになりそうですが、葉挿しで幾らでも増殖できますので、此の儘咲き続けさせて行こうと思っています。(^^)
二つ目の写真は葉挿しをして新芽が出たものです。新芽がもう少し大きくなると葉挿しの葉は我が身を削って子に尽くし、新しい新芽に蓄えていた栄養を全て与え終わると満足気に軈(やが)ては枯れて行きます。子を虐待したり殺したりが日常茶飯事となっている昨今ではありますが、世の中の親達もセントポーリアを倣って斯くありたいですね。
20年前に亡くなった鶴田浩二の“傷だらけの人生”の歌の文句ではありませんが、右を見ても左を見ても希望のない真っ暗闇の世の中じゃありませんか。せめて可憐な花でも愛でて暗い浮世を暫し忘れることに致しましょうか。(^^)
師走の或る日、みずほ銀行に置いていた半年定期が満期となったので、三井住友に移しました。理由はみずほ銀行の株価が20万円(50円株として200円)台と低調であり、株価300円以下の会社は一般的にボロ会社と謂われているし、一株30万円を超え40万円に達している三井住友の方が少しはマシかと思ったものですが、三井住友で定期にしようと利率を聴いたらナント0.17%と篦棒に低く世界的な金融恐慌の結果が何処の銀行もこんな数字になったようです。(;;)
余りに酷い数字だし普通預金の金利を聞いたら0.12%と余り大差なく、腹が立ち“それなら普通預金に置いときます”と言ったら女子行員の態度が急に掌を返したように変わってパソコンの画面を見ながら“お客様はみずほの預金からで御座いますね、他行からの預金を定期にされる時は当行では特別優遇金利が適用されることになって居りますので0.7%の6ケ月定期が御座います”と宣われました。“それならそうと早く言わんかい!”と内心思いましたが、こんな時代でも定期預金を増やすことで行員にも若干の成績が付くらしく、私から普通預金云々の言葉を出さなかったら定期の金利を0.17%にされる処でした。銀行ってメチャ狡いぞ(;;)
後でみずほ銀行に聞いたら矢張り他行からの預金振替に対しては優遇金利が適用されるとか…(;;)此からは少し煩雑ではありますが、半年ごとに三井住友とみずほの定期を交代させることで我が家の恒常的な経済不況を少しでも補って行きたいと思いました。それにしても他行の預金で優遇金利など金融機関の他行を蹴落とそうとする足の引っ張り合いはせこくて見苦しいですね。我々も他行の預金を振り替えた証拠になる手数料840円の支出もバカにならず、結局銀行だけ儲けているのではないのか!(;;)
先々週の金曜日将棋の渡邉明竜王24歳が竜王タイトル戦で天下の羽生善治4冠(名人棋聖王座王将)38歳に3連敗後4連勝と将棋界では初の快挙を収め、史上初となる永世7冠に王手を掛けた羽生善治の野望を挫くと共に自身5連覇で永世竜王の資格を獲得致しました。
渡邉明竜王は昨年史上最強のコンピュータソフトと公開対局を行い苦戦の末辛勝しましたが、此の勝利によりプロ棋士の意地を見せたことで有名になりました。彼はコンピュータソフトとの対局に際し誰と指すより遥かに緊張したことであろうと思います。将棋の場合囲碁と違って狭い81路ですから何れはソフトがチェス同様プロと対等に戦える日が来ると予想されていましたが、ソフトを作っているのは羽生名人ではなくアマチュアですから、本来ならソフトの勝てる道理がないのにどうしてそんなことが可能なのかと熟(つらつら)考えてみるとプロの負ける原因は人間の持つ煩悩にあると思いました。ソフトは常に局面に応じて無機質に最善手を指しますが、棋士の方はどんな聖人君子であっても家庭の問題や金銭問題、健康問題など幾つかの煩悩を抱えて居ますから、それらが無意識に着手に対する判断に影響を与えて煩悩のないソフトが互角に戦えるのではないでしょうか。然し人間独特の感性である右脳の働きがコンピュータソフトには全くありませんから、勝負の分かれ目はプロが自己の煩悩を押さえて余りある右脳の働きが発揮できれば勝ち、さもなくばコンピュータソフトの勝ちとなると考えられましょうか。
芸事も学問もどの世界でも似通ったものですが、音楽で身を立てるにはそれなりの音楽大学に入りそれなりの先生に師事して門下生となる処からスタートしないことには本場所の土俵に上がれない封鎖社会であることは世間の常識であり、以前お知らせしたワンチャンスのポールポッツの様な方は例外とされている特殊な社会でありますが、今回『合格者はニューヨークのカーネギーホールで一流演奏家と競演ができる!』と銘打った斬新な試みが発表されました。主催者は米検索エンジン最大手のグーグル傘下で動画投稿サイトを運営する当ブログでお馴染みの“you tube”でありネットを通じて世界の逸材を発掘する試みとなりました。
応募資格は満14歳以上であれば、学歴など問われずに誰でも良くて参加希望者はバイオリンやフルートなどの管弦楽器を用いて中国の現代音楽家タン.ドウン氏の書き下ろした交響曲の楽器指定パートと課題曲に関する単独演奏風景を各5分間録画して専用サイトで投稿するだけでOKとされています。
第一次選考はニューヨーク フイルハーモニックやロンドン交響楽団が担当し、世界で3億人を超す“you tube”利用者の投票を加えて80名の合格者が決定する運びとなっているとか…(^^)此まで独学で学んだ音楽家がどうしても開けることができなかった扉が今回“you tube”の大英断でこじ開けるチャンスが到来しましたから素晴らしい試みですよね。最終審査委員長のサンフランシスコ交響楽団を率いるテイルソン トーマス氏は”ネットを使った捜索環境に注目したい“と今回の実験的取り組みに大きな期待を寄せられたそうです。
皆様の中で興味のある方は応募或いは審査に参加されたら如何でしょうか。第二第三のポールポッツの誕生が待ち遠しいですね。(^^)
先々週の解答
胄(よつぎ)と冑(かぶと) この二つの字は部首が違って居り、世継ぎの胄は部首が月(にくづき)であって、兜の冑は(どうがまえ)で円の中の鍋蓋がない字が部首なのです。違う人が作った字が偶々同じ文字になったものかと思われますが、厳密に謂えば此の二つの字は細部が異なって居り、胄(よつぎ)の(にくづき)が中の二本線が縦棒に接しているに反し、冑(かぶと)の(どうがまえ)の中の二本線は横の(どうがまえ)の縦棒に接していません。漢検のテストでは引っ付いている字と少し突き出た字(例えば浄と隠など)は採点機が容易に判別するでしょうが、はたして此の僅かな接点の有無を判読できるのでしょうか?又こんな字は前後の文章がないと仮名付けもできません。漢字って難しいですね。麻生さんには想像を絶する話であろうかと思慮致しました(^^)
今週の問題
柿(かき)と柿(こけら)“材木を削っできた木片(削り屑)のこと”
此の二つの字は胄同様違う字なのです。胄と違って部首はどちらも木偏です。胄と違って引っ付いている処も離れている処も全く同じです。それではどこが違っているのでしょうか。どう見ても同じに見えますよね?
今年のブログは今週が最終回となります。どうぞ皆様良いお年をお迎え下さい。来春は4日新春号を更新する予定ですので、宜しくご愛読下さい。







