税理士への近道

きっと沢山卵を産んで来年も蛙と共にお庭の主を競って欲しいと願っています。何故かとかげと蛙は相性が悪いらしく一度も一緒にいた時を見たことがありません。蛙も似合いのカップルが誕生し何時も日中は池に浮かべた虫籠に載って仲良く寄り添っています。 {%ureshii%} ブログの都合で写真は１日１枚しか載せられないので来週お見せしましょう。{%warai_a%}
２年位前に“さおだけ屋はなぜつぶれないのか”と妙な題名でベストセラーになった山田真哉とか会計士の書いた陳腐な会計入門の本がありましたが、あの本で本と謂うものは題名で売れ行きが左右されることを実感したものでした。“バカの壁”辺りに触発されたものでしょうが若し中身に忠実に“優しい会計入門”とかの題名では先ず売れなかったことでしょう。この本はあの当時お得意先のＹさんに依頼されて購入し読後感と共に差し上げましたが、題名の都合で仕方なく“さおだけ”に触れざるを得なくなったのでしょう、ごく詰まらないことが書かれており拍子抜けしましたが、先日の新聞記事でさおだけ屋は実は詐欺商法が多いと大きく取り上げられて、“たけや～さおだけー”と言って２本１０００円の筈が、買ったら１本２万４千円だと言われて高いと言ったら凄まれて恐くなってお金を払わされたり、ステンレスの方が長持ちしますよと竿を勝手に物干し台に合わせて切断され２万円もの竿を買わざるを得なくなったり、物干し台まで取り替えさせられ５０万円取られた上領収書も呉れずに連絡先も分からず相談された消費者センターも０６年だけで６０９件にも達するとか、まるでやくざと変わらぬ押し売り商法が横行しているようです。領収書や連絡先が分からぬのでは消費者センターも手の打ちようがなく、買った人の手落ちと言うことで一件落着（してない！）となりますが、元はと言えば客受けを狙った専門書の題名が被害を助長しているのではないかと思っていたら、先週山田真哉氏の弁明が毎日新聞夕刊の“ダブルクリック”に登載されました。彼はあの記事以来メディアから取材の申し込みが殺到し、已むなく私は物干し竿の専門家でも何でもなく、記者から“彼の本が詐欺を助長したのではないか”と言われたが詐欺事件は当時からあったものであり、あの本は決してさおだけ屋について詳しく解説した本などではないので本を購入の際には是非気をつけて下さいなどの釈明文でありましたが、当時から詐欺事件が横行していたのを知っていたのなら尚更さおだけ屋を題名に選ぶことに疑問を持つべきだったと思います。あの本がベストセラーになったのは題名によるものであることは疑いなく、彼か出版社が詰まらぬ題名を付けなければ、本はちっとも売れなかった代りに“さおだけ屋”の被害者も激減していたのではないでしょうか。 {%saiaku%} 山田真哉氏も題名のお陰で初歩の会計入門書が巨利を博したことでもあるし、消費者センターを通じてさおだけ屋被害者の会に印税の半分程度寄付されたらどうですか？少しは罪滅ぼしになるのではありませんか。
この時期になると一番に記憶に甦ってくるのが４５年も前のことですが私の一生の進路を決定した税理士試験です。昔から現在まで試験日は８月の初めと毎年決まって居り、私の時代には会場は今はなき関大の天六学舎が使われ、初日は簿記論と財務諸表論で翌日は所得税法、法人税法、相続税法（当時は消費税法がなかった）であり３日目は確か事業税、固定資産税、国税徴収法だったと思いますが３日目は受験したことがなく何時も二日目が勝負でありました。１科目ぶっつけ２時間のテストは時間と暑さを相手にしての戦いであり、エアコンのない時代でもありましたから、木造の天六学舎の教室は大勢の受験者の発する体温と熱気で将に蒸し風呂の如くであり、額から伝わる汗が絶え間なく目に染み入って、顔や目を拭く手拭いが絞れる程にヅクヅクになる様は、学力テストと謂うより体力勝負の様相でありました。電卓のない時代でもあり算盤に汗が滴り落ちると珠が弾けなくなるので計算時の姿勢に工夫が要ったのもよく記憶しております。 {%tohoho_a%} 今は昔の懐かしくも余りにもほろ苦い想い出でありました。
今春昨年に続いて今年も実施された新司法試験の第一関門である『短答式試験』の合格者発表があり、受験者数４６００名に対し合格者は３５００名近くもあり、実に合格率７６％と高率であったのを皆様ご記憶でしょう。試験委員会は『短答式試験』の合格者に対し既に『論文式試験』を実施しており、９月には約２０００名の司法試験合格者が誕生する予定ですが、このまま行けば単純計算で１０年間に２万人弁護士が増加することになりますが、現在我が国の弁護士の数は約２万人であり１０年後には凡そ倍の４万人に達する計算です。法務省はアメリカでの弁護士の数は国民２９０人に対し一人の割であり、日本は６７００人に一人とダントツに少ないからと無理矢理に促成栽培で弁護士を粗製濫造しようとしているようですが、弁護士を増加させればその質が低下することが避けられなく、又我が国では米国のように道を歩いていて、庭に居る犬に吠えられて精神的苦痛を受けたとか、又嘘か誠か玄関先のプランターに躓いて足を擦り剥いたとかで数億円の損害賠償を訴えられる習慣が未だ芽生えてなく、促成弁護士も仕事がなければ食って行けないので、社会慣習を変えて徐々にアメリカ並みの訴訟社会に移行してゆくことになるのでしょうが恐ろしいことですね。恐らく儲けるのは間違いなく保険会社であり、アメリカでは収入の１０％以上をこれら不測の事故に対しての損害賠償保険に加入していることが常識だそうですよ。
現在は新司法試験の受験資格者は法科大学院修了者に限定されていますが数年後には予備試験が実施されますから法科大学院に入らなくても司法試験への道は開かれることになっています。私は法科大学院修了にどの程度の難易度があるのか、又予備試験がどんなものかまるで知りませんが、今年『短答式試験』合格の平均年齢は３０歳であり、最高齢者は６７歳でしたから誰にも歯が立たぬ試験ではないように思います。少なくとも受験資格を得られた者の４３％が合格する新司法試験はとても魅力的です。そこで提案したいのですが現在税理士試験に挑戦されている多くの若者にこの際新司法試験に進路変更されたら如何かと謂うことです。弁護士になれば税理士資格が附与されますから税理士会に入会の登録申請だけで税理士になることができます。税理士試験は他の資格試験の中で比較的容易な部類に属されていますがその実、税務署の職員にはその退職後のために殆ど無試験に近い特別試験（商業簿記３級程度で合格）で税理士資格を附与するために、その足らずを一般試験により各科目毎に合格者の定員を国税庁が予め決めて居り、点数の多寡で合格が決まるなんて生易しいものではなく、難易度の高さは新司法試験の比でなく、合格者を決める試験と謂うより落とすための試験である雰囲気が強烈に強く、受験者全体の合格率は３％弱（人員にして約１０００人弱）でしかないし、５０歳代６０歳代で合格など聞いたこともなく、５科目を１０年以内（１０年を超えると年齢や体力的に殆どノーチャンスとなります {%gakkari%} ）に合格する確率は１０％程度と宝くじに匹敵する難関であることは知る人ぞ知るでありましょう。私の周囲にも税理士を目指して猛勉強している方が多く居られますが、３年掛かって１科目合格すればラッキーであり、１０年ジンクスを考えれば５科目合格は全く気の遠くなる話で宝籤の方が遙かに確率が高いのではないかと思える位です。然し乗り掛かった船でしょうから、ま、決意の居ることですが、今からでも遅くありません税理士になりたい方は是非新司法試験に進路変更されたらどうかと思います。但し新司法試験にも準備試験合格や法科大学院修了から５年以内に３回の受験チャンスしかないと謂う制限があり、此をクリアできなければ再び準備試験の初手からとなりますが、６７歳で合格の実績もあることだし、如何様に考えても税理士試験より有利に思えますが皆様はどう思われますか？答は１０年後には税理士の登録が一般試験合格でなく弁護士資格によるものの方が多くなることで必ずや証明されるのではないでしょうか。 {%gomenne%} 急がば回れと言いますが、案外急がば近道かも知れませんよ。{%akkanbe%}
今週のゴルフは横峯さくら選手来月２日からセントアンドリュースで行われる全英オープン出場ため渡英中でありお休みさせて頂きます。お父さんの選挙結果がきっと気掛かりでしょうね。{%tohoho_a%}
その代わり例によって故事格言シリーズをお送りします。
『（かみしも）を着た盗人』
（　）内に漢字を入れてその意味を答えて下さい。