夜間早朝加算がたったの500円


先週は寒かったけどお天気の日が多く、冬らしい一週間でしたね。私共の確定申告も愈々佳境に入って参りましたが、事務量として毎年多くなるのが医療費であり一昔前なら医療費の確定申告は保険の効かない金歯位のもので年に数件であり、保険の一部負担金では到底10万円に満たないものでしたが、何時の間にやら薬価などが上がり、更には一部負担金が増加したため老夫婦で入院もしないのに通院だけで一部負担金が10万円を超えるご時世となりました。又一昨年から明細記入が義務付けられて領収書も大きくなり嵩張るために、お年寄りのご夫婦で200枚近い方もあって税務署が考案した医療費控除の袋に入りきれず、三袋にもなる場合がありますが、更に最近の傾向としてデイケアやショートステイを含んだ介護費用との分別が事務的に大変であり、訪問看護は対象内でも訪問介護はダメであり施設からの計算書の内容を充分に確認しないと後日税務署からクレームがつきますが、我々税金屋には介護と看護の区別など見分けられる道理がなく同様に税務署も困ったことでしょう、やっと最近になって施設からの計算書の末尾に医療費の額が明示するようになったので我々も漸く少し楽になりましたがそれでも医療費が200万円近い方には税務署のチェックが入り施設の書いた医療費が否認されることがありますが、専門外の分野で議論をすれば負けるのは我々に決まっていますからこんなときは迷わず施設に税務署との対応させることにしています。そんなやこんなで最近は医療費の計算に要する時間が仕事の半分近くを占める変な時代となりました。(;;)昨今税務署からのETAXへの勧奨が激しく我々も電子申告をすれば税務署へ医療費の領収書を持参せずに済むのですが、そっちの方がもっと大変なので当分は税務署の倉庫を医療費の領収書綴りで満杯にし賑合わしてやろうと努力するつもりで居ます。(^^)
人の噂も75日とか、あの世間を騒がせた古紙問題も誰が損をしたわけでもなく“白い恋人”や“赤福”などと同じように何時とはなく忘れられることになるものと思われますが、古紙配合率が用途によって義務付けられながら現場では単に製紙メーカーと使用業者間で古紙配合率を記した文書を交わすだけで何の手立てもされていないことが実務上一種の慣習化とされていた現状が暴露されて実情は“グリーン調達”と呼ばれる環境配慮を基準に仕入れ先を選別する手法が実際には殆ど形骸化していたことが判明しました。(;;)
古紙が環境に及ぼす影響は謂わば“風が吹けば桶屋が儲かる”式のものであり、一見分かり難いもので、国内的には古紙を中国に売れば益あって害なしのものを原価高を覚悟で古紙配合に拘るのは世界的な環境に配慮したものと高く評価すべきですが、利益追求を一義的に考える製紙メーカーには“何故うちだけが?”と古紙配合に伴う原価高への抵抗が意外と強いのは当然でありましょう。然し世界的に紙の使用量の増加に連れてパルプ材が滅亡の危機に曝されていることは現実であり、パルプ材の需要と供給のバランスがとっくに崩れようとしていることは誰もが周知する処でありますが、古紙配合よりもっと根源的な問題であるパルプ材の植樹等について我が国として積極的に産地国に協力して臨み、棲息する動植物の生態系を崩すことなく彼等が共存できる原始林を保護する手立てをすべきであろうかと考えます。
【紙と森林伐採】
従って我が国の政府は製紙メーカーに一定の古紙使用割合を義務付けるならば、古紙使用に伴う原価高に見合う助成金を製紙メーカーに支払うべきがスジではありませんか。
古紙古紙とこともなげに誰も言っていますが、私が理解できずに不思議でならぬのは古紙の中でもパルプ材を100%使用した純正の紙を使用した古紙と、新聞紙や雑誌など古紙が数十%混入した再生紙と同じ古紙とは思えないのですが、我々自身では判別できませんからどんな紙も混在させて廃品回収に出しますが、製紙メーカーは一体から如何して識別しているのでしょうか。ひょっとしてメーカーには古紙分別機があって、再生紙達はダンボール用にと二度目乃至は三度目のお務めをさせられているのかも知れませんね。(^^)
アメリカ大統領選挙も酣となりましたが、共和党候補のマケイン上院議員がほぼ確定的になったのに反し、民主党では圧倒的優勢と予想されたクリントン候補が球切れ(女だから仕方ないか)となって、ケニア系のオバマ氏に逆転され民主党代表の地位が危うくなりましたが、民主党が勝てば女性大統領、黒人大統領共に奇しくもアメリカ史上初の登場となります。然し如何に自由の国と謂っても、アメリカには保守派も結構多く最後には共和党が引き続き大統領の地位を守ることになると思われますが、万一オバマ氏が選ばれるとなれば南部のKK団など有色人種蔑視の連中が黙っている筈もなく、不運にも彼は間違いなく暗殺される運命にありましょうから、彼にはキング牧師のように自ら次代の捨石となる覚悟ができているのでしょうか。
最近の夜間妊婦や急病人の搬送受入拒否が大阪などで続出し社会問題化していますが、救急車よりの要請に対し各病院が56回拒否とかギネスに申請するためかと思う程の受入拒否頻度には愕くばかりであり、夜間の受話器に断りの音声案内でも録音されているのではないかと思える程です。(;;)これでは何のための救急指定か何のための夜間当直医かと訝しく思いますが、救急指定病院は医療点数が多い特典がありますから、厚労省は消防署より情報を入手して拒否病院の点数加算を打ち切るか、救急指定を剥奪してやればよいのです。処が13日厚労省の諮問機関“中央社会保険医療協議会”は08年度の診療報酬改定案で再診料の値下げが見送られ、逆に妊婦の救急搬送受入体制の問題化に目を付けて“ハイリスク妊娠管理加算”一日1万円を新設し、更に緊急搬送の妊婦受入加算5万円を設け、また勤務医の疲弊を救うためにと開業医の夜間早朝加算を500円新設して一見親切ごかしにカムフラージュし厚労省に答申を行いました。
こう言うのを世に便乗値上げと謂いますが、妊婦救急搬送の5万円は兎も角、開業医の夜間早朝加算の500円には笑ってしまいますね。5000円と10倍にしても先ず開業医が起きてくれるとは考えられませんよね(;;)
又5万円にしても患者が30%を負担せねばならぬし、5万円貰うのは病院であって勤務医ではありませんから、医者が断ればそれまでのことです。それとも病院は5万円を当直の産科の医者達に手当として渡すのであれば、病院の施設や器械の使用料がなくなるので良くて折半か3分の1となりますが、果たして医者と看護婦達で分ければ一人幾許にもなりませんよね。(;;)
先週の漢字の答え
翡翠は(かわせみ)と読みます。難しくて憶えにくい字ですね。
かわせみは、ブッポウソウ目カワセミ科に分類されます。水辺に生息する小鳥で、鮮やかな水色の体色と長いくちばしが特徴ですが、都会の川では見られず鄙びた田舎の清流に行けば稀に見ることができるとか…(^^)この鳥のファンは多くバードウオッチングだけでなくカメラやビデオの撮影に現(うつつ)を抜かせて休日の糧とされている方も少なくないそうです。私はビデオでしか見たことがありませんが、一度見たら忘れられない美しい色をした羽の持ち主で、その羽の色からヒスイと 呼ばれることもあります。
【かわせみ】
翡翠の字は左右どちらの字も訓読みを“かわせみ”と読み、翡は雄で翠は雌だそうです。
麒麟(きりん)と言う字(準一級配当漢字)も左右どちらも訓読みをキリンと読み、麒がキリンの雄で麟が雌です。準一級の教科書からこの話を事務所で皆に話したら女子職員のTさんがショボンとしているので訳を聞くと下の坊やが大人しい子供で“麟”(りん)と言う名前だとか…(^^)名前を付けるときはしっかりその字の意味を調べないとなりませんね。(;;)
漢字は難しいとのお叱りが多く、今週から以前に戻って“格言諺”の問題に戻しましょう。
『石に漱(すす)ぎて流れに枕す』
この格言の意味を答えて下さい。

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夜間早朝加算がたったの500円」への6件のフィードバック

  1. 都筑てんが

    ●なんで急患の受け入れを断るの?
    ・(人員・設備が足りない…などの)物理的問題で、(受け入れると犯罪になってしまうケースがある…などの)法的問題で、断らざるを得ない状態にあり、これは「受け入れ拒否」ではなく「受け入れ不能」なんです。
    ●なんで「専門外だから」が断る理由になるの?
    ・「専門外の患者を受け入れるのは犯罪」という司法の判例(奈良心タンポナーデ事件)があるからなんです。
    ●ベッドが無いなら、廊下で治療すればいいんじゃないの?
    ・「設備不十分な状態で患者を受け入れるのは犯罪」という司法の判例(加古川心筋梗塞事件)があるんです。
    ・そもそも、「ベッド」「ベッド」って言われてますけど、病院でいうところの「ベッド」は、心電図とか、酸素マスクとか、呼び出し用ボタンとか、それを管理する人員とか、それら全て「込み」ですからね。もはや「ベッド」というより「設備」と言ったほうが適当かも。
    ●応急処置してから、他の病院に移すのは駄目なの?
    ・「応急処置の後、他病院に転送するのは犯罪」という司法の判例(上に同じく、加古川心筋梗塞事件)があるんです。

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  2. 都筑てんが

    ●なんで、一度断った病院が、後になって受け入れるなんて事があるの?
    ・救命中であった患者が「落ち着く」か「亡くなる」かのどちらかで、病院側に「空き」が出来たからです。
    ●有名人や金持ちだったら嬉々として受け入れるんじゃないの?
    ・西村真悟議員の息子の飛び降り自殺…アレも、重度のうつ状態で入院の必要があるとされながらも、「ベッドが無い」という理由で入院できませんでしたよね。もはや、コネやカネではどうにも出来ない程に、患者の受け入れが困難な状況なんです。
    ●ぶっちゃけ、人の命より金儲けのほうが大事なんでしょ?
    ・金儲けのほうが大事だったら、そもそも、不採算部門である救急なんて、最初からやりません。
    ●医師が足りないなら、海外から医師を呼んだらいいんじゃない?
    ・本国より遥かに待遇の悪い日本に来る理由が見当たりません。…というのも、実は、日本の医師の待遇は、諸外国のソレよりも遥かに悪いんです。

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  3. 都筑てんが

    ●ドクターヘリを導入したら?空からなら直通でしょ?
    ・ヘリを導入するにも、周囲の建物が邪魔で安全に飛べなかったり(ビルに激突、民家に墜落…の危険性あり)、ヘリポートのある(作れる)病院が少なかったり、騒音問題で導入を反対する住民がいたり…など、色々と問題が山積みなんです…。
    ・あと、ドクターヘリを必要とするほどの重症患者を扱う「3次救急」自体の数が減っていることも問題の一つとなっています。
    ●リアルタイムでベッドの空き情報の分かるネットワーク、システムを作ったらいいんじゃない?
    ・いくら良いシステム、良いネットワークを作っても、医師の手術スピードが上がる訳でもなく、患者を診るための設備が増える訳ではないため、根本的な解決とはなり得ません。
    ・また、それに近いシステムが既にあるのですが、現在、病院側にそのシステムを操作するマンパワーが無いために、空き情報をリアルタイムに更新出来ない…という問題が発生しています。

    返信
  4. 都筑てんが

    ●救急病院が急患を受け入れられないなら、救急病院を辞めちゃえば?
    ・現実に次々と辞め…ていうか、潰れていってるんです…。過去5年で430件以上…。
    ・特に、重症患者を扱う「2次救急」、救急最後の砦である「3次救急」が減っていることが深刻な問題となっています。
    ●1次・2次・3次って何?どれも救急病院じゃないの?
    ・救急病院は、患者の緊急度の度合いによって、「1次救急」「2次救急」「3次救急」…と種別されています。
    ・「1次救急」は、入院や手術の必要が無い患者が対象で、「2次救急」は、入院や手術が必要な患者が対象、「3次救急」は、1次・2次では対応できないレベルの重症患者が対象となっています。
    ・ここ数年、救急医療が不要なレベルの「軽症患者」が、夜間救急…特に「2次救急」「3次救急」に駆け込み、夜間救急がパンク状態になっている事が、深刻な問題となっています。

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  5. 都筑てんが

    「最善を尽くしても、力及ばず患者が亡くなる」という「医療の限界」が、司法のトンデモ判決で「医療ミス」とされて、医師生命を絶たれる人間が次々と出ている現実がある訳で…。
    「割り箸事件(小児科崩壊の引き金)」「加古川心筋梗塞事件」「奈良心タンポナーデ事件」「福島県立大野病院事件(産科崩壊の引き金)」など…。
    「医療の限界」と医療ミス」の区別が付かずに「死んだら医療ミス」と「後出しジャンケン」のトンデモ判決を出す司法。
    医療従事者の叫びを聞こうともせず、「悪者は病院ですよ、さぁ叩いて叩いて」という報道をするマスコミ。
    「昼間は仕事だから、夜になって病院に行こう」と、コンビニ感覚で夜間救急に駆け込む人間や、救急車をタクシー代わりにする人間、他の患者がいるのに「俺をVIP扱いしろ」と要求するモンスター患者。
    この「救急受け入れ問題」は、そういう人間が医療を破壊した結果、起きるべくして起きた(そして、今後も確実に起こる)悲劇です。
    もちろん、そういう状況を放置した行政の責任は大きいですけどね。

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  6. 都筑てんが

    今後、「受け入れ不能」による悲劇は、何度も起きるでしょう。
    「受け入れ不能」の病院が40件や50件…なんて数字も珍しくなくなるでしょう。
    こういった件を扱ったのブログを色々と見ていて「急患を受け入れられないんだったら、救急の看板を外せよ」という人がいましたが、その人の言うとおり、救急医療に携わる人間や、救急病棟自体が消えてしまっても不思議ではないでしょう。
    「今までの教訓は生かされなかったのか」などと言う人も出るでしょうが、「過労死するほど働いても報われない。自分が壊れる前に辞めるしかない」という教訓はバッチリ生かされ、医師や病院が次々と消えるでしょう。
    マスコミの「たらい回し」報道の影で、過酷な現場に耐えられなくなった医療従事者が、過労死、過労自殺していく。
    医師が消える。看護士が消える。病院が消える…。
    そして、それが「受け入れ不能」状態に拍車をかける…。
    その位、今の日本の医療は危機にあります。
    もう「モラル」とか「根性」などでは、どうにもならない所まで来ているんです。

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