明日早や海の日を控え、どうやら本当に梅雨が上がったらしいが、こう暑くなると湿度は兎も角として気温の低かった梅雨が懐かしく思えるから人間なんて勝手なものだな(;;)。
驚いたことには原発から100km以上も離れていた農家の稲藁を原発のセシュームが直撃し、南相馬市などこの稲藁を食べた牛が48頭も各地に出荷され国民の胃袋の入ってしまったことが確認されたと報道されたが、更に福島県から同様の牛が84頭大阪府初め33都道府県に出荷したと発表されて居る。牛肉の流通過程は複雑であり或いは我々の傍にも来ているのかも知れぬ(;;)因って今日の昼食は“牛丼の松屋”を止めてざる蕎麦にした(^^)。
例によって政府は逃げ口上として専門家の口を借り“科学的には100mmシーベルトを超えると発癌リスクが高まるが、4000ベクトルの牛肉を5回食べても被爆線量は0.05mmシーベルトで体への影響は全くない、体内に入っても尿などで排泄されるので影響は半分になる”などとしらこいことを言って居るが、それ程影響が少ないのなら初めから何も言うな!
農林水産省は3月19日に家畜の飼料は屋内で保管したものを使うよう東北と関東の農政局に通知し、県は農業団体などに同22日に伝えたとしているが、農家は誰も聞いて居ず、本当に農水省は通達したのか、又は受けた農政局が単位農協への伝達を忘れて居たのかどちらかだと思われるが何時も乍らお役所仕事の戯けた杜撰さには呆れるばかりだ!被害者の肉牛所有者達5戸は何れも“知らなかった”と話しているそうだ。鹿野道彦農水相は昨夜、“通知が結果として認識されていなかった”と改めて対応の不備を認めたそうだが、この言葉を咀嚼してみると通知が届いていなかった原因が、どうやら農水省側の事務連絡の不手際であったように感じられる。何故なら本当に通知がなされて居たものなら農水省は責任転嫁に居丈高となって各県の農政局を責め立てて居たに違いないぞ!
4月の中頃だったと思うが日経新聞に不定期に連載されて居る姫野カオルコさんのエッセイについて触れたことがあった。今日は暑気払いに姫野さんの破天荒な作品の一部をご紹介し、諸兄のご批判を仰ぎたいと思う。
作家を目指す誰もが同人小説辺りからスタートして世評を窺うのが常であるのに、彼女は無謀にも天下の講談社に飛び込みで原稿を持ち込み、その場一発で単行本出版(雑誌掲載ではなく)を決めさせた類い希な作家だ(^^)。襞(ひだ)の深い生来の倫理観を持つ彼女の作品には独特の悲しみがあり、其処から彼女が何処か心に深い大きな傷を負って居ることが窺えるから、きっと共感されファンになる方は自身が心に傷を持って居る方に限られると思う。
彼女の作品には自身の幼い少女期の記憶を深く掘り起こし幼児の深層心理を抉ったものが少なくなく、2-3歳頃のお便所(絶対におトイレとは書かない)の把手(とって)の色や玄関の鍵穴の形などの鮮明な記憶があるなど異常とも思える生々しい写実性の持ち主であって唯々驚かされるが、8歳頃の実体験を記した“みずうみのほとり”なる小編を読んでとても愕いた。『小学三年生のとき同じクラスの秀子ちゃんは自分と両思いだった子を誰それに横取りされたと怒って居た。“放課後にあの子を誘い出してくれへん?”横取り屋の女の子を私は誘い出し、秀子ちゃんが、秀子ちゃんを好きな子と教室に二人きりになれるよう協力した。秀子ちゃんはスカートを捲ってパンツを下ろし “××”を見せて彼を取り戻したんよ、と後日喜んでいた。秀子ちゃんの行為を私は異常なことと感じなかった』さらりと書かれた此の描写を読んで、身の毛が弥立(よだ)つ思いがした。このさりげない筆致は何故か少しも卑猥な感じを抱かせなかったが、“××”が強力な武器であることを8歳にして察知している女の強(したた)かさを知ってのものだった。秀子ちゃんは三年生ではバストがまだ男を魅せるものでないことを知って考えた挙げ句の発想かと考えたが、それは男の考えであって実は女が幼児の時から男の釣り餌を確乎たる本能として有しているものだと察した。ひょっとしてこの作品での秀子ちゃんが姫野さん自身でなかったかと考えたものだ。
彼女ならではの文章には飾った処がまるで見当たらないがその素朴さが又魅力だ。A子ちゃんは“おばあちゃん座り”でB子ちゃんが“ぺったんこ座り”をして居た…とか(^^)、小説の筋書きとまるで関係がないことまで少女小説の如く細かく状況描写されているのも心和んで微笑ましく、滋賀県生まれの柔らかい関西弁と共に作品の隠し味となって居る。どうやら幼年期の記憶がまざまざと脳裏を巡ってのものと察せられペンの世界では40年以上前の幼児の頃にタイムスリップしその時代に浸られて居るのであろうと考えたのだった。
以前記したように彼女は直木賞を4回も取り損ねられたが、117回直木賞候補にノミエートされた “受難”は誰もがダントツで受賞間違いなしと思ったのに多くの選考者の偏見から受賞できなかった。このとき五木寛之氏が此の作品を激賞され、直木賞でなく芥川賞向きだと述べて居られた。昨年末に芥川賞を受賞した西村賢太の“苦役列車”に見られるように純文学と大衆文学の硲(はざま)は今や判然としなくなって分類そのものが無意味となったような気がするが“受難”を掲載したのが“文学界”でなく“オール読物”だったことが芥川賞よりやや格下の直木賞路線となり彼女の受難を招いたものだろう。直木賞が“何時か何処かで読んだことのある小説”を対象にし、芥川賞が“今まで誰も読んだことのない小説”を対象にするならば “受難”こそ“今まで誰も読んだことのない小説”ではなかったか。いやいや彼女の感性は芥川賞や直木賞の選者を遙かに超えるものであって彼女の深い心の傷と共に永遠に彼らには理解されるものではないだろう。半世紀前フランスにノーベル賞を受賞したアルベーユカミュと謂う思想家が居て実存主義における形而上学的不条理を問うた“異邦人“なる作品の中で“超脱”と謂う言葉が私の若い頃流行ったが、彼女の作品から醸し出される“不条理”は将に深い心の傷が生み出した“超脱”であって、陳腐な感性の持主である芥川賞や直木賞の選者達には先ず手に負えまいと思う。
余談ではあるが“おばあちゃん座り”と “ぺったんこ座り”の何処が違うのだろうか、正しくは“内股座り”と言い、正座した両足の上にお尻が乗らずに前者は直接畳に付いたお尻の横に両足が密着している状態であり、後者は両足がより外に開かれて居る状態を言うようだ(^^)。因みに “C男ちゃんは“ぺったんこ座り”をしたとは書けない。此の座り方は骨盤の関係で女性特有のものであって、此の座り方ができる男性は極めて少ない。疑問に思われるなら一度試されたらどうだろう?△男ちゃんが此の場面に登場するとすれば状況描写に繊細な姫野さんはきっと△男ちゃんは “体育座り”(尻座して両手で両膝を抱える姿勢)をした、と書かれると思う(^^)。
因みに私は “おばあちゃん座り”ができない女性は出産時に帝王切開を選択することになるのかな?などと思ったものだ(;;)。
皆さんがこのブログを読まれる頃にはW杯世界女子サッカーの決勝戦の結果が伝えられて居ると思う。三度目の正直と謂うから過去3分け21敗のアメリカに“なでしこ日本”が一矢を報い、戦後60年余あらゆることにアメリカからずっと欺かれ騙され続けて来た日本の屈辱を是非サッカ-で晴らして欲しいと心から願って已まないが、果たしてチビッコの“技”が181cmの“力”に勝てるだろうか?
アメリカは過去日本に一度も負けていないことが今回きっと大きなプレッシャーになり、思いの儘の動きができないだろうな。日本は負けないことを念頭にプレーすべきだろう。
だけど殆どのファンが日本は勝てないと思っているだろうから、選手もそう思って無欲で戦えば勝機は必ずあると思う。
“勝つと思うな思えば負けよ!”
先週の常用漢字表外読みの答え
蓮華を(累って)輪を作る (しばって)でした
今週の常用漢字表外読みの問題
亡き父を偲ぶ(縁)とする
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