桜前線も随分北上したようです。植物は正直ですから庭の雑草の息吹も愈々本格的となり夜の寒さが却って雑草の逞しさを増幅させているようで蛇苺などもう真っ赤な実を付けて毒々しげに咲いています。遅咲きの盆栽の木瓜(ぼけ)が今年も漸く花を付けました。花も年々少なくなり肥料も遣らずに鉢の僅かな空間で根が回っているに違いありませんから花が終わったら一度根を整理して新しい土に入れ替えて来年は花の数を増やすように努力して見ようと思っています。(^^)
新緑の4月を目の前にして甲子園では球児達の熱戦が続いています。甲子園球場は昨秋より3年計画で少し宛リニューアルされ、内野席のシートが幅広になりましたが、その分総席数が減りましたから、年間を通しての入場料が1席最高60万円(ネット裏)最低で3塁側上段21万円と約4割方大幅値上げをされました。(;;)年間予約されるタイガースファンの懐具合も大変ですが此で優勝できなかったら皆怒るでしょうね。(;;)阪急のものになったからとてそんなに金儲けばかりに走るな!儲けは阪神電車の切符代で充分であり、作るならファンのために試合日のみの年間予約の駐車場でも作ったらどうでしょうか?春夏の高校野球では法外な料金で貸せると思いますよ。(^^)
自分が刑務所に行きたいばかりに18歳の少年が『むしゃくしゃして居て相手は誰でも良かった』と見知らぬ人を線路に突き落とす事件が先週JR岡山駅で起こり、この種の事件の連続は世間を震撼させて居ます。後先を考えずに自分勝手な輩(やから)が最近頓に増えてきましたが、刑務所へ行きたいなどと本気に考えて人を殺したとしたら此の少年は幼稚園児にでも分かる倫理の基本概念が欠如していたに違いありません。
昔から“天上天下(てんげ)唯我独尊”と謂う言葉があります。此は釈尊が誕生されたとき謂われた言葉ですが、釈尊であって言えた言葉であり、自分以外の人の存在を認めない我が身勝手な閉じ籠もり人間の続出など親の過保護のせいなのか、学校の教師が悪いのかそれとも道路特定財源を不正使用した国交省役人達が数多(あまた)存在する社会環境のせいにでもすれば良いのでしょうか。
人間が他者との関わりに於いて自己を認識すると謂う下(くだ)りが、19世紀デンマークの哲学者キエルケゴールの“死に至る病”の冒頭に記されていますが、『人間とは精神である、精神とは自己である、自己とは自己自身に関わる処の関係である』つまり他者なくして自己はあり得ず、他者あってこその自己であればその関係を断ち切ろうとする行為は自己を否定することであり、将にキエルケゴールの謂う“死に至る病”であります。これを彼は“絶望”と呼んで居ますが、このキエルケゴール擬(もど)きの絶望人間が昨今世に蔓延(はびこ)って参りました。
隣人が越してきても挨拶もなければ会っても知らぬ顔が当たり前の世の中の到来では漱石の“草枕”の書きだしではありませんが“智に働けば角が立つ、情に棹させば流される、意地を通せば窮屈だ、兎角此の世は住み難い”時代になりましたね。(;;)
話は元に戻しますが、此の少年の意気地のないところは無差別に相手を選んで卑怯にも後ろから襲ったことであり、同じ鬱憤を晴らすなら如何して中学校時代に苛められた連中を捜し出して標的にしなかったのでしょうか。それなら罪も半減されるでしょうに…(;;)。経済的な理由で進学できなかったのも原因の一つだとか、それらは所詮後付けの理由であり、自らの置かれた環境はそれがどんなに貧しく悲惨なものであっても自(おの)ずから甘受し受容しなければならないのにそれができなかったのは、此の少年の精神年齢が18歳にもなって未成熟なものであったと謂わねばなりません。私も此の年頃では、いっぱしの哲学少年でカントやショウペンハウエルなどに傾倒していましたが、その目的たる命題は“自己とは何か?”でありましたから、自分が“何処から来て何処へ行くのか?”と自己自身の心を追い詰めるために他者を意識していたものです。他者を認識するには先ず自己自身を定義せねばならぬ多感な年頃ではありましたが、他者を否定することは自己をも否定することであり、他者を否定するならば自死して自己を否定すべきが道理と謂うべきでありましょう。こういった事件を起こす少年達が決まって甘ったれた一見普通の子供であり、普段粗暴な問題児でない処に事件の恐ろしさが隠されていると考えます。上手く表現できませんが、今の世の中子供達が言いたいことを言って、したいだけのことをする環境の下で生活すれば、多少人に迷惑を掛ける程度でどんな鬱憤も発散できる筈なのですが、現在の家庭環境や学校教育に於いてそう謂うことができない土壌が何処かに潜んでいるのではないでしょうか。良い子振っている子供ほど恐ろしいのではないかと感じさせられた今回の幾つかの事件でありました。
石原都政の目玉であった“新銀行東京”資本金1000億円が破綻しかけて更なる公的資金400億円の導入が採決されその余りの杜撰さに都民の怒りを買っていますが、如何して斯様な杜撰経営がなされたのか検証してみました。各都道府県には信用保証協会なるものがあって、零細中小企業が金融機関から融資を受ける際に、保証人になって呉れますが、此はあくまで金融機関の審査フイルターを通して篩(ふる)った上で残った企業に金融機関を通じて貸出がなされるものであり、誰もが保証協会の保証を受けられた訳ではありません。処が“新銀行東京”は信用保証協会が金融機関に何となく格上げ変身したようなものであって実態は金利が一般銀行より5-6%と高いだけで実態は信用保証協会と余り変わらないようなものであったため、審査が財務データを基にスコアリングモデルと名付けられたコンピュータの自動審査で行われたために、金融機関の審査フイルターなら篩(ふる)われた微塵のような企業にも無担保無保証で貸金が行われた処に不良債権続出の原因がありました。信用保証協会は銀行のお墨付きを得た企業に年間1%程度の保証料を取る約定であり、貸付金利が年8%の時代は兎も角年1%台の低金利時代になっても同じように1%を取っていましたから、一般市中金利と連動しないお役所式の保証料体系には我々もずっと疑念を抱いていたものです。処が“新銀行東京”にしてみれば銀行に昇格すれば1%から急に6%の利息収入が得られる青写真に有頂天になり、無担保無保証でも上限1000万円では先ず取り逸(はぐ)れることはあるまいと浅はかにも思ったのでしょうが、返すつもりで借りて居ても無担保無保証となれば返したくない手合いが出てきて当然でしょう。おまけに彼等は通常金融機関が行う税務署へ出された法人税申告書控えのチェックなども行わずに所定の用紙に売上高などを記入させて、それをスコアリングモデルで審査して居り、当然に誰でも借りたいばかりに数字を水増しし更に赤字も黒字に変えて書くでしょうからアホな機械が嘘の数字を見抜ける道理がありませんよね、実の処彼等には融資に対する審査能力の持ち合わせがなかったのでしょう。(;;)同じ頃設立された日本振興銀行は事業を開始して直ぐにスコアリングモデルが使い物にならぬことに気付きビジネスモデルに切り替え事なきを得て08年3月期は黒字化するそうですから “新銀行東京”には融資審査に適した人材が殆ど居なかったと思われます。当初金融マンの共感を呼び100人の採用枠に5000人殺到したそうですが、人事担当者は一体から応募者の何処を評価して採用したのでしょうか。融資部門経験年数の書き込み欄が洩れていたりして…(;;)
新年度から急遽融資の審査を外部委託するそうですが、企業秘密の最たる融資審査のノウハウが外部委託とは不思議な話であり聞いたこともありません。外部委託先は大手の金融機関に決まったそうですが、此では“新銀行東京”は只の信用保証協会に過ぎません。その内情報の漏洩で美味しそうなお得意先は少し宛大手に奪い取られて“新銀行東京”の融資先はカスばかり残されるのではないでしょうか(^^)
銀行に籍を置かれた方ならお分かりでしょうが、どの銀行でも本店の融資1課に配属されることがエリートコースに乗って輝かしい未来が約束されたことを意味していました。(^^)
その銀行の真髄とも謂うべき融資の審査部門を市販に近いソフトに頼ったり、外部の金融機関に委ねるなど常識外れも甚だしく“新銀行東京”はまるで銀行と呼ぶには烏滸がましく消費者金融より遙かに劣ったレベルではないかと思えるのでありました。(;;)
鳴り物入りで“新銀行東京”の代表執行役に就任したトヨタグループの再建マン仁司泰正は理想論から“中小企業には“新銀行東京”のような会社が必要だ”と性善説に立って良い子となって融資の審査をビジネスモデルに軌道修正しなかった責任を取らされて07年6月に退任しましたが、先月その後の経営陣は余りの赤字の酷さに自らの責任を遁れるために仁司氏を刑事告訴する検討に入ったそうですから、仁司氏にとっては青天の霹靂であり“如何して僕が?”と愕かれ、ショックが大きかったせいかその後全く連絡が取れぬ状態になったと先週の日経ビジネスに記されて居ましたが、昔から餅は餅屋と謂いますから車を造ることとお金を貸すこととはまるで異次元な事業であることに思い至らなかった石原慎太郎都知事にも大きな読み違いがあったに違いありません。BMWでトップセールスマンとなられた林文子氏もダイエー入りされてからイマイチぱっとせず、同じ物を売る商売でも品物が変われば、人を売る車では力が発揮できても文字通り商品を売る事業ではその才能も発揮しようがなかったものでしょう。さすれば車屋さんと貸金業界では余りにも畑違いでありましたね。(;;)
昨日近くのクリーニング屋さんへ洗濯物を取りに行ったら“来月から1点30円値上げします”と張り紙があり、“小母ちゃん30円値上げはきついなあ”とぼやいたら“油の値上げでやって行けんのです”との返事でした。“小母ちゃん4月から油も25円安くなるそうやで”と言うと黙り込んでしまいましたが、私の次なる質問客にはどんな答を用意したのでしょうね(^^)
今週の女子プロゴルフはお休みです。先週手中にした優勝を逃したさくらちゃんにはよい休養となったことでしょう。(^^)