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国語は学問の原点

 

どう見ても無人化した廃屋の庭ですよね^^。梅雨が開けた庭では雑草の勢いが物凄く昨年まで生えていなかった猫じゃらしが繁茂し、三角バッタの赤ちゃんが先々週生まれて叢をピョンピョンと飛び交って居ます^^。5mm位なので動いてくれないと先ず見落とします。もう少し大きくなれば草の葉っぱを食べるのに飽きたキリギリスの唯一の蛋白源となってくれるでしょう^^。先日何処かからやってきたカマキリも好物である三角バッタの成長を心待ちにしているに違いありません^^。

私は、偉大なる先達大岡信の著作を数冊読んで得た結論として、あらゆる学問の原点が日本語の正しい取得にあることを確信しました。文科省は小学生に英語を教える前に先ず我が国の「聴く、話す」国語をしっかりと教えてください。英語を覚えるようとしても日本語の基礎が欠けていると砂上の楼閣となります。と言うことで、今日は暑気祓いとして特別に小学生国語の問題に挑戦して見ましょう。

1「半、用、元、田、立」2「美、投、見、進、読」3「有、油、夕、勇 遊」4「招 待 愛 燃 呼」5「夕 朝 月 晩 昼」

上記5つの常用漢字群それぞれの中に一つだけ共通しない漢字が混じって居ます。その字を見つけてその理由を述べて下さい。此のテストは仙台の或る小学校の公開授業で実際に行なわれたものです。どうですか?小学生程度などと馬鹿にできませんね。全問正解ならあなたは立派な教養の持主と言えるでしょう。答えは文末にあります。大岡信著「日本語の豊かな使い手になるために」より引用しました。

名古屋の東山動物園からニシキヘビが逃げ出して半年振りに50cmが113cmと大きくなって飼育スペースに戻っていたと報道されました。此奴の飼育は難しいし水中脱皮もするし飼うのは容易ではありません、きっと動物園飼育関係者の仕業でしょう。でなきゃ誰が好き好んで元の牢獄に戻るものか!

中央大学で学生横綱となった矢後(本名兼四股名)選手が僅か二場所で十両に昇進することが決定しました。次に幕内入りしたら四股名を(トンボ)に変えるそうですが(ホントか?)どんな漢字を当てるのでしょう?きっと蜻蛉でしょうね^^。

各地で外来種であるヒアリの棲息が発覚して、定着への阻止に各自治体ではコンクリートの割れ目の補修など懸命です。でも地球上では人間より昆虫が何億年も先に棲息して居るから、ヒアリにしてみれば謂わば人類は外来種だね。ヒアリはどうして怒らないのか!

先週の読めそうで読めない字  刺し身の具(つま)

今週の読めそうで読めない字  木々が色付く(比)

小学生国語の問題解答

1はです、他は画数が5画ですが此の字だけか4画で仲間外れです。2はだけ形容詞で動詞ではありません、訓読みすれば容易に分かりますね。3は音読みの違いです、(ゆ)が正解です、残りの字は全て(ゆう)と読みます。4は訓読みでです、此の字だけ自動詞で他は相手がなければ成り立たない他動詞であることがお分かりでしょう。5はです、時を表す文字の中に月があります。その訳は「ごはんだ!」と言った子供が居たそうですよ^^。うーん、月以外は全て食事を連想しますものね。子供って鋭いな。

皆様は何問解けましたか?

 

マドンナの幸(さつ)ちやん

桜花爛漫、僅かな期間でしょうが1年で一番良い季節となりました。これで花粉症さえ癒えば申し分ありませんが、杉が終わったら檜と戦後農林省の採った施策が疑われます。クシュンクシュンの毎日がGWまで続きそうなので憂鬱でなりません(;;)。

中高6年間ソフトボール一筋だった孫も今春関西学院に合格し先週の月曜日から大学生になりました^^。入学式行きの晴れ姿を見ましたが最近では昔のような制服もなく私にはリクルートスーツとの区別が全く付かないので何だか大学生と思えず、大学生になって先ず角帽を冠った昔人間の私には全然物足りない感じです。

文学をはじめ音楽、演劇、美術など多彩な分野で評論活動を行われ、1979年から28年間朝日新聞のコラム「折々の歌」で読者を魅了した歌人であり詩人であり文学者だった大岡信が先週5日86歳で病没されました。彼は我が国の知性と言うべき碩学者の一人でしたから巨星墜つと感慨無量です。彼の詩は英語、オランダ語、フランス語、ドイツ語、中国語、スペイン語、マケドニア語と7カ国語にも訳されました、如何に素晴らしい作品であったか誰にも分かりますよね。

彼が2004年皇居での歌会始め選者に選ばれた折、お題は「幸」でした。誰もが「…幸おほかれとわが祈るなり」とか陳腐な歌が続く中、最後に詠まれた選者である彼大岡信の歌「いとけなき日のマドンナの幸(さつ)ちやんも孫三(み)たりとぞE(イー)メイル来る」はご参加の皇族全員をアッと仰天させるものでした。幼ない頃憧憬の対象だった少女からの便りと此れまでに過ぎ去った年月の罪深さを詠った歌ですが、「幸」に掛けた処が秀逸で大岡信真骨頂の歌です。一般募集の詠進歌は格調の高さを優先しますからこの作品では先ず読まれることなく真っ先に「ボツ」とされたと思います。敢えてこの歌を掲げて歌会に臨まれた大歌人大岡信ならではのユーモアとペーソス溢れた諧謔は叙情的で面目躍如でしたね^^。この歌を聴かれた天皇陛下も美智子さまもきっと莞爾と頷かれたのではないでしょうか。泉下では5年前に亡くなった友人の文学者丸谷才一が早く来ないかと彼を待ち侘びていたことでしょう。合掌m(_ _)m。

森友学園に寄附した方は、口を揃えて「幼稚園児が健気に教育勅語を暗誦する姿に感動した」「幼稚園児達が論語を暗誦する姿に心打たれた」と言って居られるが、きっと園児達は森友学園の広告塔にされたに違いない、私だってそんな風景を見せられたらきっと寄附していたと思います。年長者の持つ愛国心を利用した巧みな作戦を用いたのがあの籠池夫妻だったんだろうね(;;)。ほんまに悪い奴や!

稲 妻

三省堂国語辞典  いなずま 雲と雲、或いは地上にあるものとの間に電気が流れるときに筋のように見える強い光

新解さん いなずま 稲光りの別称

明鏡国語辞典 いなずま 雷雨などの時、空中の放電によって生ずる光

新潮国語辞典 いなずま 空中放電のひかり

岩波国語辞典 いなずま 自然に起こる放電に伴って空を走る光

意味はどの辞書も似たものですが、どの辞書も「いなづま」と書いていない。「人妻」は「ひとづま」なのにどうして稲妻は「いなずま」なんだろう?と疑問に思いませんか?答は稲妻それ自身が一つの言葉で「妻(つま)」の意味がないからだそうです。このように二語に分解できないものは「ず」と書くと決められています。誰が決めたの?昭和61年7月に「現代仮名遣い」として内閣告示第一号として発表されました。世の中その頃はバブルの驚倒勃発時代ですがこんな暢気な浮き世離れなことをしていた役人が居たんやね^^。「融通」も同じく「ゆうずう」が正解とされます。今週から岩波国語辞典が仲間入りします。20年前発行の第五版で書棚の隅に隠れていたのを見付けました。

 

上の写真は書けない漢字研究会編纂の「書けないと恥ずかしい漢字」の或るページです。平成17年発行のものです。よく眺めると、この「いなづま」の方が違和感がなく読んでいて自然ですよね。「づ」を「ず」に押し込めた文部省がムリだったみたいだけど誰も文句を言わないのかな?

先週の読めそうで読めない字 鼻緒を挿(す)げる

今週の読めそうで読めない字  お(刑)を受ける