ビンカ

日差しも弱まり本当の秋が近づいて来た。今では体感できる秋はごく僅かしかないからしっかり享受しよう。先週早朝の散歩時に花博士の小母さんの家の前でばったり会い「持つとる?」「ううん」「持って帰り」これだけのヒソヒソ話を耳元で囁かれ写真のビンカ(日日草)の鉢を頂戴した。ヒソヒソ話になるには理由があって、何でも隣のお宅が深夜商売の方で朝6時は就寝直後なので五月蠅いと文句が出るので声が立てられないそうな(;;)。寝入り端は熟睡だから少々の音では聞こえない筈やけどね、隣に気兼ねして道端の立ち話もできぬなど情けない時代になったよな。昔は何処も4時前に鶏が起床を告げて居たが誰も文句を言わなかったぞ。

何時ものみやざき中央新聞からだが、文科省の調査では昨年度不登校の小中学生は12万人に上ることが分かったとか…(;;)、原因は子どもにあるのではなく今の子どもに適応した教育環境が失われて居る学校のせいだそうだ、私のようなド素人でも今の教育が余りにも画一化され子ども達それぞれの個性を無視したものであることはよく分かる。運動会で1等賞の旗がなくクラス別リレーや騎馬戦など昔は運動会の花形だったが今は見掛けない、怪我をさせないためとか足の遅い子を差別しないのが理由だそうだが、普段運動が大好きで勉強は苦手な子も沢山居てその子達が唯一晴れ姿を見せる筈の運動会が1等賞の旗も貰えずに試験の成績の良い子どもだけもて囃される教育環境には全く納得行かないな(>_<)。

人間は皆それぞれ異なった能力を有しているが一部の平均的な能力を持った子ども達だけが今の学校教育に順応していると認められセンター試験を通過して社会のレールに乗り、他の者はスポイルされて放置される。従って全てに60点以上のコピー人間ばかりできて個性的な職人や一芸に秀でた名人が育たなくなってしまったんだね。
昔「異邦人」を書いたアルベール・カミユと謂う仏の哲学者が「超脱」なんて言葉を使って一般的な範疇を超えた能力の持主のことを言ったが、今の教育環境では「超脱」した能力の持主を評価できずにバカと呼ぶ(;;)、みやざき中央新聞に拠ればイギリスの教育アドバイザーのR氏は言ったそうだ「人間は石油などの天然資源を求めてきたが、一番発掘せねばならぬ人的資源の発掘を忘れ殆どの人が自分の才能に気付かぬ儘に一生を終える」此って教育の為すべき一番の役割だよね、R氏の講演からだが、或る少女は小さいときから落ちつきがなく教室で座って居られなくて動き回るので病気だと問題児扱いされていたが、或る医師が母親からそれを聴き、彼女を音楽の流れる部屋に置いて外に出てそっと覗くと少女は音楽に合わせて躰を動かしていた、医師は母親に言った、「彼女は病気でなくダンサーです」、この医者に巡り逢わなければ彼女は「Gダンスカンパニー」を主催することもなかったし「オペラ座の怪人」の振り付けを担当し世界中の人々に感動を与えることもなくタダのバカとして生涯を送ることになったのだ、今の教育って怖ろしいね、身の毛が弥立(よだ)つよね。今の教育に期待できないのなら、皆さんは自分で自分や自分の子ども達の「能力探し」をして見ませんか?
「何の才能もない」のではなく「未だ見付かっていないだけ」ではないかしら?他の人と変わった処を今の教育は指弾するけど本当はその少し変わったトコがその人の優れた能力ではなかろうか。学校の教師や親になど頼らないで自分に隠された才能を自分自身で見付けるのも悪くない。私ごとで恐縮だが私は囲碁を「アタリのポン抜き」から独学で憶えた。不思議がられるが碁は相手がなくても碁盤と碁石があれば棋譜や書籍を見ながら一人で何時間でも過ごせる。私には友人が居ないから何時も独りで碁盤の前に居た。大学1年生の夏休みは家で日中(ひなか)囲碁大辞典を並べて定石を憶え、夕方から碁会所に通って7級から初段(今の5段位)になった^^。全国大会では勝てなかったけどそれは私の能力の限界だったから仕方がない。でも小さい大学だったが学校で一番強くなれたことや近畿地区代表選手に選ばれたことなどが私の生涯の矜持となり、税理士試験でも仕事でも自分の力を存分に信じて臨めることができたから囲碁を嗜(たしな)んだことは正解だったと思っている。然し私の棋力の発見が生まれつき丸みのない角だらけの性格で友人が誰一人できない狷介な性格に起因して居たのは皮肉だった、何が幸いするか分からないね。学校の先生にはずっと嫌われてきたモンな…(;;)。皆様も自分で自分の能力探しをされたら如何ですか?

13年前特許を巡って日亜化学との確執から8億円訴訟を起して敗れ世間の話題となった中村修二氏が怒りの中村から笑顔の中村となったノーベル賞だった^^、円安の時期だし良かったね。過去日本人の授賞者は数え切れないので、お隣の韓国や中国がとても僻んでいるが、もともと頭の作りが違うから仕方がないよね^^、でもそれなら何故日本人は囲碁で彼等に勝てないのかな?
パキスタン17歳の少女マララさんがノーベル賞とは委員会も偉かった^^、旧套墨守の我が国など考えも及ばぬことだ。僅か11歳で女子教育の必要を訴え、タリバンに撃たれ重傷を負ったが奇跡的に恢復した彼女の国連でのスピーチは誰もが理解できる素晴らしい英語だったね、あのスピーチが世界を揺さ振ったんだ。スピーチ最後の一言「Education fast(早く教育を)」は途上国の人達に希望と勇気を与える印象深い言葉だったね。

先週の仮名付けの答え
決して疾(や)ましいことはない 彼は疾(と)っくに逝った

今週の仮名付けの問題
愕いて目を(瞬く) (瞬く)間に通り過ぎた